人やモノを日本全国に運ぶためのインフラとして、高速道路は私たちの生活に欠かせないインフラです。
これまでも時代とともに進化を続けてきた高速道路ですが、今後はさらに進化のスピードが早まることを期待されています。その背景にあるのは、AIやロボティクスなど新技術の登場、そして何よりも自動運転をはじめとする自動車技術の発展です。
こうした未来の自動運転社会を見据えて、NEXCO東日本が打ち出している「次世代高速道路」に関する構想。
これから先、高速道路はどのように進化していくのか。ドライブ中のとあるカップルが遭遇した不思議な出来事から、未来の高速道路の姿を紹介しましょう。
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速水 通 (ハヤミ トオル)
大学3年生/就活中 ドライブが大好きで高速道路もよく利用する。“未来の移動”に興味があり、自動車メーカーや交通業界への就職を考えている。移動の話になると熱く語りすぎるクセがある。 |
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道田 早希 (ミチダ サキ)
大学3年生/就活中 彼氏が熱く語る“未来の移動”の話を聞くのが好き。ただ、現実主義なので、あまりにも現実離れした夢物語には鋭くつっこむことも。 |
未来の自分が語る次世代高速道路の姿
トオルとサキは同い年の大学生カップル。自動車サークルで出会い、意気投合した2人はすぐに付き合うようになりました。
ここのところ就活やバイトで忙しかった2人ですが、今日は久しぶりのドライブデート。少し遠くまで車を走らせながら、いつものようにトオルは“未来の移動”について熱く語り始めたのでした――。
……でさ、未来には自動運転が当たり前になっていて、車に乗ったら何もしなくても目的地に向かってくれるようになっていると思うんだよ
じゃあ移動中はずっと寝てればいいからラクだね! |
えー! 寝るなんてもったいない! 移動中は自動運転の仕組みをチェックするチャンスでしょ!
毎回それやる気なの……? |
もちろん! ……あ、もうすぐサービスエリアだ。ちょっと寄っていこうか。
いいタイミングだ! |
え!?
え!? |
※この物語はフィクションです。運転中に携帯電話等で通話したり画面を注視したりすると、周囲の交通状況等への注意が不十分となり、交通事故につながりますので、SA・PAなどで停車してからご使用ください
この先の道路が渋滞してるから、しばらくサービスエリアで休憩していくといいよ! |
だ、誰!?
ていうか、カーナビから出てこなかった……!? |
ああ、驚かせてごめん。とりあえず、これを見てくれ。君たちが向かっていた先の道路で荷物が路面上に落ちたみたいでね。その処理のため渋滞しているみたいなんだ |
ホントだ! でも、なんでそんな情報がスマホで見られるんですか?
高速道路の「リアルタイム全線監視」のおかげだよ! 高速道路では路側にカメラやセンサーを設置して、24時間365日、常に現状を監視しているんだ。そして、得られたデータをもとにAI等で分析することで、様々な異常を高精度に検知できるんだ |
へー! ……いや、待ってください。そんなこと、高速道路でやってましたっけ?
ああ、そうか。この時代はまだリアルタイム全線監視が実装される前なのか |
“この時代”……? あなた、まさか…… |
自己紹介が遅れたな。オレは10年後の未来から来たトオル、つまり君自身なんだ! |
ええー!
たしかに顔は似てるかも…… |
いきなりでびっくりしたけど、でも未来に実現する高速道路の姿を知っていたってことは本物……!? じゃあ質問なんだけど、未来のオレはどんな仕事をしているの?
ふふふ。気になるよな。君が10年後に働いているのは、ずばり高速道路を管理しているNEXCO東日本だ! |
納得! トオル、この人ホンモノの未来のトオルだよ! |
う、うん。どうやらそうみたいだ……
ちなみに今は次世代高速道路に関する仕事をしているぞ |
あ、だから未来の高速道路に詳しいんだ! |
未来の高速道路って、今オレがすごく気になってるテーマだ! なあ、未来のオレ。せっかくだから、次世代高速道路についていろいろ教えてよ!
ああ、もちろんいいよ! なんでも聞いてくれ! |
じゃあ、たとえば今オレたちはサービスエリアに向かっているわけだけど、サービスエリアは未来では何か変わってるの?
いいところに目をつけたな! 現在と未来の駐車場で大きく変わったところといえば「大型車専用のパーキングエリア」ができたことだな |
大型車専用? |
そう。今君たちがいる時代では、バスやトラックと普通の乗用車が同じサービスエリアに駐車しているだろ。だけど、次世代高速道路では大型車だけ駐車できる専用エリアが当たり前になっているんだ |
へー! たしかに、家族連れで小さい子どもなんかがいると、トラックと同じところに駐車するのはちょっと怖いもんね
それも大事な視点だな。ただ、一番の理由はトラックが駐車できる場所を確保するためなんだ |
どういうこと? |
君たちの時代でもすでに、トラックドライバーには休憩義務が法律で定められているだろ。具体的には4時間走ったら、30分間休憩する必要がある。運転で疲れて事故を起こさないための法律なんだが、一方でサービスエリアが混雑している状況も起きてるんだ |
たしかに、そんなに都合よく大型車が停められるスペースが空いてないことも多いよね……
しかも、それだけじゃない! 次世代高速道路では、事前予約可能な駐車マスが整備されているんだ |
え、そんなことができるようになるの!?
