筆者が今、凝っている画面~それは横長ディスプレイ

筆者は、自他認めるほどの大画面兼多画面マニアであり、普段から様々なディスプレイを活用している。自宅の総画面数は、両手どころか、両手両足の指を含めても数えられないほど。そんな筆者が最近、凝っているのは超横長(ウルトラワイド)アスペクトのディスプレイだ。

そもそも、筆者がディスプレイなしでは考えられない理由のひとつが、やはり圧倒的な情報量だ。ノートPCだけを使っている人と、ディスプレイ製品を組み合わせて使っている人では、表示できる情報量が明らかに違う。

特に多数の会議や発表会など、多くのイベントがオンラインで行われるこのご時世。資料ファイルを画面に広げ、さらにオンライン会議アプリ上の出席者の顔面を画面に並べて……なんてしていたら、とうてい1画面には収まらない。たくさんのウィンドウを一望するのに、こうしたウルトラワイドディスプレイはとても役に立つ。

また、ウルトラワイドディスプレイならディスプレイを複数枚並べた時の画面と画面の継ぎ目やディスプレイスタンドで幅を取ることがないのもメリットだ。なのでまだノートPCだけだという人やディスプレイ1枚のみの人にはぜひともオススメしたいのだが、色々なサイズや値段があるわけだ。

そこで「初ウルトラワイドディスプレイ」としてはうってつけなのが、LGエレクトロニクス・ジャパンの「29WL500-B」。一般的なアスペクト比16:9よりも少しだけ横長となったアスペクト比21:9のモデルで、価格はなんと29,980円(税込)とリーズナブル。

今回はしばらくこれを使って、テレワークをしてみることにしよう。

「29WL500-B」はテレワークの救世主か!?

筆者はJAPAN PODCAST AWARDS 2019にノミネートされたこともあるBackspace.fmというインターネットラジオ番組に準レギュラー出演している。Backspace.fmは基本、音声番組だが、2020年から(全ての回ではないが)、放送中の様子を映像でお届けするサービスも展開している。そして、このBackspace.fm、実は収録はZOOMベースで行っているのだ。

そこで、去る2021年3月13日放送回の収録は、今回取り上げている「29WL500-B」を使って行ってみた。16:9だと、ZOOM画面を中央に表示すると、トークテーマをまとめた台本や、関連資料、Webサイトなどを表示するスペースがなくなってしまい、それらはウィンドウ切り換え表示で見ることしか出来なかったが、21:9の「29WL500-B」では、それらのウィンドウを常時配置しておくことができる。これがかなり便利なのだ。

  • 生放送出演中の筆者が見ていた画面はこちら。2,560×1,080ピクセルの超横長画面では、このように常時表示しておきたいウィンドウをたくさん画面に配置できるのが魅力!

もちろん16:9の画面でも、ウィンドウ切り換えで資料等は見られるが、出演メンバーの顔を常時チェックしながら、資料等を見られるのは、自分の話始めのタイミングを伺うにも都合がいい。また、自分が口を挟むべきでない進行中の際には、出演者の顔を伺いながらの内職(SNSチェックやその返信など)も容易に行える(笑)。

ちなみにこの時の収録は、デスクトップPCに「29WL500-B」を接続して行っていたが、これがノートPCだったら、ノートPC側の画面にミーティング画面を全画面表示し、資料や内職画面(笑)を「29WL500-B」に表示すれば、さらに利便性が向上することだろう。

なお、「29WL500-B」のスタンド部に高さ調整機能はない。なので、ノートPC側の後ろに配置すると、ノートPC画面の上端が「29WL500-B」の画面下辺に重なるだろう。後ろに配置したい場合は、オンデスク・ラックなどを設置して、その上に「29WL500-B」を載せると丁度よいと思う。

IPS型液晶採用。設置サイズも意外にコンパクト!

