夏休みやお正月休みに実家に帰省し、今まで“できていたこと”が“できなくなっている”姿に、ふと親の老いを実感する……ということはありませんか? 認知症予防に関する情報があふれている昨今。健康に気を配るシニアの皆さんも多いと思いますが、病気や事故が原因で認知症となり、介護が必要になるケースも珍しくないのです。
今働き盛りの読者の方も、突然介護者になる可能性もあります。そのため、将来親が認知症になってしまった際の介護について、漠然とした不安を感じている人も少なくないでしょう。
そこで今回は、太陽生命保険の子会社である太陽生命少子高齢社会研究所で行われた「認知症介護に関する調査」の結果を元に、介護問題の実情や準備したい備えなどについて紹介していきます。
アンケート結果から見る、認知症介護問題の実情とは
太陽生命少子高齢社会研究所では、2022年8月に認知症介護経験者・介護未経験者各1,000人を対象にアンケートを実施。介護費用や期間といった介護生活の実態、近年注目されている認知症の前段階である「MCI」の認知度はどのような結果だったのか、見ていきましょう。
介護未経験者は、
認知症の前段階「MCI」の認知度が低い?
「認知症」の介護というと、徘徊や多動、妄想などの周辺症状のケアが大変というイメージが強いのではないでしょうか。しかし、認知症はいきなり認知機能が衰えて発症するものではなく、段階を経て発症すると言われています。そこで最近注目されているのが、認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」。
MCIの兆候を早期に発見して適切な対策を行えば、認知症の進行を遅らせることが期待されています。このMCIという言葉の認知度を、認知症介護経験者・介護未経験者別に調べたところ、下記の結果になりました。
- 認知症介護経験者:「知っている」と回答したのは、4割強にとどまる
- 介護未経験者:「知っている」と回答したのは1割強のみ
また、「MCIの段階で適切な対策を行えば、認知機能の維持・回復の可能性がある」についても、認知症介護経験者で知っている人は4割、介護未経験者では1割と極めて少なくなっています。
認知症介護に伴う期間と費用は?
もしも親が認知症になったとしたら、その介護期間や費用はどのくらいかかるのでしょうか。認知症介護経験者に介護期間について尋ねたところ、最も多い回答は「2年~3年未満」の15.8%、次いで「3年~4年未満」が15.2%でした。平均は4.9年ですが、なかには「10年以上」と回答した人も14.7%にのぼりました。
認知症介護費用は全体の「100万円以下」の割合が53.5%と最も高くなり、一方で約7人に1人(13.3%)は501万円以上の費用がかかっており、平均は258万円でした。介護年数が長いほど介護費用が高額になる傾向があります。
また介護費用の確保手段について尋ねたところ、最も多い回答は「被介護者本人の預貯金・資産等」で約9割でした。多くは被介護者が自分で介護費用を準備していたようです。しかし、「介護者の預貯金」「介護者の配偶者の預貯金等」など、介護を行う側が費用を負担しているケースも4割ほど見られました。
介護による仕事への影響について聞くと、介護が始まった当時仕事をしていた人のうち、6割以上が就業日数・時間の減少や離職などによる仕事への影響があったと答えています。そのうち、2割弱の人が自己都合・会社都合を含めた介護離職を経験。介護による仕事への影響があった人のうち、6割以上は年間収入が減少していることがわかりました。
自己都合・会社都合を合わせた介護離職者の年間収入減少平均額は259万円となっています。介護離職者の介護期間の平均は約6年であるため、この数値と掛け合わせると逸失収入(介護がなければ得られたはずの収入)が1,500万円を超える計算となり、介護離職によって大きな経済的打撃を受ける恐れもあるようです。
将来の介護に必要なこと・今から備えたいものは?
認知症介護は終わりが見えないこともあり、長期間にわたる介護離職や就業日数の減少の影響で経済的な影響を少なからず受ける人も多いようです。そこで、認知症介護経験者に聞いた、介護を行う前に心得ておいた方がいいことや準備しておくべきことを紹介します。
認知症介護経験者、介護未経験者
準備の必要性に対する意識の違い
まずは認知症介護経験者・介護未経験者に、認知症介護に対する事前準備への意識を尋ねました。
- 認知症介護経験者:「準備が必要と考える」*の回答が最も多かったのは、「認知症の症状を理解しておくこと」「公的介護保険の仕組みや地域での支援サービスを理解しておくこと」でいずれも97.1%
- 介護未経験者:「準備が必要と考える」*の回答が最も多かったのは、「認知症の症状を理解しておくこと」で78.0%、次いで「公的介護保険の仕組みや地域での支援サービスを理解しておくこと」が76.9%
以上の結果からもわかるように、認知症介護経験者も介護未経験者も、両者が「認知症症状の理解」「公的保険等の仕組み・地域支援サービスの理解」を重要視していることが伺えます。
このことから介護未経験者は認知症や介護保険制度の仕組みを理解しないまま、親の介護をスタートさせている人も多いことがうかがえます。
認知症介護経験者、介護未経験者
資産管理に関する制度に対する認知と活用の有無は?
