高齢化が進み人財不足が懸念される建設業。そんななか、積和建設では高卒を中心とした新卒者の正社員採用を強化する取り組みを始めている。「若手や女性の力が今後の事業を進めるうえで核となる」と話すのは、積水ハウスブループの積和建設事業本部長である大村泰志氏。戸建住宅最大手の積水ハウスの住宅を一手に引き受ける住宅施工のエリート集団だが、同社は男女ともに働きやすく、夢を持ってキャリアパスを描ける環境づくりを推進している。そこで今回は、「なぜ今、若手や女性の力が必要なのか」そして「若手や女性を育てる環境づくり」について話を聞いた。
全国15社の積和建設グループを統括し、経営戦略の策定や採用方針決定、ガバナンス強化などを担う積和建設事業本部で本部長を務める。新卒で積水ハウス株式会社に入社。戸建て住宅の営業に携わり、中国・四国エリアで支店長を歴任。関西第二営業本部長を経て、2021年2月の積和建設事業本部発足と同時に本部長に就任。入社理由は、夢が詰まった家という場所が好きだから。
建設業では、今、人手不足が危機的な状況になっている
積水ハウスの戸建住宅、賃貸住宅の施工を一手に担う積和建設。事業本部長を務める大村氏は、建設業は今、大きな課題に直面していると語る。
「日本全体で生産年齢人口の減少に伴う人手不足が課題となっていますが、建設業では特に状況が深刻です。就業者のうち55歳以上が約35%、29歳以下は約11%※と、圧倒的に若年層が少なく高齢化が進んでいます」
※出典:国土交通省「建設産業における担い手の確保・育成について」令和2年9月14日
建設業のなかでも、土木分野では重機の自動運転などICTを活用した省人化が進むが、建築分野では複雑な施工を求められることや精度を求められることから実用化には至っていない。そのため建築の需要はあるが、人手不足により供給が追いつかないという事態がすでに始まりつつあるという。
人財確保が急務となっている状況を受け、積和建設では高卒を中心に新卒採用を強化する方針を決定した。2023年4月入社から3年間で約550人の施工技能者を正社員雇用する計画だ。業界的に見ても、大手建設会社における施工技能者の正社員雇用はほとんど例がない。
なぜ高卒をはじめとした若年層の採用を強化するのか。その理由を大村氏は次のように話す。
「住宅建築の仕事は、家の土台をつくる基礎工事、構造を建てる躯体工事、内装工事、外構工事など、覚えることが多いです。すべてを覚えて技術力を磨くには、一生かかるといっても過言ではありません。その代わり、一生使える技術を手に入れることができます。ですから、1年でも2年でも早く業界に入るほうが有利なんです」
積和建設は積水ハウスの住宅を建てるために設立された100%出資子会社
積和建設は、積水ハウスの戸建住宅の施工を担うために1973年に設立された100%出資子会社。全国に15社85拠点があり、254万戸を超える住宅施工に携わってきた。
「建設業界は、元請業者から、1次下請、2次下請、3次下請へと仕事が展開され、実際の施工は2次や3次といった下請業者が行うのが一般的です。しかし、積水ハウスの住宅を施工するのは、1次下請である積和建設と、私たちの理念を理解した積水ハウスの仕事を主に請け負う協力工事店のみ。どの現場でも、積水ハウスの家づくりに精通した技能者による精度の高い工事が行われています。このように自社専属の施工部門を子会社に持つハウスメーカーは、国内でも我々だけなのではないでしょうか」
この仕組みにより、お客様には高い品質の住宅を提供することができ、積和建設ならびに協力工事店の技能者にとっては、積水ハウスクオリティの高い技術力が蓄積していくメリットがある。
積和建設だからこそ、お客様の「顔が見える仕事」ができる
「積和建設で働く魅力は、お客様である施主の顔が見える仕事をできることです」
戸建住宅を施工する積和建設の仕事は、家を注文されたお客様との距離が近く、家に込められた想いを現場のメンバー全員で共有しながら、家づくりのお手伝いができる。これは住宅施工の現場で働く大きな魅力で、都市開発や大規模建築のような仕事では、なかなかそうはいかない。
「家というのは、お客様の夢が詰まった場所です。ですから、お客様の夢をお聞きして、想いをカタチにするこの仕事は非常にやりがいのある仕事です。“ありがとう”と喜んでくださる顔を見るのは、何よりうれしい瞬間ですよ」
