"快適な空間"とは何だろうか。
簡単そうに思えて意外と奥が深い問いである。たとえば、温度が高すぎても低すぎても快適には過ごせない。だから温度調節ができるエアコンは今や欠かせない家電になっている。
"快適さ"を決めるのは温度だけではない。湿度も重要な要因だし、時季によっては花粉が気になることもあるだろう。最近だとしっかり換気や除菌されているかどうかも気になるところかもしれない。
このように考えてみると、快適な空間を決める大きな要因は「空気」にあることがわかる。空気を適切な状態に保つことで、私たちはその空間を快適だと感じられるというわけだ。
この"空気の質"に着目したのがパナソニック エコシステムズ。同社は換気や調湿、除菌、気流といった空間における空気の質、すなわちIAQ(Indoor Air Quality:室内空気質)をコントロールする技術を事業として展開している。
現在、グローバルで注目されるIAQについて解説していこう。
1909年に川北電気企業社として創業、現在はパナソニックの社内カンパニーであるパナソニック・ライフソリューション社に属する電機メーカー。同社は1913年に国産で初めて「交流式扇風機」を量産するなど、創業当時から空気質に関する高い技術を有している。
パナソニック エコシステムズが取り組むIAQ事業
室内の空気の質を意味する言葉、IAQ。
調査(※)によると、人は人生の90%の時間を建物内で過ごしており、なかでも家で過ごす時間が58%を占めているそう。つまり、人生の半分は自宅にいるといっても過言ではない。
※生活時間調査による屋内滞在時間と活動量(日本建築学会系各論文集第511号 45-52)
では室内の"快適さ"はどんな要因で決まるのか。同社が着目するのが「空気」だ。人間が1日に取り込む空気は約18kgといわれており、これは水や食料よりも多い結果になる。それを踏まえると、食べ物のおいしさを気にするように空気の質にもこだわるべきではないだろうか。
そうした考えから生まれたのが、IAQ(室内空気質)事業である。
「空質4要素」と「感性3要素」でIAQをコントロール
パナソニック エコシステムズのIAQ事業では、空気の品質を「空質4要素」と「感性3要素」に分類している。
まず「空質4要素」は「温度」「湿度」「清浄度」「気流」を指す。なぜ4要素なのかというと、たとえば夏場に不快を感じるのは温度だけでなく湿度が高くジメジメするから。また、冬場に肌が乾燥してしまうのは湿度が低すぎるからだ。空間を快適に保つためには、温度だけでなく湿度も調整する必要がある。
さらに、清浄度――すなわちほこりや花粉、空気の流れ(気流)も快適さに影響する要因だ。たとえば夏場なら、ある程度強い空気の流れがある方が爽やかで快適だが、冬場は寒さを感じるため、強い寒気の流れはあまり好まれないのは想像しやすいだろう。
続いて「感性3要素」だが、こちらは「除菌」「脱臭」「香り」で構成される。空気の質とは異なる要素だがいずれも空間の快適さを左右する重要なポイントだ。特に現在はウイルス対策への関心が高まっており、空間が除菌されているかどうかは気にする人も多いだろう。
パナソニック エコシステムズは、これらのIAQ技術をパッケージ化した小型クローズ空間「Reboot Space II」を、本社がある愛知県春日井市にオープンしている。
IAQ技術をパッケージ化した空間「Reboot Space II」
今回の新施設には前述の「空質4要素」と「感性3要素」をパッケージ化した同社が提案する2つの小型クローズ空間が用意されている。
1つ目は、ホテルの寝室を模した「Air Hospitality」だ。
Air Hospitalityでは、局所的な温冷感を制御。急な温度変化のない空調と空質制御パッケージを用いた、静的で気流感のない上質な空調を体感できる。
湿度については、独自の「遠心破砕加湿技術(※)」によって加湿量を細かく制御できる「調湿ユニット」が用いられている。乾燥した環境ではウイルスの活動が活発になるといわれているため、乾燥しやすい冬場は湿度を高く保ちたいところ。そんななかで同技術は、高い加湿能力を発揮する。
(※) 遠心破砕加湿技術……高速回転するドラムから遠心方向に吹き出した水滴を壁面にぶつけて微細化し、空調で加熱された空気に含ませることで加湿する技術
同社が提案する2つ目の空間は、VR空間ソリューションを使った「Air Creation」だ。Air Creationは閉空間において空質制御とデジタルを融合し、臨場感のあるVR空間を作り出すシステムである。昨今、ウイルス対策による生活様式の変化もあり運動をする時間が減っている人も少なくはないだろう。
たとえば部屋でエアロバイクに乗りながら、VRゴーグルやヘッドセットをかぶって海辺のサイクリングをバーチャルで楽しむとする。目の前には海が広がり、波の音も聞こえるかもしれないが、それだけでは海辺にいる気分には浸りきれない。なぜなら、海辺には海辺の"空気感"があるからだ。
この空気感を作り出した空間が「Air Creation」である。温度や湿度、気流、香りを瞬時にコントロールし、VR空間の条件に合わせた空気を作り出すことで、VR体験はより臨場感を増すというわけだ。
空気で暮らしを支え、快適で永く健やかに過ごせる社会へ
パナソニック エコシステムズは、なぜここまで「空気」にこだわるのか。
それは、同社が解決しようとしている社会課題にIAQが直結しているからだ。空気の質を上げることは、長い目で見れば健康や長寿にもつながり、職場の作業環境の改善を促すことにもなる。さらにウイルス対策という点でも貢献できる。
人は人生の時間の90%を建物のなかで過ごしている。室内の空気の質を上げることは人生の質を高めることにつながっていく。
パナソニック エコシステムズが取り組むIAQは、まさにこれからの時代にこそ求められる事業なのだ。
[PR]提供:パナソニック エコシステムズ株式会社