スペック的なところも触れておこう。「29WL500-B」の画面解像度は2,560×1,080ピクセル。画面サイズは29型で「29WL500-B」の画面中央に16:9のフルHD(1,920×1,080ピクセル)画面を表示すると、およそ22型サイズになる。つまり、「29WL500-B」は、22型の16:9のフルHDディスプレイ製品を、高さはそのままに、左右を拡張して解像度を増強したもの……とイメージしてもらっていいだろう。

液晶パネルはIPS型。視野角は広めだ。応答速度は5ms(GTG)で、最近のIPS型液晶パネルとしては標準的なスペックである。

  • 光学30倍で画面を撮影。RGBのサブピクセルは綺麗な長方形形状で、開口率が高いことが分かる

標準輝度は250nit。こちらもPC向けモニターとしてはスタンダードな値。コントラストは1000:1。IPS型液晶は視野角が広い分、VA型に比べるとやや遮光性能が犠牲になっているのでコントラストはこのくらいが普通だ。色域はsRGB色空間カバー率99%。価格を考えると立派なスペックである。

  • ピクチャーモード「鮮やか」のカラースペクトラム

  • ピクチャーモード「HDR効果」のカラースペクトラム

  • ピクチャーモード「シネマ」のカラースペクトラム

……安価なモデルなのに、赤緑青のピークがそれなりに出ているのはすごい。青のピークが鋭いのはLEDバックライトの光源が青色で、白色はその青色光と蛍光体の組み合わせて出しているため。

スタンド部は前述したように、高さ調整機能はないが、画面の上下角度調整機能は備わっている。調整範囲は下5°、上15°まで。左右の首振り機能はなし。入力端子としてはHDMI(HDMI1.4対応、HDCP1.4対応)を2系等装備。2台までのPCやゲーム機、ブルーレイ機器を接続し、メニューで切り換えての表示が可能だ。なお、DisplayPort端子はなし。

スピーカーは内蔵していないが、φ3.5mmのミニジャックは背面に実装されているため、HDMI入力された音声信号をアナログステレオ出力することはできる。YouTube視聴やカジュアルな音楽鑑賞をする際には、ここにPCスピーカーなどを接続するといい。

  • ちなみに筆者は、今回の評価では、約1,300円というやたら安い値段の割にはけっこう音のいいPCスピーカー(ロジクール製「Stereo Speakers Z120」)を組み合わせて利用していた

「29WL500-B」はスピーカーを内蔵していないものの、アンプ回路は搭載されているため、このミニジャックに出力する音声の音量を変更出来るようになっている。PC側やPCスピーカー自体でも音量は変更できるが、それでも音量をもう少しあげたいと言うときには、「29WL500-B」側の音量調整を使うといい。

  • ミニジャックに接続されたスピーカーの音量調整は、「29WL500-B」の画面下辺側にあるメニュー操作起動用のスティックボタンを押し込まず、直接左右に押し曲げることで行える

設置性にも言及しておこう。スタンドを組み付けた際の寸法はW698×H411×D209(mm)。スタンド部の占有面積は筆者実測でW約40cm×D約20cmなので、画面が左右にはみ出ていいならば相当にコンパクトに設置できる。重量は約5.2kg。両手を使えば楽々移動ができるだろう。消費電力は24.5W~27W。画面サイズ、輝度性能を考えると妥当な値だ。

意外にも映画鑑賞やゲームプレイにも強い

「29WL500-B」は、ゲーミングディスプレイ製品として訴求されていないが、リフレッシュレートは一般的な60Hzに加えて、75Hzにも対応しているのが面白い。手持ちの遅延計測器で測定してみたところ、なんと表示遅延は約2.1ms。これは、一般的なゲーミングディスプレイ並みの低遅延性能だ。

  • 遅延測定器は2,560×1,080ピクセル解像度に対応していなかったので1,920×1,080ピクセルで計測。測定結果は2.1ms。これは、かなり低遅延な値である

ゲーミングディスプレイほどではないまでも標準的なディスプレイよりも高いリフレッシュレートに対応。なおかつ表示遅延も優秀。……となればゲーミングディスプレイとして使えなくもないと思う。ためしに「ストリートファイターV」の対戦をやってみたが、普段使っているゲーミングディスプレイ製品と比較しても違和感なくプレイすることができた。