実際にやってみようか。オレのスマホから予約サイトにアクセスして……ほら、予約完了! |
うわ! 本当だ! すごい!
……あれ? 今は未来じゃないのに、未来からきたトオルのスマホでまだ始まっていないはずの予約サービスが使えるってこと……? |
まあまあ、細かいことは気にしない! |
そうだぞ! 細かいことはいいじゃないか!
う、うーん…… |
ちなみに、オレ自身もこの事前予約可能な駐車マスの整備に関わったんだが、予約ルールの取り決めや駐車可能時間の調整などで、よく議論したな~ |
大変そうだけど、ワクワクする! 早くそんな仕事をしてみたいなー!
快適な運転を実現する「自動運転専用レーン」と「走行中給電」
おっと、そう言っているうちにサービスエリアに到着したな。トオル、10年後の次世代高速道路はすごいだろ? |
うん! まさかそんなに進化しているとは思わなかったな。未来のオレは、もっと未来に向けて仕事をしてるんだろ? どんなことをしてるんだ?
そうだな。次世代高速道路は31の重点プロジェクトを決めて始まったんだ。10年たっても、まだまだすべてのプロジェクトが実現しているわけじゃない。オレは今もさらに未来の高速道路に向けて仕事をしているんだ |
10年後のさらに未来の高速道路か……! いったいどんなふうになるんだろう
そうだな、10年後を見据えたプロジェクトでオレが関わっているものには、たとえば「自動運転専用レーン」や「走行中給電」なんかがあるな |
なんだか、すごそう! |
まず、自動運転専用レーンは、自動運転車だけが走るレーンを高速道路に設けるという計画だ。自動運転車だけが走るレーンでは今みたいな渋滞も起きないし、誰もが快適に走れるんだ |
それじゃあ高速道路を全線、自動運転専用レーンにしてしまえばいいんじゃない?
それだと、自分で自動車を運転したい人が高速道路を使えないだろ。たしかにオレの時代では自動運転は当たり前になっている。だけど、自動車を自分で運転したい人もたくさんいるんだよ。今、君が自動車を運転することを楽しんでいるようにね |
たしかにそうかも……
次に走行中給電プロジェクトだ。簡単にいえば、高速道路の路面の下に電気自動車用の給電装置を埋め込んで、走りながら給電できる環境を作ろうというプロジェクトだな |
未来では電気自動車も当たり前になっているってこと? |
そうだな。ただ、電気自動車の充電規格が自動車メーカーによって違うから、どうやって基準を統一するかが課題だな。今まさにオレが仕事で苦労しているところだよ…… |
たしかに、メーカーによって充電できたりできなかったりしちゃまずいもんね。未来のオレ、大変な仕事をしているんだな……
まぁ、でもこの苦労の上に“未来の移動”があるんだと思えば、むしろやる気がわいてくるけどね! |
ふふ。トオルは未来でもトオルなんだね |
車が自動で迎えにくる「バレーパーキング」
最後に、オレが携わっているプロジェクトですごいヤツを紹介しよう。それが「バレーパーキング」だ |
バレーパーキング? |
車が自動で駐車マスまで走行し、停車してくれるパーキングエリアだよ。このプロジェクトが完成すれば、サービスエリアで駐車するときや発車するときに、いちいち自分の車の駐車マスまで行かなくてもよくなるんだ。サービスエリアからスマホで自分の車を呼び出せば、駐車マスから自動的に車が目の前までやってくるというわけ! 人の乗り降りがない分、駐車マスをコンパクトにできるから、昔に比べてサービスエリア内で車を停められる台数もかなり増えたんだ! |
す、すごい! これぞ未来って感じだ!
どうだ、昔のオレ。次世代高速道路はわくわくするだろ? 昔のオレの時代からすでにプロジェクトは動き出しているんだ。そして、君は将来、この次世代高速道路プロジェクトに関わることになるんだよ |
ああ! 今からめちゃくちゃ楽しみだよ!
……おっと、そろそろ時間だ。それじゃあ、オレは未来に帰るとするか。今日は結婚記念日だからサキとレストランに行く予定なんだ。 |
えっ……それって……
じゃあな! 2人とも、元気でな! |
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次世代高速道路が実現する“未来の移動”
とあるカップルがドライブ中に遭遇した不思議な体験。未来の自分が語った次世代高速道路の姿に、トオルもサキもすっかり魅了されたのでした。
NEXCO東日本が描く次世代高速道路は、高速道路をより安全・安心に、私たちの生活をより便利にしてくれるプロジェクトです。今回紹介したプロジェクトは次世代高速道路の目指す姿のほんの一部であり、他にたくさんの計画がスタートしています。
今後もぜひ、次世代高速道路が実現する“未来の移動”に注目してみてください。
※この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません
[PR]提供:東日本高速道路株式会社