「筋トレを始めてからニキビが増えた気がする……」
残念ながら、その直感は正解かもしれません。
しかし、そもそもなぜニキビができるのか、なぜ筋トレによってニキビができやすいのかについて、正しい情報がなかなか世に出回っていないのが実情です。
今回は筋トレによりニキビが増える謎を解説した上で、筋トレをしても極力ニキビを増やさない方法について、データに基づき解説します。
まずはニキビができる3つの大きな原因を押さえよう
あなたはニキビができるメカニズムをご存知ですか?
ニキビは皮膚の中でアクネ菌が増殖することで発生します。
アクネ菌自体は正常な肌の表面にもいる常在菌で、むしろ本来は肌をきれいに保ってくれる存在。
しかし、皮脂や古い角栓などで毛穴が塞がれると、毛穴の中で異常に増殖して炎症を起こしてしまいます。
そしてお肌の環境は筋トレを含め様々な原因で変化が発生するため、ニキビが出やすい人とそうでない人がいるわけですね。
では、なぜ毛穴が詰まりニキビができてしまうのかについて、3つの大きな原因を知っておきましょう。
1.遺伝
これは残酷な事実ですが……ニキビの出やすさは遺伝する可能性が高いといわれています。
具体的には、人によってアクネ菌の増殖を防ぐ力に違いがあるからです※1。
実際にニキビがどのくらい遺伝性を持つのか調べた研究を見てみましょう。
イギリスで行われた研究では、25歳以上でニキビがあるグループとないグループの2つに分け、両親にもニキビがあるかを調査しました。
その結果、ニキビがあるグループは両親もニキビがある率が明らかに高かったんです※2。
結果はニキビがあるグループの両親がニキビ保有率16.8%だったのに対して、ニキビがないグループの両親は保有率4.9%とその差は3.4倍!
髪の毛と同じですが、遺伝子の影響はどうすることもできません……。
※1参照元:Acne: a new model of immune-mediated chronic inflammatory skin disease
※2参照元:The familial risk of adult acne: a comparison between first-degree relatives of affected and unaffected individuals
2.ホルモン
2つ目の原因はホルモンの変化。よく「男性ホルモンが増えるとニキビが増える」といわれますが、ニキビの原因となるのは『ジヒドロテストステロン』と呼ばれるホルモンです。
ジヒドロテストステロンは皮脂の分泌に携わっており、増加にともなって皮脂を増やすことが明らかになっています※3。
つまり、何らかの理由でジヒドロテストステロンが増加すると、肌の皮脂が過剰に分泌されてしまい毛穴が塞がってニキビが発生するわけです。
ちなみに、ほとんどの人が思春期にニキビを経験する理由は、ホルモンバランスの変化によってジヒドロテストステロンが増えやすい状態になるからだそう。
ホルモンは年齢以外にも、食事や運度、睡眠、ストレスなど生活の状況でも変化が生じます。
※3参照元:The influence of sex hormones on acne
3.皮膚の環境
最後は一番イメージしやすい皮膚の環境です。
お肌がテカテカオイリーな状態や不潔な状態が続くと、毛穴が詰まりニキビが出やすくなります。
そして面白いことに、自分の皮脂で詰まるとは限りません。たとえば油を使った調理中には油分が空気中に舞いますが、肌に付着するとニキビの原因に……!
やはり皮膚は清潔に保つことが大事なんですね!
筋トレをするとニキビができる理由とは?
ここまで読んで、勘のいいあなたならピンときたはず。
ズバリ、筋トレをするとニキビができやすくなるのは主にホルモンのせいです!
ニキビの原因になっているジヒドロテストステロンは、テストステロンを材料にして生成されます※4。
そして筋トレをするとテストステロンが増加するため、結果的にジヒドロテストステロンも増えてしまうわけです……※5。
「じゃあ筋トレやめよう」と思ったそこのあなた! もう少しだけお付き合いください。
テストステロンとジヒドロテストステロンは名前こそ似ていますが、全く別のはたらきをします。
悪さをするジヒドロテストステロンと違って、テストステロンは筋肉の合成を促進してたくましいマッチョボディを作り出してくれるんです!
