withコロナの時代、不要不急の外出を控え、家で過ごす時間が増えている。そんななかで再認識させられたのが、物流業の重要性ではないだろうか。コンビニやドラックストア、スーパーの棚から商品が消えた映像を見て、不安を感じた人も多いだろう。あまりにも当たり前すぎて気づいていなかったが、そこに商品があるのは”誰か”が”どこかから”届けてくれたからなのだ。コロナ禍がもたらした変化により、物流を機能させる大切さや大変さを実感させられた。
そもそも物流とは、「モノ」が生産者や工場から消費者のもとに届くまでの流れのこと。国土交通省の資料によれば、2018年の輸送機関別の配送分担率はトラックが91.6%で、海運・鉄道・航空の合計はわずか8.4%。トラックによる配送は、日本の物流を支えているといえるだろう。
大きな車体を華麗にさばき、全国各地へ様々なモノを届けるトラックドライバーたちは、まさに”物流の要”。最近では女性や未経験のドライバー採用に力を入れている会社も多く、より働きやすく、やりがいのある業界へと進化してきているという。
そこで今回は、日本の物流を支えるトラックドライバーたちのなかでも女性ドライバーにフォーカスし、「この仕事を志したきっかけ」について話を伺った。
Case 1 Aさん
街なかでピンク色をあしらったかわいいトラックを見かけ、「あのトラックに乗ってみたい!」と思った。
何とも可愛らしいキッカケだ。実際、運送会社のなかには女性でも働きやすい環境を目指し、トラックの外装や制服のデザインに力を入れたり、力仕事の軽減に取り組んだりする会社も多いという。思っている以上に、女性にも優しい職場になりつつあるようだ。
Case 2 Bさん
AT限定の普通免許しか持っていなかったが、急に「トラックドライバーになろう!」と思い立ち、転職。
トラックドライバーといえば、なんとなく「運転が好きな人・得意な人」が志す職種というイメージがある。しかし実際には、Bさんのようにまったくの未経験でも飛び込んでいけるほど、業界の間口も広がってきているらしい。
Case 3 Cさん
バイト先の常連客だった、大型ダンプに乗務する女性ドライバーの姿に憧れて、24 歳で大型免許を取得。
前述のように、トラックは日本の物流の約90%を担う“要”。また、災害時にはトラック運送業界が国や自治体と連携して緊急物資を輸送し、被災地のライフラインを支える役目を果たしている。仕事にやりがいを求める女性にとって、プロフェッショナルかつ「日本を支える一員」として働く姿は、まぶしく輝いて見えるかもしれない。
それほど遠くない昔、運送業のイメージは「危険で、ドライバーの年齢層も高く、男性社会」というイメージがあったかもしれない。だが、それはもはや”間違った”想像だといえるだろう。
まず、安全面について。自家用車の進歩を見てもわかるように、最近は自動車自体の安全性が上がっている。それらは、トラックなどの大型車両にも活かされているのだ。 運転中、車間距離が縮まり追突する恐れがあると作動する「衝突被害軽減ブレーキ」や、車体が車線をはみ出しそうになると警告を発する「車線逸脱警報装置」などの安全装備の導入により、トラックの安全性は高まっている。10年前と比較すると、事業用トラックの事故は約40%も減少しているという。
また、トラック業界では若者・女性・高齢者とさまざまな人材を求めており、性別や年代に関わらず活躍できる取り組みを行っている。たとえば、国土交通省は女性トラックドライバーを「トラガール」と命名し、女性が活躍できる職場だと伝えられるようトラガール促進プロジェクトを展開中だ。そのため、実は幅広い年齢・性別の方がトラックドライバーとして働いている。
トラック業界の特徴の一つが、車両の大きさや運送形態によって働き方を自由に選べるということ。つまり、自分の性格やライフスタイルに合わせた環境で働けるのである
「中・長距離輸送」
工場から倉庫・センター間の輸送を担い、地域をまたいで活躍。大型車で日本全国の色々な地域へ向かう。単独での長時間業務なので、やりがいや達成感が大きいという。
「地場配送・ルート配送」
センターから企業やコンビニへの輸送を行い、地域に密着した場所で働ける。日帰り勤務なので、子育てや家事との両立も可能。
「宅配配送」
個人宅などに荷物を配送。私たちにとって、最も身近なドライバーといえるだろう。人と関わる機会も多いので、感謝の言葉をもらうことも。
「特殊車両の運転」
大量の積荷を運搬するトレーラー・タンクローリー・ダンプカーなどは、大きな車体から力仕事と思われがち。しかし実際は、積荷は機械で操作するので体力負担は少なく、女性でも活躍できるそうだ。
トラックドライバーとして働く人に聞いてみると、やりがいや自分のペースで仕事ができるといった働き方のメリットと、常に必要とされる業種なので仕事に困らないという意見が多く挙がった。
では、トラック業界へ就職するにはどうすればいいのだろうか。
厚生労働省の委託事業として、全日本トラック協会では、35歳から54歳の「就職氷河期世代」と呼ばれる人たちを対象に、「短期資格等習得コース事業」としてトラックドライバーになるための運転免許取得支援プログラムを実施している。
支援の内容は、「トラックの運転免許の取得支援」、業界やトラックへの理解を深めるための「物流・安全運転の基礎知識講習会」、カウンセリングで適正判断をする「キャリアコンサルティング」、仕事現場を体験できる「職場見学/職場体験」を経て、トラックドライバーの正社員としての就職を支援する。
トラックドライバーになるための運転免許取得支援プログラム
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冒頭のエピソードからもわかるように、仕事との出会いはいつどこにあるかわからない。
トラック業界について少しでも「面白そうだな」と感じた方は、ぜひこちらのページをチェックしてみてほしい。
[PR]提供:公益社団法人全日本トラック協会