新型コロナウイルスの拡大により、今もなお、あらゆるところに大きな影響を与えている。その一つに挙げられるのが、ペット業界だ。コロナ禍前の2019年に比べ、癒しを求めて新たに猫を飼い始めたペットオーナーが増加傾向にある一方で、十分な知識や準備、心構えがないままに飼い始めてしまい、ペットオーナーが悩みや不安に直面してしまうケースが少なくない。特に「犬よりも猫のほうが飼育が簡単」という誤解や「愛情ゆえに人の食べ物を猫に与えてしまう」といった間違いが顕著にみられるという。
このような背景のなか、 ロイヤルカナンではCFA、TICAという歴史ある2大血統書登録団体と協働し、日本最大級のキャットショー「JAPAN CAT SHOW 2022」を9月11日に開催。「観て、学んで、もっと猫を好きになる。」をコンセプトに、東京・池袋でのリアル会場とオンライン会場とで、約4,000人が参加する大きなイベントとなった。
猫にとっての”真の健康”を伝えるため、業界全体を巻き込んで取り組んでいるロイヤルカナン。現在のペット需要の実情や今後の課題、そして必要な取り組みについて、「JAPAN CAT SHOW 2022」に携わったロイヤルカナンの太田順子氏と富木亮介氏に話を聞いた。
「JAPAN CAT SHOW 2022」を通じて伝えたい”真の健康”からの美しさ
――おふたりは ロイヤルカナンのプロフェッショナル事業部に所属しているとお聞きしましたが、どのような部署なのでしょうか。
太田:プロフェッショナル事業部では、母犬や母猫のケアに始まり、真に健康な子犬と子猫が誕生し健やかな生涯を過ごすことを目指しています。そして、ブリーダーやシェルターなど犬と猫の専門家と協働し、開発した製品を提供しています。
そこで私は、ブランドマネジメント、販促ツール制作などの営業サポートやイベントの企画立案に加え、ブリーダーやシェルター、トレーナーなど専門家のニーズに応える学術情報の提供などを行う会員ポータルコミュニティサイト「ロイヤルカナンPRO CLUB」の運営といった、顧客サービスの企画運営を行っています。
富木:私はお客様への提案やサービスのご説明、オークションや譲渡会への訪問、ドッグショーやキャットショーへの出展などをしています。そのほか、顧客向けに各地でセミナーの実施や、自治体や各種団体との取り組みなどを手掛けています。
――先日開催された「JAPAN CAT SHOW 2022」もプロフェッショナル事業部で企画・運営されたとお伺いしました。これは、どのようなイベントなのでしょうか。
太田:ロイヤルカナンでは、猫の”真の健康”の実現を目指しています。そこで、このイベントではより多くのペットオーナーの方に猫の個性や美しさ、そして健康への関心、知識、行動を身に着けていただくことを目指して開催しました。
具体的には美しい猫を間近に見て、真の健康から生まれる美しさを実感していただき、それぞれの猫の特徴をよく観察することで、知識を深めていただく。そのために、「キャットオーナーズ チャレンジ」といったクイズ形式で学んでいただくブースや、お招きした講師の方のセミナーなどを実施しました。
富木:「JAPAN CAT SHOW 2022」では、業界の持続的発展において欠くことのできない、さまざまなパートナーと協働して、猫の”真の健康”を発信してきました。特に、CFA、TICAの両団体に所属されているブリーダーの方々は、ロイヤルカナンが提唱している「犬と猫の真の健康を育む5つの意識と行動」をきちんと実行し、その子本来の素晴らしい姿や美しさを備えた、”真の健康”を体現した猫を育てられています。本イベントを通して、”真の健康”を体現した猫をご覧いただき、ペットオーナーの皆さまの気付きになればと考え開催しました。
――近年はペットの飼育頭数も増えている一方で、課題も出てきていると聞きます。キャットショーを通して解決していくべきことはどのようなことだと考えていますか。