他にも男らしくストレスに負けない精神力やバイタリティ、夜のパフォーマンスにも影響している、まさに全男性に必須のホルモン!
つまり、オトコなら「ニキビが増えるから筋トレをやめる」という選択肢はありません!
※4参照元:Clinical biochemistry of dihydrotestosterone
※5参照元:Endogenous transient doping: physical exercise acutely increases testosterone levels-results from a meta-analysis
筋トレでテストステロンを高めつつニキビを減らす7つの対策
……うんうん、「そうはいってもニキビ増えるの嫌だよ……」という声が聞こえてきますよ。
そんなあなたのために、筋トレでテストステロンを高めつつニキビを減らすための対策を7つ紹介します!
1.ホエイプロテインから植物性プロテインに変える
筋トレを始めてからニキビが気になる方は、プロテインをホエイから植物性に変えてください。
ホエイプロテインを摂取するとIGF-1と呼ばれるホルモンやテストステロンが増加しやすくなるため、ニキビにとっては悪影響だからです。
実際の研究でも、乳製品を摂取するとニキビが増えることが明らかになっています※6。
筋トレのオトモが実はニキビを増やす悪さをしていたわけです!
対策は至って簡単。ソイプロテインやピープロテインなど、植物性のプロテインに変更すれば影響が出ません。
乳製品が好きな人には悲報となりましたが……同じ研究によるとチーズやヨーグルトは大丈夫らしいですよ!
※6参照元:Dairy intake and acne development: A meta-analysis of observational studies
2.低GIの炭水化物を食べる
ニキビが気になる筋トレーニーは白米や小麦粉から卒業し、玄米やそばなど『低GI』の食事を摂るべきです。
『GI(Glycemic Index)』とは、食後の血糖値を上げる速さがわかる指標のこと。低GIの食べ物とは、食べると血糖値がゆっくりと上がる食物を指します。
では、なぜ低GIが良いのでしょうか? 理由は、GIが高い食べ物で血糖値が急激に上がると、ニキビの原因となるIGF-1というホルモンが増加してしまうからです。
逆に血糖値を緩やかに上げる低GI食は、ニキビの原因が出にくいといえます。
韓国で行われた研究でも、10週間低GI食に切り替えたところ、皮脂腺のサイズの縮小、炎症の減少などを確認し、ニキビの改善が見られたと報告されました※7。低GI食の有用性がわかりましたね。
次はどんな食べ物が低GIかなのですが、簡単な覚え方があります。それは、「色付きの炭水化物を食べること」です。
たとえば白米やうどんなど、精製されて白い炭水化物は高GI。一方、玄米やそばなど色がついた炭水化物は低GIですよ!
3.洗顔は1日2回行う
やはりお肌を清潔に保つためには洗顔が欠かせません。
特に筋トレで皮脂が出やすくなっている分、お風呂の時だけではなくもう少しこまめに洗う必要がありそうですね。
では一体どのくらい洗えば良いのか気になるところですが、データに基づくとニキビ肌の人は1日2回洗顔するべきです。
海外の大学が行った実験では、ニキビの悩みを抱える男性を集めて以下3つのグループに分け、6週間洗顔してもらいました※8。
①1日1回洗顔
②1日2回洗顔
③1日4回洗顔
すると、1日1回洗顔のグループではニキビの悪化が起き、1日2回洗顔のグループでは有意なニキビの改善がみられました。
この研究に基づくと、筋トレ後とお風呂、もしくは朝と夕方など、1日2回の洗顔タイミングを決めて実践すればニキビ肌を改善できそうです。
もちろん洗顔後は保湿を忘れずに!
4.ニキビが嫌なら禁煙はマスト
まさか……筋トレでニキビが増えるのを嫌がっているのに、タバコを吸っている人はいませんよね? もし吸っていたら筋トレのせいにするよりも先に喫煙をすべきです。
タバコの煙に含まれるニコチンは、お肌を正常に保つために必要なビタミンCを破壊してしまいます。するとお肌の環境は劣悪になるため、ニキビも増えてしまうんです。
複数の研究データをまとめた信頼性の高い論文でも、喫煙はニキビのリスクを増加させると発表されています※9。しかも、特にアジア人は喫煙の影響を受けやすいとのこと。
タバコを吸っているあなたは、禁煙のイライラをパワーに変えて筋トレを頑張ってみませんか?
