あの大会が帰ってきました。アート引越センターが引越技術と接客サービスの向上を目的に開催している「引越技術コンテスト(アートジャパンカップ)」です。
2020年と2021年はコロナ禍により、やむを得ず開催を断念しました。3年ぶりとあって、大会オリジナルTシャツやタオルを作るなど、運営スタッフも気合い十分。
会場となった「アート引越センター 北大阪支店」(大阪府豊中市)には、選手を応援する横断幕やのぼりがはためき、熱気に満ちていました。
今回は、第8回アート引越センター「引越技術コンテスト」の模様をレポートします。
全国21ブロックを5つのグループに分け
予選を勝ち上がった代表が日本一を競う
2019年9月以来、3年ぶりの開催となった本大会は、感染拡大防止の観点から出場選手数を制限。
全国21ブロックを5つのグループに分け、予選を勝ち上がった「北関東/多摩/東京/中部・四国/関西北」ブロックの代表が引越技術日本一をかけて競い合いました。
最年少は19歳。1チーム2名、計10名の精鋭が一堂に会しました。
東京ブロックが高らかに選手宣誓。熱戦の予感がひしひしと伝わってきました。開会挨拶として「大切なのは平常心。楽しみながら普段通りの力を出してほしい」とのエールを贈られ、いざ、戦いの幕開けです。
5つの競技を順番に行う「順次進行型」を採用
進化する「引越技術コンテスト」
本大会から、5つの競技をひと競技ずつ順次行う「順次進行型」を採用。順番は競技ごとにクジで決定し、より公平性が担保される形式に進化していました。
「運転・運搬・窓吊・梱包・接客」技術の5種目合計500点満点で厳正な審査が行われ、総合得点の高さを争います。なお審査では、スピードはもちろん、安全性が優先されます。
運転技術を競うのは、三角コーンで作られた超難関コース。約60度の鋭角を右に曲がり、最後に左バックで駐車します。接触することなく、少ない切り返し回数かつ短時間で運転する技術を競い合う競技です。
ひとりが全長6.34メートル×全幅2.18メートルの2tトラックを運転し、もうひとりが外で誘導。三角コーンを倒さないように切り返す絶妙なドライビングテクニックは見事でした。
運転技術では、誘導役も重要な役割を果たします。ギリギリを見極めながら「オーライ!」「ストップ!」と声を張り上げ、ドライバーを誘導。
応援団が手に汗握って見守る中、鋭角を抜けて駐車が決まると、拍手と歓声が上がりました。
運搬技術では、全長約22メートルの特設コース内で重さ約90キログラムの冷蔵庫を丁寧かつスピーディーに運ぶ技術を競い合います。「ぶつけない」「落とさない」「引きずらない」が鉄則です。
競技前には、コースに入ってイメージトレーニングを敢行。各所に設置された障害物の位置を頭に叩き込み、入念にシミュレーションしていました。
競技が始まると、障害物を物ともせず、声を掛け合いながら凄まじいスピードで運んでいきます。約1分半という驚異的な早さでゴールしたチームも。
息の合ったコンビネーションが光りました。
重さ約70キログラムの家具を、研修ハウスの2階に窓から搬入。窓吊技術では、安全性を確保しながらスムーズに釣り上げる技術を競い合います。
家具をベルトで縛る方法はチームによってさまざま。ここから技比べは始まっているのです。
準備が整うと、一気にパワー全開。スタートの合図を皮切りに、家具はスルスルと上昇していきました。制限時間は10分ながら1分以内の記録が続出。30秒を切ったチームもいました。
力を振り絞り、引き込んだ瞬間に飛び出たガッツポーズはカッコよかったです。
ガラス製の棚板を含め、外側三面にもガラスが施されたキャビネット本体と、その中に収められている約20個の高級グラスを梱包。梱包技術では、限られた資材で、手際良く安全かつ丁寧に梱包する技術を競い合います。
梱包技術の舞台は、開会式が行われたステージ。ギャラリーが見つめる中、静かな緊張感が漂っていました。
作業を手分けするチームもいれば、2人で協力してグラスからキャビネットと順に梱包するチームもいて、進め方に違いが見られたのは各自が現場で試行錯誤しているからなのでしょう。
緩衝材で覆ってダンボールで巻いたら、審査員が強度を厳しくチェック。マジックペンで、品名や「天地」「ガラス面」を書くのも忘れません。
10分という制限時間で梱包し終えたのはさすがの一言でした。
モニターから流れるナレーションに沿って、顧客役のスタッフと対話。状況に合わせて的確に対応する「プロとしての接客技術やコミュニケーション能力」を競います。
出題されるナレーションは事前に決まっているものの、途中で何度もアドリブの質問が入ります。さらにこれまでの競技とは違い、他チームの様子を見ることはできません。まさに咄嗟の柔軟な対応が求められるのです。
「荷解き後のダンボールはどうすれば?」「家具の位置を後日変えたくなったら?」「補償の内容は?」といった基本出題以外の質問にも冷静に対処。
ときにジョークを交えて笑いを起こしていたのは、顧客から愛される人柄を物語っていました。
高い技術と顧客へのホスピタリティ
アート引越センターの情熱が渦巻いていた
そして、すべての競技を終え、閉会式へ。
栄えある総合第1位に輝いたのは「北関東ブロック」。トロフィーの授与では、笑みがこぼれていました。
率直にとても嬉しいです。上司や先輩が練習に付き合ってくれたおかげで優勝することができました。 「最高で最強のブロックを作る」。上司の言葉に応えられてよかったと思います。 |
すごく緊張していて、まさか優勝できると思っていませんでした。仲間たちに感謝したいです。 |
ちなみに、この2人はご夫婦。アート引越センターの“引越愛”を表すような結果となりました。
台風が心配されたものの、無事に幕を閉じた第8回「引越技術コンテスト」。コロナ禍で過去2回にわたり開催ができなかったこともあってか、選手や応援団、運営スタッフらの生き生きとした表情が印象的でした。
大会を通して、高い技術と顧客へのホスピタリティを感じた一日。アート引越センターの情熱が渦巻いていました。また次回、どのような戦いが繰り広げられるのか、楽しみでなりません。
Photo:photographer_eringi
[PR]提供:アート引越センター