遠くに暮らす人に手紙や荷物だけでなく、私たちの代わりに日頃の感謝や思いを届けてくれる。生活になくてはならない存在となっている日本郵政グループだが、地域と密接な関係を育む同グループならではの価値ある情報を発信していくために、オウンドメディア「JP CAST(ジェイピーキャスト)」を立ち上げた。
同メディアのなかでは、日本郵政グループの地方創生につながる様々な取り組みをはじめ、身近な存在でありながらなかなか知ることができない、郵便局とそこで働く社員の等身大の姿を見ることができる。今回広報担当者に話を聞く機会を得たので、そんなJP CAST立ち上げの背景や思いについて、取材してきたので紹介しよう。
社員自らが発信し、出演者となるメディア「JP CAST」
本日のインタビューに応えてくれるのは日本郵政 広報部の池辺 恭平さん。池辺さんはJP CAST立ち上げメンバーであり、同媒体の編集長的な役割も行っている。いわば、JP CASTのことを誰よりも知っているキーマンだ。
―――本日は取材に応じていただきありがとうございます。まずは池辺さんが担当されているお仕事について教えてください。
日本郵政グループは郵政民営化により設立された企業グループで、日本郵政はグループの経営管理などを担う持ち株会社です。私は広報部に所属しており、グループリーダーを務めています。2010年入社なので、そもそも民営化後に入ったことになります。
日本郵政の広報部は日本郵政グループの広告・宣伝のほか、コーポレートサイトやSNSの運営、日本郵政グループ女子陸上部の運営なども行っているので担当領域は広いです。私の今回の役目は、JP CASTの立ち上げとプロジェクト全体のとりまとめ役ということになります。
―――1月からJP CASTが始まりましたが、すでに多くの記事が上がっていますよね。どのような経緯で同媒体を立ち上げたのか教えていただけますか?
現在、40以上の記事が上がっています(取材時2022年3月2日)。日本郵政グループは、全国津々浦々約2万4,000の郵便局ネットワークを有しており、それぞれの郵便局が地域に根差し、地方創生をはじめとした地域の人々のお役に立てる取り組みをたくさん行っています。しかし、これまではその活動をお客さまに積極的に発信できる機会がなかなかありませんでした。
私はかねてより、このような日本郵政グループが行っている様々な良い取り組みを、お客さまはもちろん、私たちと一緒に働いている社員やそのご家族に対して、きちんと伝えたいと考えていました。そこで、日本郵政グループが持つ彩り豊かでバラエティに富んだ情報を直接お客さまに伝えられるメディアを創ろうという話になり、「JP CAST」のプロジェクトが始動しました。
―――そのような理由があったのですね。ちなみに「JP CAST」というネーミングには理由があるのですか?
“JP”は日本郵政グループを、“CAST”というのは社員自らが出演者となるという意味で、“演者”という意味と、“放送局”あるいは“発信する”という意味を含ませています。
つまり、日本郵政グループの社員たち自らが発信者であり、出演者となってみなさんに様々な取り組みを知っていただきたいという想いがこもったネーミングになっています。
―――JP CASTでは、どのようなコンテンツを紹介しているのでしょうか?
全国津々浦々の郵便局ネットワーク、1日3,100万箇所に配達する郵便・物流ネットワーク、事業領域も郵便・物流、金融、不動産、物販……と、日本郵政グループ自体が実に多彩な組織ですから、取り上げるネタは実に豊富です。日本郵政グループの新しいサービスのご紹介や、新商品が生まれた背景、苦労話などはもちろん、地域を愛し、自分の仕事を愛しながら懸命にがんばっている社員の姿など、バラエティ豊かな情報を少しでも多く、取り上げていきたいと考えています。
昨年発表した中期経営計画“JPビジョン2025”の進捗などの経営視点のコンテンツもありますし、郵便局の便利な使い方などのお役立ち情報やぬくもりを感じるエピソードなども幅広くご提供したいと考えています。
より多くの人に知っていただきたいものばかりです
―――まだ始まったばかりではありますが、スタートして始めて分かったやりがいや、逆に苦労されたことなどはありましたか?
取り上げたいニュースが本当にたくさんあり、そのニュースをどのように魅せるのか、若手中心の編集メンバーで議論をするのですが、その議論が反映された記事が公開され、お客さまや社員から反響をいただけた時が本当に嬉しいです。社員の地道な努力などをきちんと世の中に伝えていく、その部分にやりがいを感じています。
編集する立場となり、日本郵政グループの様々なニュースに触れ、改めて地域のなかに溶け込んでいる日本郵政グループの魅力や社員の想いに多く触れることができました。どの取り組みもより多くの人に知っていただきたいものばかりなので、どの取り組みを先に公開するか順番を決めるのに苦労しています。
もうひとつ、やりがいという部分ではJP CASTの編集メンバーは郵政民営化後に入社した若手社員で構成されているところです。日本郵政グループをもっと良くしたいという共通の志をもったメンバーがコンテンツを大事に育てています。日本郵政グループの変化の予兆を感じていただくためのひとつの起爆剤になればいいと考えています。
―――それは素晴らしいですね。やはり熱意がこもったコンテンツは読んでいてもそれが伝わってくるので、これからも楽しみです。例えば地方創生に関するコンテンツにはどのようなものがありますか?
