eスポーツやPCゲームの盛り上がりでゲーミングノートPCの人気は高いが、実はクリエイターにも愛用者は多い。ゲーミングノートPCは基本性能が高く、処理の負荷が高いPCゲームを長時間プレイできる強固な設計が行われているため、同じく高負荷のクリエイティブ系の作業も快適にこなせるからだ。今回は、4Kディスプレイを搭載し、よりクリエイターにもオススメのゲーミングノートPCを紹介する。動画編集を行っているクリエイターの試用レポートも合わせてお届けしよう。

4Kディスプレイ搭載で、ゲーミングからクリエイティブ制作まで
マルチタスクを叶える高スペック

  • MSIのゲーミングノートPC「Stealth 15 A13Vシリーズ」(型番:Stealth-15-A13VE-769JP)。実売価格270,000円前後

今回紹介するのはMSIの「Stealth 15 A13Vシリーズ」だ。15.6型の液晶ディスプレイを搭載するゲーミングノートPCだが、まず注目したいのは「4K(3,840×2,160ドット)」表示に対応していること。4Kという高い解像度での快適なゲームプレイはデスクトップPCでも最上位クラスの性能が求められるため、ゲーミングノートPCのディスプレイは4Kに比べて描画負荷が非常に小さくなるフルHD(1,920×1,080ドット)解像度が中心だ。しかし、クリエイティブな作業では、高解像度で撮影された画像や動画を扱うことが多く、4K解像度での表示に対応していたほうが作業効率は高くなる。実際、性能面では満足できるゲーミングノートPCを見つけても、ディスプレイがフルHDなので購入を躊躇するというクリエイターは多いのではないだろうか。

  • ディスプレイは15.6型で解像度は4Kだ。横から見ても色の変化は小さく、視野角は広い

  • 180度開くので相手に画面を見せながら説明するといったプレゼンにも活用しやすい

また、「Stealth 15 A13Vシリーズ」のディスプレイは4Kだけではなく、リフレッシュレートが一般的な60Hzではなく、120Hzと高いのもポイントだ。リフレッシュレートは1秒間の画面書き換え回数を示し、60Hzなら60回となる。120Hzだとより滑らかな描画が可能になるわけだ。1秒間の描画コマ数が増えることで、敵の動きを把握しやすくなるなど、おもにゲームで真価を発揮するが、クリエイティブ用途でもマウスカーソルの動きや画面のスクロールがスムーズになり、見やすさの向上につながる。

  • リフレッシュレートは最大120Hz

基本性能も高い。CPUには、Intel最新世代のCore i7-13620Hを搭載。性能重視のPコアを6基、効率重視のEコアを4基で合計10コア16スレッドとノートPCしては非常に多くのコアを搭載。そのため並列処理に強く、クリエイティブ用途で重要になる複数アプリの同時使用にも対応しやすい。

  • CPUは10コア16スレッドの「Core i7-13620H」を搭載。多くのコアを備えることでエンコードやCGレンダリングなどCPU負荷の高い処理や同時に複数のアプリを起動する使い方にも強い

  • CGレンダリングでCPUパワーを測定するCINEBENCH R23の結果。比較対象がないのでわかりにくいがノートPCとして非常に高いスコアだ

  • PCの総合的な性能を測定するPCMark 10の結果

性能の指標としてわかりやすいのは「PCMark 10」の結果だろう。Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の「Essentials」で4,100以上、表計算/文書作成の「Productivity」で4,500以上、写真や映像編集の「Digital Content Creation」で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべての項目で2倍以上のスコアを記録している。ゲームはもちろん、あらゆる処理に強いことが分かる結果だ。

ゲーミングノートPCの心臓部と言えるGPUには、NVIDIA最新世代の「GeForce RTX 4050 Laptop GPU」を採用。ノート向けのRTX 40シリーズとしては一番下位のモデルではあるが、そこは最新世代。レインボーシックス シージのような描画負荷が軽めのゲームなら4K解像度でプレイできるだけの性能があり、サイバーパンク2077のような描画負荷がトップクラスに重いゲームでも描画負荷軽減技術の「DLSS 3」と組み合わせることで、最高画質でもフルHD解像度に設定すれば快適に遊べる。なお、バリエーションモデルにはGeForce RTX 4060 Laptop GPU搭載のモデルもある。

