……またやってしまった。

もうこの歳になって、ボーイズグループのオーディション番組なんて観ることはないだろうと思っていた。アイドルは歳を取らない。見た目が老けないというのはもちろん、どんどん新人が出てくるので市場は常に真新しく、若々しい。現実を見ずに応援していると、自分だけがしっかり歳を取る。

しかし、この「アイドル追ってるうちに自分だけ歳取っちゃう理論」を分かっていながら、私は最近ある新人発掘オーディション番組をめちゃめちゃ真剣に観てしまい、見事にのめり込んでしまっている。

それが「LOUD」という番組である。

オーディション番組と聞けば、「あー、先生らが参加者達を評価しつつじわじわ脱落させて、ファン投票でグループ作るやつね」と思うかもしれないが、この番組をそう言いくるめるには少しナンセンスである。

これは、TWICEやNiziUを生み出したJYPと、カンナムスタイルで有名、かつ近年事務所(P-Nation)まで設立しちゃったPSYが、それぞれの事務所からそれぞれグループをデビューさせるという、新しい形のオーディション番組である。

じゃあ具体的に今までのオーディション番組と何が違うのかを、1話でJYPが語っている。

「今までの選考基準は歌とダンスだったけれど、もっと別の視点から表現できる子たちを求めている。物静かな人ほど心の内は騒がしい。次世代のスターとは、そういう人材ではないか?」

いやいや(笑) 。

要約すると、歌とダンスができることは大前提で、別の観点でもっと光るセンスを持ってる子に出会いたいってことでしょ。ヤバいなこの人。そんな人材、簡単に見つかるのか。

これが、見つかるんですね(秒速伏線回収)。

現在dTVで日本独占配信中、2021年9月11日(土)に最終回を迎える「LOUD」。今回は、オーディション番組を視聴者として幾度となく通ってきた私が、最終回直前にこれまでの見どころをご紹介します。1人で燃えあがっているのがもどかしいので、どうか付き合って下さい。

「LOUD」を今すぐチェックする!

どうやって選抜すんの?

まず、第1ラウンドってのがあってね。参加者が一人ずつ個人ステージを披露して、JYPとPSYから評価を受けるのよ。この個人ステージで「実力アピール」と「魅力アピール」ができる2つの短いパフォーマンスを披露しなきゃいけなくて、その場で2人からPASS(通過)をもらえないと第1ラウンドをもって脱落となってしまう。

コレ面白いのがね、たとえ魅力アピールで大コケしてる子でも、実力アピールで歌とダンスのスキルを余裕でかましてくるんですよね。何の前フリやねん。ちゃんと上手いんかいっ!

素人目だけど、実力アピールでコケてる子誰ひとりいないのよ。11歳~20歳そこらの意味分からんぐらい若い男の子がよ? 普通に一般人しとった子たちがよ。国跨いで来てる子とか、日本人の子だって沢山いるわけよ。なんかもう目頭熱いんだが。

さすがは予選をくぐり抜けてきた参加者たち。しかしなんと、ここにはJYPとP-Nation、両事務所の練習生8人も一緒に参加しているんですね。彼らにだって練習生としてのプライドがあるし、脱落の可能性だってあるので非常に切迫している。

ふ~ん。で、誰が人気なの?

ここでピックアップさせてほしい、JYPの日本人練習生、アマル君(17)。

「あの事務所はこんな逸材を隠し持ってたんか」と、おったまげました。お母様の影響を受けて、幼い頃からK-POPアイドルの音楽を聴いて育ったという彼。そのままお母様が大好きだったグループ(2PM)と同じ事務所に入っちゃうってだけでも、タダモノではない。

第1ラウンドの個人ステージでポスト・マローンのHollywood’s Bleedingという曲を披露していた彼。ちょっともう今観てきて。すぐ終わるから。観たら戻ってきてや。

アマル君の勇姿を拝む

3話を通しでチェックする!

