エントリー、ミドルレンジ、ハイエンドまで、それぞれのカテゴリーでコストパフォーマンスに優れたPCを販売しているFRONTIER。お店で売っているものやインターネットでは見かけることがあるかもしれませんが、どうやって製造、開発されているか知っていますか? 今回は、マイナビ編集部員がFRONTIERを製造している工場の社員さんに直撃インタビュー。PCが完成するまでの流れや新しいシリーズの特徴まで伺いました。

ゲーミングPCを探しているマイナビ編集部員MがFRONTIERのリリースを発見!

最近、巷で大人気のFPSにはまっているマイナビ編集部員。少しでもゲームで勝つために高性能で手が届く値段のゲーミングPCを探していました。いろいろと物色していると、気になる製品が目に飛び込んできて……。

編集部員M: このPCかっこいい! しかも良心的なお値段。

思わずつぶやいた彼が発見したのはFRONTIERからリリースされた新しい「GAシリーズ」。

編集部員M: Webカタログを見る限りものすごくこだわりが詰まってそうで、とても購買意欲が掻き立てられる……! このPCの魅力をもっと知ってマイナビニュース読者に伝えたいな!

そう思って「新GAシリーズ」を取り寄せ、FRONTIERを製造しているインバースネットの社員さんに電話取材を慣行! 社員の方々も快く応じていただけました。

インバースネットの社員に直撃! FRONTIERはどうやって製造されている?

取材を申し込み、対応してくださるのは、工場で生産現場を見守っている小林さんと、技術開発、品質保証管理などを担当していらっしゃる大重(おおちょう)さんのお二方です。 最初に、FRONTIERブランドのPCがどのような形で作られているのか小林さんに伺ってみました。

編集部員M: 本日はよろしくお願いします!

小林さん: よろしくお願いいたします。

大重さん: はい、よろしくお願いいたします。

編集部員M: 早速ですがFRONTIERのゲーミングPCはどこで作られているのですか?

小林さん: FRONTIERのゲーミングPCは、山口県の南東部にある柳井市という地域に約1000坪の工場で約80名の社員の手によって生産されています。もともとFRONTIERというブランドは1993年から山口県から始まったもので、昔からのPCファンには「フロンティア神代」という名前のほうが分かりやすいかもしれませんね。この工場では月間約3,000台程度の生産量があります。

編集部員M: すごい数のPCが出荷されているのですね。PCが完成するまでの流れを教えてもらってもいいですか?

小林さん: 一人ひとりのお客様のオーダーが違うので、最初にパーツを集めていきます。その後、マザーボードに各パーツを装着し、FRONTIERのBIOSをセットアップします。デスクトップPCの場合はケースを用意し、空冷あるいは水冷ファンなどを取り付けながら、組み込んでいきます。 その後、組み立てられたPCはインストール検査ののち、負荷テストを行います。この工程では、しっかり動くことを確認するため、時間を掛けています。最後に各ポート類の検査や、添付品の最終確認をして梱包して出荷という流れです。

編集部員M: ずいぶん念入りに検査してくださっているのですね。とても信頼できる製品であることが分かりました。組み立て工程において最も重要視していること、苦労していることはどんなところなのでしょうか?

小林さん: 製品づくりのポイントごとに熟練の技術者を置いて、彼らの監督下で失敗の無いように丁寧にPCを組み込んでいます。 CPUやGPUも発熱量が大きいものがありますから、ファンのセッティングなどには神経を使っています。特に配線に関しては排熱効率にかかわってくるので、丁寧にケース内に収まるようにまとめられています。

編集部員M: やはりノウハウが必要な作業なのですね。ケーブルは確かに処理に困ることもあるので大切ですよね。

小林さん: ねじ止めするようなパーツはそれほど狂いがでるものではありませんが、ケーブルは作った人がどういう人間なのかが見える部分にもなります。ケーブルの取り回しが得意な人材もいて、そういった人の仕事をお手本に、誰がやってもきれいにまとめられるように取り組んでいます。 例えば新入社員は一つのモデルができるまでほかのモデルは触りません。そのモデルがきちんとできるようになってから、次のモデル、さらに次へとステップアップしていく形で徐々にスキルを学んでいきます。

編集部員M: なるほど……1つのモデルを極めてやっと次のモデルを触れるのですね。FRONTIERブランドのPCを製造にすることに対しての想い入れを教えてください。

小林さん: 弊社のスローガンは「燃やせ! インバース魂」です。お客様に情熱をもって商品を届けたいという気持ちで製品づくりに取り組んでいます。山口県発の事業を継承してきたことを大切に、工場の社員が気持ちを込めて作った製品を手にしていただき、FRONTIERブランドのゲーミングPCを買ってよかったと思っていただけるように、これからも精いっぱいPCを生産していきたいと考えています。 ゲーミングPCも世界情勢の変化で値段が上がっていますから、より付加価値の高い製品をお届けしたいですね。

編集部員M: みなさんが思いをこめてPCを作っていることがとてもよく分かりました。すばらしいコメントありがとうございます!

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新しいGAシリーズについても聞いてみた!

