「大人のための変身ベルト」というコンセプトで、劇中プロップのイメージを重視した精密造型、そして変身効果音や劇中BGM、印象的な「名セリフ」をはじめとする音声ギミックを収録したハイエンドユーザー向け商品「CSM」の最新作は、『仮面ライダー555』に登場する変身ベルト「ファイズギア」のリニューアル版=ver.2に決まった。
ver.1の発売(2016年)から7年、後続のCSMに採用された各種ギミックを盛り込み、より完成度の高い商品として生まれ変わったver.2の魅力を、仮面ライダーファイズ/乾巧役・半田健人に語ってもらった。『555』放送から20年という記念すべきアニバーサリーイヤーにふさわしい新商品の魅力を感じ取ってもらいたい。
――今回のCSMファイズギアver.2の商品サンプルをお手に取られた感想を聞かせてください。
7年前の商品もすごく出来がよかったので、見た目はそれほど変わっていない印象ですけれど、中身がすごいんですよ。収録音声などの機能が確実にブラッシュアップされ、ファンにはたまらない仕様になっていると思います。こういうハイエンドユーザー向け商品は、いかに「欲しい」と言わせるかの戦いですから、作り手としても並々ならぬ熱意と努力を形にしなければならず、気を抜けないですよね。
――今回、半田さんによる劇中セリフを多数新規収録されたとうかがっています。『仮面ライダー555』放送から20年を経て、当時のセリフを再現されたときのお気持ちは?
ver.1のときよりも、放送当時のトーンに寄せるよう意識して収録しました。今回はそういう意図がしっかり見えていましたから、より商品にかける思いの強さが伝わるんじゃないでしょうか。ファンの心理としても「いかに当時のイメージに近づけるか」というのはうれしいことだと思います。たとえば昔好きだったアイドル歌手が50年後、ファンの前に立って歌うとき、髪型や衣装などは、少しでも当時の匂いを残してくれたほうがいいんですよ。まったくの新作で、新しい役を演じるのなら今の自分を出せばいいと思いますが、かつて人々から愛された役を再現するのなら、絶対に寄せたほうがいいなと。我々の仕事は、ファンの方に喜んでいただくことですから、その期待に応える工夫のひとつとして、取り組みました。
――『555』では、現在『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でも活躍されている脚本家・井上敏樹さんが全話を書かれていて、各キャラクターの個性を引き立たせる独特な「井上節」というべきセリフ回しが印象的です。
今回、セリフを改めて収録してみて、どれもいい言葉だなとしみじみ思いました。僕が井上さんの凄さを改めて感じたのは、映画『仮面ライダー大戦』や『仮面ライダー3号』『仮面ライダー4号』で乾巧を演じたときでした。これらの作品では別の方が脚本を書かれていて、僕も巧としてセリフをしゃべっているんですけど、それは「巧風」のセリフであって、井上さんの頭から出てくる巧ではないんだなと思ったんです。それほどに、井上さんの言葉は唯一無二であり、巧の人物像を表せるのは井上さんしかいないわけです。別の作品で別の巧を演じているとき、井上さんが作り出す巧のキャラクター性を再確認していました。
――『555』には巧や真理、啓太郎、草加、そしてオルフェノク側の勇治、結花、海堂など、それぞれ濃密な個性を備えた人物が入り混じり、ぶつかり合うことでドラマが生み出されました。ひとりひとりの人物像を井上さんが作り上げ、魅力的なセリフとして表現されているんですね。
放送当時、台本を読んだときにはよく理解できなかったセリフでも、40歳が近づいてきた現在、改めてそのセリフを思い出すとあのころとは違う印象を抱いたりするんです。ちょっとしたセリフにも、いくらでも深読みできるんですね。たとえば巧の「夢持ってりゃ、そんなに偉いのかよ!」なんか、すごく深い。大きな夢を抱いてクリーニング店をやっている啓太郎との対比で、夢のない巧が発した言葉なんですけどね。以前、井上さんに「『555』の中でいちばん愛してるキャラクターは誰ですか」と尋ねたことがありました。すると「そんなもんお前、啓太郎に決まってるだろ!」と即答されたんです。「決まってるだろ!」ですからね。乾巧でもなく、草加雅人でもなく、啓太郎だったんです。
――今回、啓太郎役の溝呂木賢さんと真理役の芳賀優里亜さんの録りおろしセリフ(ファイズフォン通話音声)も収録されますね。CSMとしてのプレイバリューもver.1より飛躍的に高まるようで楽しみです。ところで前回のver.1が出たとき、半田さんご自身は商品をどのように楽しまれましたか?