前述のとおり、日本郵政グループは地域に深く結びついていて、小学校と同じくらい身近な存在であると考えています。地域の中心として、郵便局が元気でいることが、その地域を盛り上げることにもつながると考えています。その意味では、私たちの事業そのものが地方創生に資すると思っています。
中でも、「街とつながるJP百景」という連載では、特に特色のある取り組みをご紹介しています。例えば、横浜の郵便局の屋上に養蜂場を作る取り組みや、市政100周年を自治体と一緒になって盛り上げる岸和田の取り組みを紹介しています。
また、「ローカル共創のススメ」で紹介している「ローカル共創イニシアチブ」という取り組みは、地域を舞台に社会課題に向き合ってビジネスを行っているベンチャー企業に日本郵政グループの社員を派遣し、地域での新たな可能性の創出を目指すプロジェクトです。地域の人々とともに地域を盛り上げていく様子がとてもよく伝わると思います。
―――これから盛り上がってきそうな企画ですね。現在までの記事で思い出深いコンテンツはありますか?
「すべて」といいたいところですが(笑)、あえて取り上げるなら「寒い! 滑る! 見えない! 零下20度の極寒地、北海道北見市を駆ける配達員が語る運転の心得とは?」ですね。北海道の北見市に拠点がある北見郵便局の局員が、深い雪道のなか郵便物を配達するための努力をリポートしたものです。
これは、私たち日本郵政グループの使命のひとつであるユニバーサルサービスの提供のために、たとえ1通の手紙であっても確実にお届けするという、私たちが大切にしてきた価値観を端的に表現している記事だと思いました。厳しい自然環境のなかでインフラを維持することの難しさや、届けられたときの達成感など、当たり前だと思われている部分ですが、こうやって人にスポットをあてて見ると新鮮に映ります。みなさんにもきっと楽しんでもらえる記事だと感じました。
―――その記事、読みました! 北見市の人もあの配達員さんを見かけたら声を掛けてくれそうな良い記事ですね。
ありがとうございます。地域のなかで奮闘する社員を、少しでも応援していただけると嬉しいです。それが社員のモチベーションUPに繋がれば、より質のいいサービスを提供できるようになると思います。
人気という意味では、「みらいの郵便局、始動!」もよく読まれています。この記事では、日本郵政グループのDXを紹介しています。150年の歴史ある企業で、どちらかと言えばオールドファッションなイメージを持たれる郵便局がどのように新技術を取り入れているのか、興味を持たれる方が多かったんだと思います。
―――楽しみな記事が満載ですね。JP CASTをどのような人に読んでもらいたいですか?またどのように活用して欲しいとお考えですか?
もちろん日本全国の全ての方にお読みいただきたいです(笑)。郵便局は、全国どこでもみなさまの身近にある存在です。そんな郵便局の様々な取り組みをみなさんに知っていただき、明日誰かに話してみたくなるような話題が提供できればと考えています。
実はもうすでに反響がたくさんあって、ある郵便局に自治体の方から「JP CASTで取り上げてもらえるような取り組みをしよう」というご提案をくださったケースもあったそうです。そういった取り組みが横展開され、連鎖的に広がっていけば、地域のみなさまにとってもよいことだと思います。
―――建設的なお話で素敵ですね。最後に今後の展望について教えてください。
JP CASTではもっと積極的に情報を外に向かって発信していきたいと考えています。Webメディアなのでリアルタイム性もありますから、お客さまの反応なども踏まえてこれからますます魅力的なコンテンツを創っていきたいと思っています。
例えば、一般の方のSNSの投稿で「切手の正しい貼り方」、「郵便番号の正しい書き方」などがバズったりしていましたが、私たちであれば、オウンドメディアならではの専門的な視点で面白い発信もできるかもしれません。バラエティ豊かな情報を今後もたくさんお届けしたいですね。
―――ありがとうございました!
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「JP CAST」はまだ始まったばかりだが、すでに各方面で話題を呼んでいる。楽しいコンテンツが満載なので、みなさんもぜひ訪れてみよう。JP CASTの今後の展開を楽しみに見守っていきたい。
[PR]提供:日本郵政