IT・エレクトロニクス分野においてアジア最大規模を誇る展示会「CEATEC(シーテック)」が、3年ぶりに幕張メッセにて開催。今回はCEATEC初の試みとして、リアル会場とオンライン会場のハイブリッド開催となります。
シャープは、CEATECに出展する常連。3年ぶりかつ、初めてのオンラインとオフラインのハイブリッド開催ということで、ブースには新しい時代に適した数々の工夫が施されています。
今回は会場の幕張メッセに伺い、シャープのCEATEC出展コンセプトを体感してきました。
新技術に驚き!シャープのブースに潜入!
ブースを案内してくださったのは、CEOオフィス ブランド担当で今回の展示会の主幹を務める五十嵐 健司さん。情報端末「ザウルス」や空気浄化技術「プラズマクラスター」といった主力商品のプロモーションおよび宣伝業務を経て、現在はシャープグループ全体の企業価値とブランドイメージ向上につながる施策の企画と実行を手がけています。今回のCEATEC出展では、ブース作りを統括しています。
ブースに足を運ぶと、まず目に飛び込んできたのが正面の大型モニター。そこにはシャープの思想が流れていました。「Why Change?」(なぜ、変わるのか?)との問いに対する答えは「Happiness for All」(すべての人が幸せになる社会をめざして)「Accelerating Change」(私たちは変化を加速させていく)というもの。変わりゆく時代に適応しながら、普遍的な幸せを追求する。そんなシャープの強い決意が伝わる動画です。
シャープとして向かう方向をどのように形にしてお見せするかにこだわりました |
「Toward Tomorrow with SDGs」というテーマのもと、ブースは「Digital Healthcare」「Carbon Neutral」「SDGs」「Smart Office」の4つのセクションに分かれています。
もちろん、この時期の開催ということで様々な対策を実施されています。説明員やスタッフさんらはシャープ製のマスクを着用し、展示台には光触媒散布による抗菌コーティングがされていました。ちなみに、マスク・フェイスシールドと光触媒ともにシャープの製品・サービス。ブース内では、密を避けるため、定められたルートを辿ります。
「Digital Healthcare」では「非接触バイタルセンシングソリューション」を見ることができました。これは、カメラで撮影するだけで脈拍数・血圧・呼吸数を、赤外線センサを組み合わせることで体表面温度を同時に測定できるものです。顔色のわずかな変化から脈波を検知することで脈拍数と血圧まで測れるのが、この技術のすごいところ。近い将来、家庭や職場での健康支援への実用化が見込まれています。
また、環境への配慮が求められる今、シャープは「Carbon Neutral」への貢献にも力を入れています。「参考出品」として、展示されていたのが、屋内光発電デバイス「LC-LH」と、「Perovskite(ペロブスカイト)太陽電池」です。こちらは「CEATEC AWARD 2022」の「経済産業大臣賞」を受賞しています。
「LC-LH」は、小さな光をエネルギーに変える次世代の光発電デバイス。屋内での光発電に適した色素増感太陽電池とシャープが長年培った液晶ディスプレイ技術を融合し、生まれました。従来の屋内用太陽電池と比較し、約2倍の発電性能を実現。小さな面積でも十分な発電量が得られ、室内の蛍光灯といった低照度の条件でも使用できます。この「LC-LH」をさまざまなデバイスと組み合わせれば、人と環境にやさしい光発電製品の創出が可能になるそうです。
「Perovskite(ペロブスカイト)太陽電池」は、既存の太陽電池よりも薄くて軽量で、柔軟であることが特徴。ぐにゃっと曲がる様子には驚きました。ビルの壁面や車体の曲面など、これまでは耐荷重や形状の問題で設置が難しかった場所でも利用できます。なお、「Perovskite太陽電池」を作るには何層もコーティングしなければなりませんが、この塗布を支えているのが複合機のノウハウ。低コスト・省エネルギーでの生産が可能とあって、こちらも実用化に期待が高まります。
今ではオンラインが普及・定着していますが、五感を使っていろんな情報に触れられる対面の良さを再認識している方も少なくないように思います。 私たちとしては「選択肢が増えた」という認識ですが、わざわざ会場にお越しになる方々には「行って良かった」「シャープっておもしろい」と思っていただきたい。 昨今の展示のトレンドは完成品をお見せするのではなく、未来を示す傾向にありますが、概念の説明だけに終始しないよう、なるべく実際に見たり触ったりしていただけるように意識しました。 |
10/31まで!
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木材使用料の削減へ。出展テーマ「SDGs」をブース作りから体現
五十嵐さんが意識した点が、もうひとつあります。それがブースの造作です。
展示会が終わると産業廃棄物を収集する車が何台も入ってきて、ブースに使っていた木材を運んで帰るのですが、それを見るたびに「もったいない」と感じていました。 |
今回の出展テーマは「SDGs」。五十嵐さんはブース作りから体現することを決意します。壁面にはファブリック(布)を、展示台には再生紙を使用するなどして、木材の使用を可能な限り削減。どうしても木材が必要な箇所にはリサイクル素材を活用し、廃棄量の減少に努めました。
布の壁面にはターポリンやウオールシートといったビニール素材を採用。今回のブースと同じものを木工素材を用いて制作した場合と比較して、木工低減率約79.2%を実現しています。
木材が中心の従来のブースだと、開催当日になって現地でレイアウトを変更することもできましたが、木材に比べて耐荷重が低いファブリックの壁面ではそうはいきません。 モニターを掛ける場所をあらかじめ決めておくなど、ただでさえギリギリのスケジュールの中、図面上で細かい調整を行うのは大変でした。 |
「大変でも今変えないといけない」。手間がかかるうえ、ともすればコストが上がってしまうかもしれない決断には、時代を先んじる“シャープ人”らしさを感じました。
「新しいシャープは、新しい時代のために。」
ブースをご案内いただいた最後、五十嵐さんにCEATECを通じて伝えたいことについて尋ねました。
シャープは家電メーカーとしてだけではなく、「Digital Healthcare」や「Carbon Neutral」といった新しい取り組みにも果敢に挑戦していることを世の中に発信していきたいですね。 CEATECでは、リアルとオンラインの両方で、記憶に留めてもらえれば嬉しいです。 |
ブース正面の大型モニターに流れる動画には、続きがあります。
「Why is Sharp Changing?」(なぜ、私たち/シャープに変化が必要なのか)。この問いに対する答えは「Because we can make a difference」(それは、これからもBe Original.であり続けるため)。
「With Our Vision & Technology」(目指している未来と、私たちの技術でかなえていく) 「Sharpening our vision to extend possibilities.」(新しいシャープは、新しい時代のために。)
CEATECのブースでは、これからシャープが描こうとする未来の一端が垣間見えました。CEATECは2022年10月22日まで幕張メッセ会場、10月31日までオンライン会場にて開催中。無料の会員登録をすれば誰でも入場できるため、この機会に是非覗いてみてはいかがでしょうか。
10/31まで!
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2022年9月にシャープは110周年を迎えました。
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