荒木飛呂彦氏による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』、通称「ジョジョ」。2012年からはアニメシリーズもスタートし、今年で10周年を迎え、 ストーリーの面白さや魅力的なキャラクターはもちろん、名台詞の数々や独特なポージング、刺激的な擬音の数々に華麗なデザインと、ひとくちでは語りきれない魅力が詰まった超人気作品だ。

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    A賞 空条徐倫&緑色の赤ちゃんフィギュア(全1種)

この度、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』の配信・放送に合わせて、「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven」が12月10日(土)より順次発売! そこで今回は、発売を記念して、ジョジョシリーズのフィギュア原型を担当した夏坂眞一郎氏にスペシャルインタビューを敢行! 夏坂氏の原型に対するこだわりと愛を語っていただいた。

  • 原型師制作:夏坂眞一郎(なつさかしんいちろう)。1971年宮城県生まれ。フィギュア原型制作会社に勤務後、2000年に独立し、渡仏。各国でオリジナル作品の展覧会や講演会、ワークショップ開催等の芸術活動を行い、2004年には文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズでは、通算300体以上の原型を手掛け、今回発売の「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven」においても原型制作を担当。

通算300体以上のジョジョシリーズの原型を手掛ける、夏坂眞一郎氏スペシャルインタビュー

――はじめに、原型師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

美術大学の先輩筋にあたる方から、原型を作るアルバイトに誘われたことがきっかけでした。それまではカプセルトイの商品が人の手で作られていることも知らなかったです。ただ思い返してみると、小さいころから変な道に行くのが得意だったかも。小学生の頃、あるコンクールが開催されていて、高校生たちが当時流行っていたロボットアニメのプラ模型を出展するなかで、僕は他とは違う作品のプラ模型を出展して優勝したことがあるんです。

  • 夏坂眞一郎(なつさかしんいちろう)氏

    過去手掛けたジョジョ作品を見せてくれた夏坂氏

――『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは仕事で関わる前からご存知でしたか?

もちろん知っていました。セリフ回しやストーリーの面白さ、設定の奇抜さ、ファッションのカッコよさはもちろん、「ジョジョ」は「思想」が深いところが大好きです。例えば、『黄金の風』でジョルノやブチャラティのテーマだった「覚悟」。『ストーンオーシャン』ではプッチ神父が全人類に「覚悟」をさせるために行動しているんですよ。『黄金の風』で重要なテーマになっていた考え方を全人類に押し付けるだけで「悪」になる。その思想の逆転を、シリーズをまたいでやってのけるのが、荒木先生のすごいところだと思います。

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    B賞 エンリコ・Pフィギュア(全1種)

――夏坂さんのジョジョ愛が伝わってきますね……!

はい、大好きです。あと、プッチ神父とDIOの会話のなかで「モナリザやミロのビーナスはまるで時空を超えたスタンドだ」という言葉が出てくるのですが、職業柄それにもグッときましたね。

――ちなみに、好きなキャラクターやスタンドは?

東方仗助が好きですね。仗助が乳母車を避けるためにバイクをバラバラにして飛び越えた後、組み立て直すシーンがあるんですよ。あれには衝撃を受けました。スタンドはデザインだとキラークイーン、自分が使うならハーヴェストですね。本当は各部から挙げたいところです(笑)。

――わかります(笑)。今はフランスで活動されている夏坂さんですが、それはどのような流れで?

  • 夏坂眞一郎(なつさかしんいちろう)氏

色々な理由があるのですが、オシャレなフレンチコミックを商品化したり、フィギュアの仕事でコラボしたりできないかと思ったのが大きかったですね。最初はここまで長期滞在するつもりもなかったのですが、気がつけば20年。インターネットの発達や、輸送網があるおかげで、海外でもなんとかやれています。

――BANDAI SPIRITSとはいつ頃からお仕事をされていますか?

最初に手掛けたのは、「ジョジョ」の「ワールドコレクタブルフィギュア」シリーズ(当時発売元:バンプレスト)だったかな。確か60種類ほど作ったと思います。その後もご縁があって今に至る、という感じですね。

「原型の段階で、キャラクターの“重心”にはこだわっています」

――そんな夏坂さんが原型を担当した「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven」のフィギュアが、12月10日(土)より順次発売となります。原型に対する夏坂さんのこだわりについて教えてください。

  • 夏坂眞一郎(なつさかしんいちろう)氏

どの原型を作るときもそうなのですが、原型の段階でキャラクターの“重心”にはこだわっています。これは、最初に勤めた原型工房が徹底していたことでして。自立するのが最低条件と教えられてきたので、まずはそこを意識して作っています。今回のシリーズで言えば、ウェザー・リポートは、作中でもつま先立ちで歩くキャラクターなので、原型でもポージングにおける重心を意識して、つま先だけでも立つように作りました。

――すごすぎます! ジョジョ独特のポーズは、自立させるのがなかなか難しそうですが。

「ジョジョ」のキャラクターのポーズは確かに特殊なものが多いですが、人体を美しく表現する歴史に基づいているのだと解釈しています。恐らく荒木先生ご自身も、ミケランジェロなどをお好きだと耳にしたことがあるので、そういう表現にも精通していらっしゃるんでしょうね。なので、難しくはありますが、自分は案外作りやすいんです。

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    C賞 ウェザー・Rフィギュア(全1種)

――BANDAI SPIRITSの担当者さんは、夏坂さんの原型は上から見ると「回転」が入っているのが分かるとおっしゃられていました。肩・腰・腕・首のひねりがあってポージングが決まっているから、カッコいいと。

それは、先生やアニメスタッフさんがすごいんですよ。キャラクターデザインやポーズがそうなっているから。私はそれを立体で再現しているだけです。

  • 夏坂眞一郎(なつさかしんいちろう)氏

「荒木先生に監修の段階で伝わるように原型を作っていきたい」 - ジョジョの美しさを細部まで表現

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    E賞 E・アルニーニョフィギュア(全1種)

――「ジョジョ」と言えば、髪型や服装などがオシャレだったり、奇抜だったりすることも多いですよね。そういった点でのこだわりはありますか?

