6人の中高生クリエイターが、全国のみんなの想いをひとつに込めた卒業制作として、いきものがかりのデビュー曲『SAKURA』を題材に、ミュージックビデオをつくりあげました。

これは中高生を対象とした、ソニーのエンタテインメントとテクノロジーを活用したエンタテインメント実習プログラム「エンタメのブカツ 2021」で、2020年11月からスタート。全国の中高生から寄せられた、大切な人への思いを込めて『SAKURA』を歌っている歌声動画と、歌詞の一節である「君が くれし 強き あの言葉」をテーマにしたメッセージをもとに、コロナ禍という制限された環境の中、すべてオンラインで制作を行ったそう。

完成したミュージックビデオやこれまでの軌跡を、ドキュメンタリームービーでお届けするとともに、プロジェクトに参加した中高生クリエイターのべーちゃんさんとJINさん、そして本プロジェクトの運営を担当したソニー株式会社の岡野詩音さんに、卒業制作発表までの道のりについてお聞きしました。

プロフィール:右から

べーちゃんさん
映像クリエイター
高校2年生(17歳)/東京都在住

JINさん
映像クリエイター
高校1年生(16歳)/鳥取県在住

岡野詩音さん
ソニー株式会社
ブランド戦略部門ブランドコミュニケーション部

※2021年3月時点の情報です


オンラインで力を合わせて難題を乗り越えていく姿が胸を打つ!

作品を完成させるまでの中高生クリエイターたちの葛藤や共創する様子をまとめたドキュメンタリームービー「みんなの卒業制作物語~DOCUMENTARY OF エンタメのブカツ~」EPISODE 1:制作編

学校生活の思い出をカタチに――。中高生クリエイターたちの参加理由
  • MV制作部メンバー 映像クリエイター・べーちゃんさん(高2)

――お二人がMV制作部に応募した理由は?

べーちゃん:高校生活の思い出をカタチに残したいと思ったことが、一番の理由です。ミュージックビデオ制作部なら、全国の映像好きな子と一緒に映像制作に取り組めるし、多くの人に観てもらえます。「絶対に参加したい!」と思って応募しました。

JIN:僕は、ずっと自分一人で映像制作をしてきました。「一緒に映像制作に取り組める友達がほしい」「映像好きの自分をみんなに認めてもらいたい」という気持ちがあって、MV制作部に応募しました。

――べーちゃんさんとJINさんが、映像制作に興味を抱いたきっかけを教えてください。

べーちゃん:私は、高校入学のお祝いでもらったカメラがきっかけです。撮影した映像を音楽に合わせて編集するのが楽しくて、作った作品を友達に送ったらすごく喜んでくれたんです。それで、ますますのめり込んでいきました。

JIN:僕はアニメが好きで、小学校2年生の頃には映像に興味を抱いていました。小学校5年生の頃からタブレットを使って映像を撮影し、中学校2年生の頃から父のパソコンを使って映像編集を行ってきました。その後、カメラを買ってもらって機材が一通り揃い、本格的に映像制作に取り組むようになりました。

――この1年間は、やはり思うように活動できなかったですか。

べーちゃん:昨年3月に全国一斉休校になってから6月まで学校が閉鎖されました。学校が再開されてからも、運動会や文化祭などのイベントがすべて中止になってしまいました。大好きな映像を撮る機会も全然なくて、「私たちの思い出を作品に残したい」という気持ちがどんどん募っていきました。

JIN:僕の通っている学校でも、イベントは制限付きでした。例えば球技大会は体育館で観戦できず、教室でのオンライン観戦に変更されました。僕はIT技術を買われて、ライブ配信のシステム構築を担当したのですが、今まで学校で自分の技術を活用する機会がなかったので、嬉しかったですね。

  • MV制作部メンバー 映像クリエイター・JINさん(高2)

一度作った構成案を白紙に戻す!? メンバー全員が心に刻んだ大切な想い
  • 活動はすべてオンラインにて行われた

――オンラインミーティングをしながら活動を進めていったそうですね。

べーちゃん:メンバーの初顔合わせは、ブカツ1日目のオンラインミーティングでした。特に役割分担を決めなかったのですが、最初の頃は、どんな意見でもいいから発言しようと思っていました。

