PCショップ「ドスパラ」などで知られるサードウェーブから、第11世代Coreプロセッサー搭載の「THIRDWAVE SA50xi」が新しく登場した。
仕事やプライベートで使いやすい15.6型ディスプレイを採用したスタンダードなノートPCだが、本体カラーに深みのあるラピスブルーを採用したり、キー入力のしやすさにこだわっているなど、個性が光る製品に仕上がっている。今回、その実機を試すことができたので、外観や使用感、パフォーマンスなどを詳しく紹介していこう。
タイピングのしやすさにこだわりが感じられるキーボード
ノートPC選びにキーボードはとても重要な要素。キーの形や配列が変則的だったり、打ち心地が悪かったりすると、タイプミスが増えて入力効率がガクッと落ちてしまう。今回「THIRDWAVE SA50xi」を試してみて、まず感動したのがキーボードの使いやすさ。とにかくタイピングしやすいのだ。
その理由として、以下の2点が考えられるだろう。
メインキーの大きさにゆとりがあること
本製品はテンキーを標準搭載しているが、メインキー部分のキーピッチはなんと19.6mmもある。
通常15.6型クラスのノートPCにテンキーを搭載すると、キーピッチに余裕がなくなりがち。しかし本製品の場合はテンキーをあえて幅狭にすることで、メインキーに余裕を持たせて外付けキーボードにも負けないキーピッチを実現している。
しかも一部のキーだけサイズが小さかったり、標準的な配列と異なるということもないため、うっかり打ち間違いをしてしまうことも少ない。キー自体の質感も高く、ストロークは浅めながらしっかりとしたクリック感があるので、押したつもりが認識されていなかったというような打ち損じも起きにくい。そのためタイプミスが少なくサクサク入力できる。
テンキーを搭載したノートPCは、メインキーやタッチパッドが左に寄っていることが多く、ホームポジションを取ったときに体の軸が画面の中央からずれてしまいがち。長時間作業する際はこれが結構なストレスになる。その点、本製品はメインキーやタッチパッドが中央寄りに配置されており、ホームポジションを取ったときの違和感も少ない。これもタイピングしやすさにつながっている。
リフトアップヒンジが採用されていること
ディスプレイを開くと、キーボードの奥側が少し持ち上がってキーボード面に傾斜がつく。そのためタイピング時の手首の負担が少なくてすむ。
ちなみにテンキー部分のキーピッチは横方向が実測で約13mmとかなり狭いが、縦方向はメインキーと同じサイズなので意外に押さえやすい。ちょっとした数値入力や、電卓がわりに使う程度であれば不満は感じにくいはずだ。
とはいえ、なかにはパソコンのキーボードにそれほど慣れていなくて「目で追いながら、ゆっくり、確実に入力したい」という人もいるだろう。そんな人のために用意されているのがテンキー機能付きタッチパッド「フロスト・パッド」だ。タッチパッドの右上にあるボタンを長押しするとバックライトが点灯し、パッド全体がテンキーに切り替わるようになっている。
メーカーによると、霜(フロスト)のついたガラスの下から数字が浮かび上がってくるように見えるのが名前の由来とのこと。クールでかっこいいだけでなく実用性も高いので、テンキーの使用頻度が高い人はぜひ活用してみてほしい。
所有欲が満たされるアルミ外装の高品質なボディ
「THIRDWAVE SA50xi」は、その洗練された外観も魅力のひとつ。
本体サイズは幅が358mm、奥行きが233mm、高さが19mm、質量が約1.7kgで、15.6型ノートPCとしては薄く軽い。屋内で場所を変えてPCを使いたい場合も、気軽に持ち運ぶことができる。出先で使いたいときに、バッグなどへ入れて持ち出すことも十分可能だ。
筐体にはアルマイト処理されたアルミ素材が使用されており、剛性が高く質感が良いのも特徴。天板にはロゴの類いは見当たらず、シンプルで飽きのこないデザインになっている。金属ボディならではの高級感があり、手に持って眺めているだけでも所有欲が満たされてしまうくらいだ。
本体カラーは深みのあるラピスブルーを採用している。サードウェーブの14型ノートPC「THIRDWAVE F-14TG」でもユーザーから人気を集めたカラーで、上品で落ち着いたなかにも強い個性を感じさせる色合いが印象的。どんな色とも相性が良く、フォーマルにもカジュアルにも合わせやすいので、ビジネスからプライベートまで幅広いシーンで活躍してくれそうだ。
ディスプレイはサイズが15.6インチ、解像度がフルHD(1,920×1,080ドット)というスペック。ノングレアパネルのため明るい場所でも映り込みが少なく見やすいのがうれしい。狭額縁デザインのためベゼルの存在が気にならず、画面に集中しやすいのも良いところ。液晶は視野角が広く色再現性も良好で、写真や動画も鮮明に再現することが可能だ。
ディスプレイ上部にはWebカメラが内蔵されているが、セキュリティに配慮して物理的にレンズを隠せるプライバシーシャッターが搭載されている。こうした細かい配慮が随所に見られるのも、本製品の魅力的な部分だ。
使い勝手を高める充実の外部拡張ポート
薄型軽量ボディながら、外部インタフェースが充実しているのも「THIRDWAVE SA50xi」の特徴。本体左側面にはUSB 3.2 Gen2(Type-A)、Thunderbolt 4(Type-C)×2、HDMI端子が、右側面には指紋認証センサー、microSDカードリーダー、USB 2.0(Type-A)、USB 3.2 Gen1(Type-A)、マイク入力・ヘッドフォン出力共用端子が搭載されている。
そのうちThunderbolt 4ポートは両方ともUSB PDとDisplayPort Alt Modeに対応しており、高速なデータ伝送が行えるだけでなく、USB Type-Cケーブル経由で給電したり、外部ディスプレイに映像出力することもできる。電源ポートも兼ねており、付属のACアダプタもThunderbolt 4ポートにつなぐようになっている。
なお、HDMI端子もThunderbolt 4ポートも外部ディスプレイには最大4096×2160ドットで出力可能。4Kモニターを複数つないでマルチディスプレイ環境を構築することも容易に実現できる。