僕自身も服の造形が好きなので、原型を作る際もいろいろとこだわっています。例えば布の厚み。素材や重ね着などによって出る厚みの違いをできるだけ表現できるように作っています。

――今回のシリーズでも、見比べてみたらそのこだわりが分かりますか?

そうですね。例えば、プッチ神父のコスチュームとアナスイの腰巻の布では、厚みがちょっと違うと感じてもらえるように仕上げています。あとは、着ている服がしわのよりやすい生地なのかどうかも考えますね。

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    D賞 ナルシソ・Aフィギュア(全1種)

――靴底にもこだわりがあるとお聞きしました!

よく聞いてくださいました!(笑)。興味のある方は、ぜひフィギュアの足裏も注目してください。例えば、ウェザー・リポートは雲の模様っぽい表現になっています。足裏は設定などがあるわけではないので、現実にある素材やデザインを参考にしながら、アニメやキャラクターのイメージを損なわないように制作させていただき、その都度ご監修いただくようにしていますね。

  • 夏坂眞一郎(なつさかしんいちろう)氏

    キャラクターに合わせたこだわりの「靴底」。ぜひフィギュアをゲットして、自身の目でチェックしてほしい

――今回のシリーズで特に原型を作るのが難しかったキャラクターは?

原型は硬い素材で作っているので、どうしても柔らかいものを表現するのが難しいんですよ。だから、ウェザーの頭部・服の“モフモフ感”を表現するのが大変でした。とはいえ、モフモフ感がちゃんと出せないと、彼にはなりません。そこは、こだわった点であり、苦労したことでもありますね。

――その他、今回のシリーズで注目して欲しい点を教えてください。

ラストワン賞で、空条徐倫と空条承太郎の親子が背中合わせになったフィギュアが登場します。承太郎の造形は2022年3月発売、『ストーンオーシャン』の一番くじ第1弾のものを一部流用し、再現してありますが、実はあのときからこの背中合わせを想定して作っていたんですよ。親子の共演をぜひ堪能して欲しいので、ぜひ最後まで引いてください(笑)。

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    ラストワン賞 空条徐倫&空条承太郎フィギュア(全1種)

――これは鳥肌が立ちますね! こういうこだわりや造形のポイントに気づいてもらえたら嬉しいですか?

嬉しいですが、作り手としてはファンの方が違和感なく、すんなり受け入れてくれるのがいちばんだと思っているんですよね。ここまで色々なこだわりをお話ししてきましたが、作品の雰囲気を損なわないことが最も大事だと考えています。アレンジを入れるとしても、先生やアニメスタッフの方ならどうアレンジするかを考えます。

――先ほどの靴底がまさにそうですよね。

ですね。設定がない分自由には作れますが、作品のイメージを損なわないことは守るようにしています。スタッフの方がもし私の造形技術を持っていたらどう表現するのか。それを大事にして作っていますね。

「ファンとキャラクターが空間を共有できる、そんな造形を続けていきたい」

――今後チャレンジしたいことは?

キャラクターは、できれば全員立体化したいですね。あと、原型の仕事とは別に私はマンガも描いておりまして。いまもフランスの画廊と組んで色々と展開しています。こちらにも興味を持っていただけたら嬉しいですね。

――最後に、「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのファンの皆様に向けてメッセージをお願いします!

  • 夏坂眞一郎(なつさかしんいちろう)氏

マンガにしてもアニメにしても、二次元にしか存在しないものを、実在する物体として届けられたらいいなと思っています。フィギュアを通じて、ファンのみなさんとキャラクターが空間を共有できる、そんな造形をこれからも続けていきます。今後も、みなさんがジョジョの世界に浸れるお手伝いができるように頑張ります。

一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven」は、2022年12月10日(土)よりローソン店舗、書店・ホビーショップ、一部ゲームセンター、ドラッグストアなどにて順次発売予定(店舗によりお取り扱いのない場合や発売時期が異なる場合あり。なくなり次第終了)。価格は1回850円(税込)。

夏坂眞一郎氏のこだわりの詰まったフィギュアのほか、ポーチやガラスプレート、タオルなど、ファンならぜひ集めたいグッズがラインナップされている。ぜひお近くの取扱店でゲットしてみては。

「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven」詳しくはこちら

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    A賞 空条徐倫&緑色の赤ちゃんフィギュア(全1種)徐倫:約24cm、緑色の赤ちゃん:約5cm

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    B賞 エンリコ・Pフィギュア(全1種)約26cm

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    C賞 ウェザー・Rフィギュア(全1種)約26cm

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    D賞 ナルシソ・Aフィギュア(全1種)約26cm

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    E賞 E・アルニーニョフィギュア(全1種)約11cm

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    F賞 ポーチ(全6種)約18cm

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    G賞 ガラスプレート(全8種)約10.5cm ※商品は選べません

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    H賞 タオル(全10種)約60cm

  • 一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven

    ラストワン賞 空条徐倫&空条承太郎フィギュア(全1種)徐倫:24cm、承太郎:約27cm

「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン The way to heaven」詳しくはこちら

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※「一番くじ」および「ラストワン」は登録商標です。

(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SO製作委員会

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