医療現場や工場など、幅広い場所で用いられているエプソンダイレクトの人気モデル「AT900シリーズ」から従来モデルを踏襲し更なる進化を遂げた後継機が販売されることになった。そこで今回はそんな人気モデルの後継機である 「AT998」をレビュー。ユーザー目線で考えられた製品の魅力を紹介していきたい。

  • エプソンダイレクト Endeavor AT998

医療現場や工場等、幅広い場所で使われており根強いファンがいる従来モデル

コロナ禍により、時流的にもノートPCの台頭が目立つ昨今、デスクトップPCのニーズは減っているように思える。しかし、実際には据え置き用のコンピューターとしての需要はいまだに多く残っており、様々な業界へ供給され続けている。

たとえばライン制御、機器装置制御、計測機器の制御などのために専用端末が必要となる工場や、病院のHIS(電子カルテなど)、医療検査機器制御などにも専用端末が使われる。また、一般企業や官公庁、自治体などの組織においても、一拠点で業務を続けなければならない部署ではやはりデスクトップPCが求められる傾向が強いのだ。こうした特別な用途向けのデスクトップPCは、縮小どころか拡大傾向にあるという見方もあり、スペックの進化に合わせたサイクルでPCの入れ替えや新規導入が行われている。

今回紹介するエプソンダイレクト「Endeavor AT998」は、そのような現場で広いシェアを持ち、ロングランを続けていたAT997の後継機種として発表された製品になる。どのような特長があるのか、実際に見てみよう。

  • 省スペースデスクトップ「AT998」の実力を紹介

Endeavor AT998の詳細はコチラ

“変わらない”という価値を提供する後継機「Endeavor AT998」

「AT998」は、シンプルな省スペースデスクトップで、設置面積が限られるデスクや棚の隙間などにもぴったり収まることを考慮したデザイン。基本的にAT900シリーズでは変わらずこの形状が採用され続けてきた経緯がある。つまり「変わらない」ことが付加価値にもなっており、従来の資産を活かしつつ、PCのモデルチェンジに合わせた入れ替えが可能になるのが「AT998」の強みでもあるのだ。

  • 「AT998」の前面パネル

このモデルの最大の特長は、幅約99mmの省スペースデスクトップという筐体でありながら、後面の拡張スロットには『PCI+PCI』『PCI+PCI Express x4』『PCI Express x4+PCI Express x1』があり、いずれかを選択できる点、そしてフルハイト(106.6mm)のボードを2基搭載することができるところにある。そのため、これまで使っていた専用ボードなどはそのまま搭載が可能。用途に応じて(使用したいボードに合わせて)選択できる。そして増設時はサイドパネルを開けてユニットを取り外し、ボードを装着するだけなので作業も容易だ。

製造業などの現場を見ると、各種制御用のボードは、PCIeよりも安価に製造できるという利点からPCIスロットを利用することが多い状況がある。また、こうしたケースでの利用において安定稼働と実績がある、いわゆる「枯れた」パーツが好まれる傾向もあるため、今後もしばらくはPCIスロットへのニーズは続くことが予想される。そのため、これらの点を考慮して設けられたこの2基の拡張スロットは「AT998」の大きな特長のひとつといえる。

  • フルハイト対応のPCIスロットが2基装備されている 。制御系でまだメインで使用されているシリアルはBTOでも安価に購入が可能

また、「AT998」のインタフェースには、D-Sub15ピン端子やDVI端子など、レガシーポートもしっかり残してあるのも特長。たとえば医療現場ではUSB対応機器が増えている傾向はあるものの、製品ライフサイクルが長いこともあり、従来から所有している計測機器などをそのまま使いたいという要望が大きいのも事実だ。現場の意見を熟知しているエプソンダイレクトならではのこだわりが感じられる仕様といえる。

  • 「AT998」の後面パネル。一般的には懐かしくなった端子類がずらりと並んでいるのが分かる

スペックとしては、インテルの第12世代Coreプロセッサーを採用。Core i7-12700、Core i5-12500、Core i3-12100、Celeron G6900から選択でき、ニーズに応じたパフォーマンスを発揮してくれる。そのため、生産性や業務効率化の向上が期待できるだろう。型番からも分かるようにいずれも低電圧モデルとなっているので、消費電力や発熱量の低減が実現できるのもメリットだ。

もちろん、Core i7搭載モデルを選択すれば、第12世代Coreプロセッサーではお馴染みとなっている「Eコア」「Pコア」の2種類の高性能コアを利用した高い処理能力が期待できるうえ、それ以外のモデルでもマルチコアによるパフォーマンスの向上を実現してくれる。

そのほか、メインメモリはPC4-3200 4GB、8GB、16G、32GB、64GBから選択可能。本体とマザーボードのレイアウトを見ても分かる通り、エアフローを考慮した内部デザインと、ケースに設けられたダクトによって排熱がスムーズにできるようになっている。場合によっては長時間の連続稼働がありえる「AT998」の可用性を引き上げる工夫によって、高いパフォーマンスを安定した状態で長時間発揮し続けられるのも特長だ。

実際に「AT998」を動かしてみると、レスポンスの良さはもちろんだが、先ほども触れた優れたエアフロー設計により、静音性が非常に高いことが分かる。PCの設置場所が少なく、場合によってはエンドユーザーのすぐ近くで稼働させるケースもあるため、現場の作業環境にはかなり好影響となる。

  • エアフローに優れた内部構造。CPUファンと外部パネルの排熱用ダクトの位置関係に注目

搭載されるOSはWindows 11、Windows 10 Pro(Windows 11 Pro ダウングレード)、さらに同時発売の「Endeavor JA998」は組み込み用途向けOS Windows 10 IoTに対応。汎用性の高いWindows OS搭載PCであるため、FA機器のような専用機よりもコストパフォーマンスでは圧倒的に有利になる。まさに、現状の業務環境を維持しつつ、制御用端末の更新だけを進めるといったケースに適している。経営者としてはコスト削減が、IT担当者には導入負荷低減、エンドユーザーは生産性の維持・向上などが可能になる、製造業や医療業界にとってはメリットの大きい製品といえるだろう。

ニッチなニーズに見えるが、PCの入れ替えに悩んでいた組織にとっては待ち望んでいた最新でありながら“変わらない”モデルが「AT998」だ。「AT998」のスペックや詳細については下記も参考にしていただきたい。

Endeavor AT998の詳細はコチラ

Endeavor AT998のおすすめ構成
OS Windows 11 Pro 64bit
CPU インテル(R) Core(TM) i5-12500 プロセッサー(6コア(6P+0E)/3.0GHz)
チップセット インテル(R) H610 チップセット(標準搭載)
グラフィックス CPU内蔵3Dグラフィックス(標準搭載)
RAM 4.0GB(4.0GB×1) PC4-3200 DDR4 SDRAM
ストレーシ(1基目) 128GB SSD シリアルATA 600MB/s対応
5.25型ドライブ゙(1基目) 光ディスクドライブなし
マルチカードリーダー マルチカードリーダー
シリアルポート(標準) シリアルポート×1(標準搭載)
PCI/PCIeボード搭載ユニット PCI + PCI 拡張ユニット

[PR]提供:エプソンダイレクト