次に編集部員Mがとても気になった製品「新GAシリーズ」について、開発を担当された大重さんに話を伺いました。

編集部員M: 新GAシリーズの概要を教えてください。

大重さん: 新しいGAシリーズのケースの型番は「GAI-C001」となっていますが、このG、A、Iは、「Game(ゲーム)体験をAccelerate(加速)する、Inverse(逆転構造)& Inversenet(社名)」というところからきたネーミングになっています。

大重さん: ゲーミングPCのラインアップの中でもエントリークラスになるので、初めて買っていただく方、初心者の方、そういった方々がPCゲームをやってよかった、こんな体験ができてよかったと思っていただきたいという思いが込められた製品になります。

編集部員M: 思いを込めたモデルだったのですね。「GAI-C001」の開発までのストーリーを教えてください。

大重さん: およそ2年前から水冷が流行したのですが、当時のケースの中でGAシリーズだけユニットが収まらなかったのです。初めて買ったゲーミングPCが思ったように冷えないというのは嫌でしたし、他社で同じクラスのケースに水冷ユニットを納めた製品が出てくるなど悔しい思いもしました。

私たちも開発しようということになったのですが、開発中にビデオカードが大型化し、重量も増してきたので、これまでの考え方を変えなくてはいけませんでした。また、初めての方に買っていただきたいモデルなので、光学ドライブはどうしても搭載したかったという面もありました。

当時のケースは水冷ユニットを積むと、光学ドライブが収まらなくなるものがほとんどだったので内部レイアウトについて根本的な見直しをするに至ったのです。理想はATXのサイズで高さが40cm程度のもので、それを目指して約1年間かけて開発しました。

編集部員M: 1年もかけて開発されたケースだったのですね!「GAI-C001」の開発においてご苦労された点はありましたか?

大重さん: このサイズのケースの場合、水冷ユニットを上部につけるものがあります。その場合、水漏れが発生すると水滴がビデオカードを直撃するので、それが原因で故障になるリスクもありました。

ですからそれを避けるために、上部ではない位置にして、最悪の場面でも一番高価なビデオカードには影響がないようにしたいと思っていました。さらに、ビデオカードの排熱や吸気を考えた先にいきついたデザインが、この逆倒立レイアウトだったのです。

それで、ご質問と相反してしまうのですが、この形にしたことで「苦労」というものが解消されたのです。

編集部員M: ええ! ご苦労されたレイアウトではなかったのですね。どうしてこの形がよかったのですか?

大重さん: 一番はビデオカードとCPUの配置です。通常のレイアウトだと、グラフィックスカードが暖めた空気がそのままCPUに回るので、空冷だと厳しいのです。逆倒立レイアウトで水冷にした場合はCPUにもビデオカードにもフレッシュな空気が届くのです。

  • ビデオカードを下部から支えることで重量の問題をクリア

  • フロントに配置された水冷ユニット。下部にパーツは無く、水漏れ事故でも被害は最小限。さらに取り外しが容易な構造にして作業性も大きく向上。同時に静音性の高さにも貢献している。

大重さん: 私たちとしてはしっくり来たのですが、苦労という意味では逆倒立レイアウトにしたことで、工場でこのPCを組み込む現場の社員の方に負担はかけたかなと思います。

編集部員M: あらゆる部分でメリットがあったレイアウトだったのですね。 「GAI-C001」の開発でこだわった点はありますか?

大重さん: 全ての部分にこだわっていますが、例えば出荷時に使う梱包材ですね。辺の長さが同じにしてあるので、緩衝材に入れてからどの位置でも段ボールにきれいに収まります。長辺と短辺があると間違えた場合、段ボールが裂けることもあるので、そういったトラブルがおきないようにしています。

新しいケースを作っただけで満足していてはダメで、最終的に生産効率も上げていくことでコストをさげることができれば、お客様にもそれが還元できます。ですから、こういった部分にこそ時間をかけて開発しました。

編集部員M: 確かにどこからでも入ります! そういった工夫にこそ真心が現れるのですね。新GAシリーズ「GAI-C001」はどんな方に使ってほしいですか?

大重さん: オールマイティを目指して作っているので、どのようなパーツの組み合わせでも取り付けられるように工夫しています。GAシリーズはエントリークラスですが、あらゆるレベルの方が使っても満足いく仕上がりになっていると思います。ですから、すべての人に使ってほしい製品ですね。

編集部員M: 上級者でも満足できそうな製品ですよね。私もこれを買うことに決めました!最後に読者へメッセージをお願いします。

大重さん: フロンティア神代の時代から、選定する商品を十分に検証して、安心してお客様が使えるPCのみをお届けしてきました。PCの生産効率を上げる取り組みも続けていて、例えば最近だとBTOで選んだパーツ以外のドライバがインストールされないよう、自動的に最適なものだけをインストールする仕組みも採用し、作業時間の削減や業務効率化を実現しています。

また、すべての商品において、工場の社員のみなさんの意見を聞いて工程を改善しています。これからも付加価値の高い製品をお届けするための取り組みはどんどん続けていきたいと考えています。

新しいGAシリーズはすべてのお客様のニーズに応えられる製品に仕上がっているので、興味を持っていただいた方は、ぜひ安心してお求めいただければと思います。

編集部員M: 私もさっそく購入したいと思います! 本日はありがとうございました!

開発まで約1年かかったFRONTIERの新GAシリーズ「GAI-C001」。是非詳細をチェックしてみてくださいね。

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