11月24日、再生可能エネルギーについて楽しく学ぶことを目的に、茨城県水戸市の鯉淵小学校で「発電教室」が開催された。この発電教室は、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーサービス事業者の株式会社Looopと、リース事業や太陽光発電事業を手がけるリコーリース株式会社が共同開催。鯉淵小学校の5年生が、実験や見学を通して再生可能エネルギーやSDGsについて学んだ。

  

「発電教室」って?

Looopは、再生可能エネルギーの普及を促進し、エネルギーがフリー(無料)で使える社会を目指すためにさまざまな取り組みを行っている。これまでも、発電所の近隣住民を対象に発電所見学プログラムなどを行ってきた。今回の発電教室は、茨城県水戸市にある太陽光発電所の近く、水戸市立鯉淵小学校の5年生28人を対象に実施された。
今回見学する発電所は2016年4月より稼働している太陽光パネルの発電所で、敷地面積はなんと東京ドーム2.3個分。この発電所だけで、約2,500戸分の電力を賄えるという。

子どもたちは、電気についての講義や太陽光パネルを使った工作、発電所の見学を通して、電気や再生可能エネルギーへの理解を深めていった。

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電気はどうやって作るの? 環境に優しい電気とは

第1パートは座学、講師を務めるのはLooopの新卒社員たち。小学校の図書室に集まった子どもたちは、「電気は何に使われているか」という講師の問いに対し、「日常生活の明かりや料理、充電、お風呂などあらゆるところ」と回答。「停電してしまうと何もできなくなってしまう」と口を揃えた。

そんな子どもたちにとって、電気のない生活は考えられないもの。ところが世界には、今も電気を使わずに生活しているところもある。

続いて登場したのは、Looopの新卒社員でケニア出身のマララさん。故郷ではなんと25年も電気なしで暮らしていたという。料理は薪を集めるところに始まり、火を起こして煮炊きするのに毎日2時間。洗濯も手洗いなので体力が必要で、勉強の時間がどんどんなくなった、と振り返る。「電気があることは世界では当たり前ではない」と語るマララさんに、子どもたちは真剣な眼差しを向けていた。

最後に、「発電」にはどのような方法があるかを考えた。発電するには、水力、火力、太陽光、風力、原子力などさまざまな方法があるが、今回見学する太陽光発電は再生可能エネルギーのひとつ。火力発電は石油や石炭、天然ガスなど燃料が必要で、その資源には限りがある。一方、太陽光発電は太陽光がパネルにあたると電気が発生する、つまり資源がなくなる心配がないエネルギー。そして、二酸化炭素を排出しないため、普及すると地球温暖化などの問題解決にもつながる発電方法となっている。

これは、世界各国の目標となっているSDGsにもかかわってくる。特に「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の取り組みにあたると説明した。説明しているそばから「SDGs、知っているよ!」と声を上げる子どももおり、大人よりもごく自然にSDGsへの理解が深まっていることが伺えた。
日本の発電量の内訳を見てみると、約70%が火力発電で、再生可能エネルギーはたった18%(2019年度、速報値)。そのうち、太陽光発電は6.7%となっている。これからの未来のために、もっと再生可能エネルギーを普及させていくことが大切だと、子どもたちに伝えていた。

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第2パートは工作の時間。太陽光の力をより実感するため、背中にソーラーパネルを背負った「ソーラーバッタ」をひとりひとり組み立てた。完成したバッタを窓際からの光に当てるとブルブルと振動し、子どもたちからは「動いた!」と歓声が上がった。

太陽光発電所を見てみよう

教室での勉強を終えた子どもたちは、バスに乗って第3パートである太陽光発電所の見学へ。ここではウォークラリーが開催され、発電所の広い敷地を歩きながら設備などを見て回った。

「太陽光パネル」「パワーコンディショナー」「キュービクル」「引込開閉器盤」の4か所にチェックポイントが設置され、それぞれの役割や仕組みをクイズを交えながら学んでいた。

「太陽光パネル」は、太陽電池とも呼ばれているもの。乾電池のように電気を貯めることはできないが、太陽光が当たると電子が”元気になって”走り出し、電気が発生する。

「パワーコンディショナー」は、太陽光パネルで発生した直流の電気を、扱いやすい交流の電気に切り替えるための設備。家庭にあるACアダプター(交流を直流に変える機器)と似た設備となっている。

「キュービクル」は電圧の大きさを変える設備。電気の動きを車で例えると、電圧は車のスピードにあたる。発生した電気がキュービクルを通ると、車が高速道路でスピードが速くなるようなイメージで、電圧が上がるという。

「引込開閉器盤」は、電気の通り道を閉じたり開いたりする装置で、家庭で言えばブレーカーのような役割を担っている。問題発生時には、引込開閉器盤が閉じられ、電気が流れなくなる。

子どもたちは、施設を間近で見たり、チェックポイントに立っている社員に質問したりしながら、電気への理解を深めていった。ウォークラリーの後は、太陽光パネルで発生した電気で扇風機を回したり、手回し発電機を使って発電量をくらべたりと、電気がつくられるところを体感した。

言葉として“SDGs”という単語を知っていても、「どうやって実現していくのか」「どういう仕組みで課題を解決していくのか」を実生活で理解することはなかなか難しい。今回の発電教室での活動は、子どもたちが再生可能エネルギーやその役割についてより具体的に考えるきっかけとなるだろう。

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Looop発電教室 in 中標津

今回の発電教室は茨城県・水戸市での開催だったが、そのほか北海道・中標津でも実施されている。中標津では丸山小学校の6年生を対象に授業が行われ、Looop中標津太陽光発電所の見学などが開催された。

Looopでは今後も、発電教室の展開地域を広げ、再生可能エネルギーの普及のために、さまざまな取り組みを実施していく予定だという。

発電教室のプロジェクトリーダーを務めるLooop社員の中澤彩さんは、
「再生可能エネルギーの最大普及を通じた『エネルギーフリー社会の実現』を目指す当社には、再生可能エネルギーについて伝えていく使命があると感じています。
2018年から継続して発電教室を実施してきましたが、本年度はよりSDGsと絡めながら再生可能エネルギーについて楽しく理解してもらえるようなプログラムになるよう、新卒社員たちと何度も話し合いを重ねました。TVのニュースなどで耳にするSDGsについて、子どもたちにより身近に感じてもらえるきっかけになれば嬉しいです。今後も継続して各地で発電教室を実施し、再生可能エネルギーを普及促進させていきたいです」
と語った。

* * *

決して遠くない未来、再生可能エネルギーが必要不可欠なものとなるのは間違いないだろう。Looopが描くエネルギーフリー社会の実現のため、再生可能エネルギーには果たすべき大きな役割がある。未来を担っていく子どもたちに、その大切さを伝え続けるLooopの活動に、今後も大いに期待していきたい。

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[PR]提供:Looop