航空機や特装車、産業機器などの開発・製造を手掛ける新明和工業は、2020年に創業100周年を迎えた。歴史があり、国内ではトップシェアを誇る製品を数多く有する同社が、この先の100年を見据え、グローバルな社会ニーズに応えるべく、海外展開にも積極的に取り組んでいる。この記事では、そんな新明和工業の歴史と海外市場で活躍する社員にインタビューした動画の内容を紹介していく。

社会インフラを支える製品を広く展開

1920年に神戸市内で設立した川西機械製作所。その倉庫の一角で飛行機の設計・製作を始めたのが、新明和工業の歴史の起点となった。

現在は、航空機だけでなくダンプトラックや塵芥車(ごみ収集車)などの特装車、機械式駐車設備、水中ポンプ、自動電線処理機など、社会インフラを支える製品を幅広く展開。メーカーでありながら、製品保守にも力を入れている点も大きな特長だろう。

そんな新明和工業が目指す姿は、「グローバルな社会のニーズに応える価値共創カンパニー」だ。続いて、グローバルに活躍する社員の声を取り上げていく。

グローバルに活躍する新明和グループの社員たち

「自動電線処理機」について語ったのは、産機システム事業部の村上祐平氏。自動電線処理機とは、自動車や家電の電気信号を伝えるワイヤーハーネスの部品を作るのに欠かせない重要な装置。

村上氏は、自動電線処理機の据付や操作指導、メンテナンスなどを行っており、打ち合わせの場では中国語や英語、スペイン語など複数の言語が飛び交うこともあるという。村上氏は、絶えず変化するグローバル市場を見据え、「変わりゆく自動車産業にしっかり追随し、発展に貢献していきたい」と未来への想いを語った。

自動電線処理機の販売・マーケティングを手掛ける伊藤魁氏は、現在、新明和工業が設立したタイの現地法人に所属。タイをはじめ、東南アジアの国々やインドを担当している。日本の自動車は世界各国で愛用されているが、新明和工業の自動電線処理機は、多くの日系自動車メーカーに採用されている。

伊藤氏は、自動車産業を間接的に支えている自身の仕事にやりがいを感じており、「エンドユーザーに近いところで仕事をしているので、現場の声を開発に生かせるような仕組みづくりをしていきたい」と、さらなる貢献を誓った。

海外子会社のタイ新明和で営業課長を務める手島千畝氏は、「特装車」について語ってくれた。特装車とは、塵芥車をはじめ、動力を用いて何かしらの作業を行う荷台がついている車両を指す。

顧客の大半がタイ資本の会社となるため、英語は通じずタイ語でのコミュニケーションが主となる中、現地の社員と協力しながら日々奮闘しているという。手島氏は「海外での売上を拡大するというタスクがあるので、単発ではなく10年、15年と続けられる新しいものを作りたい」と意気込みを語った。

特装車事業部で海外戦略部長を務める西川仁氏は、入社以来、海外市場を対象とする仕事に携わってきた。これまで訪れた国はなんと50ヵ国にも及ぶとのこと。いわゆる観光対象となる国は少なく、パスポートの履歴を見た入管職員に「あなたはJICAの職員か、あるいは外務省の所属か」と聞かれることが幾度もあったという。

人々のあらゆる生活シーンを支える特装車。海外で新明和製の特装車が稼働している様子を見かけると、現地の衛生環境の改善など、人々の生活に役立っているという実感がわき、感動すると語る西川氏。今後は、従来の輸出に加え、海外でのモノづくりも視野にあるという。

「諸先輩方が世界中にまいてくれた仕事の種を私たちが育て、それを後輩が大きな木に育てて、それが実を落として新しい木が生える――そんなふうに、事業が膨らんでいけば」と、新明和工業の理念を脈々と受け継ぎつつ、海外事業を大きく育てていきたいと締めくくった。

このほかにも、新明和グループは日々の暮らしを支えるさまざまな製品やサービスを世に送り続けている。意外なところで、新明和のロゴを目にする機会もあるはず。今後の研究開発の成果に期待を寄せながら、あなたも街なかで新明和のロゴを探してみては?

インタビューの様子を動画でチェック

[PR]提供:新明和工業