もはや生活の必需品となった「スマートフォン(以下、スマホ)」。その登場は、私たちの暮らしや経済、そして世界の在り方そのものを大きく変えてきました。
今ではカメラはもちろん、音楽プレーヤーやコミュニケーションツール、さらには決済ツールとしての役割も果たすスマホ。近年では「5G」対応の機種も続々登場し、さらなる進化に注目が集まっています。
そんな最中、今年5月にシャープからスマホ最大級※1の1インチカメラセンサーを搭載した端末が発表されました。
その名も「AQUOS R6」です。
※1 スマートフォンとして。2021年7月30日時点。シャープ調べ。
同製品に込められた革新的な技術とは?
開発の過程を辿ると、そこには「まだ見ぬ未来の常識を作りたい」というシャープに脈々と受け継がれるDNAが詰まっていました。
未来の常識を変えていく!歴史的進化を遂げた「AQUOS R6」とは?
取材を受けてくださったのは、通信事業本部に所属する井伊さんと阪口さん。
井伊さんは回路設計の技術者として長らく活躍し、今回の「AQUOS R6」の開発ではプロジェクトマネージャーに就任しました。一方の阪口さんは、2018年入社の若手エンジニア。カメラモジュールのシステム設計・評価を担当しています。
そんなお二人が携わった「AQUOS R6」は、歴史的な進化を遂げたスマホです。
まず、語るうえで欠かせないのがカメラ機能。搭載されているカメラセンサーは、なんとスマホ最大級※1の1インチ。前モデル(AQUOS R5G)と比較しても約5倍の大きさを誇っています。
※1 スマートフォンとして。2021年7月30日時点。シャープ調べ。
より多くの光を取り込める仕様となったことで、暗い場所や逆光下でも、忠実かつ綺麗な写真撮影が可能となりました。
またディスプレイには、シャープ独自のIGZO技術※2を使った有機ELディスプレイ「Pro IGZO OLED」を採用。
こちらにも世界初※3の技術が備わっており、表示コンテンツに応じて駆動速度を自動で切り替えることで、高い省エネ性能と滑らかで残像を抑えたクリアな表示を実現しています。
※2 高画質と省電力を同時に叶える革新的なテクノロジー。
※3 スマートフォンとして。2021年7月30日時点。シャープ調べ。
古くはカメラ付き携帯電話に始まり、スマートフォン「AQUOS」においては倍速駆動ディスプレイや持つだけで画面が点灯する機能などを世界に先駆けて開発してきました。 人々がまだ見ぬ答えを探し出し、未来の常識を変えていく。これが「AQUOS」ブランドのミッションなのです。 |
「世の中に新しい価値を提供したい」。
シャープのDNAによってもたらされた「AQUOS R6」は、現時点での最高傑作といっても大げさではないでしょう。
スマホ最大級※1のカメラセンサーを搭載!常識破りの新発想
※1 スマートフォンとして。2021年7月30日時点。シャープ調べ。数々のイノベーションが詰まった「AQUOS R6」最大の特徴は、先にも述べた通り、スマホ最大級※1の1インチのカメラシステム。
スマホでの撮影体験をさらにグレードアップしようとシャープが考えたアイデアは、まさに新進気鋭の発想でした。
※1 スマートフォンとして。2021年7月30日時点。シャープ調べ。
物理的に優れたレンズとセンサーを搭載できない手のひらサイズのスマホでは、これまで高度な演算能力に頼って画質のクオリティを向上させるしかありませんでした。 しかし「AQUOS R6」では、この従来の常識を見直すことにしたのです。 |
結果として高性能デジカメの優れたセンサーとレンズを搭載することに成功。 スマホ特有の高い演算能力とアルゴリズムを融合させ、目の前の景色を“空気感”とともに残せる唯一無二のカメラを生み出しました。 |
このカメラシステムは、100年以上にわたりカメラの歴史を築いてきたドイツのライカカメラ社(以下、ライカ)と共同で開発したもの。
業種の垣根を越え、その道のプロフェッショナルとパートナーシップを組むところにカメラ機能にこだわる本気度が垣間見えました。