JIN:僕は最初、メンバーとの関わり方がわからなくて、「このメンバーとどんな風に話していけばいいんだろう」と悩むこともありました。

べーちゃん:最初はぎこちなさもあったけれど、ミーティングを重ねていくなかで自然と役割分担ができていったと思います。私は活動するなかで「全員の実力が発揮された作品にしたい」と思うようになったので、だんだんと聞き役に回るように意識しました。

JIN:べーちゃんが上手にチームをフォローしてくれたので、僕も回を重ねるうちに自分の役割を果たせたように思います。後半は、テクニカルの部分、特にカメラワークや演出を積極的に提案しました。

――MVの制作で一番大変だったことは?

べーちゃん:ブカツの中盤、構成をイチから作り直したことですね……!

JIN:僕らが最初に考えた構成はふわふわしていて、つかみどころがないってことがなんとなく引っかかっていて。「これでいいのかな」という疑問が頭の隅っこにありながらも、「撮影したらなんとかなるんじゃないか」という気持ちもあって……。

べーちゃん:でも先輩クリエイターやコーチにアドバイスをいただいて、気づいたんです。自分たちの想いや、歌声動画を送ってくれたみんなの想いが込められていないって……単に、物語を作る作業になってしまっているって。

JIN:撮影直前の決断だったので、撮影日を1週間延期してもらい、改めて構成を練り直しました。

――全国の中高生の“想い”を盛り込んだ内容に変更したのですね。

JIN:今回の作品は僕たちだけのものではなく、歌声動画やメッセージを送ってくれたみんなのものなんです。みんなの想いをまとめて、僕らの想いも盛り込んで、一つの作品に仕上げていくことが僕たちの役割だと改めて感じました。

べーちゃん:実はメンバーのちーたにレオが歌声動画を全部観て、一人ひとりの印象を表にまとめてくれたんです。

JIN:おかげで、印象的なフレーズや、想いのこもった表情など、魅力的なところをピックアップして映像に盛り込むことができました。

――コーチや先輩クリエイターからは、どのようなことを学びましたか。

べーちゃん:毎回、たくさんのアドバイスをいただきながら制作を進めてきました。なかでも印象に残っているのが、クリエイティブディレクターに聞いた「北極星」の話です。『作業に追われているから、大変だからといって、目標を見失ってはいけないよ。北極星である”目標”を常に心に抱いて全員が同じ方向に向かって作品作りをすることが大切だ』と教えてくれたんです。

JIN:僕もすごく印象に残っています。あの話がきっかけで意識が変わったし、メンバー全員のピントが合ったように感じました。

べーちゃん:映像制作は確かに大変だったし、時には厳しい指摘をいただくこともあったけれど、メンターがすぐそばでフォローしてくれました。本当にいろいろな方が、私たち6名のことを支えてくれたと思います。

みんなで作ったMVは想像以上の作品に! 達成感とさびしさがこみ上げる

全国から寄せられた歌声動画、メッセージ、そしてクリエイターたちの想いが詰まった『SAKURA』ミュージックビデオを収録した「みんなの卒業制作物語~DOCUMENTARY OF エンタメのブカツ~」EPISODE 2:完成編

――完成した作品をご覧になって、どのような印象を抱きましたか。

JIN:今回、僕たちはたくさんの人に支えてもらって、作品を作ってきました。そのせいか、完成した作品を観た時は、感動と同時に、さびしい気持ちもこみ上げてきました。これで、みんなとさよならしなきゃいけないのかなって。

べーちゃん:最後の追い込みを、メンバーのリンとコーチの桑野さんが担当してくれたのですが、さらに完成度が高まっていてすごいと思いました。もちろん、歌声動画やメッセージを送ってくれた中高生も含めて、みんなで作ったからこそできた作品です。みんなへの感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

――岡野さんもぜひ、感想をお聞かせください。

岡野:全国の仲間の想いがギュッと詰まった「卒業制作」になったと思います。映像制作が大好きな6名のクリエイティビティと個性が混じり合うことで、こんなにも素晴らしい作品が生まれました。若いクリエイターたちの「パワー」を感じましたね。

ミュージックビデオお披露目イベントで、いきものがかり水野良樹さんからの感謝とエール!

