去る2月20日、國酒カクテルの日本一を決める大会「第3回 本格焼酎&泡盛コンペティション」の決勝戦が京王プラザホテルにて開催された。本年は新型コロナウイルス感染予防の観点から、初のオンラインでの実施。当日は予選を勝ち抜いたファイナリストたちによるカクテルやスピーチが披露され、厳正な審査が行われた。
大会の概要
日本の國酒である本格焼酎・泡盛の認知度拡大を目的に、2019年からスタートした本大会。訪日外国人と接する機会も多い国内のホテルやバーで活躍するバーテンダーが出場し、この大会を通して国内外に広くその魅力と味わいを伝えることが期待されている。
決勝当日は、第1次予選、第2次予選を勝ち抜いたファイナリスト5名がリモートで参加。選手たちが考案したカクテルは、京王プラザホテルに待機した過去大会の優勝者が忠実に再現し、審査員の元に届けられた。なお本年は『オリジナルカクテル』の作品審査のほかに、一般の人も手軽に自宅で挑戦できる『おうちカクテル』、さらには「國酒を世界の人々に」をテーマとした『1分間スピーチ』も審査の対象となった。
大会の見どころは?
ライブ配信では、日本ホテルバーメンズ協会の髙野勝也氏が解説を担当。「本格焼酎や泡盛は、それ自体の個性が非常に強い。でも、それを消してしまうのではなく、ベースとなる本格焼酎の味わいを引き立たせながら、いかに他の材料と融合が図れているか。そこが審査のポイントになるんですね」と語る。
髙野氏自身、オリジナルカクテルでは数々の失敗を重ねたという。「私もたくさん、世に認められないカクテルをつくってきました。『なんでこんなレシピなの』とお叱りを受けたこともあります。でも、チャレンジしないと評価もされないんですね。チャレンジ精神は非常に大事だと思います。他の人が使っている材料では、新しい味わいは作れない。だから出場者たちのチャレンジが楽しみですし、挑戦した作品には『よくぞ思い切ったことをしたな』と思います。この積み重ねで、新しい味ができていくのです」。
さて、2時間半におよぶ静かなる熱い闘いが繰り広げられた本大会。ついに優勝・準優勝・第3位が決定された。第3位は池上祐子さん(HBA阪神支部・リーガロイヤルホテル)。準優勝は池田翔さん(HBA東京支部・京王プラザホテル)。そして栄えある優勝に選ばれたのは、佐藤大介さん(HBA東京支部・ホテルメトロポリタン)となった。
佐藤さんのオリジナルカクテルは「Authority ~情熱の架け橋~」。ベースとなるのは「蔵の師魂The Orange / いも焼酎」(小正醸造)で、このほかアペロール、サンジェルマン エルダーフラワー リキュール、フレッシュレモンジュース、モナンピンクグレープフルーツシロップが使われている。
佐藤さんは「素直に『嬉しい』のひと言です。3大会連続の出場になり、立場的に難しい部分もありました。ファイナリストのなかで、年齢も一番上でした。年齢が上がってもやり続けることで、若手に背中を見せ育成という点においても役立てたのではないかと思っています」と話し、ほっとした表情を見せていた。
日本ホテルバーメンズ協会の小森谷弘氏は「コロナ禍によりバーの営業も危ぶまれる状況で、カクテルコンペティションも世界的に開催されない事態が続いています。そうした折、このようなリモートの形で開催することができて、ホッと安堵しています」と話し、関係者、参加者にも感謝の言葉を述べた。
日本酒造組合中央会の宇都宮仁氏は「本格焼酎&泡盛は、原料や蒸留に由来する個性を楽しむお酒です。お湯割り、ロック、ストレート、最近ではソーダ割りで飲まれる方が多いと思います。別のお酒やフルーツなどとミックスして、新たなフレーバーをつくるカクテルの手法に適しているのか、不安に思った時期もありましたが、それは杞憂でした。
いまは焼酎の豊かな味わいが、新しいカクテルの扉を開いてくれる気がしています。現在、日本酒造組合中央会では世界のトップバーに焼酎を入れようじゃないか、という思いで活動を進めているところ。『國酒』が日本発のブランドとして世界の人々に楽しんでいただく存在になれば、と願っています」とまとめた。
本大会の様子は、YouTubeにてアーカイブ配信中。全国のバーテンダーによる熱き闘いを見るとともに、自宅でできるおうちカクテルを試してみてはいかがだろうか。
[PR]提供:日本酒造組合中央会 / 協力:一般社団法人日本ホテルバーメンズ協会 後援:国税庁・観光庁・独立行政法人酒類総合研究所