『仮面ライダー』(1971~73年)に続くシリーズ第2弾『仮面ライダーV3』(1973~74年)の放送50周年を記念し、大人のための変身ベルト「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」最新作として風見志郎/仮面ライダーV3が身に着けた変身ベルトが「CSM変身ベルト ダブルタイフーン」(39,600円/税込)となって発売される。2023年7月7日16時からプレミアムバンダイで予約受付がスタートする。
本郷猛/仮面ライダー1号、一文字隼人/仮面ライダー2号に続く「ライダー3号」である仮面ライダーV3は、1号の「技」、2号の「力」を受け継ぎ、エネルギー源である風力を採り入れるベルトの風車(タイフーン)が2つついているのが大きな特徴。彼の変身ポーズも2号と1号を組み合わせたものになっており、まさに2人の頼もしい後継者として、謎の秘密組織デストロンの攻撃に立ち向かっていった。
「CSM変身ベルト ダブルタイフーン」発売を記念し、風見志郎/仮面ライダーV3を演じた宮内洋にインタビューを実施。仮面ライダー1号、2号の大きな見せ場だった「変身」のビジュアルをさらに強化し、変身ポーズをいかにカッコよく決めるかの工夫や、変身に至るまでのシチュエーション作りにこだわった「役者魂」、そして、変身後の仮面ライダーV3に負けないくらい、風見志郎のアクションに迫力をもたらそうという飽くなきチャレンジ精神について、大いに語ってもらった。
――「大人のための変身ベルト」=CSMでは以前、仮面ライダー1号&2号の「変身ベルト タイフーン」が商品化されましたが、今回はファンが待望していた「仮面ライダーV3」の「CSM変身ベルト ダブルタイフーン」が発売となりました。商品には、宮内さんが新規に吹き込まれた変身のかけ声や必殺技の声、主題歌、BGM、効果音などが収録されています。ベルトから流れる変身効果音に合わせて、変身ポーズを取ることができるというのは、V3ファンにとってはたまらないギミックかと思います。この効果音を聞かれてみていかがですか。
風見志郎の変身ポーズは、第2話で初めて披露したときと最終回とではまったく違っているんです。最初は余裕がなくて、一回の呼吸で「変身、V3!」とやっていたのですが、だんだんと「ムンッ、へん…しん…ッ、ブイスリィィィァァァア!」と、たっぷり間合いを取るようになっていきました。今回の商品に入っている効果音は、ちゃんと後半のポーズに合わせたタイミングになっているようですね。
――おっしゃるとおり、第2話の変身は全体的に素早い印象ですが、だんだんと最初の構えから「溜め」を作られるようになっていきましたね。
まあ役者・宮内洋としては、画面に1秒でも長く映りたいという思いがありますからね(笑)。カメラが回っている間は俺の時間だ、みんなの視線をこっちに向けてやる!という意欲がずっとありました。あまりにじっくり溜めて変身ポーズをやっていると、ある時監督から「お前、もうちょっと尺を縮めろよ」なんて言われたこともありましたけど(笑)、子どもたちにとっても僕自身にとっても、変身は毎週のお楽しみですから。いつも「俺だ俺だ! 俺だよ!!」って思いながら変身していました(笑)。
――変身ポーズに至るまで、とにかく風見志郎が怪人にやられ、デストロン戦闘員の投げる爆弾に痛めつけられる……といった描写が多かったです。ときどき、風見志郎の足元、すぐ近くで爆発が起こったりして、すごくスリリングなのですが、宮内さん自身はどこに火薬が仕掛けてあるのかしっかり把握しているからこそ、あんな危険なシーンが撮れるんですね。
効果の方と連絡を密にして、僕が向こうからカメラの前に走っていくまでに、どこで何回爆発が起きるかちゃんと事前につかんでから、あえてそういう場所に飛び込んでいきました。火薬大好き宮内洋、です! 歴代仮面ライダーキャストの中には爆発の嫌いな人も少なくないと聞きますが、僕だけは「もっと火薬を出せ! もっと大きな爆発を!」と、スタッフを煽りながらやっていましたから(笑)。
――劇場版『仮面ライダーV3対デストロン怪人』では映画館の大スクリーンいっぱいに爆発が起き、風見志郎が吹き飛ばされたりしていました。作品を面白くするために火薬の量を増やし、その中でアクションをこなす宮内さんは本当にカッコいいのですが、各方面から何か注意されたことってありますか。
試写を観た偉い方たちから、よく叱られました。「お前が危ないことをやってケガしたら、お前ひとりが困るんじゃないんだよ。スタッフひとりひとり、家族だっているんだ。みんなの仕事がなくなったら大変なんだからな、わかったな」と。そうすると僕は「はい、わかりました」と言いつつ、また次の撮影でドッカーン!!(笑)
――ああっ、ぜんぜん聞いてない……!