「29WL500-B」は、ちゃんとHDR映像の表示にも対応している。対応HDRフォーマットは「HDR10」。最新ゲーム機や4Kブルーレイが対応している形式だ。ということで、テストを兼ねて私物の4Kブルーレイプレイヤー(パナソニック製DMP-UB90)と接続して、4Kブルーレイの映画を再生してみた。

「29WL500-B」の液晶パネル解像度は2,560×1,080ピクセルなのにもかかわらず、4K(3,840×2,160ピクセル)映像の入力が行えてしまった。もちろん、表示は内蔵の映像エンジンによって圧縮表示となっているはずだが、「映る」というのはすごい。

  • 4Kブルーレイプレイヤーと「29WL500-B」を接続。実際に4Kブルーレイの映画ソフトを再生した際入力解像度ステータスの様子。たしかに4K/24Hzを入力出来ている

しかも、4Kブルーレイプレイヤーは「29WL500-B」がHDR対応機器であることを認識し、ちゃんと4KブルーレイをHDR映像信号で出力してくれた!「29WL500-B」もこの信号をちゃんと認識し、画面右上に「HDR」のポップアップを出してから、普通に4KブルーレイをHDR表示!

  • 「29WL500-B」は、HDR映像の入力を検知すると、画面右上に数秒間、「HDR」とかかれたポップアップアイコンを表示する

初期状態では、21:9の全画面領域の中央16:9領域にこぢんまりと映画映像がされるだけとなるが、設定で「入力」-「アスペクト比」のところの「シネマ1」を選択すると、映画映像の本編部分を切り出して「29WL500-B」の全画面に表示してくれるようになる。

そう、「29WL500-B」の21:9は、映画コンテンツで標準的なアスペクト比となっているシネマスコープサイズと同じなので、「29WL500-B」だと映画の映像をドンピシャで全画面表示することができるのだ。16:9のテレビで、映画コンテンツを再生すると上下に無表示領域の黒帯とともに表示されることがあるが、「29WL500-B」にて「シネマ1」モードで表示すれば、この黒帯を除いて大迫力の全画面表示が行えるわけである。これはかなり便利。

  • なお、「シネマ2」モードは画面下部に黒帯を残す表示モードとなっているが、映画コンテンツ側のアスペクト比が若干崩れる表示となるため、映画コンテンツは「シネマ1」をオススメする

気になるHDR映像の品質だが、「エッジ型バックライトシステム採用機であること」「価格が安いモデルであること」を踏まえれば、非常に頑張っていると思う。明部はしっかり伸びやかに輝かせているし、本来は黒浮きが強いIPS型液晶にあって、暗部階調をしっかりと作り込めていることも確認できた。

ためしに2021年時点で最上級の映像体験が楽しめるPCゲームとして話題の「サイバーパンク2077」もHDRモードで動かしてみたが、HDR10表現もバッチリであった。なにより、この作品は、最初から2,560×1,080ピクセル解像度にも対応しているので、「29WL500-B」との相性は抜群であった。

  • 29WL500-Bで「サイバーパンク2077」をプレイ中の筆者

ようこそアスペクト比21:9の世界へ

最初は「テレワークにおあつらえ向けな横長ディスプレイ製品」というコンセプトで紹介する予定だった「29WL500-B」。実際にそのつもりで使っていたのだが、使い込んでみると、思ったよりよく出来ていて、色んな用途に活用できてしまうことに驚かされてしまった。

このポテンシャルで価格が3万円未満なのだからお買い得である。ぜひとも「テレワークに必要だから!」と、お家の財務省(嫁や親)に訴えて、「29WL500-B」をゲットしてもらいたい。そしてテレワークにはもちろん、それ以外の用途にも使っていただきたい。

「29WL500-B」
の詳細はコチラ

それと、こうした超横長ディスプレイを便利と感じたのであれば、価格は上がるが、より大画面なモデル「34WL500-B」(2,560×1,080ピクセル)や、より高解像度なモデル「34WL750-B」(3,440×1,440ピクセル)などにステップアップするのもいいと思う。

「34WL500-B」の詳細はコチラ

「34WL750-B」の詳細はコチラ

[PR]提供:LGエレクトロニクス・ジャパン