僕はあまり玩具で遊ぶタイプではないですから、部屋で大事に保管していた感じですね。でも数年前、歌のほうのライブがあったとき、ステージゲストに芳賀さんが来られるというのでver.1を活用させていただいたんです。トークコーナーで『555』のワンシーンを再現しようという趣向で、僕がベルトを巻いて立ったら盛り上がりました(笑)。
――仮面ライダーファイズ関連のフィギュアや玩具などはお持ちではないですか。
当時から商品サンプルなど、いただいたものは大事に取っていますが、すべて集めているわけではありませんね。コレクター気質、マニアではありますが、興味の対象がレコードやギターになってしまいます。多くの方々がそうだと思いますが、のめり込む対象にはのめり込み、そうでないものとは距離を置くという感じです。
――放送から20年という節目の年に、ファイズの商品が出ることについてはどう思われますか。
新商品が出ることは、すごく良いことだと思っています。極端な話、買える、買えないではないんです。いつか手に入れたい!と夢想するだけでも、日々を頑張ったりできるじゃないですか。この世に欲しいものがないほど、むなしいことはありません。良質のエンターテインメントを提供するという意味では、新製品が出る、しかもクオリティの高い商品が出るのはすばらしいことですよね。
――20年にわたって愛される『仮面ライダー555』という作品と、関連アイテムの人気について、ご感想をお願いします。
作品の人気であって、俳優・半田の人気ではないと思っていて、僕自身はどこか他人事のような感覚があります。仮面ライダーの歴史のなかで、これは面白いと思っていただける作品が作られて、僕がたまたまその作品の主役を演じさせていただいただけという。
ベルトの玩具が売れました、と聞くともちろんありがとうございますとは言いますけれど、間違っても驕ったりするような気持ちにはなりません。なにしろ、連続ドラマ初出演&初主演ですからね。右も左もわからずにやっていたから、あのころを冷静に分析なんてできないです。映像を観返しても、ある意味自分じゃないみたいな「こいつ、頑張ってるな」みたいに客観的な見方をしてしまいます。ただ、仮面ライダーファイズ/乾巧は半田健人という人間の代名詞みたいなところがあり、僕を知っている人の半数くらいは「ライダーの人」だと思っているでしょう。そういうところにありがたみを感じています。
――CSMファイズギア&ファイズアクセルver.2を購入されたファンの方たちに、半田さんからメッセージをお願いします。
フィギュアや模型というのは、どうしても「これ、何に使うの」と理解のない人から言われてしまうことがありますね。でも「絵画」だって、部屋に彩りを与えるアートという点では一緒なんです。何の役に立つの、じゃないんだよ。俺の視界にずっと入れておくために在るんだよ!ということです(笑)。お気に入りのもの……たとえば変身ベルトを買って部屋に飾ると、これ自体は輝いているのに、まわりが散らかっていたら台無しだなと思いますね。そうしたら、このアイテムを飾るにふさわしいスペースを作りたくなります。部屋を綺麗にするのは、いいことじゃないですか。欲しかった商品を手に入れること自体が、それを取り巻く環境にも好影響を与える。コレクションというのはそうであってほしいですね。
「CSMファイズギア&ファイズアクセルver.2」(52,800円/税込)は、プレミアムバンダイで2023年1月26日16時から予約受付スタートする。セット内容はファイズフォン、ファイズドライバー一式、ミッションメモリー、ファイズポインター、ファイズショット、ファイズショットホルダー、レッグホルダー、アタッチメントパーツ、ファイズアクセル、アクセルメモリー、プロジェクター。
(C)石森プロ・東映
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