春は何か新しいことを始めたくなる季節。例えばピアノを始めて、充実した音楽のある生活を送ってみるのはどうだろう。
ピアノは楽器の中でも比較的身近なものなので、以前ピアノを習っていた方はもちろん、初めてピアノに触れる方やお子さんと一緒に始めたいという方もチャレンジしやすい。中でも電子ピアノは、コンパクトながら本格的な演奏が楽しめるということで人気が高まっているという。しかし、電子ピアノと一口にいっても種類が豊富にあるため、「何を選んでいいか分からない」という方も少なくないだろう。
そこで今回は、島村楽器セレオ国分寺店のピアノ担当神﨑さんに電子ピアノの選び方やおすすめの電子ピアノを伺ってきたので紹介したい。
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そうなんです。ファミリー層が多い地域なので、お子さんにピアノを習わせたいとの想いから来店される方が多いですね。特に春は新学期に合わせて音楽も始めようという方が多いのか、電子ピアノへのニーズが高まる時期でもあります。
また、最近ではコロナ禍の影響もあって、テレワークや巣ごもりといった家で過ごす時間が長い方も多いようで、以前楽器をやっていた方がこの機会にもう一度再開してみよう、という感じでご来店くださるケースも増えていますね。
私がよくお伝えするのは重要な3つのポイントに絞った選び方です。
1つは「鍵盤」です。大きく分けてプラスチック(または樹脂)と木製の素材があるのですが、木製のほうがアコースティックピアノ(本物のピアノ)の打感に近いです。価格帯でいうと20万円クラスから木製の鍵盤を採用する製品が多くなるのですが、それ以下だとプラスチックが主流になります。
プラスチックは、タッチが軽くて弾きやすいのですが、ピアノ教室では木製の鍵盤を使ったグランドピアノが主流なので、そこに通っているお子さまが、家では弾けるのに先生のところでは再現できないといったケースが出てきてしまいます。木製の鍵盤はプラスチックと比べて打感が深くて重く感じられるので、そこで弾き方に違いが出てしまうのです。
もちろん、プラスチックの軽快なタッチも悪いわけではないので、そこはピアノを弾く環境に合わせて考えていけばよいです。実際に触ってもらえれば、打感の違いもすぐに分かると思いますので、ぜひ店舗で弾き比べていただくことをおすすめします。
2つめはスピーカーです。これもメーカーや価格帯によって違いがあるのですが、2スピーカーなのか、4スピーカーなのか、あるいはスピーカーが底面についているのか、上面に向いているのかなどで、音の聴こえ方が違います。
さらに電子ピアノの場合、ヘッドフォンをしているときとしていないときで、スピーカーからの音の聴きとりやすさに違いがあるので、実際にお店で確認していただくとよいかと思います。
そうなんです。3つめのポイントもまさに音についてで、最後にチェックしていただきたいのは「音源」です。電子ピアノの音源は大きく分けて2種類あります。
1つめは「サンプリング音源」です。横文字で少し難しく感じるかと思いますが、簡単に言うとグランドピアノの音を1音1音録音をし、鍵盤を押すことで録音した音を呼び起こすものです。価格帯によって「サンプリング」の精度は異なりますのでこれもお店で体感していただくと良いかと思います。
2つめは「モデリング音源」です。簡単に言うと、弾き方によって変化する音の響き方などをリアルタイムで電子ピアノの中でシミュレーションし、よりアコースティックピアノに近い仕組みで音を作り出す音源のことです。 このようにピアノの音色、と言っても多種多様ですし、どれが良いかは一概に言えませんが、メーカーや価格によってメインで採用している音源が異なるので、ぜひ店頭で聴き比べてみてください。
単純に価格帯で分けるとしたらワンルームでもピアノが楽しめる卓上モデルは5万円クラスからありますし、スタンドと鍵盤カバー付きの製品も10万円ぐらいからラインアップしています。レッスンに向いたモデルになると20万円クラスからになりますが、それだけ打感も音色も本物により近くなっていきます。電子ピアノの場合はどれだけアコースティックピアノに近いかで値段が違ってきます。
でも、5万円クラスの電子ピアノでも、ひと昔前とはくらべものにならないぐらい高品質になっていますから、満足度はかなり高いはずです。個人的にはこれから電子ピアノを始める方が正直うらやましいと思ってしまいますね(笑)。
一番多いのは「子どもがピアノを始めたいと言っているけど、いつまで続くか分からないしなにを買えばよいか分からない」といった内容のご質問です。
