いつの時代も子どもに人気の遊びといえば、「ゲーム」ですよね。昨今では自分でプレイして楽しむのはもちろん、eスポーツやゲーム実況など楽しみ方も広がっています。ゲームで遊んでいるお子さんのなかには、「自分でゲームを作ってみたい」と考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回、株式会社エンジンズに所属しプログラマーとしてゲーム制作に携わる五十嵐 修さんにインタビューを実施。ゲームプログラマーというお仕事について、気になる疑問をうかがいました。
株式会社エンジンズ 五十嵐 修さん
家庭用ゲームの開発にリードエンジニアとして従事。キャラクターの制御(プレイヤーや敵の挙動、攻撃ヒットなどの判定など)やグラフィック表現技術、サウンド制御も担当している。
ゲームと音楽。好きなことを両立するべくゲーム開発者の道へ
ーーまず、経歴を教えてください。
五十嵐:ゲームプログラマーとしてのキャリアは27年になります。家庭用のゲームはもちろんスマートフォンやパソコン向けのゲームにも幅広く携わってきました。現在は家庭用のゲーム機で楽しめる、アクションゲームの制作を中心に行っています。プログラマーのほかにも、ディレクターやサウンドクリエイターとしてゲーム制作に携わることもありますね。
ーー担当範囲が広いですね! ゲーム業界ではよくあることですか?
五十嵐:いえ、特殊な例だと思います(笑)。私はもともとミュージシャンを志していたので、音楽制作の分野にも知見がありました。
ーーなぜゲームプログラマーの道に進まれたのですか?
五十嵐:一言でいうと、ゲームが好きだったからですね。小学生の頃にゲームにはまって、RPGやシューティングゲームを夢中になって遊んでいました。音楽にも真剣に取り組んでいましたが、当時不景気だったこともあり、安定した道を選ぶことにしました。そのときに「ゲームクリエイターだったら、大好きなゲームも作れるし音楽にも携われる」と気づいたのです。
ーーゲームに関わる仕事はたくさんあると思います。なぜプログラマーの道へ進もうと思ったのですか?
五十嵐:原体験は、小学生のときにはまっていた「ファミリーベーシック」です。ゲームが作れるゲームソフトで、一見難しそうに聞こえますが実際はそうでもありません。最初から登録されているキャラクターをプログラミングで動かすことで、ゲーム作りを疑似体験できます。その体験が、ゲームプログラマーに憧れるきっかけでした。
ーーそこからどのようにプログラミングを習得しましたか。
五十嵐:高校卒業後ゲーム制作の専門学校に入学し、基本的なプログラミングを学びました。学校の授業以外にも、本や雑誌を使って独学で勉強していましたね。
人の気持ちをいかに動かすか。プログラミングだけでなくプレイヤーとも向き合う
ーーゲームプログラマーに必要なスキルを教えてください。
五十嵐:プログラミング技術はもちろん必要です。また、日々進化する新しい技術を学び続ける姿勢も大切だと感じています。特にゲームのビジュアルはここ数十年で大変な進化をしていて、とても鮮明で美しくなりました。一方で、ゲームとしての根本的な部分は変わっていないことも多いです。たとえば、敵に攻撃されたらダメージを受ける、体力が0になるとゲームオーバーになる、ボスと倒すとクリアしてエンディングが流れる、といった要素は今も昔も共通していますよね。
このように、伝統的なものと革新的なもの が混在するのがゲームの世界です。古いことだけに囚われていてもだめですし、新しいことだけを学べばいいわけでもありません。守るべきところは守りつつ、新しいことも取り入れていく“柔軟性”が必要です。このバランス感覚がゲームプログラマーとして重要なスキルだと思います。
ーーゲーム以外でも同じことがいえそうですね。古い作品に感動することは多いです。
五十嵐:私はゲーム制作において、「人の気持ちを動かすこと」を大切にしています。私が携わったゲームをプレイした人には感動してほしいし、ときには悔しがってほしい。人の心をいかに動かすか。これは技術の進歩だけでは解決できません。
たとえば、キャラクターが走る速度を少し変えるだけで、人の気持ちは変わります。速く動けば爽快感が得られますが、速すぎると今度はゲーム体験を損ねてしまいます。ほかにもジャンプのタイミング、音楽の使い方、ちょっとした違いが人の心に与える影響は大きいです。ゲームプログラマーはただコード(プログラム)を書くだけの仕事ではなく、クリエイティブ性が求められる仕事だと思います。
ーーゲームで表現したいことを、プログラミングという方法を用いてユーザーに「伝える」仕事なのですね。
五十嵐:ゲームは多くの人が関わり、チームで作り上げます。かわいいキャラクターや特殊効果はグラフィッカーが作りますし、音楽はサウンドクリエイターが制作します。彼らがいなければゲームは成立しません。それと同じように、プログラマーもゲーム制作には欠かせない存在です。グラフィッカーやサウンドクリエイターが制作したものを、ゲームに反映できるのはプログラマーだけです。