GeForce RTX 4050 Laptop GPUは、クリエイティブな作業にも有効だ。PhotoshopやPremiereなどクリエイティブ系アプリは、GPUパワーを活用して一部の処理を高速化できるものが多く、NVENCというハードウェアエンコーダーも搭載しているので、CPUに負荷をかけることなく動画の高速なエンコードが可能だ。GPUによる動画エンコードは画質が悪いと言われた時代もあったが、現在は映像制作の現場でもNVENCは活用されている。また、低ビットレートでも高画質ということで注目されている「AV1」コーデックのハードウェアエンコードもサポート。AV1は今後、多くの動画配信サービスが対応する予定となっており、ゲーム配信などの活動を考えている人にとってもオススメだ。

  • GPUには「GeForce RTX 4050 Laptop GPU」を搭載。NVIDIA最新世代のノート向けGPUだ

  • AV1のハードウェアエンコードが可能。OBS StudioやDiscordなど有名な配信、コミュニケーションアプリはすでに対応している

ストレージには1TBとノートPCとしては大容量のNVMe SSDを搭載しており、ゲームのインストールや大容量の動画データにも対応しやすい。しかもシーケンシャルリードで6,671.98MB/s、シーケンシャルライトで4,9832.51MB/sとNVMe SSDでも上位クラスのデータ転送速度を持っており、ゲームのロードやデータのコピーも高速だ。

  • CrystalDiskMark 8.0.4cの結果。NVMe SSDの中でも高速な部類だ

これだけ高い性能を備えていると冷却力が気になるところだが、3基の冷却ファン、5本のヒートパイプを備える強力なクーラー「Cooler Boost Trinity+」を採用。高負荷なクリエイティブ作業も安心して長時間行える。

インタフェースは右側面にヘッドセット端子、USB3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen2 Type-A、2.5Gの有線LAN、左側面にはHDMI出力、USB3.2 Gen2 Type-A、USB PDとディスプレイ出力にも対応するUSB3.2 Gen2 Type-Cを備えている。ノートPCでも2.5Gの高速な有線LAN、充電は基本ACアダプタだが、Type-C経由でも可能と、汎用的なType-C充電器が使えるのは持ち運びが多い人にとってはありがたいはずだ。無線はIEEE802.11ax/ac/a/b/g/n、いわゆるWi-Fi 6に対応で、Bluetooth 5.2にも対応している。

  • 本体右側面。左からオーディオコンボジャック、USB3.2 Gen2 Type-C(データ転送のみ)、USB3.2 Gen2 Type-A、2.5Gの有線LAN

  • 本体左側面。左からHDMI出力、USB3.2 Gen2 Type-A、USB3.2 Gen2 Type-C(ディスプレイ出力、USB PD対応)

HDMIとType-C、2種類のディスプレイ出力があるので外部ディスプレイとも接続しやすい。写真のMSIのSummit MS321UPのような4Kディスプレイと組み合わせれば、4Kを2画面にできるので作業効率はより向上する。

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実際に使ってみると……動画編集やゲーム、オンオフ使えて充実!?

ここからは実際に使用したマイナビニュースのスタッフ(動画編集)のコメントを紹介しよう。

K田さん
K田さん
年齢:29歳
動画編集:仕事でしている
PCゲーミング:経験者(普段プレイするのは原神)

K田さん:4Kで撮影することが多いのでしっかり映像を4Kで確認できる画面なのがよいですね。自分で撮影した映像を見返してみたのですが、発色が良くて、自分で撮影した映像がめちゃくちゃ上手く撮れたみたいな感じ(に見えて)でテンション上がります!

K田さん:ファンが3基も搭載されているのがとてもいいですね! 動画編集の作業やゲームをしていると想像以上にPCが熱くなってくるので必須です。動画配信業務の時など、熱でPCが落ちてしまわないように冷却ファン付きのPCスタンドを別で購入しているぐらいなので、冷却力の高さは欠かせません。

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薄型&軽量でクールなデザイン!
そして、クリエイティブな環境を持ち運び自由!

ゲーミングノートPCと言えば、高性能ゆえにゴツくて重いイメージもあるが、「Stealth 15 A13Vシリーズ」は15.6型と大きい液晶ディスプレイを備えながら、19.9mmの薄さと2.1kgの軽さを実現している。スリムなのでバッグにも入れやすく、ノートPCを持ち運んで会社と自宅の両方で作業するといった仕事スタイルにも対応しやすい。クリエイターにとっては、出先で急な修正作業などが発生しても快適に作業できるスペックを持ち運べるのは大きな強みと言えるだろう。また、デザインもブラックを基調としたシンプルなものなので、場所を問わず使いやすいのもポイントだ。

  • 場所を問わず使いやすいシンプルなデザイン

キーボードはクセのない日本語配列でクリック感もしっかりあり、快適に入力できる。「Enter」や「Backspace」など使用頻度が高いキーが大きくなっているのもナイスだ。バックライトも内蔵されており、暗い場所でも作業しやすい。白色LEDを採用しており、ブラックのボディに対して非常に映えるのもよいところ。

