甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜日・第四金曜日 ロフトアプリにて配信)
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春は出会いと別れの季節。学校や職場で色々な節目を迎えることが増える。お世話になった方を送り出す時に、花束・プレゼントそして寄せ書きがよく贈られる。今回ご紹介する寄せ書きは贈り手、受け取り手双方のことを考えた、なるほどなものになっている。
バインダー式の寄せ書き
これまでの寄せ書きといえば、色紙が一般的だった。これはバインダー式になっているところが新しい。サイズは文庫本を少し大きく分厚くしたくらい。中には100枚ものメッセージが書き込める紙が綴じ込まれている。バインダーを外せば、一枚一枚バラバラにできるので、みんなにその紙を配って書いてもらい回収できる良さがある。一枚の色紙だとどうしても回覧方式で回す必要があった。ビジネスのシーンであれば、在宅勤務や出張に出ている人がいたりすると、しばらく回覧が滞ってしまう、なんてこともある。このバインダー方式ならその点で安心だ。
そして、この寄せ書きは「プレゼントブック 好きなところ100」というタイトルがついている。寄せ書きを書いたことがある方なら思い当たると思うが、いざメッセージを書こうとすると「ありがとうございました」などついついありきたりな文になってしまいがちである。これはすべての紙に「すきなところ」という言葉が印刷されている。その人の好きなところとあれば、すぐに書くことが思い浮かぶことだろう。人は不思議なもので問いかけられると自然に答えを考えようとする。その仕組みをうまく活用した寄せ書きである。
100枚の紙があるが、一人に2枚、3枚と書いてもらってもいい。好きなところはいくらでも上げることができるものだ。
このように贈る側、そして取りまとめをする幹事さんにも嬉しいスタイルになっている。寄せ書きをもらう人にとってもコンパクトなブック型のため本棚にしまいやすく、たまにパラパラとめくって楽しむこともできる。
メッセージを書くのに最適なペン2選
せっかくの大切なメッセージ、いつものボールペンではなく見栄えが良くなり、気持ちも伝わるペンを選びたい。ゼブラの「マイルドライナー ブラッシュ」は筆タイプのマーカー。いつものマーカーペンのようにふつうに書いても簡単に筆っぽい文字が書けてしまう。その手軽さがいい。メッセージはこのブラッシュペンで書いて、反対側の細字ペンで自分の名前を書くこともできる。
もう一本は、サンスター文具の「ニニピ」。こちらも2種類のペンを持った多機能ペン。片側のペン先に細字とラインマーカーの2本が仲良く共存している。見た目はとても個性的で少々慣れが必要になるが、それぞれちゃんと書き分けていける。メッセージは細字ペンで書き、強調したいところにマーカーでラインを引くという使い方もできる。
今回の寄せ書きは仕事場の送別会をはじめ、ウェディング、誕生日、還暦祝い、卒業式など様々なシーンで使うことができる。「すきなところ」を改めて伝えられる心のこもったメッセージブックになる。
[いろは出版 好きなところ100 寄せ書き用バインダータイプ 各色 税込1,980円]
[ゼブラ マイルドライナーブラッシュ 各色 税込165円]
[サンスター文具 ペン&マーカー ニニピー 各色 税込220円]
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著者プロフィール
土橋 正(つちはし ただし)
ステーショナリー ディレクター
文具の国際見本市主催会社に10年間勤務。2003年に独立後、土橋正事務所設立。文具の商品プロデュース、PRのコンサルティング、文具売り場のディレクションを行っている。 文具ウェブマガジン「pen-info」では、文具コラムをはじめ、海外の文具展示会レポートなど様々な情報を発信している。(https://www.pen-info.jp/)
著書
「暮らしの文房具」玄光社
「仕事文具」東洋経済新報社
「モノが少ないと快適に働ける」東洋経済新報社
「文具上手」東京書籍
「文具の流儀 ロングセラーとなりえた哲学」東京書籍
「仕事にすぐ効く 魔法の文房具」東京書籍
「やっぱり欲しい文房具」技術評論社
共著
「ステーショナリー ハック!」マガジンハウス
絵本「文房具のやすみじかん」 福音館書店
記事配信日:2022/02/11
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