ニューノーマルが定着したことでコミュニケーションの在り方が変わり、非対面のニーズが急増しています。
そんな中、家電メーカーのシャープは、病院やホテルなどにおいて非対面で患者や顧客と対話できる「遠隔応対ソリューション」を開発。この環境下でニーズが急増し、東京医科歯科大学をはじめとした各医療機関や、ホテルに次々と導入されているホットな製品です。
今回は、スマホやタブレットを活用して利用する本ソリューションについて取材しました。
オンラインで患者と家族をつなぐ。東京医科歯科大学病院における「遠隔応対ソリューション」活用事例
取材を受けてくださったのは、通信事業本部 ソリューション事業推進部に所属する川畑英司さんと澤頭亮さんです。
2002年に入社した川畑さんは、携帯電話やスマホなどのソフトウェア開発に従事。2016年に発売したモバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」の開発にも参加しました。「遠隔応対ソリューション」では、開発業務を一手に引き受けています。
澤頭さんは、入社30年以上のキャリアを誇る営業のエキスパート。PC販売に携わった後、数々の大手企業とのビッグビジネスをまとめ上げる実績を積み、6年前からソリューション事業推進部に籍を置いています。
そんな彼らが提供する「遠隔応対ソリューション」は、データ通信により音声通話やビデオ通話を可能とするもの。スマホやタブレットなどを介し、非対面での対話を実現します。川畑さんは「コミュニケーションアプリ『LINE』をイメージしていただくとわかりやすい」と表現してくれました。ただ、もちろん違いがあります。
「遠隔応対ソリューション」では、1対1の対話だけでなく、受信側を自動応答にしたり、特定の端末からのみグループ発信を許可したりするなど、端末ごとに役割や機能を付与できます。 |
病院を例に挙げると、ナースステーションから看護師がスマホを使って発信すると、各病室に設置されたタブレットが自動で応答し、遠隔で状況確認を行えます。また、東京医科歯科大学病院では、入院患者と家族とのオンライン面会に活用されているのだとか。
感染症拡大リスクの抑制を図るために面会を制限・謝絶している今、入院患者さまおよびご家族のメンタルヘルスをどうケアするかは深刻な課題です。 ICUという過酷な入院生活を余儀なくされている方のPICS(集中治療後症候群)や、ご家族のPICS-F(重症疾患を患った患者の家族に起こるメンタルヘルスの障害)も社会問題化しています。 |
「遠隔応対ソリューション」を導入した東京医科歯科大学病院は、入院患者の家族にもタブレットを貸し出し、オンライン面会ができる環境を整えました。家族からは「先生方や看護師さんの表情が力になり、電話だけでは伝わらない感覚が良かった」「元気になっていく姿を見て安心して毎日を過ごすことができた」と、高い評価を得たそうです。
「タブレットを用いたオンライン家族面会は、今や欠かせないツール」と「遠隔応対ソリューション」の意義が強調されています。
誰もが簡単に非対面対話ができる。医療現場からの要望に応えた驚異のスピード
この「遠隔応対ソリューション」は、ホテルに導入されたロボホンをきっかけに開発されました。
「変なホテル(H.I.S.ホテルホールディングス株式会社)」さまから、「導入しているロボホンを内線代わりに使用したい」と仰っていただいたのが「遠隔応対ソリューション」を検討するきっかけとなりました。 |
2019年7月にロボホンでのフロント呼び出し機能が導入されますが、翌年4月になると状況は一変します。日本でも初の新型ウィルス流行拡大による緊急事態宣言が発令されると、医療機関からも遠隔応対を要望する声が届いたため、ロボホンだけでなく、一般的なスマホやタブレットでも利用できるアプリに急遽作り変えたといいます。「遠隔応対ソリューション」をリリースしたのは、その年の7月。たった2か月という驚異的な早さでした。
お医者さんや看護師さんは病棟に行くのにも防護服を着なければならず、対応に苦戦されていました。とにかくスピードが求められていましたね。 |
自動応答やグループ発信の機能を持たせたのは、医療機関のニーズに応えてのこと。特に高齢者のITリテラシーに配慮し、誰でも簡単に対話できるようにこだわりました。他、電子カルテからそのまま患者を指定して通話を始めたり、Bluetoothボタンを使ってワンタッチで発信したりするなど、短期間ながら要望を次々に実装していったと振り返ります。
医療機関向けの製品も多数出しているシャープの強みは、全国の販売店を通じて医療機関から情報を収集しやすいことです。 それに、私たちが所属する部門は、開発や営業が一緒に名を連ねるチームです。営業が吸い上げたお客さまのご要望を開発がカタチにするまでの早さは、社内随一と自負しています。 |
「とりあえずやってみよう」というメンタリティが社内にあるので、どんどんチャレンジできました。 「誠意と創意」を心がけて柔軟に取り組んだ結果、非対面のコミュニケーション向上に貢献でき、嬉しく思います。 |
シャープに根付くDNAを共有する異職種間の連携があるからこそ、入社30年以上の澤頭さんさえ驚くスピードで「遠隔応対ソリューション」を成し遂げたのです。
注目を集める「遠隔応対ソリューション」を拡充し、世の中の課題解決に寄与したい
「遠隔応対ソリューション」は、ホテルや医療機関のみならず、さまざまな業界で注目を集めています。
大手下着メーカー様の一部店舗に「遠隔応対ソリューション」を導入いただいています。 現場スタッフの働き方改革を進めるべく、店頭の店員さんが休憩などで不在の際は、本社や別店舗のスタッフさんがタブレットを介して接客されています。 |
澤頭さんは「遠隔応対ソリューション」が秘める可能性に力を込めます。
Face to Faceの機会が減り、生活に支障をきたしているケースは少なくありません。集まれないことで、心身の健康を害してしまっている方々もいるようです。 「LINE」を使えばオンライン対応できなくないですが、やはり高齢者には難しい。例えば、使い慣れたテレビなどを活用すれば、自宅にいながら誰でも簡単に非対面の対話ができるようになるのではないでしょうか。 |
「遠隔応対ソリューション」は、まだまだ発展途上。川畑さんは気を引き締めます。
ご要望は今もたくさん頂戴しています。これからますます拡充し、少しでも寄与していきたいと思います。 |
これまで対面が当たり前だったコミュニケーションが非対面に置き換わっていく中、「遠隔応対ソリューション」が今後どのように進化していくのか、シャープの「誠意と創意」に期待がかかります。
2022年9月にシャープは110周年を迎えました。
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