伊藤園は10日(金)、一般参加型のオンライン茶会をZoomウェビナーにて開催した。当日は愛知県瀬戸市と中継を結び、伝統工芸品とお茶の世界を紹介。また10月1日(金)から11月20日(土)にかけて大々的にスタートする「秋のオンライン茶会」についての告知もなされた。
瀬戸焼の器とお茶を一緒に楽しむ
今回のオンライン茶会は、日本遺産「六古窯」(ろっこよう)のひとつである瀬戸から生中継された。六古窯とは平安時代の末期から現代まで陶磁器の生産が続く、瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前の陶磁器窯の総称。
序盤、日本茶インストラクターのブレケル・オスカル氏が瀬戸の町をめぐり、瀬戸焼作家の作品を買い求めるシーンが流れた。「また旅行できるようになったら、瀬戸市を訪れてみたい」と、そんな気持ちにさせる演出だった。
MCを務めた伊藤園ティーテイスターの藤村氏は「伊藤園ではこれまでも、急須でいれるお茶の美味しさをお伝えするだけでなく、器を楽しむという視点を提示することでお茶を楽しむ時間の幅を広げてきました。六古窯の各産地の方々とも親交を深めています」と説明。今後もオンライン茶会などを通じて、六古窯の各産地を紹介していくという。
続いて登壇した瀬戸市の担当者は、町の中心部にある瀬戸市役所からわずか1kmの場所にも陶土採掘場があり、良質な粘土が採掘できること、焼き物の街が1000年以上も続いているのは「世界的にも例がない」ことなどを紹介した。
オンザロックの飲み方を実践
さて、ここで登壇した伊藤園ティーテイスターの成河氏が実演したのは「一番摘みのお~いお茶 1200 100g」を使っていれる、茶カテキンたっぷりの”オンザロック”の飲み方だった。急須、あるいは「ふるふる2層ボトル」にスプーン1杯の茶葉を入れ、熱湯を注いで60秒待ち、氷多めの器に注げば完成する。「お茶は(少し湯冷ましした)約80度のお湯でいれれば、苦味と渋味と旨味のバランスが取れます。また、熱いお湯を注げば、カテキンを多く抽出して渋味を楽しめます」と成河氏。もっとも、一番茶には旨味の成分が多く含まれているため、熱湯でいれても旨味が十分に楽しめるという。
実際に筆者も試してみた。成河氏の説明に従って、ふるふる2層ボトルに「一番摘みのお~いお茶」をスプーン1杯だけ入れて熱湯を注ぐ。熱湯を注いでもボディが熱くならないふるふる2層ボトルの構造に感心する。
良い匂いに誘われ、オンザロックでつくったお茶を口にしてみると、なるほど甘みがある。スッキリとした後味で、のどにスッと清涼感が広がった。ペットボトルのお茶とは違い、本格的な香りと飲みごたえで美味しい。これまで「急須を使う」「お湯は冷ましてから入れる」といったことが面倒に思えて、実はお茶を飲む習慣がなかった。でも、こんなに簡単に茶カテキンたっぷりのお茶がいただけるなら、今後は健康のためにも毎日飲んでみようと思った次第だ。
個性豊かな瀬戸物の世界
このあと、瀬戸染付焼作家で伝統工芸士の加藤真雪氏が実演を披露した。瀬戸染付焼は、白い生地に青の絵の具(呉須)で描くコントラストが特徴的。モチーフは花鳥風月が多い。なお加藤氏によれば、呉須の顔料を溶く際にはお茶を使うとのこと。「絵を描いているときに、ほうじ茶の良い香りがして癒やされることもあるんです」と話していた。
また瀬戸蛍手(ほたるで)作家の樽田裕史氏も実演。蛍手とは、生地に穴を開けて釉薬でコーティングして焼く技法のこと。器をつくるときのデザインは「自然のものから着想を得ることが多いです」と説明した。
瀬戸焼作家のお二人が手掛ける美しい作品は、画面を通じても魅力が伝わってきた。視聴者からは「お茶で呉須を溶くことで焼き上がりにどんな影響がありますか?」「器の内側まで穴が貫通していましたが、釉薬をかけると水が漏れなくなるのですか?」などの質問が寄せられ、加藤氏、樽田氏が丁寧に回答していった。
最後にブレケル・オスカル氏が、甘みたっぷりの水出し緑茶のつくり方をレクチャーした。ティースプーン4杯ほどの茶葉を急須に入れ、冷水200mlを入れて数分も待てば美味しくつくれるという。
さて、テーブルの上には急須、湯呑、お皿が並んでいる。いずれも同氏が購入したばかりの瀬戸焼作家の作品だった。「この白地に少し青みがかった湯呑は、お茶を入れても映えます」「瀬戸物は個性豊か。渋い作品、美しい作品、可愛い作品など色々あるので、誰でも好きなマイ瀬戸物を見つけられるでしょう」などと話していた。
10月からは「秋のオンライン茶会」を開催
伊藤園では10月1日(金)より、合計5回にわたる「秋のオンライン茶会」を開催する。10月1日(金)14時スタートのオンライン茶会「日本茶の日」は誰でも視聴できるYouTube Liveでの実施となっている。さらに抽選で、10月16日(土)には「秋の味覚とお茶を楽しむ」、10月30日(土)には「有村架純さんとお抹茶体験」、11月6日(土)には「中谷美紀さんとお茶のいれ方体験」、11月20日(土)には「日本遺産 六古窯 産地訪問 -備前編-」などが予定されている。
そこで気になるのが参加方法。大手スーパーなどで販売予定の「お~いお茶」と「ふるふる2層ボトル」のセットに同梱されるシリアルナンバーが必要とのことだ。本稿でイベントに興味を持たれた方は、参加してみると良いだろう。
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