広告やデザインなどのクリエイティブワークにおいて、クリエイターが重要視するツールのひとつが「モニター」だ。プロの仕事には、解像度や色域、色表示の正確性などあらゆる点で最高の性能が求められる。

カタログやパッケージ、サインのデザインから映像制作、空間デザイン、Webサイトやアプリケーションの開発まで幅広く手がける日本デザインセンターでは、2006年からEIZOのカラーマネージメントモニター 「ColorEdge」を導入。以降、リプレイスの際に一度も他社製品に替えることなく、「ColorEdge」シリーズを使い続けてきた。実際の制作フロアには、ずらっと「ColorEdge」が並んでおり、現在同社では約150台の「ColorEdge」が活躍しているのだという。

なぜ、日本デザインセンターは「ColorEdge」を選ぶのか。同社の画像制作本部でCGディレクターを務める斎藤勇貴氏、フォトグラファーの遠藤匡氏、イメージエディターの鈴木崇志氏の3名に「ColorEdge」を長年選び続ける理由を伺った。

  • 左から順に遠藤氏、鈴木氏、斎藤氏

日本デザインセンター

NDCを俯瞰する

1959年創業の広告・デザイン制作会社。「本質を見極め、可視化する」をモットーに、広告やカタログ、Webサイトやアプリケーション、動画制作まで幅広い領域の企画・デザイン・ディレクション業務を行う。

なぜ「ColorEdge」なのか?

「ColorEdge」とは、写真家やデザイナーなどプロのクリエイターから支持を集めるカラーマネージメントモニターである。前述したように、多くのクリエイターが所属している日本デザインセンターも2006年から「ColorEdge」を本格導入。現在に至るまで、すべてのクリエイティブ関連部署で「ColorEdge」が使用されている。

2006年といえば、クリエイティブの世界がアナログからデジタルへと移行し始めたころ。それまでデザインの最終出力といえばそのほとんどが紙であったが、このころからWebサイトのようにデジタルの中で完結するケースも徐々に増えていた。

そんな中で、同社が「ColorEdge」を選んだ最大の理由はその「色の正確さ」だった。

斎藤氏: 「最初に『ColorEdge』が選ばれたのは、カラーマネージメントがきちんとできていて、『Adobe RGB』に対応していたからです。モニターごとに色が違うとチーム内で意思の疎通がとれなくなり、トラブルになる可能性もあります。モニターの色を合わせることはクリエイティブ制作では何より重要なのです」

長年、プロのクリエイターを支えてきた「ColorEdge」シリーズには、現場の声を反映し、積み重ねてきた技術が詰まっている。たとえば、日本デザインセンターが導入している「ColorEdge CG279X」は、Adobe RGBカバー率99%で、広色域な表示が可能。画面の隅々までムラの起こりにくい均一な表示に加えて、高コントラスト比により液晶モニターでは難しかった深い黒色を再現。多階調化による滑らかな階調表現も実現している。

  • 「ColorEdge CG279X」

さらに電源を入れてから3分で表示が安定、USB Type-C端子をはじめとする豊富な端子を備えるなど、画質面、機能面ともに他の追随を許さない性能を誇っているのだ。

そして何よりもクリエイターの助けとなっているのが、内蔵のセンサーを使った高精度なキャリブレーション機能である。

鈴木氏:「EIZO独自のカラーマネージメントソフトウェア『ColorNavigator 7』でキャリブレーションすると、モニターで見る色と印刷した制作物の色の差異がほとんどないのです。ColorEdgeのキャリブレーション精度にはとても満足しています。」

モニターの色は経年変化するものなので定期的なキャリブレーションが必要だ。通常、キャリブレーションは人の手で行うことが多く、業務用モニターになるとメーカーから専用のスタッフを呼んで調整してもらうこともある。

だがEIZOのモニターは違う。キャリブレーションセンサーを筐体に内蔵しており、再調整をモニターが自動で実施(セルフキャリブレーション)してくれるのだ。

遠藤氏: 「『ColorEdge』の導入は、キャリブレーションを行う時間とメンテナンスコストの低減につながりました。今は月1でセルフキャリブレーションをまわしているので、手間もかかりませんし、正しい色で見れる安心感があります。」

