インテルのNANDフラッシュメモリー部門がSK hynixによって買収されたことで生まれた新会社「Solidigm(ソリダイム)」。同社ブランド初のコンシューマー向けNVMe SSDとして「P41 Plus」が2022年9月に発売されたが、同年11月に早くもより高速なハイエンドクラスの「P44 Pro」が発売となった。
その特徴について、2022年11月19日、20日の2日間、秋葉原のAKIBA SQUAREにて開催された第13世代Intel Coreプロセッサーのイベント「圧巻のパフォーマンスを体験しよう!TOUCH & TRY EVENT」のステージにて詳しく紹介。ブースにて6枚を使ったRAID構成も展示された。今回は、そのレポートをお届けしよう。
また、ステージ&展示ブースで解説を担当したオーバークロッカーとして有名な清水貴裕氏にもインタビューを行っている。インテルのSSD技術を受け継ぐ最新モデルについて気になる人はぜひともチェックしてほしい。
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「P44 Pro」はPCIe 4.0対応のハイエンドSSD
イベントのステージでは、Intelやマザーボードメーカーなどが登壇し、Solidigmの解説を担当したのがオーバークロッカーの清水氏だ。Solidigmは、インテルのSSD事業部の後継者であり、2021年12月に設立したばかりの企業ながら、収益は80億米ドル(SolidigmとSK hynixの合計)、従業員数は2,000人以上のグローバル企業(本社はカリフォルニア州)であることを紹介。SSDにおいて、エンタープライズ、クラウド、クライアントの各分野でリーダーシップを取っているという。
そのSolidigmがコンシューマー向けのハイエンドSSDとして投入したのが「P44 Pro」だ。同社では、エントリー向けとしてPCIe 3.0対応のSSD 670p(インテル時代からの継続販売)、PCIe 4.0対応のP41 Plusを販売していたが、満を持して高性能モデルが登場したことになる。
清水氏は「NANDとコントローラーとも自社で作っているという信頼性を重視する人やIntelブランドSSDのファンにはオススメのSSD」としている。さらにP41 Plus、P44 Proとも高速なPCIe 4.0対応SSDとしては温度が低めで、ヒートシンクは装着したほうがよいが、なくても意外と動くという。
SolidigmのSSD向けには「Solidigm Synergy ソフトウェア」という専用ソフトウェアが用意されているという。1つは「Solidigm Storage Driver」という自動的にパフォーマンスを最適化するもので、ライダムリード性能が最大12%、ランダムライト性能が26%向上とうたわれている。ただ、清水氏によると、「1枚で使うときには有効だが、RAID構築時には入れられないので注意してほしい」とのことだ。もう1つは、「Solidigm Storage Tool」で、IntelとSolidigmのSSDに対応し、ドライブの健全性を表示したり、ファームウェアのアップデートなどが行えるという。
清水氏は、「今回はせっかくのイベントなので面白いことできないか」ということでP44 Proを6枚使ったRAIDに挑戦したという。「SSDも実は速くできます」というコンセプトで、データを複数のストレージに分散して書き込むことで高速化するRAID 0を選択している。
4Kや8Kなど大容量のファイルを使って動画編集をする場合は、ストレージの遅さがボトルネックになって快適度を下げる可能性があり、それがRAID 0によって解消するのではという。実際にYouTuberなど動画編集をヘビーにこなす人は、OSをインストールするドライブとは別に、P44 ProのようなハイエンドSSDを複数枚使ってRAID 0構築し、データ転送が高速な動画編集用ドライブを作っているケースはけっこうあるという。
今回は7基のM.2スロットを備えるMSI MPG Z790 GODLIKEに、P44 Proを6枚装着してRAID 0を構築したという。7枚装着しなかったのはPCIe 4.0対応が6基だったためとのこと(MSI MPG Z790 GODLIKEのM.2スロットは、PCIe 5.0 x4が1基、PCIe 4.0 x4が5基、PCIe 3.0 x4が1基という構成)。なお、マザーボードによっては、M.2スロットがSerial ATAポートやPCI Expressスロットと排他仕様になっている場合があるので、複数枚M.2のSSDを到着する場合は事前にマニュアルなどで確認してほしいとのこと。
