SDGsへの取り組みの一環として、2030年までに
自販機の再生・長寿命化 平均寿命15年達成
空き容器回収率 100%達成
プラスチック容器のサステナブル(持続可能)化 60%以上を実現
など、環境負荷低減の目標を掲げているダイドードリンコ。

ダイドードリンコの環境負荷低減への取り組み

  • ダイドードリンコの環境負荷低減への取り組み

資源の効率的な利用・再生産による、持続可能な「循環型社会」の実現に向けた取り組みは、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」というダイドーグループの理念と、SDGsに共通のマインドがあるからこその目標と言えます。

  • SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)のイメージ

そもそもSDGsとは?

SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された世界規模の目標。
国連加盟国193か国が2016年から2030年の15年間で達成すべき目標として「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「働きがいも経済成長も」など、17のゴールと、地球上で「誰一人取り残さない」という理念を掲げました。
発展途上国、先進国に関わらず、国連に加盟しているすべての国が当事者となる普遍的なものです。

そんなSDGsに企業が取り組むことには、どのような意義があるのか?ダイドードリンコの髙松富也社長と、慶応義塾大学 環境情報学部の蟹江憲史教授にお聞きしました。

  • 写真左:ダイドードリンコ 代表取締役社長 髙松富也氏、右: 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 蟹江憲史氏

    写真左:ダイドードリンコ 代表取締役社長 髙松富也氏、右:慶應義塾大学 環境情報学部 教授 蟹江憲史氏

※取材は11/13(金)にスタッフ全員マスク着用の上、必要最小限の人数で実施しました。

SDGsに企業が取り組む意義とは?

━━最初にお二人はSDGsついてどのように考えていらっしゃいますか?

重要なのは、SDGsが「未来の形」をあらわしているという点。

これだけの大きな目標に対して、国連加盟国のすべてが合意したというのは初めてです。

それだけ価値のある目標と言えますね。


  • 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 蟹江憲史氏

これまで持続可能性については環境問題がメインに考えられてきましたが、SDGsでは社会や経済にまで視野が広がっている。

そこもSDGsが普及している要因のひとつではないでしょうか。

SDGsは環境だけではなく、社会も経済も、ということなんですよね。

はい。消費者の感覚も、サステナブル(持続可能)なものを選ぶのが一般的になりつつあります。

社会・環境への配慮が事業の持続的成長に不可欠という流れを捉える意味でも、企業はSDGsに取り組むべきではないでしょうか。

そうですね。ダイドードリンコには共存共栄、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」という理念が基本にあります。

当社は薬をご家庭にお届けする配置薬業にはじまり、次第に健康をサポートする医薬部外品のドリンクなどを製造する事業を手掛けるようになりました。

そこからドライバーの方に向け、眠気覚ましになるドリンクとして「コーヒー」に着目し、手軽に購入いただける自販機での販売に取り組むようになったんです。


  • ダイドードリンコ 代表取締役社長 髙松富也氏

つまり「時代やお客様が求めているものはなにか?それを効率的にお届けするにはどうするべきか?」を考え続けた結果、販路が拡大したのです。

お客様のことを考えたからこそ、お客様もそれに応えてくれた。

まさに共存共栄ですね。

はい。ですから、世界中の人が助け合い、ともに繁栄するSDGsの考えに親和性を感じました。

我々が2030年をターゲットに掲げた「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」という目標、「グループミッション2030」にも共通の考えがあるんです。

人も、社会も、地球も健やかになれるように、事業を推進したいと考えています。


━━食品・飲料業界が率先して取り組むべきSDGsの課題には、どのようなものがあるのでしょうか?

食品・飲料業界はやはり、食品ロスが一番大きな問題ですよね。

食品ロスについては賞味期限の表記など、業界で足並みをそろえていく部分をはじめ、なるべく賞味期限が長いものを提供できるよう開発を進めています


  • SDGs対談の様子

やはり賞味期限が短いものは返品や廃棄など、ロスの可能性が高くなりますから。

また、「必要な数だけ製造する」「つくりすぎない」ということにも力を入れなければなりませんね。

それから、SDGsには、「11.住み続けられるまちづくりを」というゴールのほか、レジリエントな社会(災害などから回復する弾力性のある社会)を目指すという部分で、災害に関連するものも多数あります。

ダイドードリンコさんの自販機は、災害対応できるようになっていたり、多機能化が進んでいたりしますよね。

だからこそ様々な場所に設置された「自販機が持っている可能性」をより深く考えるべきタイミングではないでしょうか?