また、従来の「ColorEdge」は再調整中にモニター画面が暗転しPC作業ができないという弱点があった。しかし、「ColorEdge CG279X」は作業画面を表示させたまま再調整ができるようになったため、再調整中でも作業を中断させることなく、メール確認などの事務作業を続けられるようになったという。また、再調整は夜や休日など作業者がいない日時に実施するようにあらかじめ設定しておくこともできる。

日本デザインセンターでは、5年ごとにモニターの買い替えを各部門で行うそうだが、2006年以降は毎回「ColorEdge」が選ばれている。それはEIZOが現場の声を反映し、クリエイターが使いやすいように機能や性能を進化させているからであろう。

「ドン引きするほど驚いた」- 圧倒的な表示性能

グラフィックのみならず、映像制作のワークフローでも「ColorEdge」は欠かせない存在だ。日本デザインセンターは、Webサイトやアプリケーション、パンフレットなどグラフィックのイメージが強いが、動画制作にも携わっている。撮影以降のポストプロセスはすべて「ColorEdge」で行われる。編集、CG制作、カラーグレーディング、いずれも正確で統一された色が必要な作業だ。

斎藤氏: 「名古屋支社とリモートで共同作業をすることもありますが、同じ色を見ているからこそ正確な仕事ができます。とくに今はなかなか出張もできない時期ですから、離れた場所で作業していても色にずれがないのは非常に大切ですね」


同社では、先日新たに動画用編集室が新設され、EIZOのキャリブレーションセンサー内蔵の4K対応HDRリファレンスモニター「ColorEdge PROMINENCE CG3146」が導入された。

今まで同社の動画編集は、各個人のデスクで行う場合も少なくなかった。個人のデスクで行う場合、音が自由に出せなかったり、作業しながらの打ち合わせが難しかったりなど、いろいろな不都合があった。動画案件が増えていることも踏まえ、この度の動画用編集室の新設に至った。


実際の動画編集室は入ると、会議スペースと作業スペースがある。作業スペースにはキャリブレーションセンサー内蔵の4K対応HDRリファレンスモニター「ColorEdge PROMINENCE CG3146」を導入。キャリブレーションセンサーを内蔵したリファレンスモニターは世界で初だ。その圧倒的な表示性能に鈴木氏は「良い意味でドン引きするほど驚きました(笑)」と話す。

  • 「ColorEdge PROMINENCE CG3146」

CG3146は、高輝度を正確に測定できるキャリブレーションセンサーを内蔵していることで、定期的な再調整を自動で実施。常に正しい表示を保ってくれるのだ。

遠藤氏: 「他社との比較検討もしましたがグラフィックと動画の両方で全員が使いやすく、『Adobe RGB』と『BT.709』がきちんとした精度で出てくるモニターであることを満たすのは『CG3146』しかありませんでした」


「ColorEdge PROMINENCE CG3146」の特長のひとつが、カラー設定が自動で切替わるSync Signal機能。SDI信号のビデオペイロードIDやHDMI信号のメタデータに連動して、輝度・ガンマ(EOTF)・色域といったモニターのカラー設定が自動で切り替わるため、手動で切り替える必要がない。例えばSDRとHDRなど、異なるカラー設定のプロジェクトを複数扱っていたとしても、「ColorEdge PROMINENCE CG3146」であれば設定ミスを抑止できるというわけだ。

また、制作物の最終形態に合わせてキャリブレーションの目標を複数作成し、設定を保存しておくことも可能。プロジェクトによって切り替えれば、いちいち色調整の手間をかけることなくスムーズに作業できる。

加えて、最新の映像表現である「HDR」の表示に対応している。HDR映像自体の普及はこれからといったところだが、5年後を見据え、「HDRの案件がきたときに対応できることが重要」だと斎藤氏は強調する。技術は日進月歩で進化し、トレンドは移り変わる。常に最高のクリエイティブを提供するために、日本デザインセンターでは機材も最高峰のものを導入しているのだ。

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同社のモットーは「本質を見極め、可視化する」ことだという。

遠藤氏:「クライアントが何を求めているのかを見極めること。本質をとらえてクオリティの高いものをアウトプットすること。それが日本デザインセンターのこだわりです」

クリエイティブの力で世の中に大きなインパクトを与え続けている日本デザインセンター。そんな同社にとって、「ColorEdge」はこれからも最良のパートナーであり続けるはずだ。

  • 日本デザインセンターのオフィス内

[PR]提供:EIZO株式会社