記憶力や認知機能が衰えると、金銭管理に関するトラブルが起きることがありますが、そうしたときのための資産管理制度として「成年後見制度」「家族信託」などがあります。
認知症介護経験者・介護未経験者にそれら資産管理制度の認知度を尋ねたところ、以下の結果となり、資産管理に関する制度のなかでは、「成年後見制度」の認知度がいずれも最も高くなりましたが、認知症介護経験者の方が知っている占率が高く、そのほかの制度も同様の結果となりました。また、介護未経験者は資産管理制度について知らない人も多いことがわかりました。
認知症をはじめ、さまざまな介護問題の緩和に取り組む太陽生命
2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になると予測されている日本*。
太陽生命では認知症の予防をはじめ、認知症になった時でも本人やその家族が安心して暮らすことができるよう、さまざまな取り組みを行っています。
*厚生労働省「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプランより)」
2016年3月に、ひまわり認知症治療保険を販売した太陽生命。
2018年10月には、認知症になったときの「保障」と「予防」への取り組みをサポートする「ひまわり認知症予防保険」を発売しました。2年に1度支払われる予防給付金を、認知症前段階であるMCIのリスクを判定する「MCIスクリーニング検査プラス(株式会社MCBI提供)」などの認知症予防サービスなどに活用することができます。2022年5月には、これまで販売した認知症関連商品の販売件数が80万件を突破(※2)しました。
(※1)簡単な告知により加入できる選択緩和型の商品で、認知症について保障する保険は生命保険業界初となります(一般社団法人生命保険協会加盟 41 社について、太陽生命調べ(2015 年 12 月末時点))。
(※2)「ひまわり認知症治療保険」「認知症治療保険」「ひまわり認知症予防保険」「逓増認知症治療終身保険」の合計販売件数。
太陽生命では、「シニアのお客様に最もやさしい生命保険会社になる」ことを目指し、シニアのお客様の満足度向上に向け、商品・サービス・制度・帳票・ホスピタリティなど、あらゆる面を「シニアのお客様視点」で見直し、様々な開発・改善に取り組んできました。そして、2022年3月からスタートした「認知症バリアフリー宣言試行事業」(日本認知症官民協議会主催)に賛同。「認知症」についても高齢化社会と同様に社会の課題ととらえ、企業として課題解決に取り組んでいます。
例えば、地域との連携では、各都市での認知症セミナーへの協賛や介護事業者と連携した良質な高齢者住宅の提供、地域に貢献する医師を表彰する「日本医師会 赤ひげ大賞」への特別協賛など。
また、人材育成では、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする「認知症サポーター」の育成にも注力。認知症サポーターおよび認知症サポーター養成講座の講師役となる「キャラバンメイト」を各事業所に配置しています。
そのほか、認知症をテーマにした映画「百花」とのタイアップや、認知症とともに生きる人々を描いた映画「オレンジ・ランプ」のオフィシャルパートナーにもなっています。
2025年には、団塊世代のすべてが後期高齢者(75歳以上)に突入するといわれています。今回のアンケートでは、介護未経験者は、将来的な介護の必要やその準備の必要性は感じているものの、具体的にどのようなことから始めていいのかわからないという人が多いことがわかりました。
認知症介護経験者の9割以上が「準備が必要」と考える認知症の症状についての理解や、公的介護保険の仕組み、地域での支援サービスへの理解。これらはネットや書籍、地域の市民講座などでも情報を入手することができるため、時間を見つけて勉強しておくのがいいでしょう。
太陽生命の公式サイトでも、認知症の最新事情や介護が必要になる前にできる工夫をわかりやすく紹介する「認知症セミナー動画」を公開しているほか、スマ保険「保険の基礎知識」にも様々な情報が掲載されています。事前準備のきっかけとして確認してみてはいかがでしょうか。
■調査概要
アンケート名:太陽生命少子高齢社会研究所「認知症介護に関する調査」
調査方法:インターネットを用いたオンライン調査(調査委託会社:マイボイスコム株式会社)
調査期間:2022年8月9日~2022年8月14日
調査対象者:認知症の人を介護した経験のある40代~70代の男女1,000人、介護経験のない40代~70代の男女1,000人
詳細リリースはコチラ
[PR]提供:太陽生命保険