仰っていただいたとおり当社には、災害時に無料で飲料を搬出できる「災害救援自販機」があります。


  • ダイドードリンコの災害救援自販機

ほかにも自治体などと提携し、災害時に速やかに商品を提供できるよう協定を結ぶなど、全国に配送網を構築しているんです。

そういう面では社会インフラとして災害対応に貢献できると考えていますが、自販機の可能性をもっと広げたいですね。



地方自治体との災害支援協定

  • ダイドードリンコは自治体などと提携し、災害時に速やかに商品を提供できるよう協定を結んでいる

日本は災害が多く、気候変動の影響も大きいですから。最近では新型コロナウイルスの流行もあります。

だからこそ、災害が起こってもビジネスや生活を続けられる、持続可能という強さが求められているんですね。

そういう意味で、至るところに設置されている自販機の可能性というのは、意外と考えられていないかも知れませんので、期待したいです。


  • 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 蟹江憲史氏

━━新型コロナウイルスによる影響については、どうお考えですか?

コロナ禍には、我々の社会が持続可能ではなかったと、様々な形で教えられました。

もう来ないで欲しいですが、同じような状況がほかの形で起こる可能性はあるでしょう。

だからこそ、持続可能な体制を整えることが大事になります。


  • SDGs対談の様子

たとえばマスクは、基本的に自分の体を守るためのものですが、その着用が社会全体を守ることに繋がっていますよね。

今回「マスクをつける」という個人の動きが「世界の今後に繋がっている」「世界を変えることに繋がっている」と、多くの方が実感したのではないでしょうか?

まさに一人ひとりの取り組みが世界を変えると実感した出来事ですね。

また、コロナ禍で人の動きも大きく変わりました。

自販機ビジネスの視点では、街やオフィスから人がいなくなるのであれば、設置場所の見直しですとか、いかに変化に対応するかが大切です。

苦難ではありますが、変化をチャンスにしなければと言い続けています。


  • SDGs対談の様子

日常業務の中でも、対面での商談が難しい場合は、事前に商品をお送りしてからオンラインで打合せをするといった具合に社員も工夫をしてくれていますね。

対面という観点でみると、自販機には非対面というメリットがありますが、感染症対策というのはあるんですか?

そうですね。商品選択ボタンなど、人が触れる部分にコーティング剤(抗ウイルス剤)を塗布した「抗ウイルス対応自販機」の設置を進めています。


  • ダイドードリンコは人が触れる部分に抗ウイルス剤を塗布した「抗ウイルス対応自販機」を設置している

また、一部ではありますが、マスクや除菌ウェットティッシュなどの

公衆衛生用品を販売する自販機」を設置しているところもありますね。


  • ダイドードリンコはマスクや除菌ウェットティッシュなどの 公衆衛生用品を販売する自販機を設置している

それは多くの人に知っていただきたい取り組みですね。


ダイドードリンコのSDGsに対する考え方とは?

━━冒頭でも少しお話がありましたが「自販機の再生・長寿命化 平均寿命15年達成」や「空き容器回収率100%達成」という環境に関する目標についてはいかがでしょうか?

現在、2050年脱炭素というのも大きな課題になっているのですが、具体的にどのように取り組めばこれが実現できるかについては、まだ誰からも示されていません。

炭素の問題に限らず、基本的に資源を利用しすぎないという考え方が大事です。

世界の人口が増えていく中で、効率的な資源利用が重要になってくると考えていますが、いかがでしょうか?