太田:JAPAN CAT SHOWの開催は、今回で2回目になります。コロナ禍もあって延期した年もありましたが、当初から趣旨は大きく変わっていません。ユニークなイベントではありますが、美しい猫のベースには“健康”がある、ということを多くの人に知ってもらう必要があるのではないかと考えています。
富木:ひとりでも多くのペットオーナーの方に正しい飼育知識や食事の知識を身に着けていただく必要があると考えています。
世の中にはたくさんの情報がありますが、すべてが正しい情報というわけではありません。そのために、ペットオーナーの方に接する機会の多いブリーダーやシェルターへのセミナーを実施したり、営業活動を行ったりするなかで正しい知識の重要性を訴えていくことが、我々のひとつの使命だと感じています。
歴史ある2つの血統書団体との信頼関係
――JAPAN CAT SHOW 2022は、他部署との連携やパートナーとの協働を経て実現されたそうですね。
富木:世界的にも権威と歴史のある猫の血統書団体・CFAとTICAの2団体にご協力いただきました。どちらの団体も、純血猫の血統保全や猫種ごとの基準の確立を目的のひとつとして掲げられており、美しく健康的な猫の魅力を多くの人々に伝える術を持たれています。協働したことで、来場者の皆さまにより強力なメッセージを発信することができたのではないかと感じています。
太田: ロイヤルカナンも、全社的な取り組みとして部署の垣根を越えて目的や課題を確認しながらキャットショーに臨みました。“一頭でも多くの猫に真の健康を届ける”という最終ゴールのためには、私たちプロフェッショナル事業部だけでは実現できません。動物病院やペットショップ、ブリーダーといった猫の専門家の方々とのカウンターパートである各事業部と協働し、ペットオーナーの方へ全方位的なケアをしようと努めました。
――キャットショーの開催に向けて、大変だったことはありますか。
太田:それぞれが同じ1つの目的に向かって取り組んでいたので、あまり大きな困難は無かったように思います。普段は違う部署でそれぞれの仕事をしていますが、目指すべきところは同じなんだなと、楽しさや発見がありました。
富木:CFAとTICAという、それぞれ素晴らしい理念を持つ、異なった団体の意見を調整することはやはり難しいところもありました。進めていくなかで両団体には無理を言ったこともありましたが、結果的にJAPAN CAT SHOWの目的を通じて、理解を得ながら進められました。
――キャットショーにおいて、プロフェッショナル事業部では具体的にどのようなところを手掛けられたのでしょうか。
太田:メインステージでの企画の他、ロイヤルカナンセミナー、ペットオーナーの方との大きな接点となるロイヤルカナンブースをメインに手掛けました。ロイヤルカナンが掲げる「 愛犬と愛猫の”真の健康”を育むペットオーナーになるための5つのポイント」を具体的に知っていただくため、クイズ形式で楽しく学べる展示コーナーや、正しいフード選びや愛猫の隠れた病気に気付きを与える製品の実体験コーナーの企画をしました。セミナーの内容も、社内の学術担当やお招きした講師の方と検討を重ねて、ペットオーナーの皆さんにとって身近な視点での情報提供となるように工夫しました。
富木:一般の方にもキャットショーがどういうものかを理解していただくために、団体の皆さまと議論を重ねて「キャットショーの楽しみ方講座」を実施しました。リアルなショーを間近で見ていただくことはもちろん、会場に来られない方のためにWEBコンテンツでの配信も実施。ペットオーナーの方に知っておいていただきたい情報や知識を提供しました。
愛犬と愛猫の“真の健康”を育む
ペットオーナーになるための5つのポイントこちら>
「JAPAN CAT SHOW 2022」を終えて、得られた実感
――「JAPAN CAT SHOW 2022」を終えて、CFAとTICAからのリアクションや、来場者からの感想や反応などはいかがでしたか。