  • キーボードは日本語配列。キーピッチは筆者の実測で約19mmだった

  • タッチパッドも筆者実測で横120mm、縦76mmと大きめで使いやすい

  • バックライトを内蔵。白色LEDでなかなかよい雰囲気を出してくれる

このほかスピーカーには、オーディオメーカー「DYNAUDIO」とのコラボレーション開発によって誕生したサウンドシステムを採用。薄型なので低音は弱いものの、ステレオ感がありボーカルの声はクリアに聞こえる。ゲームや動画を楽しむには十分だ。

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薄型&軽量でクールな高速で高スペック!
クリエイターにも最適なノートPC「Stealth 15 A13Vシリーズ」

「Stealth 15 A13Vシリーズ」は、オフィス系のアプリなど一般的な用途が快適なのはもちろん、ゲームもクリエイティブな作業もこなせるPCならではの“汎用性”を高いレベルでまとめたノートPCだ。とくにクリエイティブな作業はPCのスペックが作業効率に直結する。それは実際に動画編集をしているスタッフ(上記と同じK田さん)の声からも明らかだ。

K田さん:最初は趣味で動画編集をやっていたのですが、スペックの低いPCで無理やり動画の編集作業をしていて、サクサク作業できなかったり、やりたい表現とかができなかったりといったことが多くて、高性能なPCに替えたら、負荷の大きな作業でもサクサク動くので、それまでとの違いにとても感動しました! しっかりしたスペックのPCを買ったことでトライ&エラーもたくさんできるので動画編集の技術を身に着けることができたと思っています。動画編集をはじめるなら「Stealth 15 A13Vシリーズ」のような高性能PCを買うのをオススメします。

これだけのスペックを持ち運べるサイズに集約しているのも大きな強み。これから動画の配信や編集などクリエイティブな作業に挑戦してみたい人、すでに仕事にしているがスペックに不満がある人にぜひともチェックしてもらいたい。

また、最近ではノートPCに外部ディスプレイを接続して作業効率をアップさせる仕事のスタイルも増えている。ノートPCと合わせて2画面にすることで表示できる情報量を増やせるほか、大画面のディスプレイのほうが見やすく、長時間の作業にも向いているからだ。組み合わせるディスプレイとしてオススメなのが、MSIの「Summit MS321UP」。32型と大画面で解像度も4K対応と高い。それにsRGBカバー率98%、DCI-P3カバー率95%と高色域、Delta E≦2と高い色の再現性が保証されており、クリエイティブな作業にマッチしているからだ。Stealth 15 A13VとType-Cケーブルで手軽に接続できるのも便利なところ。 

  • MSIの32型で解像度4Kのディスプレイ「Summit MS321UP」。実売価格は88,000円前後

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Stealth 15 A13V(レビューモデル)

                               
Stealth 15 A13Vシリーズ
メーカー MSI
型番 Stealth 15 A13V(Stealth-15-A13VE-769JP)
ディスプレイ 15.6型4Kノングレア(3,840×2,160)
CPU Intel Core i7-13620H
メモリ 16GB(8GB×2) / デュアルチャネル
ストレージ M.2 SSD 1TB(NVMe)
チップセット
光学ドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU
OS Windows 11 Home
インタフェース HDMI出力、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、USB 3.2 Gen2 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1 、USB3.2 Gen2 Type-C ×1(映像出力、USB PD非対応)、 オーディオコンボジャック
サイズ W358.3×D247.9×H19.9mm
重量 約2.1kg
バッテリー駆動時間 最大6時間(JEITA 2.0)
価格 270,000円前後(3月30日現在)

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Stealth 15 A13V(バリエーションモデル)

                               
Stealth 15 A13Vシリーズ
メーカー MSI
型番 Stealth-15-A13VF-2603JP
ディスプレイ 15.6型4Kノングレア(3,840×2,160)
CPU Intel Core i7-13620H
メモリ 64GB(32GB ×2)/ デュアルチャネル
ストレージ M.2 SSD 1TB(NVMe)
チップセット
光学ドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU
OS Windows 11 Pro
インタフェース HDMI出力、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、USB 3.2 Gen2 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1 、USB3.2 Gen2 Type-C ×1(映像出力、USB PD非対応)、 オーディオコンボジャック
サイズ W358.3×D247.9×H19.9mm
重量 約2.1kg
バッテリー駆動時間 最大6時間(JEITA 2.0)
価格 330,000円前後(3月30日現在)

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