駅の階段を上るだけで息が切れる……
朝がつらくてなかなか起きられない……
仕事の疲れを翌日に持ち越してしまう……
疲れにともなって「なんだかやる気も出なくなってきた……」と思ったことはありませんか?もしかするとそれ、「体力」が低下しているからかもしれません!
そう警鐘を鳴らすのは「体力を高めることが、生きる力につながる」と語る、常葉大学 健康プロデュース学部教授の星川秀利さん。
今回は、そんな星川教授に、体力の維持・向上がもたらしてくれるメリットと、体力を高めるのにおすすめの運動法をお聞きします!
星川秀利教授
運動能力だけが体力じゃない?やる気も体力のうちだった!
ライターのスズキナオです。 本日はよろしくお願いします。 |
こちらこそよろしくお願いします。
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今回は体力をテーマにお話を伺いたいのですが、そもそも「体力」とはどのようなものを指すんでしょうか?
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スポーツ科学の分野では、体力には身体的要素と精神的要素があると定義されているんです。 まず、身体的要素については、大きく2つの分類があり、筋力・持久性・柔軟性など、行動の基礎となる「行動体力」と、病気やストレスに対する免疫力や抵抗力、環境に適応する「防衛体力」にわけることができます。 |
体力という言葉はよく使いますが、そんなに細かな分類があるんですね。
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そうなんです。 もうひとつの精神的要素についても、身体的要素と同様に意志・判断・意欲といった「行動体力」と、精神的ストレスに対する「防衛体力」という分類があります。 スポーツ科学の分野では、体力と一口にいっても、非常に幅広い意味合いを持っているんです。 |
なるほど。筋力とか持久力のようなものばかりを体力としてイメージしていたのですが、身体と精神の両方がリンクしているわけですね。
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その通りです。 たとえば握力を計測するにしても、気持ちが乗っていなければ、いいパフォーマンスが出ませんよね? 我々が計測できるのはあくまで身体的要素の行動体力だけなので、その数値が高いことを「体力がある」としてしまいがちなんですが、精神的要素も密接に関わっているんです。 |
それを伺っただけでも体力という言葉の意味が、グッと広がった気がします。 そのような広い意味での体力は、年齢によって変化するものなんですか? |
肉体的にも精神的にも20歳~25歳ごろまでが体力のピークといわれています。 そこからは要素によって差もありますが、基本的に低下の一途をたどりますね。 20歳の体力を100%だとしたら、60歳では40~60%までダウンすると考えられています。 |
うーん……それは、なんとかできないものなんでしょうか(笑)
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いわゆる普通の生活をしていれば低下するところが、アクティブな生活をすることで、低下のカーブを緩やかにしたり、維持したりするのは可能ですね。 人によっては歳を重ねても、20歳の人と同じぐらいの体力を持っている人もいますから。 |
やはりトレーニングで体力をキープすると、身体的にも精神的にも良い影響があるんでしょうか?。
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はい。たとえば今より身体的な体力がつけば、それだけ力を出す余裕ができますよね? 今まで大変だったことが楽にできるようになると、精神的にも余裕ができる。 そうすると「なにか新しいことをしよう」という、やる気や意欲につながってくるわけです。 |
身体的な体力と精神的な体力は相互につながっているんですね。 ちなみに、最近は「免疫力」を気にされる方も多いと思うのですが、体力の維持・向上は、そういう面にも良い影響がありますか? |
そうですね。 適度な運動は体力だけでなく、免疫力の向上にも関わってきます。 その結果として風邪をひきにくくなれば、生活に余裕が生まれ、気持ち的にもアクティブになれるかもしれませんね。 |
体力の維持・向上には自転車運動がおすすめ!
体力の重要性がだんだんわかってきました。 体力をつけたいのですが、生活に取り入れやすい、おすすめのトレーニング方法はありますか? |
一定の運動強度を持っていれば、どのような運動でも体力の向上が期待できます。 ただ、その中でもおすすめしたいのが自転車を使った運動です。 |
なぜ、自転車なんですか?
