甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜日・第四金曜日 ロフトアプリにて配信)
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ここ数年文具界隈では、「色」にまつわるアイテムが人気だ。その火付け役は万年筆のカラーインクだろう。ご当地インクをはじめ、日本の美しい情景や四季をテーマにしたものなど様々なインクが発売され人気を博している。そしてインクだけなく、色を楽しむ文具のバリエーションもすっかり広がりを見せている。三菱鉛筆のEMOTT(エモット)からカラー芯のシャープペンが登場した。色鉛筆とはまた違う楽しみ方ができるものとなっている。
爽やかなホワイトボディ
EMOTTと言えば、カラフルな40色ものインクを揃えたサインペン・マーカーがすでに発売されている。今回紹介するカラー芯シャープペンも同じテイストの爽やかなデザインだ。このホワイトボディがとても印象的。各色を示すカラーパーツがこの白さに引き立てられている。ボディはペンには珍しい4角軸。握ってみると気持ちよく手の中に収まる。角がラウンドしているおかげで優しい握り心地だ。ノックボタンをカチカチと押すと芯が出てくる。
ここまでこだわっているのかと思ったのが、芯をホールドするガイドパイプまでが乳白色になっているところ。カラー芯の色味がより見えやすい。芯は0.9mmと太めで存在感がある。
EMOTTペンシルは4色セットで、「リフレッシュ」、「トロピカル」、「ノスタルジック」という3つのカラーグループで販売されている。色を気分やテイスト・シーンで使い分けられる。
セットには専用のスタンドも付いている。ペン先を穴に差し込むとカチッとホールドされる。ペンをさしたまま自立するので、デスクに置いてスタンドとして使うこともできる。左端にあるひときわ背の低いものは、シャープペン芯のケース。この中には各色が2本ずつ入っている。
カラー芯を普段使いできる
書き味はやや硬めでサラサラとしている。実際に書いた印象としては、ドライな書き味を私の手は感じた。黒鉛芯の0.9mmシャープペンとは違う書き味だ。色鉛筆のシャープ芯にしてはなかなか強度がしっかりしている。多少筆圧をかけて書いても安心感がある。強弱をつけると筆跡に濃淡が表現できる。文字を書く・色を塗るが使い分けられる、扱いやすさがある。
消しゴムで消せる
ノックボタンを外すと中に小さな四角い消しゴムが備わっている。EMOTTのカラーシャープ芯は消しゴムで消していけるのだ。この消し味が心地よい。ちなみに付属の消しゴムだけでなく、私の手持ちの消しゴムでも快適に消すことができた。消せるという安心感が書くことを前向きにさせてくれる。色を気軽に楽しめる。
このカラーを活かし、絵やイラストを描くのもいいし、手帳のデコレーションやノートを見やすく整理するなど普段の仕事や生活の中で大いに使っていける。また、ふつうに文字を書いていく普段使いのペンとしても活用できる。万年筆のインクの色を楽しむ感覚でカラー芯シャープペンを使っていくのもいいと思う。
[三菱鉛筆 EMOTTペンシル セット 各種 税込1,100円]
[EMOTTペンシル 替え芯セット 各種 税込220円]
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著者プロフィール
土橋 正(つちはし ただし)
ステーショナリー ディレクター
文具の国際見本市主催会社に10年間勤務。2003年に独立後、土橋正事務所設立。文具の商品プロデュース、PRのコンサルティング、文具売り場のディレクションを行っている。 文具ウェブマガジン「pen-info」では、文具コラムをはじめ、海外の文具展示会レポートなど様々な情報を発信している。(https://www.pen-info.jp/)
著書
「暮らしの文房具」玄光社
「仕事文具」東洋経済新報社
「モノが少ないと快適に働ける」東洋経済新報社
「文具上手」東京書籍
「文具の流儀 ロングセラーとなりえた哲学」東京書籍
「仕事にすぐ効く 魔法の文房具」東京書籍
「やっぱり欲しい文房具」技術評論社
共著
「ステーショナリー ハック!」マガジンハウス
絵本「文房具のやすみじかん」 福音館書店
記事配信日:2021/12/24
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