※9参照元:Association between acne and smoking: systematic review and meta-analysis of observational studies
5.たまにはヨガでストレス解消
筋トレの継続も大事ですが、ストレスが溜まっているならたまにはヨガでリラックスしてみてはいかがでしょうか?
ストレスはお肌にとってもよくないとわかっており、ニキビの悪化に繋がるリスクがあるんです※10。
そしてヨガは筋トレよりもストレス解消に効果的! 実際の研究データでも、ヨガによってストレスホルモンのコルチゾールが減少するとわかっています※11!
「ヨガは女性がするもの」というイメージがあるかもしれませんが、これ以上ニキビを増やしたくない筋トレーニーの男性にもおすすめですよ。
※10参照元:The Impact of Pyschological Stress on Acne
※11参照元:Beneficial Effects of Yoga Stretching on Salivary Stress Hormones and Parasympathetic Nerve Activity
6.質の良い睡眠を7時間たっぷりとる
筋トレをする方は特に睡眠が重要ですが、健康的な睡眠はお肌にとってもプラスの影響を与えます。
逆に睡眠時間が足りない時や熟睡感がなかった時は、肌の弾力や水分が失われるとわかっているんです※12。そしてニキビへの影響も例外ではありません。
アメリカの研究では、睡眠の質と皮膚病の関係を調査しました※13。すると、睡眠の質が低いほどニキビの重症度が高く悪化しやすいとわかったんです。
必要な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には7時間程度の睡眠が必要であるといわれています。お肌を第一に考えるなら夜更かしをやめて睡眠を大切にしましょう。
※12参照元:“You look sleepy…” The impact of sleep restriction on skin parameters and facial appearance of 24 women
※13参照元:Acne Severity and Sleep Quality in Adults
7.寝室には空気清浄機を設置
ニキビを増やしたくない筋トレーニーは、寝室に空気清浄機を置くべきです。本当は家中に置くのがベスト……ですが、多くの方が毎日最も長い時間いるであろう寝室に置くと効率的。
なぜなら、ハウスダストなど空気中の微細なゴミが肌荒れに繋がってしまうリスクがあるからです。
データ上でも、環境汚染によりニキビが引き起こされることが証明されています※14。
お肌を大切にするなら家の空気にも気を遣わなくてはいけないんですね。ホコリを溜めないよう、掃除も欠かさずにしましょう!
※14参照元:Pollution and acne: is there a link?
8.日々の栄養摂取も大事
先ほど紹介した乳製品や高GI食のような、食事とニキビの関係については現在も研究が進んでいる最中です。
そして、しっかりと摂取することでお肌の状態を改善出来る可能性のある栄養についても明らかになって来ました。
ニキビと食品の関係性を調べた研究では、以下の栄養素がニキビの改善に効果があると示唆されています※15。
- 食物繊維
- ビタミンA
- ビタミンE
- セレン
- 亜鉛
- オメガ3脂肪酸
- ポリフェノール
もちろん摂れば摂るだけよい、というものでもありませんが、積極的に摂取したいところですね!
ビタミンやミネラル類は野菜に、オメガ3脂肪酸は青魚に含まれているため意識するとよいでしょう。いずれも筋トレにとってついでにプラスとなる食品類です。
不足しがちな自覚がある人はサプリメントもおすすめ。マルチビタミンやオメガ3脂肪酸は、コスパの良いサプリメントも広く販売されています。
※15参照元:Significance of diet in treated and untreated acne vulgaris
まとめ:筋トレは継続しつつニキビケアを進めるのが正解!
今回の記事では筋トレとニキビの関係について解説しつつ、ニキビ対策についても紹介しました。
たしかに筋トレを始めてテストステロンが上昇するとニキビが出てしまう可能性もありますが、今回ご紹介した対策を取ればリスクは軽減できます!
むしろテストステロンが向上することで得られる恩恵の方が大きいため、昼も夜も、充実した日々があなたを待ち受けているでしょう!
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