「大人のための変身ベルト」をコンセプトにした、バンダイのハイエンドユーザー向け商品「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」の最新作として、『仮面ライダー電王』(2007年)で活躍した「仮面ライダーゼロノス」の変身ベルト「ゼロノスベルト」の発売が決定した。「CSMゼロノスベルト」は2021年5月27日11時より、プレミアムバンダイにて予約受付がスタートする。

『仮面ライダー電王』とは、『仮面ライダークウガ』(2000年)を第1作とする「平成仮面ライダー」の8作目。他のシリーズにはない「電車に乗る仮面ライダー」というインパクトの強さで世間の話題を集めた。

とてつもなく運の悪い若者・野上良太郎(演:佐藤健)が偶然手にした不思議なパス、それは時の列車「デンライナー」に乗るために必要なものだった。未来の歴史を思いどおりに改変しようと悪事を行う「イマジン」を追っていた謎の少女ハナは、良太郎が時間改変の影響を受けない「特異点」だと認める。風変わりなイマジン・モモタロスに憑依された良太郎はデンオウベルトを装着し、仮面ライダー電王 ソードフォームに変身。悪のイマジンから正しい歴史を取り戻すべく戦うのである。

本作の主人公・電王とは別に、ゼロライナーに乗って現れた第2の戦士こそ、仮面ライダーゼロノスである。ゼロノスに変身するのは、桜井侑斗と名乗る19歳の若者。彼は「未来の自分」からゼロノスカードを託され、契約イマジン・デネブと共に時間を超えて"ある目的"のために敵イマジンと戦っている。しかしゼロノスカードは一回の変身で一枚が消滅し、その枚数には限りがあるため、いつどこで変身するかの判断は慎重に行わなければならない。

ここでは「CSMゼロノスベルト」の発売を記念して、仮面ライダーゼロノス/桜井侑斗を演じた中村優一にスペシャルインタビューを敢行。自身も大の仮面ライダーファンだという中村に、大人ファンのツボを突く各種音声ギミックを搭載したCSMの魅力や、今回新規に収録した桜井侑斗の"名セリフ"再現についての熱き思い、そして放送開始から14年もの歳月を経てなお熱烈に『電王』を愛するファンへの感謝の気持ちを語ってもらった。

――ついに中村さん待望の「CSMゼロノスベルト」が商品化されました。それまでの「CSM」シリーズの各商品を、どこかで実際にご覧になったことはありますか?

今でも玩具が好きなので、よくショップとかに行く機会があるんです。そんなとき、ショーケースに歴代ライダーのCSM変身ベルトが飾られているのを見て、子どものように「いいな~」なんて思っていたんです(笑)。さすがは大人仕様の変身ベルトだなあって、憧れの目で見ていました。クオリティーの高さはもちろんですが、パッケージもゴージャスで、すごいんですよね。

――放送当時の「DXゼロノスベルト」と今回のCSM商品見本を見比べてみて、どう思われましたか。

当時のDXも、非常に味わいがあって好きな玩具なんです。CSMはDXと同じサイズでありながら、全体のディテールがいっそう細かくなり、色もグッと渋めに塗装されているようですね。どちらかというと、侑斗が変身に用いるベルトじゃなくて、変身後のゼロノスのプロップにイメージを近づけている印象です。

――「DXゼロノスベルト」について、何か思い出があれば教えてください。

放送当時に入手したDXゼロノスベルトは、その後もイベントなどがあるたびに持ち歩いていて、ファンの方からリクエストをいただければ「変身」の再現をやったりしているので、愛着を持っています。でも基本が子ども仕様なので、ベルトが巻けなくなってきて、最近では後ろのほうを針金でしばりつけたりしてました。それを見かねた方が「延長ベルト」の存在を教えてくださったこともありましたね(笑)。あとは『電王』映画を撮影しているときの出来事なんですが、お母さんといっしょに撮影現場を見ていた小さな男の子が、ゼロノスベルトを巻いてニコニコしながらこっちに寄ってきたんです。そのとき「おれは、かーなーりつよい!」なんてゼロノスの決めゼリフを言ってくれて(笑)。かわいかったことを覚えています。