富木:個人的にはまだまだたくさんの課題があると感じていますが、本当にたくさんのお願いごととご負担をおかけしてきた団体の方から「(ショーが無事に終えられて)良かったですね。私は富木さんのことを信頼していますし、応援していますから」といったお声をいただき、とても嬉しかったです。
これからもペット業界が抱える課題解決のために、ショーなどの取り組みを通して、一般の方にも“猫の真の健康”や“健康があるからこその美しさ”を知っていただきたいと思います。
太田:多くの皆さまに本当に楽しんでいただけたと感じています。ご来場の方から「こんなにたくさんの素敵な猫ちゃんがいることを知って、自分の猫ちゃんももっと大切にしようと思いました」というコメントをいただいて、その言葉がとても印象に残っています。
アンケートでも、多くの方からそのようなお声をいただき、キャットショーを通して ロイヤルカナンの理念に共感し、学んでいただけたことを感じられて、とても嬉しく思います。
――まだまだ解決すべき課題はありつつも、今後につながる成功を実感されているんですね。おふたりから見て、改めてロイヤルカナンとはどのような会社か教えていただけますか。
富木:チャレンジができる会社だと思います。その挑戦を周りも理解してくれて、しっかりとサポートしてくれる体制があります。また、さまざまなバックグラウンドを持つ社員が多いので、刺激も得られる会社です。そして、やはり犬や猫が大好きな社員が多いです。今回の「JAPAN CAT SHOW 2022」でも、その気持ちが原動力になっていることを感じますね。
太田:同じ目的意識を持っている社員ばかりなので、非常に働きやすいです。目的がブレなければ、アプローチの仕方はそれぞれの社員に託されています。
社内には獣医師資格を持っている人も多く、そのほかにも犬・猫以外の動物を研究していた人や医療機器を取り扱っていた人、IT企業出身者など、多様なバックグラウンドを持つ人材がいます。多様な知見をもって同じ目的に向かうユニークさを日々感じています。
今後、ロイヤルカナンでチャレンジしたいこと
――「JAPAN CAT SHOW 2022」という大きなイベントを終え、今後さらなる挑戦をされていかれるのではないかと思います。いま考えているそれぞれのチャレンジを教えてください。
富木:短期的な目標としては、私たちの会社のことや取り組みをより多くの人に知っていただきたいです。そのために教育やセミナーの機会を創り、一人でも多くの方に猫と犬の“真の健康”について考えるきっかけを提供していきたいと考えています。
長期的な目標は、繁殖活動と保護活動の垣根がなくなるよう、自分自身がどのように業界に貢献できるか考えていきたいですね。いろいろな意見があることは理解していますし、理想論だとも思いますが、それぞれが手を取り合って、犬と猫のためのより良い世界を創っていけるよう、取り組んでいきたいと思います。
太田:個人的な話になりますが、娘が職業体験の施設で獣医師に憧れを抱くようになり、犬の図鑑や飼育に関する本で一生懸命に学んでいます。将来、我が家にも犬を迎えるのであれば、娘のみならず私自身も愛犬の真の健康を育むペットオーナーにならなければなりません。そのため、機会があればアニマルセラピーに関連する業務にもチャレンジしてみたいですね。
また犬・猫と人とが健康で末永く良好な関係を築いていけるよう、 ロイヤルカナンが保有する知見を適切に届けペットオーナーの意識啓発に努めるとともに、業界全体がより活性していくよう、より適切な情報提供、支援を行っていきたいと考えています。
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猫の“真の健康”を伝えるため、自社だけでなく、他社とも協働して啓発活動を行うロイヤルカナン。今回の「JAPAN CAT SHOW」のように、今後もペットのためのより良い世界の実現を目指して取り組みを続けていくという。すでにペットを飼っている人、そしてこれから飼う可能性があるという人は、今一度ペットの“真の健康“について、一度考えてみてはいかがだろうか。
[PR]提供:ロイヤルカナン ジャポン