もちろん脱炭素については非常に重要な問題だと認識し自販機の省電力化などに継続して取り組んでいますが、まずは当社のビジネスモデルの特長を活かし、大きな貢献ができる資源の循環の形成に注力して取り組んでいこうと考えました。


  • SDGs対談の様子

リユース(再使用)の観点で目指しているのが「自販機の再生・長寿命化」です。

現在の使用年数である平均約10年を2030年までに約15年に伸ばします

自販機の寿命を延ばす、というのは大事な視点ですね。

以前は一定期間の稼働を終えた自販機を廃棄していました。

しかし、たとえば風雨にさらされて外装が劣化しても、内部にはまだまだ使える部品があったりします。

そこで、老朽化した部品を入れ替えた自販機「フロンティアベンダー」による「自販機の再生・長寿命化」を推進しているんです。


  • 老朽化した部品を入れ替えた自販機「フロンティアベンダー」による「自販機の再生・長寿命化」を推進

すべての自販機の寿命が1.5倍になれば、資源利用の面で大きな効果が期待できますね

さらにリサイクル(再生利用)においては、「空き容器回収率100%達成」です。

現在も80%以上の空き容器を回収できているのですが、これを2030年までに100%にします


  • 「リサイクル(再生利用)」においては、「空き容器回収率100%達成」を目標にしている

また、リデュース(削減)の視点で、「プラスチック容器のサステナブル(持続可能)化」を2030年までに60%以上にする予定です。


  • 「リデュース(削減)」の視点で、サステナブル(持続可能)なPET素材の採用を2030年までに60% 以上に する予定

リサイクルやサステナブル(持続可能)な素材の利用は、資源の有効利用に効果的です。

いい方に向かわれていると思います。

空き容器回収については、具体的にどのように取り組まれるのでしょうか?


  • 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 蟹江憲史氏

空き容器回収については、自販機横の回収ボックスにくわえ、今後はリサイクルステーションのようなものを設置した回収の仕組みも考えています。

消費者が自然と回収に協力できる。そんな仕組みができるといいですよね。


━━最後に、ダイドードリンコのSDGsへの考え方についてどのように思われたかお聞かせください。

まず、企業理念として「共存共栄」を掲げているのは、素晴らしいですよね。

それは、まさにSDGsが求めているところ

我々は今を生きる人たちだけでなく、未来の人との共存も図らなければなりませんから。

「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」、その理念をいかに浸透させていくかが重要だと感じました。

そうですね。会社として目指すべき姿が本当に社員の一人ひとりに浸透して、具体的なアクションにつながっていくかが、次のステップだと考えています。

仕事に限らず、自分に何ができるのかを継続して考え、実践できるようにやっていかなければならないのが、これからの時代。

個々人の積み重ねがバネになるし、そうならないと効果がないですから。


  • ダイドードリンコ 代表取締役社長 髙松富也氏

コロナ禍のマスクのように、缶コーヒー1本からできるSDGsというアプローチで、ぜひ考えていただきたいですね。

SDGsって、「問題意識が高い人」だけのお話ではないんです。

必要なことだから「みんなでやる」という考え。


  • SDGs対談の様子

身近な製品と、一人ひとりができるSDGsというのを重ねていくと、見えてくるものがあるんじゃないでしょうか?

日々の業務に追われて忘れそうになった時に、本来の理念に戻してくれるというのもSDGsの役割だと思います。

自販機の販路というインフラを持っているのは、大きな強み。

循環型社会を目指した自販機での取り組みにも期待しています。

本日はSDGsについて理解を深めるとても良い機会になりました。

会社として目標をつくって終わりではなく、社員一丸となって実現をめざしたいと思います。


  • ダイドードリンコ 代表取締役社長 髙松富也氏

***

今回はダイドードリンコの髙松富也社長と、慶応義塾大学 環境情報学部の蟹江憲史教授に、SDGsに企業が取り組む意義についてお聞きしました。 一人ひとりの理解や行動が、持続可能な社会の実現につながっています。あなたもSDGsという世界的な取り組みを意識してみてはいかがでしょうか。

ダイドードリンコの取り組みについてもっと知りたい

  • 写真左:ダイドードリンコ 代表取締役社長 髙松富也氏、右: 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 蟹江憲史氏

※取材は11/13(金)にスタッフ全員マスク着用の上、必要最小限の人数で実施しました。

interview photo:大塚素久(SYASYA)

[PR]提供:ダイドードリンコ