それはもう、怪我や事故のないよう撮影場所の安全を確保した上で、撮影をしていますからね(笑)。動きやすい服装というのも大事です。どんな場所でも柔軟に動けるよう、伸縮性にすぐれたジーンズを用意して臨みました。
――風見志郎のファッションは時期によっていくつかのバリエーションがありますが、すべてはアクションがしやすいため、自前で用意されたものだったのですか。
衣装はほとんど自前でした。風見志郎を演じていたころは、ロケ先の天候や景色に合わせ、もっとも映える色は何かと考えて衣装を用意しました。後の『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975~77年)や『快傑ズバット』(1977年)では、ヒーローを演じるにあたって、一度キャラクターイメージを固定させたあとは衣服をコロコロ変えるものではないという考えに至るのですが、まだ『V3』のころはそこまでの思いがなく、状況に応じた格好をその都度選んでいました。
――後のシリーズ『仮面ライダーX』(1974年)『仮面ライダーストロンガー』(1975年)にゲスト出演したとき着ていたこともあって、風見志郎といえば「紺のシャツ、白ベスト、白ジーンズ」の印象が強いですが、『V3』での着用は数回しかないというのが意外でした。今申し上げた組み合わせは、『キイハンター』第135話「吸血昆虫島 上空異状あり」でも壇俊介が身に着けていたんですね。
自前だったことがお分かりいただけたでしょう(笑)。紺シャツと白ジーンズは、東映映画『現代ポルノ伝 先天性淫婦』(1971年)でも着ています。衣装が自前である理由は、もっとも動きやすいというだけでなく、現場に行って着替えるのが面倒だから……というのも大きいです。そのままの格好で現場入りして、そのまま帰っちゃうとか、横着なことをずいぶんやってましたね。
――風見志郎がデストロンとの戦いで怪我をして、顔面に痛々しいまでの「傷メイク」を施されているシーンが数回あり、いずれも強いインパクトを残しました。ふつう、二枚目の俳優さんはあそこまで顔を傷つけるメイクを好まないような気がするのですが……。
傷だらけのメイク、僕は大好きなんです。ああいったメイクはぜんぶ自分でやりました。毎日放送さんからは「主役なんだから、あんまり顔を汚すな」と注意されましたけれど、風見志郎がひどいダメージを受けていなければデストロンに反撃しても面白くないですから、どんどん凝った傷メイクをやっていきました。観ていて痛そうに見えていたのなら、狙いどおりですね(笑)。
――宮内さんがあまりにも迫力満点のアクションシーンに挑むので、後のシリーズに出演されたライダー俳優の方たちがときどき「こんな危ないことできないと言ったら、スタッフさんから『V3はやったよ』と言われ、しぶしぶ自分もやることに」とボヤくことがあったようです。そんなお話を耳にされたことはありますか?
直接、文句を言われたことがありましたね。「宮ちゃん、やりすぎなんだよ!」って(笑)。
――火薬が大好きで、爆発のあるほうに突っ込んでいく仮面ライダーは、おそらく宮内さんただ一人でしょう。
変身前が敵にやられて、やられて、もうダメだというところでヒーローに変身する。これが宮内洋のこだわりとする「やられの美学」です。だから爆発があったらそこに突っ込むし、川があったらそこに飛び込む、山があったら転がり落ちる……。怪我をしたいわけではないですが、風見志郎のピンチを演出するのに最適な場所があれば、躊躇なく向かって行きたかったんです。
――まさに体当たりで風見志郎を演じ、日本全国の子どもたちを夢中にさせた宮内さんから、今回の「CSM変身ベルト ダブルタイフーン」を購入してくれたファンのみなさんにひとことメッセージをお願いします。
仮面ライダーV3/風見志郎が着けていた変身ベルト、そのままのイメージを再現した商品が誕生しました。「CSM変身ベルト ダブルタイフーン」をみなさんが着けたら、たちまち仮面ライダーV3に変身することができるでしょう。そのとき「俺は正義の味方になったんだ!」と心の中で思っていただいて、その心のまま、小さいお子さんに接してあげてください。ヒーロー番組は教育番組。ヒーローが持つ悪を憎む心、弱い者を守る心を、大人のみなさんから次世代を担う子どもたちに伝えていってほしいです!
「CSM変身ベルト ダブルタイフーン」は、2023年7月7日16時からプレミアムバンダイで予約受付がスタート。
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