……歌声の魅力、果てしなくないですか。17歳ホンマか? 数いる参加者の個人ステージの中で、唯一巻き戻して繰り返し観た。両プロデューサーも絶賛。

JYP:「音程や感情だけでなく声のトーンまで変えていた。上手すぎて心配」

PSY:「ステージでの振るまいまで上手い。目線も素晴らしかった」

MDJ(もう大丈夫):「とりあえず全部ヤバいし、全部すごい」

彼はこの番組で最初からずっと上手かったし、ずっと安定していた。それゆえプロデューサーの求める基準はほかの参加者よりずっと高い。期待されている分、エピソード中盤では悩んで悩んで、葛藤するんですね。17歳がよ(泣)。デケェもん背負いすぎなんよ(泣) 。

大好きな家族を日本に置いて韓国に渡り、小6の時にはもう練習生だったという彼。アマル君のニカッと笑う顔をみていたら体調が良くなりました。序盤から上位をキープしている、めちゃくちゃ応援したいワンピック(※一番推しているメンバーの意)です。

さすがに多才すぎる参加者たち

第2・第3ラウンドでは、プロデューサーが決めた2~4人のチームでステージを披露するんですが、先ほど書いたJYPの言葉をここでもう一度。

「今までの選考基準は歌とダンスだったけれど、もっと別の視点から表現できる子達を求めている」

今までのオーディション番組と違うなと感じた個人的ポイントがこれ。「LOUD」では、単に歌やダンスが上手い参加者だけではなく、音楽制作ができたり、クラシックバレエを専攻していたり、より芸術的なセンスを持つ参加者が目立つ。

そのため、チーム戦でも自分たちで作詞作曲し、ダンスの振りを1から考え、ステージの演出まで決めて披露するグループがほとんど。しかもこれを放送中の2週間とかで仕上げている。彼らまだ10代よ? 根性から感性まで、全部どないなっとんねん。

プロデューサーの愛のかたち(番外編)

あとね、JYPとPSYのコメントにもめちゃくちゃ愛がある。

彼ら2人も歌って踊りながらバリバリ歌手活動していた当本人なので、参加者たちがどれだけハードなことをこなしているかがよーく分かっている。なので指摘する時でも基本褒め言葉とセットだし、みんなの前ではキツく怒ったりなんか決してしないんですね。ああいうの、観ててしんどいやんか。JYPのコメントで指摘が多かった時は、後輩のPSYがちゃんとフォローするしね。

ここで個人的にウケた2人の掛け合い、良いですか?

第3ラウンドのステージ(6話)にて、披露する前にコンセプトの紹介をする3人チーム。 これから歌う曲の原曲は別れの歌だけど、彼らは恋愛未経験なので、経験のある片思いをテーマに変更したらしい。

PSY「みんな片思いの経験があるんですね。アマル君はどんな片思いを?」

JYP「すみません、PSYはまだプロデューサーとしての経験が浅くて、タブーな話が分かってないんですよ」

PSY「片思いもダメなんですか?」


JYP「…は~。どこから教えたら良いんだ」

コントすな。しかもこのあと「気になることは聞きますから」って先輩にも食い下がらないPSY更にワロタ。ちゃんとユーモアを忘れない2人の掛け合いも見どころです。

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とりあえず、最終回だけでも観てくれ

最終オーディションでは、選び抜かれた参加者がJYPとP-Nationのどちらの事務所からデビューするかがついに決定。JYPとPSYの両者がオファーした場合、決定権は参加者に委ねられます。各事務所出身の練習生が移動する可能性も。かつて採用してくれた社長を裏切るのか!?

しかしここで2 人からオファーがないと、待っているのは脱落。これ最後どうなるの!?

2021年9月11日(土)に最終回を迎える「LOUD」。なんとリアルタイムで日韓同時配信予定。まだ間に合うのでぜひチェックしてほしい。スキル的にも人間的にも、中高生のレベルの高さにびっくりするよ。スキルはもちろん、仲間を慕い、寄り添い合いながら己の殻を破っていく姿がキラキラしててホンマ、エエもん見さしてもらいました。なんかこれから追いかけそうなフラグ立ってるけどいける?

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