ニューノーマルなライフスタイルが定着し、健康や美容への意識が高まっている昨今、とあるニュースが世間を驚かせました。

「家電メーカー・シャープが、スキンケア製品を発売」

医薬部外品のスキンケアアイテムシリーズ「Crystaliq(クリスタリーク)」を展開し、薬用保湿クリーム、薬用保湿化粧水、薬用保湿乳液の3商品を販売しています。いずれも保水有効成分「ヘパリン類似物質」と、抗炎症有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」を配合。乾燥を防ぎ、潤いのある健康な美しい肌へと導きます。

なぜ、家電メーカーであるシャープがスキンケア製品の開発に乗り出すことになったのでしょうか?新規参入の背景に迫ります。

スキンケア製品開発のきっかけは、2年前の国難を救ったマスク

今回、取材を受けてくださったのは、Crystaliqの開発・販売を手がける株式会社SHARP COCORO LIFE・COCOROストア推進部の森真世佳さん、竹山一志さん、西村綾乃さんの3名です。

  • インタビュイーの3人

ECサイト運営経験を持つ課長の森さんと、IT業界で営業職やディレクレター職として経験を積んできた主任の竹山さんは、それぞれ2020年、2021年にキャリア入社。西村さんは今年2022年4月に入社した新入社員です。

社歴に関係なく、新規事業の命運を託すシャープの攻めの姿勢が垣間見えますが、そもそもスキンケア製品は家電メーカーにとって未知の領域。「なぜ、シャープがスキンケア製品を?」。多くの人が感じるであろう疑問を紐解くには、2年前に起きた未曽有の国難を振り返る必要があります。

深刻なマスク不足に陥った2020年、シャープはマスクの生産に着手しました。これまで累計3億枚以上を販売し、お客さまからたくさんの感謝の言葉を頂戴しています。

そんな中、長引くマスク着用による肌の悩みをお聞きするようになったのです。


  • シャープのマスク

「肌が乾燥している」「吹き出物やニキビができるようになった」。独自で調査したところ、女性で4割、男性で3割の人がマスクに起因する肌の悩みを抱えていることがわかりました。顧客とのコミュニケーションは、森さんらが所属するCOCOROストア推進部の重要なミッションのひとつ。「お悩みは解決しなければならない」。使命感に駆られ、マスクによる肌トラブルをケアするスキンケア商品開発の検討が始まったのです。

  • 森さん

ちなみに「Crystaliq」という名前は、crystal(水晶)とliquid(水)をかけ合わせた造語。水晶が持つ清潔感や透明感を目指す肌のイメージになぞらえています。そして、crystalにはもうひとつの意味が。開発のきっかけとなった「シャープクリスタルマスク」の“マスク着用の日常がより快適になるように”との想いも継承しています。

  • Crystaliq

ヘルスケア関連事業を推進する全社的な取り組みの中で

全社的にヘルスケア関連事業を重点強化分野に位置付けていることも、スキンケア商品の開発を推進する追い風になったそうです。

シャープは、マスクの生産・販売に加え、フェイスシールドや、蓄冷材を活用したワクチン輸送への貢献など、ニューノーマルの社会のサポートに力を入れてきました。

社会貢献から始まったマスクの延長線上にあるスキンケア商品の発売は、その一環。健康で快適な生活に寄与するものと認識しています。


  • 健康のイメージ

森さんは「Crystaliqは、幅広い年代の方にお使いいただけるスキンケア製品です」と自信を覗かせました。

経験のないスキンケア製品開発を成功に導いた「誠意と創意」

しかし、全く経験のないスキンケア製品の開発は困難を極めました。

ノウハウ自体が何もなく、誰ひとりとして何もわからない状態からのスタートでした。ゼロをイチにすることの大変さを痛感しましたね。


  • 竹山さん

しかもメンバーは、私を除いてほとんどが男性。彼らは各分野のエキスパートですが、スキンケア製品の知識は皆無でした。


社内で議論を重ねる一方で、森さんや竹山さんは外部の協力会社選定に奔走。何社も訪問したそうです。ある化粧品の原材料メーカーから今回の協力会社を紹介してもらえたことで、ようやく話が具体的に動き始めたそうですが、検討から1年ほどの時間を要しました。

開発段階に入り、森さんと竹山さんは、「誠意と創意」という理念が社内に深く広く浸透していることを知って、感銘を受けたといいます。「シャープには確固たる土台があり、そのもとで全員が同じ方向を向いて、高いレベルで意見を集約させていく。議論の内容にもアウトプットにも滲み出ている」と、竹山さんは評しました。キャリア入社だからこそ、風土を強く感じられるのかもしれません。

大前提に置いたのは安心感と信頼感です。シャープとして恥ずかしくない製品を作るため、配合する成分についてもディスカッションを交わしましたが、技術者の探求心には舌を巻きました。モノ作りの血が騒いだのでしょう。


スキンケア製品のことを何も知らなかった人たちが、他社製品を中心に調べ尽くし、日に日に詳しくなっていく。モノ作りを真摯に追求する姿は、まさしく「誠意」の賜物です。

多くの人に毎日使っていただきたいので、使用感にもこだわりました。

伸びの良いテクスチャーで、塗った後のストレスを感じません。また、箱や容器にはクリーンなイメージを採用し、手に取っていただけるように工夫しました。


  • Crystaliq

有効成分を配合するのは当然のこととして、一歩進んだ快適さを提案する。ここに「創意」があります。Crystaliqは協力会社の協力を得て製造したものですが、シャープの意向が存分に反映されているのです。「誠意と創意」が生んだCrystaliqの反響は上々。発売してすぐに支持を集めているのも頷けます。森さんが大きな期待を寄せる入社して間もない西村さんは、消費者に近い立場でCrystaliqを絶賛しました。

私はスキンケア製品が好きでいろいろと試しているのですが、Crystaliqは伸びがすごく良いです。1週間ほど使ってみると、手放せなくなりました。国外にも広めていきたいですね。


  • 西山さん

「先輩たちのように、ゆくゆくはCrystaliqのようなオリジナルのスキンケア製品を開発してみたい」と西村さん。「誠意と創意」の理念は、こうして日々の仕事を通じ、後進に受け継がれていくのでしょう。

  • お三方

見据えるのは、シャープの家電製品との連携!

Crystaliqシリーズは、今年3月に薬用保湿クリームを、5月に薬用保湿化粧水と薬用保湿乳液を発売したばかり。まだまだ改善の余地はあると竹山さんは気を引き締めます。

  • Crystaliq

長期的な使用感に関するフィードバックをいただき次第、それらを反映させながら、より良い製品にしていきたいと思います。


そして見据えるのは、シャープの家電製品との連携です。

社内の他部門から「一緒に商品を作れないか」といったポジティブな反応もありました。やはり家電製品との連携は進めていきたいところです。

あと、Crystaliqを起点としてお客さまとのコミュニケーションを深め、家電の買い替え時などにシャープを思い出していただけるように努めたいですね。


ただ、今はマスク着用が日常化していますが、それも今後はどうなるかわかりません。時代の変化がどんどん速くなっていますが、これからも「すべての人に健康と福祉を」という大目標は変わらないでしょう。どんな世の中になっても、シャープは「誠意と創意」で私たちをまた驚かせてくれそうです。

  • お三方

Crystaliqの詳細はこちら

Photo:ビレッジピクス

[PR]提供:SHARP