「27年間、一度も飽きたことがない」ゲームプログラマーの魅力とは
ーーゲームプログラマーというお仕事を経験したなかで、印象に残っていることや嬉しかったことを教えてください。
五十嵐:自分が作ったゲームでユーザーが喜んでくれること。それこそが最大の喜びです。こちらが狙った通りの反応をしてくれたり、感想をもらえたりすると、ものすごく嬉しいですね。また、プログラマーとして、誰もやっていない技術を発明することにやりがいを感じます。たとえば、爆発シーンをプログラムで表現する必要がある場合、普通に作ると単なる爆発になるところを、光の計算を少し変えるだけで印象的に見せられます。「これは五十嵐にしかできないよね」と思ってもらえる仕事ができると、非常にやりがいを感じますね。
ーー毎回、新たな挑戦とやりがいが得られそうですね。
五十嵐:27年間ゲームを作り続けていますが、一度も飽きたことはありません。とてもやりがいのある仕事だと感じています。勉強もずっとやり続けないといけませし、大変なこともありますが、こんないい仕事はないと私は思っています。
『みんなでプログラミング』でプログラミング的思考を学ぼう
五十嵐さんのお話を伺って、ゲームプログラマーという仕事に興味を持った方も多いのではないでしょうか。しかし、いきなり本格的なプログラミングを学ぶのは大変。そこで、「プログラミング的思考」を身につけるためにおすすめしたい『みんなでプログラミング』というプログラミング学習ツールを紹介します。
プログラミングを楽しく学べるオンライン教材。文部科学省の新学習指導要領に準拠した小・中・高校の教材が網羅しており、多くの学校でも採用。2021年11月からは家庭用の教材がリリースされている。
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ーー今回、五十嵐さんに『みんなでプログラミング』を体験していただきました。いかがでしたか?
五十嵐:率直な感想は「すばらしい!」ですね。まず、プログラミング的思考を身につけるというコンセプトが良いと思います。プログラミングとは、“思考を整理して操作すること”だといえます。これはプログラマーだけではなく、生活や人生全般にも役立つ考え方です。 なぜなら、人は必ず何らかのルールのなかで生きていきます。ルールを整理して、そのなかで最善の道を選び取っていく。その作業にこそプログラミング的思考は役立ちます。
ーープログラミングは難しいイメージがありますが、『みんなでプログラミング』はパズルのような感覚で自然とプログラミングの基礎を身につけられます。
五十嵐:その点も高く評価しています。プログラミングは「小さな役割」の集合体です。その小さなパーツが正しい順番で並ぶことで、プログラミングを構成しているわけです。でも、私たちが普段扱っているようなプログラミングは英語なので、小さなパーツの組み合わせでできているという仕組みになかなか気づけません。
『みんなでプログラミング』は、このパーツの部分を、ブロックとして表現しています。なので、英語やコンピュータ言語がわからなくても、ブロックを並び替えるだけでプログラミングの基礎が学べますし、プログラミング的思考が身につきます。どういうプログラミングを作ったら、キャラクターがどう動くのか。しっかりとリンクしているので、間違いと正解がわかりやすいです。
正直、私が小学生の頃にこのサイトがあったら本当に良かったのにと思いました(笑)。プログラマーを目指すお子さんの入り口としても最適だと思いますし、プログラマーを目指していなくても、ぜひ経験してほしいです。
ーー『みんなでプログラミング』で学んだことが、その後も役に立つと思いますか。
五十嵐:そうですね。『みんなでプログラミング』の長所は試行錯誤しやすいことです。思ったような結果にならなかったら、すぐに次のやり方を試せます。試行錯誤のやり方がわからないと、社会に出て困ることもあります。その意味では、『みんなでプログラミング』を体験することで、生活に必要な能力が身につくともいえるでしょう。
ーーありがとうございました!
ゲームプログラマーとして業界の第一線で活躍されている五十嵐さんに、プログラミング的思考を身につけることの大切さをうかがいました。
『みんなでプログラミング』は、小さなお子さんでも気軽にプログラミング的思考を身につけられるコンテンツがそろっており、思考力を養うのにピッタリのサービスです。プログラマーを目指すならもちろん、そうでない場合でもおすすめ。ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。
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