働きやすく、成長や自己実現が叶う職場をめざして始まった改革
ではなぜ、建設業で若年層や女性がこれほどまでに少ないのか。その理由は、3Kといわれる「きつい、危険、汚い」イメージがあり、そもそもの入職希望者が少ないためだ。
さらに、就職したとしても「休日が少ない」「出勤日数によって賃金が毎月変動する」「将来のキャリアアップの道筋が見えない」などの理由から離職してしまうケースが多いという。
積和建設では、このような状況を改善し、やりがいを持って長く働けるように労働環境・人事制度を改変。2023年4月から運用を開始する予定。主な取り組みには以下の3点がある。
施工技能者を正社員雇用することで、原則週休2日の休日が確保できる
施工技能者の賃金には個人の出来高による成果手当を新設し、業務のパフォーマンスが高くなる年代に賃金カーブがピークを迎える設計に改変
施工技能者としてのステップアップに加え、一級建築士や一級・二級施工管理技士などの資格を取得して工事責任者へのジョブチェンジや更に高度なマネジメント能力が必要となる管理職、経営職へのキャリアアップの道筋を明確化。めざすべき目標が明確となった
給与やキャリアアップに関わる評価制度は、学歴や性別によってバイアスがかかることはなく、能力や成果に合わせて公平に評価される。
積極的に女性技能者の活躍を支援
積和建設では、女性技能者の活躍支援として、全国で活躍する女性技能者の座談会を定期的に開催し、その意見に基づいて新しい制度やしくみを創設する取り組みを行っている。
自分自身のモチベーションアップやお客様から好感を持ってもらえるようなユニフォームへのリニューアルなどの動きも始まっており、今後もさらなる環境整備が進められる予定だ。
入社後は、半年間かけて住宅建築の知識と技術を習得
教育体制の充実ぶりも積和建設で働く魅力のひとつといえる。
「新入社員の皆さんには、認定職業能力開発校であり当社が直接運営する国内3カ所(茨城県・滋賀県・山口県)に設けられた教育訓練センター・訓練校で、半年間かけて基礎工事、建方、内装工事に関する知識と技術を習得してもらいます。まっさらな状態で入社した新入社員も訓練を終える頃には、自信に満ちた顔つきに変わっていますよ」
また、「すべての従業員が同じ志を持って、お客様の家づくりに携わってほしい」という考えから、訓練校では、積水ハウスグループの企業理念である「人間は夫々かけがえのない貴重な存在であるという認識の下に、相手の幸せを願い、その喜びを我が喜びとする奉仕の心を以って何事も誠実に実践することである」が示す「人間愛」についても学ぶ。
「訓練校でのカリキュラムのうち、私が最も重要だと考えるのが企業理念の学びです。住宅はお客様にとって、人生で一番高い買い物。そして、ご家族の幸せをカタチにしたものです。自分の仕事がお客様の大切な思いを実現する仕事だと認識し、相手を思って品質に妥協のない仕事をする、それを成し遂げ感謝されることに喜びを感じる、そんな心意気を養ってもらいたいと考えています」
チャレンジ精神を大切に、これからも業界トップをめざす積和建設
積和建設では、積水ハウスの住宅施工事業をベースに、家づくりで培った高い技術を活かし、店舗やオフィスなどの建物、リフォーム・リノベーションなどにも事業のフィールドを広げている。また、積水ハウスの海外展開を技術面からサポートするため、アメリカやオーストラリアをはじめとした海外での技術指導や施工といった事業展開も検討を始めている。
「事業拡大が進む積和建設には、次世代の核となるようなチャレンジ精神旺盛な人財が必要です。皆さんのチャレンジを応援する労働環境や人事制度の準備は万端です。決してラクなことばかりの仕事ではありませんが、それを超える楽しさもたくさんあります。家づくりを通して、お客様に喜ばれる経験を皆さんにもしてもらいたいと思います」
来春からスタートする積和建設の次世代の事業の核となる若手や女性の積極採用に向けた労働環境整備や人事制度。新しい環境で自分の力を試したい、建設業でキャリアアップしたいと考えるなら、就職先のひとつとして積和建設を検討してみてはどうだろうか。
[PR]提供:積和建設