P44 Proを6枚使った実力は確かなもので、シーケンシャルリードで21,202.31MB/s、シーケンシャルライトで19,048.77MB/sに到達。現在M.2で最速クラスの製品でも単体ではシーケンシャル性能は7,300MB/s前後なので、凄まじい速度といえる。その一方で、注意点として枚数が多くなるとランダムアクセスの性能が落ちることがあるという。
例えば、4TBの容量がほしいけどランダム性能も犠牲にしたくない、という場合は1TBを4枚よりも2TBを2枚使ってRAID 0を構築したほうがよく、環境や目的に合わせて選んでほしいとのことだ(RAID 0はセッティングにもよるが、小さなデータの読み書きは枚数が多くなるほど効率が悪くなる)。
これでRAIDに興味を持った人はYouTubeの「【目指せ爆速】マザーボードに7枚SSDを挿すとどうなるかチャレンジ!超速RAIDにソリダイム新製品P44 Proで挑戦!&PS5のSSD増設も~Powerd by SOLIDIGM【P44 Pro】」で、RAIDの構築方法なども紹介しているのでチェックしてほしいとのことだ。枚数ごと速度も確認できるので、気になる人は視聴してみるとよいだろう。
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清水氏にインタビュー! どんな人にP44 Proがオススメか
ステージを終えたばかりの清水氏に改めてP44 Proについて話を伺った。
―――P44 Proを6枚使ってRAID 0を構築していましたが、SSDのRAID 0構成はどのような用途で使われているのでしょうか。
清水氏:CGのアニメーション制作など、大容量の素材を扱う用途で使われていることが多いですね。いくらPCの性能が高くてもストレージの速度が遅いと、そこがボトルネックになって作業が滞ってしまうことがあるようなので。
―――今回はMSI MPG Z790 GODLIKEという7枚もM.2 SSDが搭載できるハイエンドマザーを使っていますが、一般的なユーザーにオススメの構成はあるでしょうか。
清水氏:GODLIKEはいいマザーボードですが、約20万円と高価でサイズも大きいため、組み込めるPCケースが限られてしまいます。5万円クラスのマザーボードに2TBを3枚とかでRAIDを組んだほうがコストパフォーマンスはよいでしょう。
MSI MPG Z790 GODLIKEにP44 Proを6枚搭載し、そのすべてを使ってRAID 0を構築した豪華なデモマシンを展示
調整したということで、ブースのデモマシンはステージでの映像よりも高いデータ転送速度を出していた
―――最後に一言お願いします。
清水氏:例えば、1TBのSSDがほしいときに500GBを2枚、2TBがほしいなら1TBを2枚購入してRAID 0を組むという選択肢があってもよいと思います。とくにクリエイティブな作業ではCPUやビデオカードも重要ですが、ストレージ性能も必要です。
4Kのノンリニア編集が映像の業界で始まってから、ストレージの速度がネックになって作業効率が落ちることから、RAIDカードを使ってRAID 0を構築する編集プロダクションが出てきました。現在はRAIDカードを使わなくてもマザーボードの機能だけで手軽にRAID 0環境が作れるようになったので、P44 ProでRAIDを組んでみるのもいいのではないでしょうか。自分の考える最強のPCが作れるのも自作の醍醐味でもありますので。
\今だけのお得なキャンペーンも実施中!/
―――ありがとうございました。
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Solidigmでは、期間中に「P41 Plus」または「P44 Pro」を対象店舗から購入するともれなく最大12,000円分の「Visa eギフト」をプレゼントするキャンペーンを2022年11月1日から12月31日まで実施している。
対象のSSDを購入すると最大3,000円、それに加えて対象のCPUやマザーボード、またはそれらを搭載したパソコンを購入、またはすでに持っていると、最大12,000円までギフト額がアップするというもの。
対象製品と対象店舗は以下の通りだ。
応募にはキャンペーンサイトにアクセスし、対象製品の「領収書/購入明細書」の画像やPDFをアップロードと必要情報の入力が必要になる。ギフトコードの送信はキャンペーン期間終了後2週間以内を予定しているとのこと。SolidigmのSSD購入を考えているなら、ぜひとも合わせてチェックしておきたい。
購入対象期間は、2022 年11月1 日(火)~ 2022 年12 月31 日(土)まで。
(※応募期限は、【2023 年1 月31日(火)まで】となります。)
詳しくは下記キャンペーンページを確認しよう。
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