シャープのテレビ「AQUOS(アクオス)」。世界初の8Kテレビを輩出した同ブランドが、2021年に20周年を迎えました。

  • AQUOS20周年ロゴ

そんな節目の年に、これまでの「液晶テレビ」や「有機ELテレビ」とは異なる、新たな技術を用いた製品が生み出されたことをご存知でしょうか?

その名も「AQUOS XLED(アクオス エックスレッド)」。明るいリビングで見やすい「液晶テレビ」と、シアター用途に適した明暗表現力のある「有機ELテレビ」の両方の利点を兼ね備えた新しいテレビです。

  • AQUOS XLED

「AQUOS XLED」誕生の背景には、20年間変わらない「AQUOS」のブランドコンセプトと、それを支えるシャープのDNAがありました。

液晶テレビと有機ELテレビのいいとこどり!「AQUOS XLED」開発のきっかけ

今回、取材を受けてくださったのは、スマートディスプレイシステム事業本部 国内TV事業部8K推進部で商品企画を担当する小坂知久さんと西本佳生さん、同事業本部デザインスタジオで主にテレビのデザインを手がける粟生惠一郎さんの3名です。

  • 3人の集合写真。小坂さん、西本さん、粟生さん

彼らが中心となって商品化した「AQUOS XLED」は、液晶とも有機ELとも異なるかつてなかったテレビとして大きな話題を呼んでいます。

「AQUOS XLED」は、液晶テレビと有機ELテレビの両方の“いいとこどり”をしています。液晶よりさらに明るく、有機ELのようにメリハリのある映像が特長です。

「まばゆい光の輝き」と「際立つ黒の締まり」の両立によって、さまざまな視聴環境や映像コンテンツであっても最適な視聴体験ができることが最大の強みです。


  • 西本さん

「AQUOS XLED」の開発に着手したきっかけは、テレビの買い替え需要に応えるためだったそう。一般的にテレビの買い替え平均年数が9.9年といわれている中、2011年の地上アナログテレビ放送終了とエコポイント特需から10年が経過しようとしていました。

  • AQUOS売上グラフ

    グラフを見ても一目瞭然で、2010~11年はエコポイント特需によりテレビが売れた年。その買い替えニーズを狙いました。

ちょうど昨年は「AQUOS」の20周年でもありましたので、「大画面」「高画質・高音質」「スマート化」という3つのニーズを満たした、節目に相応しい商品を企画しようと考えました。

そこで着目したのが「mini LED」です。日本国内のメーカーでテレビに採用したのはシャープが初めてですが、グローバル市場ではすでに熱視線が注がれ、今後伸びていくことが予想されています。いち早く先進的な技術に取り組み、商品化することを目指しました。


どこよりも先んじて挑戦する。チャレンジングスピリットあふれるシャープらしさが垣間見えました。

光と闇が共存する映像は圧巻!明るいエリアはより煌めき、暗いエリアはより引き締まった黒に!

  • バックライトイメージ

液晶テレビと有機ELテレビの“いいとこどり”は、「mini LED」の存在を抜きにして語ることはできません。

従来の液晶では、大きいバックライトで明るさを制御していたため、コントラストの微調整に限界がありました。

「AQUOS XLED」では、小さな「mini LED」を敷き詰めることで、明るいエリアと暗いエリアを微細に分割したうえで精密に明暗を制御しています。


明るいエリアはより煌めき、暗いエリアはより引き締まった黒に。

「眩しくて目を細めるような砂浜の夕焼けや、夜に煌々と輝く青森ねぶたなど、光と闇が共存する風景をご視聴いただきたい」と西本さんが力を込めれば、「ビビッドな色合いの映像を楽しみたい方にもご満足いただける画質になっている」と小坂さんも自信を覗かせます。

  • バックライトのイメージ比較

    例えば、夜空に浮かぶ月の映像。最も明るい月の表面は背面のmini LEDが強く発光し「満月の明るさ」を表現。逆に夜空の暗いエリアはmini LEDの発光を抑え、引き締まった黒を表現します。

  • LEDとこれまでのmini LED

    従来の液晶テレビに搭載されていたバックライト(左)とXLEDに搭載されている「mini LED」(右)。液晶テレビでは数個の大きなライトで液晶を裏から照らしていたのに対し、XLEDの「mini LED」は、白い基板に薄く細かく見える点一つ一つがmini LEDの素子。

もちろん、肉眼に近い映像の再現は、一朝一夕にできたわけではありません。

「mini LED」を使って細かく分割すればするほど光源のムラが発生するため、均一化には高い技術力が求められました。加えて、ホワイトバランスを一定に保てなければ、色味は全く違ってきます。長年にわたってテレビや液晶の開発に携わってきたシャープだからこそ、乗り越えられた壁といえるでしょう。

しかし、「技術的な課題同様に大変だったことがある」と西本さんは振り返ります。

どのような言葉で「AQUOS XLED」の世界観を訴求すれば伝わるのか、コンセプト立案時には相当頭を悩ませましたね。

2か月ほど時間をかけて議論を重ね、「(白と黒)どっちかより、どっちも」というコンセプトにようやく辿り着きました。液晶テレビと有機ELテレビの強みを持ち合わせ、それぞれの弱点を補い合う特徴をわかりやすく表現できていると思います。


その後の商品化では、何か迷いが生じた際も、コンセプトに立ち戻りながら進められたのだとか。企画当初にぶれない指針を定められたことが「AQUOS XLED」が魅せる高画質につながっているのです。

