「インターネットにつながるモノ」といえば、パソコンやスマートフォンを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、いまは身の回りにある多くのモノが、インターネットとつながるようになっているのはご存じですか。

たとえば、ロボット掃除機や洗濯機、冷蔵庫などの家電製品です。インターネットに接続することで、スマートフォンを使って遠隔操作や家電の状態を把握できたりなど、さまざまな機能が使えるようになっています。

このように、あらゆるモノがインターネットとつながっていることを「IoT(Internet of Things)」と呼びます。いま、IoTがあらゆる分野で盛り上がりをみせているので、今後IoT開発ができる人材のニーズが高まっていくのは間違いないでしょう。そこで今回、シャープ株式会社でIoTプログラマーとして活躍する藤本 香織さんに、IoTプログラマーの仕事内容や求められるスキルについて、お話をうかがいました。

シャープ株式会社 ヘルシオ企画開発部 係長

藤本 香織さん

2007年シャープに入社し、WILLCOM向け「W-ZERO3」の開発部署に配属。その後、部署の異動を経てキーボード付き端末や電子書籍のタブレット端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」の開発に携わる。2011年からヘルシオ企画開発部で「ヘルシオ」の開発を行う。

IoT機能を搭載した「ウォーターオーブン ヘルシオ」

――「ウォーターオーブン ヘルシオ」の開発において、普段はどのような業務を担当していますか。

藤本:開発チームのリーダとして、主にチームの進捗管理や若手メンバーの教育をしています。また、マネジメント業務だけでなく、自分自身でもプログラミングコードを書いて、ヘルシオのソフト開発も行っています。

――ヘルシオといえば家庭用過熱水蒸気オーブンのパイオニアであり、とても人気の高い製品ですよね。あらためて製品の特徴を教えていただけますか。

藤本:ヘルシオは家庭用オーブンとしてはじめて、過熱水蒸気による調理を可能にしました。加熱時に水を用いるので、塩分や油をカットしてヘルシーな料理を作れます。また、水分を与えながら加熱をすることで、食材の持つ旨みや甘みを引き出します。

――ヘルシオにはIoT機能が搭載されているそうですね。

藤本:そうなんです。ヘルシオには無線LAN機能が搭載されていて、スマートフォンの専用アプリ「COCORO HOME」と接続すると、さまざまな機能が利用できます。たとえば、「COCORO HOME」内の「COCORO KITCHEN レシピサービス」では、ヘルシオを使った料理レシピが閲覧可能です。また、AIが家族の好みや調理履歴をもとにメニューの提案をしてくれます。

――オーブンを起点に献立を考えるのは斬新です。

藤本:さらに、レシピを選択してヘルシオに送るだけで、調理に適したオーブンの設定が完了します。あとは材料を入れてスタートボタンを押すだけなので、操作も簡単です。また、音声操作も可能で、温度や時間設定が簡単にできるのも便利な点だと思います。

――まるで“専属のシェフ”ですね。

藤本:そのような細かい設定を行うのがプログラミングです。たとえば、オーブン内に温度を検知するセンサーがあるので、温度の情報をもとにヒーターを制御します。ほかにも「赤外線」や「マイクロ波」といった、食材を温めるための電磁波の制御もプログラミングで行っています。オーブンレンジに関わる専門的な知識は、周りのメンバーに教えてもらいながら勉強しました。

――そんなヘルシオの開発に携わっているなかで、やりがいを感じる瞬間はありますか。

藤本:やっぱり、家電量販店などで自分が開発したヘルシオを見たときですね。「これ、私がつくったんだよ!」と周りに言いたくなります(笑)。

――モノづくりならではの魅力ですね。嬉しい反面、モノがあるからこそ大変なこともあるのではないでしょうか。

藤本:そうですね。一度出荷してしまうと、バグがあっても修正できません。慎重に確認する必要があるからこそ、完成したときの達成感は大きいです。特に、最初に携わったモデルがスマートフォンと連携して動いているのを見たときは、すごく嬉しかったことを覚えています。

IoTプログラマーになったのは、ある意味「偶然」

――初代ヘルシオが発売された2011年は、IoTという言葉もそれほど耳にしませんでした。藤本さんがIoTプログラマーになった経緯を教えてください。

藤本:一言でいうと“偶然”ですね。私はもともとIoTが専門だったわけではありません。大学ではマイクロロボティクスといって、細胞などをロボットハンドで操作する研究をしていました。大学卒業後シャープに入社し、さまざまな端末のソフト開発を担当していましたが、IoTに触れたのは現在の部署に異動してからです。

――ヘルシオ開発を通して技術を磨いていったのですね。今後、IoTが身近になるにつれて、将来の職業としてIoTプログラマーを考える子どもが増えていくと思われますが、どのようなスキルが必要なのでしょうか。