私はいつも「音楽教室では最初は音符を追いかけながら、音の強弱のつけ方などを教えています」といった感じで、実際に習うときのイメージがつきやすいようにご説明しています。そうすると、打感がしっかりした鍵盤のモデルが良さそうとか、はっきりと音符の強弱がつけられる製品が良さそうとか要望によって選ぶモデルが絞れてきますからね。
CELVIANO Grand Hybridにはグランドピアノの弾き心地を実現するため “ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤”を採用。鍵盤の模型を使って説明するとお客様にもご納得いただけるそうです。
それぞれに特徴があります。例えばカシオさんの特徴を一言でいうと同じ価格帯の中でも技術力が高いという点が挙げられますね。アコースティックピアノを作っていないメーカーだからこその自由な視点でピアノを捉えていて、モデルによっては鍵盤を押したときにダンパーが弦を叩くときの音まで再現されている。細部までこだわりぬいていて、よいところがたくさんあるので、お客様にも説明しやすいです。
電子ピアノはたくさんの機能があって難しく考えてしまう方も多いのですが、自分にとってベストな音や打感の製品を見つけることができたら、あとは音楽を楽しむだけです。まずは店舗などで様々な製品の個性を体験しながら楽しく選んでいただけたらと思います。
音楽がある生活ってとても素敵なことなので、買ってみようかなと思ったらまずは安いモデルでも十分ですから、電子ピアノを手に入れてみてください。今はYouTubeでレッスン動画を見ることもできるので、上達も早いです。ぜひ、自分にマッチする電子ピアノを手に入れて、最初の一歩を踏み出してみてください。
神﨑さんにカシオのおすすめのピアノを紹介してもらおう。
CELVIANO Grand Hybrid
税込41万2,000円前後(マイナビニュース調べ)
このモデルのすごいところはグランドピアノと同じ仕組みのハンマーが採用されている点です。この技術はピアノに詳しい方でも驚くほどで、打感は本物のグランドピアノに限りなく近いと思います。世界的に高い評価を受けているC.ベヒシュタインが認定する唯一の電子ピアノということもポイントです。大人の方がご購入されることが多いですが、音楽教室に通うお子さま用にご用意される親御さんもいて、お子さまは「先生のところと一緒!」とみんないいますね(笑)。 詳しくはコチラから
PriviaPX-S1000
税込6万3,000円前後(マイナビニュース調べ)
入荷するとすぐに売り切れになるほどの大人気モデル。奥行が業界最短とスタイリッシュなデザインで、カラーもブラック・ホワイト・レッドと3色あるので、インテリアとしても好評です。卓上モデルとしてコストパフォーマンスがとても高いのが特徴。この価格帯だと音の強弱が出づらいことが多いのですが、このモデルはしっかり再現できます。このクオリティをこの価格で実現できるのは本当にすごいことだと思います。詳しくはコチラから
PriviaPX-770
税込6万9,000円前後(マイナビニュース調べ)
PX-S1000と同じ価格帯でありながら、スタンドと3本ペダル、スライド式の鍵盤カバーがついてくるモデル。ハンマーアクションなので打感もよいです。奥行きも約30㎝とコンパクトで、自宅においてもインテリアとよく馴染みます。電子ピアノとしての機能が一通り備わっていて、初めてのレッスン用にも向いていますね。詳しくはコチラから
※価格は取材時点のものとなるため、変更になる可能性がございます。
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求めるニーズによって、マッチする電子ピアノは異なると思うので、ピアノを始めてみたいと思った方はぜひこの記事を参考に新生活を楽しんでみてはいかがだろうか。
島村楽器 セレオ国分寺店
音楽を楽しむすべての人にとって、とても身近な「楽器店」でもある島村楽器。実は創業当時は文具店だったが、音楽教室の運営を始めてしばらくして「自宅練習用の楽器がほしい」という生徒たちからの要望により楽器の取り扱いも開始したという歴史がある。楽器を買って終わりではなくその先のステージも提案できる島村楽器は、まさに音楽のすべてが手に入る楽器店といえる。 セレオ国分寺店は仕切りのないオープンな雰囲気のお店で、置いてある楽器が一望できるのが特徴。神﨑さんをはじめ、あらゆる楽器に精通したスタッフが親身になって相談に乗ってくれるので、訪れた際には気軽に声をかけてみよう。
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