通信機能はWi-Fi 6が搭載されており、対応ルーターと組み合わせれば高速で遅延の少ないネット接続が可能。またBluetooth 5.2に対応しており、ワイヤレスタイプのマウスやキーボード、ヘッドセットなどの周辺機器を使用できる。
用途に合わせて選べるラインアップ
「THIRDWAVE SA50xi」は、搭載するCPUやメモリ容量などの違いにより、全部で3モデルが用意されている。主なスペックの違いは次の通り。
THIRDWAVE SA50xiのラインアップと主なスペック | |||
---|---|---|---|
モデル | SA503i | SA505i | SA507i |
CPU | Core i3-1115G4 | Core i5-1135G7 | Core i7-1165G7 |
グラフィックス | Intel UHD グラフィックス |
Intel Iris Xeグラフィックス | |
メモリ | 8GB | 16GB | |
SSD | 256GB | 512GB | |
価格(税込) | 91,980円 | 102,980円 | 124,980円 |
今回はこのうち、最上位モデルに当たる「SA507i」を試すことができたので、ベンチマークソフトを実行してパフォーマンスを測ってみた。
まず、CPUの性能を測る「CINEBENCH R23」は、次の結果になった。
CINEBENCH R23 | |
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CPU(マルチコア) | 4069pts |
CPU(シングルコア) | 1377pts |
アプリの動作に影響するシングルコアのスコアが高いので、画像・動画編集アプリなどもサクサク動作することが期待できる。また、マルチコアのスコアも高めなので、複数の処理を同時に行うマルチタスクも快適に行えそうだ。
続いて、「PCMark 10」を実行してPCの総合的なパフォーマンスをチェックしてみたところ、次の結果になった。
PCMark 10 | |
---|---|
総合スコア | 4802 |
Essentials | 9621 |
Productivity | 6480 |
Digital Content Creation | 4822 |
快適さの目安となるスコアは、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上。本製品はいずれのスコアも大きく上回っており、普段使いはもちろんのこと、画像編集や動画編集などのクリエイティブ用途でも快適に使用できることがわかる。
このほか「CrystalDiskMark」でストレージの性能も測ってみた。試用機にはPCIe Gen3×4接続のSSDが搭載されていたが、シーケンシャルリードが3500MB/s程度と非常に高速。実際、OSやアプリの起動も速く、サクサク快適にアプリを使うことができた。
CrystalDiskMark | |
---|---|
1M Q8T1 シーケンシャルリード | 3471.02 |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 3085.19 |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 2034.61 |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 1897.61 |
4K Q32T1 ランダムリード | 400.24 |
4K Q32T1 ランダムライト | 351.60 |
4K Q1T1 ランダムリード | 56.49 |
4K Q1T1 ランダムライト | 88.05 |
ベンチマーク結果から、「SA507i」は普段使いから画像・動画編集などのクリエイティブ用途まで幅広く対応できる実力を持っていることがわかる。直販サイトでは、これだけの性能、機能を搭載しながら124,980円(税込)で販売されており、コストパフォーマンスは非常に高い。
「SA507i」ほどメモリやストレージ容量が必要ないのであれば、同じIntel Iris Xeグラフィックスを搭載した「SA505i」もオススメ。Webブラウジングやビジネス文書の作成など、日常的な用途が中心なら税込で10万円を切る「SA503i」も魅力的だ。デザインが良く使い勝手に優れたノートPCを探している人は、ぜひ注目してみてほしい。
主なスペック
メーカー | サードウェーブ |
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型番 | THIRDWAVE SA507i |
ディスプレイ | 15.6型フルHDノングレア(1,920×1,080) |
CPU | Intel Core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB(PC4-29800) |
M.2 SSD | 512GB(NVMe対応) |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | Intel Iris Xeグラフィックス(CPU内蔵) |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
LAN | 無線:IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n対応Wi-Fi 6 AX201 + Bluetooth 5.2 |
インタフェース | Thunderbolt 4 (USB Type-C形状、PD対応充電 / DisplayPort Alt Mode 映像出力)×2、USB3.2 Gen2 Type-A×1、USB3.2 Gen1 Type-A×1、USB2.0 Type-A×1、HDMI 2.0b×1、マイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子×1 |
サイズ | 約W358.0×D233.0×H19.0mm(ゴム足含む) |
重量 | 約1.7kg(バッテリー含む) |
価格 | 124,980円(税込)~ |
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