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自転車を漕ぐという運動はウォーキングやランニングと同じように有酸素運動となり、さらに筋肉に適度な刺激を与えられるという特徴があるからです
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確かにペダルを漕ぐ時に、脚の筋肉をかなり使いますよね。
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そうなんです。そしておすすめする理由はもう1つありまして、それが運動条件を変えられることです。 自転車は変速機を使えば、同じスピードで漕いでも脚を回すスピードの調節が可能になります。 つまり、ペダルを軽くして、素早く筋肉を動かしたり、ペダルを重くして、漕ぐ回数を減らすことで大きな力を発揮したりといった、目的に応じた使い方ができる良さがあるんです。 |
たしかに、ギアを軽くすると、脚を素早く何度も動かせますね。
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はい。遅い回転から速い回転まで選べます。 普段、筋肉を速く動かす場面はあまりないと思いますが、ギアを軽くし、回転数を上げて、神経系のトレーニングをすれば、敏捷性の向上にもつながると思いますよ。 |
トレーニングだからといって、ギアを重くして負荷をかければいいわけではないんですね。
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もちろんギアを重くして、ゆっくり回して負荷をかけるのも筋力をUPさせる上で効果的です。 ただ、日常生活の中で、素早く筋肉を動かすような場面があまりないので、そこをカバーできるのは自転車ならではの利点だと思います。 |
自転車運動は、ギアの使い分けが重要なんですね。
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ちなみに、自転車は膝や足首に負担をかけにくいというメリットもあるんです。 ランニングの場合、自転車と比べ3~4倍の衝撃が膝や足首にかかるといわれています。 そういう意味でも自転車運動は、膝や足首が痛い方、普段はあまり運動をしていない中高齢者の方などにもおすすめですね。 |
ちなみに自転車運動をする際は、どの程度の運動強度を意識するといいんでしょうか?
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まずはペダルの回転数ですが、一般的に自転車に乗っている時は、1分あたり40~50回転ほどで走行しています。 もちろんこれでも良いのですが、1分間に70~80回転まで上げてみるのもいいでしょう。 ただ、いきなりは大変だと思いますので、それを目標として徐々に回転数を上げていくのが理想的ですね。 |
普段の感覚からすると、かなり速く漕ぐイメージですか?
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そうですね。 特に最初は速く感じられると思いますので、無理のないペースで上げていけば十分です。 回転数を計測できる装置を自転車に取り付けるのもおすすめですね。 |
たとえば1分間に70~80回転というところまで上げていけたとして、どれぐらいそれを続けるといいですか?
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運動強度としては「にこにこペース」という分かりやすい指標があります。その言葉の通り、息ははずむけれども笑顔で続けられる範囲でかまいません。 苦しくてしかめっ面にならないよう、楽しさを感じられる程度で、1週間に3~4回、30分以上できれば十分だと思います。 |
私はあまり根性がないのですが、ちょっと疲れたら足を止めたり、帰りはのんびり帰ってくるぐらいは問題ないでしょうか?
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もちろん大丈夫です。 リラックスして爽快感を味わうのも運動を継続する上で重要ですから。 自転車ならウォーキングやランニングよりも遠出しやすいですし、スピードが出る分、爽快感があるというメリットもあります。 個人の体力に合わせて、様々な乗り方ができるのも自転車をおすすめするポイントです。 |
まずは自分に合った変速機付きの自転車を選んで、苦痛じゃない程度に続けるのが大事なんですね。
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そうですね。 自分に合った自転車を手に入れればモチベーションも上がりますし、とにかく継続して乗ることが重要だと思います。 |
ありがとうございました! 最後に読者に向けてメッセージをいただけますでしょうか? |
自転車はただの移動手段の道具ととらえられがちですが、非常に身近な健康維持・向上ツールともいえます。 自転車は、ウォーキングやランニングと違った筋肉の使い方もできますし、爽快感もあるので、上手に活用していただきたいですね。 |
自転車運動を取り入れる基準は?今すぐ分かる「片足立ちテスト」
自分の体力を手軽に把握するのにおすすめなのが「片足立ちテスト」です。 「自分は体力があるのか?」気になった方は挑戦してください! |
片足立ちテスト
どちらの足でもいいので、片足でどれだけバランスを失わずに立っていられるかを試してみましょう。
立っていられる時間が2分に満たなければ体力低下のサインかも。
体力の維持・向上のためにも自転車運動を取り入れてみてはいかがでしょう?
シマノは、世界中の自転車を愛する人の感動に寄り添いたいと願い、品質にこだわった本当に信頼されるものづくりをめざしています。
今までもこれからも「こころ躍る製品」を皆様にお届けしてまいります。
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