――「CSMゼロノスベルト」では、大塚芳忠さんによるデネブのセリフや、中村さんによる侑斗のセリフが多数収録されているのが注目ポイントだと思います。収録にあたっては、どんな部分に注意されましたか。

ゼロノス/侑斗は「時間」を行き来するライダーですから、なるだけ「老けちゃいけない」と強く意識をしました。2年前『仮面ライダージオウ』に出演したとき、侑斗を演じるときは実年齢とは違う、何歳なのかわからないような存在でいたいと思い、必死で若作りをして臨んだんです(笑)。同じく『ジオウ』では『仮面ライダー響鬼』の桐矢京介としても出演しましたが、京介だと普通に年月を重ねた「今の京介」でいいと思ったんですけどね。今回のCSM音声についても同じ感覚で、14年前と同じ侑斗の声でありたい、と思いながら取り組んでいます。でも、あのころの僕の声を改めて聴き直してみましたが、やっぱり"高い"んですよね。事前に家でセリフの練習をしてきたのですが、練習のときよりもずっと高めの声になりました。

――セリフによってはけっこうな長さのものがあったと思いますが、今回、再現が難しかったのはどんなセリフでしたか。

ドラマを背負うような重いセリフや、長めのセリフもいくつかありましたけど、それはわりと問題なくできました。難しかったのはどちらかというと、デネブに向かって放つやんちゃな言葉の数々でした。14年もの歳月がありますから、なかなかあのころのように、少年のような気持ちになることができなくて。ふいに、33歳の中村優一に戻ってしまうんです。我に返るというか(笑)。

――「CSMゼロノスベルト」のセリフ再現、全体の出来栄えとしてはいかがだったでしょう。

そこはもう、悔いのないように全力でやりきったので、満足いく出来になっています。なんといっても念願のCSMですし、後悔はしたくないですからね。すべてにおいてベストな状態の侑斗の声をお聞かせできると思います。それにしても、これだけたくさんのセリフを1日で一気にしゃべったのは初めてのことで、改めて声優さん……芳忠さんのすごさを実感しました。

――今回の写真についてですが、衣装には中村さんの要望が反映されているそうですね。

そうです。「未来の桜井侑斗」をイメージした衣装になっています。『電王』劇中での"大人の桜井侑斗"は30歳前半くらいの年齢設定で、ちょうどいまの自分と同じくらいですから、一度僕自身が大人の桜井侑斗に扮してみたいと思いました。さきほども言いましたが、「声」に関しては放送当時の侑斗を忠実に再現しています。でもビジュアルでは、現在の"等身大の自分"としてカメラの前に立ちたかったんです。

もしかしたら、僕がゼロノスベルトを巻いて世に出るのは、このCSMの仕事が"最後"になるかもしれない……。そんな思いを抱いたとき、今回は"大人桜井の衣装で出てみたい"とお願いをしました。帽子をかぶり、ロングコートを着て、懐中時計を手にしている「桜井」には、時間の中をさすらっている旅人のイメージがあります。ヒゲを伸ばしているのも、僕なりのそういったイメージの表現なんです。この写真を撮ったことを契機に、今まで「年を取らないように」という桜井侑斗の"縛り"がなくなるかな、とも思っています。ようやく老けることができるかなって(笑)。

――「CSMゼロノスベルト」がお手元に届いたら、中村さんはどんな風に遊んでみたいでしょうか。

とりあえず、収録されている音声を楽しんでみたいですね。侑斗の声よりも、芳忠さんのデネブの声を聴くのがとても楽しみです。芳忠さんの声、大好きですから! そして、「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーゼロノス アルタイルフォーム」と一緒に、ショーケースに入れて飾ってみたいと思います。

――では、ファンのみなさんに「CSMゼロノスベルト」をどのように遊んでほしいですか。

それはもう、『仮面ライダー電王』の映像を今一度観返しながら、気持ちよく「変身」していただきたいですね。人間はみな、何かしら「変身願望」を持っていると思います。「CSMゼロノスベルト」や、デンオウベルト、NEWデンオウベルトでみんな思い思いの「変身」を再現して、それを動画に撮って僕に見せてください。「こうやって遊んでいます!」というみなさんの様子が見られれば、僕も幸せな気持ちになりますから(笑)。

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