藤本:1つの製品を開発するには多くの人が関わるので、技術面だけでなく基本的なビジネススキルも必要です。私の場合、関係者とコミュニケーションをとる時間も多く、業務の大部分を占めています。

  • 多くの部署と関わり合いながら、ヘルシオを開発した藤本さん - GetNavi・家電 Watch共催の「家電大賞 2021-2022」に「ウォーターオーブン ヘルシオ」が受賞したときの様子

対面で行う会議や打ち合わせだけでなくメールやチャットなど、コミュニケーションの方法はさまざま。新しい仕様を決める際に、書類でのやりとりだけでなく直接話し合う機会持つことで、見えていなかった問題が明らかになったり、検討漏れの条件が見つかったりすることはよくあります。相手が言いたいことを汲み取る力も必要ですし、逆に自分が伝えたいことを人にしっかり伝えられる力も大切です。

もちろん、プログラミング言語も学んでおく必要があります。プログラミング言語の種類はいくつかありますが、私が業務で扱うのはC言語です。私の場合、大学生の授業で学びました。

――ちなみに、藤本さんご自身はどのような子どもでしたか。

藤本:好奇心が強くて、自分がやりたいことはとにかく実行していました。テレビも見るし、音楽も聴くし、図書館にも行くし、水泳もやっていました。特に夢中になっていたのはジグソーパズルでしょうか。1人で黙々とパズルをそろえていましたね(笑)。あとは、「中身がどうなっているのか」が気になるタイプだったので、本を見ながら折り紙を折ってはバラしてみたり、色々な物のネジを外してたりしていました。

――そういった好奇心の強さは、いまの仕事にいきていると思いますか。

藤本:そうですね。やらず嫌いになるのではなく、とりあえずやってみる。「自分にはできない」と決めずに、「どうすればできるのか」を模索する。この思考の転換はさまざまな知識を習得する上で必要な考え方だと思っていて、仕事にもいきています。ヘルシオで新機能を開発するときも、難しいからといってあきらめるのではなく、できる前提でさまざまな角度から方法を探っています。

好奇心と挑戦する心を育む「みんなでプログラミング」

大学ではじめてプログラミング言語に触れ、IoTプログラマーとして活躍している藤本さん。幼い頃からトライを繰り返すことで、「ゴールに向けて、方法を模索する」というプログラミングに必要な論理的思考を身につけてきたようです。

今回、そんな藤本さんにレノボ・ジャパンが提供する、小・中・高校生向けのプログラミング学習ツール「みんなでプログラミング」をご紹介。実際に体験していただき、感想をうかがいました。

「みんなでプログラミング」とは、プログラミングを楽しく学べるオンライン教材。文部科学省の新学習指導要領に準拠した小・中・高校の教材が網羅しており、多くの学校でも採用されています。

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――「みんなでプログラミング」の印象はいかがでしたか。

藤本:プログラミングの基本的な考え方を、楽しく学べる教材だと思いました。私が体験したのは、ブロックを組み合わせてキャラクターを移動し、目的地まで誘導する「プログラミング」のコースです。「右に曲がる」「左に曲がる」「前に進む」など、分解されているキャラクターの動きを1つずつ組み立ててゴールへ導きます。「分解して、組み立てる」というプログラミングの肝となる考え方を、知らずしらずのうちに身に付けられると思います。

――物事を分解・組み合わせていく力は、IoTプログラマーにおいても役立つと思いますか。

藤本:そう思います。ヘルシオも「ユーザーの行動」と、「それに対するヘルシオのリアクション」を細かく分解して組み上げています。たとえば、音声操作です。ユーザーからすると、「ヘルシオに話しかけたら答えてくれた」という動作しか見えませんが、実際には裏でデータのやりとりがあり、さまざまなステップを経てリアクションが成立しています。そういった、裏側の仕組みに興味を持つきっかけになると思いました。良い教材があって羨ましいです(笑)。

――とはいえ、一朝一夕に身につく力ではないと思うので、子どもの頃から養っておくのがよさそうですね。

藤本:そうですね。口で説明されても思考のプロセスを身につけるのは簡単ではありません。「自分でやってみること」が一番の近道です。「みんなでプログラミング」はそのきっかけに適していると思いますよ。

――ありがとうございました。

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IoTプログラマーとして活躍されている藤本さんに、IoTプログラマーの仕事内容ややりがい、必要なスキルについてお聞きしました。

そのなかでも印象的だったのが、藤本さんが好奇心の強い子ども時代を過ごしたということ。子どもの頃からモノの仕組みに興味を持ち、新しいことにも臆さず挑戦する力を育成することは、プログラマーを目指すかどうかには関係なく大切なことだといえます。

「みんなでプログラミング」は、ゲームのように楽しみながらプログラミングに必要な論理的思考を習得し、子どもの好奇心や挑戦心を育てるのにもぴったりの学習ツールです。

ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか。

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[PR]提供:レノボ・ジャパン合同会社