試行錯誤の連続。「AQUOS R6」をシャープだから作れた理由
前例の無い発想でスマホカメラの常識を覆したシャープ。
しかし、40年近くシャープに勤める井伊さんでさえ、「これまでで最も厳しい開発オーダーだった」と振り返るほど、完成にいたるまでの過程は苦難の連続でした。
1インチのカメラシステムとPro IGZO OLED、そして大容量の電池が「AQUOS R6」の柱です。しかし、これらをコンパクトなスマホに組み込むのは至難の業でした。 培ってきた技術に加えて、新しいことにもどんどんトライしていかなくては到底実現できなかったのです。 |
例えば、当初は35mm角だったカメラモジュールの基板のサイズを26mm角まで小さくするために、エンジニアたちにはかなり知恵を絞ってもらいました。 細かい調整がきくのは、カメラモジュールやディスプレイモジュールを含むスマホのすべてを自社で開発しているシャープならではの強みだと思いますね。 |
従来とは異なるカメラ機能を開発するのも、より専門的な光学設計や画質調整技術が必要だったそうです。
ライカと共同開発を進める中では、1インチのカメラシステムのパフォーマンスを引き出すべく、膨大な数の光学シミュレーションを繰り返し実施。その結果、「センサーの隅々まで光を届ける高い屈折率」と「スマホに収まる薄さ」を同時に叶える7枚のレンズに行き着いたのです。
ただ、試作段階では耐久性に課題が見つかりました。カメラシステムが大きくなった分、その重量に耐えうる設計にする必要があったのです。 幾度となく落下テストを実施し、原因の解析、解決へと導いていきました。 |
阪口さんの言葉からは、品質をとことん追求する姿勢が感じ取れました。若手にも積極的に裁量を与えているからこそ、責任感がより一層醸成されるのでしょう。
プロジェクトマネージャーの井伊さんの表情からは、メンバーの存在を頼もしく思っている様子が伝わってきました。
新しい挑戦を前向きに応援してくれる社風のおかげで、たくさんの壁を乗り越えられました。 私自身も「AQUOS R6」の構造設計に取りかかる際はあまりのハードルの高さに不安を覚えましたが、「できない」と言ってしまえば何も始まりません。どうすればできるかを考えることが大切なのです。 |
井伊さんが「難しいオーダーの方が燃える」と言えば、阪口さんも「新鮮な発見の連続で、仕事が楽しい」と続けます。
どんなに素晴らしい構想も絵に描いた餅では意味がない。苦労が尽きないからこそ、働く喜びはひとしおなのでしょう。
最高傑作も、あくまで通過点。「AQUOS R6」から始まる新しいストーリー
こうして誕生した「AQUOS R6」の出来栄えについては、井伊さんも阪口さんも自信満々です。
カメラセンサーが大きく、たくさんの光を取り入れられるため、ぜひ夜景を撮影して違いを実感していただきたいです。ノイズも少なく、驚くほど綺麗な写真を撮れますので。 デジカメで撮ったような背景の自然なボケ味も「AQUOS R6」の魅力ですね。 |
とはいえ、「あくまで通過点」と井伊さんは気を引き締めました。
現時点では最高のスマホが完成したと自負しています。しかし、世の中のニーズは日に日に高まっていくものですので、それに応えることができるスマホが常に求められるでしょう。 個人的には、カメラモジュールやディスプレイモジュールが物理的に省かれたスマホを作ってみたいですね。 |
「(カメラモジュールやディスプレイモジュールを省くことは)当社の強みをなくしてしまうことになるんですが」と笑いますが、SFに登場するような夢のスマホが完成したときには、おそらくシャープは新技術のパイオニアになっていることでしょう。
「AQUOS R6」から始まるAQUOSの新しいストーリー。
どんな未来を描いてくれるのか、楽しみでなりません。
Photo:photographer_eringi
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