2021年3月15日、いきものがかりがメジャーデビューした記念すべき日に、中高生クリエイターが集結し、完成したミュージックビデオをお披露目するイベントがソニーストア銀座で行われました。そこに、いきものがかりの水野良樹さんがサプライズで登場し、中高生クリエイターと一緒にミュージックビデオを視聴。

見終わった後、水野さんは「いきものがかりのデビュー曲である『SAKURA』が15年経って自分たちだけのものではなく、みんなの曲になったことがとても嬉しかったです。皆さんの作品は完成しましたが、ここからが皆さんのスタート。自分だけの物語を立ち上げるのはとても難しいと思いますが、皆さんはそれをやり遂げる力を持っているので、これからもぜひ新たな物語に挑戦していってください。」という感謝と応援の言葉を中高生クリエイターに贈りました。

これを受けて中高生クリエイターは、「自分が作品を見るだけではなく影響を与える側になる方がよほど楽しいということが分かったので、これからも映像制作に挑戦していきたいと思います。」と将来の夢を語りました。

仲間と一緒に喜びと苦労を分かち合う様子をまとめたドキュメンタリームービー「みんなの卒業制作物語~DOCUMENTARY OF エンタメのブカツ~」EPISODE 3:修了式編

卒業後も映像制作に携わりたい! 中高生クリエイターの未来への想い
  • 早くも次世代の育成を将来の目標に掲げてくれた二人。表情がキラキラしていました!

――お二人がミュージックビデオ制作部に参加してよかったと思うことは?

べーちゃん:今回の活動を通して、「オンラインでも映像を作れる」ということを証明できました。自分にとっても、大きな自信になったと思います。

JIN:僕は一人で映像制作をするさびしさから、実は少しだけ映像が嫌いになっていたんです。そんな気持ちのなか、MV制作部の活動に参加して、仲間と一緒に作品をつくる楽しさを味わいました。おかげで、「僕は映像制作が大好きなんだ」と、改めて気づくことができました。

――これから先の目標はありますか?

べーちゃん:私は今回の活動で「自分以外の誰かに勇気を与える側になりたい」という思いが芽生えたので、高校を卒業しても何らかの形で映像制作に携わりたいです。そして、私たちの次の世代に映像制作の楽しさを経験させてあげられるような「かっこいい大人」になりたいです。

JIN:僕は挑戦したいことが二つあります。一つは、観る人それぞれがいろいろな感じ方や受け取り方ができるような作品を作ること。もう一つは、人材育成に関わることです。いつか自分が次の世代を育成できるようになれたら嬉しいです。

――岡野さん、今後、どのようにして未来のクリエイターを育成していく予定ですか。

岡野:コロナ禍でいろいろな制約があるなか、中高生クリエイターもスタッフも、みんなが真摯にミュージックビデオ制作に向き合ってきました。ソニーは、存在意義に「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」を掲げており、「クリエイティビティ」の部分を担うクリエイターに寄り添える存在でなければいけないと思っています。今後も今回のような取り組みを続けていき、次世代のクリエイターの育成・創出に貢献していきたいですね。

未来のエンタテインメントを生み出す人を育成・応援するソニーのプログラム。中高生を対象とした「ミュージックビデオ制作部」と、小学生を対象とした『STEAMワークショップ部』の2つのブカツで構成されています。


ドキュメンタリームービー「みんなの卒業制作物語~DOCUMENTARY OF エンタメのブカツ~」EPISODE 1:制作篇、EPISODE 2:完成篇、EPISODE 3:修了式篇は、全国5都市(札幌・銀座・名古屋・大阪・福岡天神)のソニーストアで4月4日まで開催中の『いきものがかり「WHO?」Special Experience in Sony Store』でも上映中。 公式HP:https://www.sony.jp/store/retail/event/ikimonogakari

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