  • 西本さん

試行錯誤の末に導き出した20度の傾き。没入感ある音響が素晴らしい視聴体験を提供

  • 背面スピーカー

映像は、目と耳で体感するもの。「mini LED」によってレベルアップした画質に見合う音質にも強いこだわりが感じられます。

従来のモデルとの比較で言うと、画面上部にもスピーカーを取り付けました。「AQUOS XLED」では、上下のスピーカーが合わさることで画面の中央から音が聞こえるように設計し、映像と音の一体感を高めています。

例えば映画やドラマでは、演者さんの口から言葉が聴こえてくる感覚をお持ちいただけるはずです。


  • 小坂さん

そして「AQUOS XLED」ならではの工夫が、上部のスピーカーを前方向に20度傾けていること。

  • 背面スピーカー

    20°傾けたスピーカー。これまでのスピーカーは真上に音を発していたものが多かったそう。

音響の開発メンバーと試行錯誤した結果、前方向に20度というベストポジションを導き出しました。より迫力のある音をお楽しみいただけます。


さらに、上部のスピーカーにツイーター(高音域のスピーカー)を付けたり、8Kタイプには側面にツイーターを配置したりするなどして、「イマーシブサウンド」という音質モードを新設しているのは「AQUOS XLED」だけの特徴。

クリアな音質がダイレクトに届き、音に包み込まれるような没入感は、高画質の映像と相まって素晴らしい視聴体験を提供しています。

  • イマーシブサウンドのイメージ

    「イマーシブ」とは「没入感」の意。映像と音の一体感により、その場にいるかのような視聴体験を楽しめるそう。

リビングに溶け込む「フローティングディスプレイ」にも宿る「AQUOS」の志

「AQUOS XLED」は、その見た目もひときわ目立つ要因です。壁面と映像との境界をなくし、視聴に没入できる新デザイン「フローティングディスプレイ」を採用しました。

映像の周囲を取り囲む「額縁」がミニマライズされ、8Kタイプでは、わずか0.2cmに。従来機比で85%のスリム化に成功しました。まるで画面だけが宙に浮いているかのようにさえ見えます。
※従来機は8T-C70CX1と8KのXLEDの8T-C85/75/65DX1との比較

  • 製品イメージ

    「フローティングディスプレイ」の魅力を伝えるためのイメージビジュアルも、プロモーションチームと共にこだわったポイントの一つ。いかにリビングに溶け込むかを表現するために、試行錯誤の末たどり着きました。

より映像視聴に集中できる「フローティングディスプレイ」を実現するため、画面周囲の外枠にはシルバーのフレームを採用しました。

その側面に部屋の壁の色がうっすらと映り込むことで、狭額縁と相まって「AQUOS XLED」の物体としての存在感が限りなく薄くなる効果をもたらしています。


  • フローティングディスプレイ

別売りのフロアスタンドを組み合わせれば、まるで映像が浮遊しているような雰囲気に。ただ、このデザインにも「いい音」へのこだわりがしっかりと宿っていると粟生さんは言います。

これまでも「AQUOS」は、聞き取りやすい音作りにこだわってきました。
4KモデルのDP1では背面と正面下側にスピーカーを配置していますが、それらが目立ち過ぎると映像への没入や生活空間への調和を損なってしまいます。


そこでデザイナーと音響エンジニアが一緒になって外観と音質のベストバランスを追求することで「AQUOS」らしいデザインを作り上げました。


  • 粟生さん

「AQUOS」の志は、20年経った今も脈々と受け継がれているのです。

変えてはいけないものと変えるべきことを見極めて、「AQUOS」はさらに進化する!

変わらない「AQUOS」のブランドコンセプト。それを裏付けるエピソードを西本さんが明かしてくれました。就職活動のとき、シャープを受けようと家電量販店で「AQUOS」の画質について意見を聞いて回ったそうです。

お店の方々が「『AQUOS』は本物を追求していて、自然な画質で目にも優しく、高齢者から若い人まで誰にでも好まれる画質です」と口を揃えていたのが印象的でした。

数年前から「AQUOS」に携わるようになりましたが、感銘を受けたのは入社前に聞いていた「画質への追求」が続いていたことです。この追求こそが、「AQUOS XLED」の感動画質を生み出す原動力になっています。


  • 西本さん

また、小坂さんは「『AQUOS XLED』そのものがシャープのコーポレート宣言でもある“Be Original.”を体現している」と感じているそうです。

グローバルブランドの中でも、とりわけ日本市場向けの「AQUOS」がずっと大切にしてきた「日本のリビングで人に寄り添う」という志に「mini LED」という新技術が合わさったことで、これまでにはなかった新しい価値を提供できるようになったと自負しています。


  • 小坂さん

変えてはいけないものと、変えるべきこと。それを見極められることが、進化を遂げ続けるシャープの真骨頂といっても過言ではありません。

今後、テレビ放送やネット動画といったエンターテインメントの視聴だけではなく、スマホや他の家電と連携して生活支援を行うツールに変わっていく可能性もあります。そうなると、テレビの置き場所はリビングだけではなくなるかもしれません。

使われ方と共に在り様も変化していくため、世の中を注視しながらシャープらしいオンリーワンのモノづくりをしていきたいです。


  • 粟生さん

画質向上への追求に終わりはありません。

けれど、ただキレイな映像を映すだけではなく、昨今の健康意識の高まりに呼応して、視力や健康に配慮した人に優しいテレビを提供していきたいと思います。


  • 3人の集合写真

「AQUOS」は、これからも人々の生活に寄り添う。小坂さんがビジョンを語ってくれましたが、ブランドコンセプトはそのままに、どういったテレビの使い方を提案してくれるのか楽しみでなりません。

AQUOS XLEDの詳細はこちら

Photo:永山昌克

[PR]提供:SHARP