新型コロナウイルスの影響により、日常の生活様式は大きく変化した。家で過ごす時間が増えたなか、一部ではペットを飼う人が増加していると報じられている。ペットの存在が安らぎとなり、苦境を乗り越えるための大切な存在となっているのではないだろうか。しかし、「ペットを飼う」ということは、その命を生涯にわたり預かること。ペットに幸せな生涯を過ごしてもらうためには、ペットオーナーにも知識が必要となる。
こういった状況を鑑み、ペットフードを展開しブリーダーや獣医師からの信頼も厚い「ロイヤルカナン ジャポン」では、「PROactiveプロジェクト」を始動する。犬と猫の真の健康と、ペットと人のよりよい共生を実現するための知識を発信するべく、ブリーダーやシェルターなど犬と猫の専門家を支援するというこのプロジェクトは、どのようなものだろうか。今回はプロジェクトを担当する永井 哲也氏に、コロナ禍におけるペット環境の変化からこの取り組みの目的について話を聞いた。
すべては犬と猫のために
――ロイヤルカナンとはどういった会社なのでしょうか。
ロイヤルカナンは、犬と猫の真の健康のために、栄養学に基づいて開発した食事療法食とプレミアムペッドフードを展開している企業です。フランスの獣医師ジャン・カタリー博士が、何度も皮膚病を患ってしまうジャーマン・シェパードのために、栄養学の力で治癒を目指したことが設立のきっかけで、彼のビジョンは今も深く根付いています。現在は、ブリーダーや獣医師など専門家との協力により、品種、身体のサイズ、年齢、ライフスタイル、健康状態に合う最善の栄養を追求して、日本では200種以上のフードを展開しています。
――それぞれのペットにフィットしたフードをつくるから、それだけの種類があるのですね。ロイヤルカナンはどういった目標を描いているのでしょうか。
ロイヤルカナンは、栄養を通して犬や猫の健康を促進させ、ペットにとってよりよい世界の実現を目指しています。我々の事業は、ペットと人、地球が共生できる持続可能なビジネスを目標としており、「すべては犬と猫のために(Dog & Cat First)」というロイヤルカナンの理念に基づいて常に行動しています。そのために、より優れたものを目指す努力を重ねるのはもちろん、グローバルで統一された高い品質管理を行っています。
近年のペット業界について
――最近では、ステイホームのなかでペットを飼い始める方が増えているという話を耳にしました。ここ最近で、ペットに関する状況に変化はありますでしょうか。
そのような報道はありましたが、一般社団法人ペットフード協会で毎年実施している統計では、まだ今年の飼育頭数のデータは出ていません。そのため、どの程度増えているのかは確認できておりません。ただ、海外の論文などではペットによって心が癒されたり、楽しくなったりとポジティブな影響があると指摘されており、ペットを飼う方が増加している可能性はあると考えています。
――近年におけるペット業界での問題には、どのようなものがありますか。
以前に比べ、ペットが大切な家族の一員と考えている方は多くなっています。その一方で、飼育する側に十分な知識や情報があるかといえば、まだ追いついていない印象です。
犬や猫は人間と同じではないので、必要な栄養も違います。ペットの寿命が延びたことで、年齢によってさまざまな病気にかかる可能性もあるため、環境に応じた適切なケアも必要になります。正しい知識がないと、ペットの心身にストレスをかけたり、健康を損ねることに繋がりかねません。
――それらの問題に対し、何か取り組まれていることはありますか。
ペットが一生幸せでいることは、ペットオーナーの幸せにも繋がります。 そのために、「ペットをとりまくエコシステム」の支援をしていきたいと考えています。
――「ペットをとりまくエコシステム」とはどのようなものですか。
理想としては、ペットに関わるすべての関係者が飼育に必要な情報や正しい知識を持つこと。そして、ペットのライフステージに応じた支援が適切にでき、生涯幸せに健康寿命を全うできる一連の環境づくりをすることです。それはフードだけではなく、ペットをとりまくすべての環境を向上させることが大切だと考えています。
ペット業界の課題解決のために
――ペットにとって理想的なエコシステムを実現させるには、どのような課題がありますか。
大きく2つあると考えています。1つは、ペットオーナーが責任をもって飼育するための知識と意識の向上を促すこと。もう1つは、ペットオーナーが疑問や悩みを相談できるような有識者との協力です。ブリーダーやペットショップ、動物病院などで働く専門家と協力できるような環境整備が必要だと考えています。
――その課題を解決するためには、どのような取り組みを実施していますか。
ペットオーナーへのアプローチとしては、栄養学を中心としたさまざまな啓発活動を実施しています。有識者との協力に対しては、今回、ブリーダー、シェルター、訓練所等の専門家向けとしてPROactive、PRO CLUBという取り組みをスタートすることになりました。
――今度はペットの専門家に向けた取り組みを始動するということですね。具体的に、どのような取り組みになるのでしょうか。
PROactiveは、ペットの人生の起点となるブリーダーやシェルターなど専門家の方を適切に支援することで、ペット産業の持続的存続を目指し、それによって、ペットとペットに関わる人々のよりよい共生を実現するというコンセプトを持っています。これは、世界各国にあるロイヤルカナン全体のコンセプトですが、その実現方法は各国にゆだねられています。日本におけるプロジェクトとして今秋に発足するのが、ブリーダー・シェルターのためのポータル・コミュニティサイト「ロイヤルカナン PRO CLUB」です。
PRO CLUBでシェアされる情報とは
――PRO CLUBにはどのような情報がコンテンツとしてあるのでしょうか。
PRO CLUBは、当社の理念に共感し、当社が定める条件に合致したブリーダーとシェルターなど犬と猫の専門家のみが登録できるオンラインのコミュニティサイトです。当社が最も得意とする「栄養学」をはじめ、「行動学」「衛生学」「繁殖学」「新生子学」の5カテゴリーで、動画によるEラーニングが受講できるようになっています。今後はセミナーなども実施予定で、学びの場としてご活用いただきます。また、犬や猫の健康サポートやビジネス上のサポートも行いながら、ブリーダーやシェルターなど犬と猫の専門家間のネットワーク構築を支援していく予定です。
――なぜ、ペットオーナーではなく、ブリーダーやシェルターなどの専門家向けにしているのでしょうか。
ペットオーナーに知識の向上や責任感を持っていただくうえで、オーナーと接点の多い専門家とのコミュニケーションはとても重要です。特に、ブリーダーはペットの人生の出発点ともいえる、オーナーの指南役として大切な存在になります。ブリーダーの方々は、専門家ならではの知見をお持ちではあります。しかし、栄養学や公衆衛生学などの科学的情報を系統的に学べる場は限られており、ブリーダー同士で知見をシェアする機会が少ないという課題を耳にしていました。私たちは彼らのパートナーとして、その課題をともに解決していきたいと考えています。
――新しい知見や正しい情報を専門家がシェアすることで、そこからペットオーナーへと正しい知識や情報が広がっていくということですね。
現代では、インターネットで専門的な情報もすぐに検索ができてしまうことで、情報過多の時代になっています。そのなかで「何が正しいか分からない」「知ったつもりになっている」というケースが非常に多い印象です。だからこそ、専門家の方々に正しい情報や知識を習得していただくことで、今後ペットオーナーになる方々に、知識や責任の大切さが伝わる機会になればと考えています。
ペット業界のこれから
――ロイヤルカナンが考える、ペットにとってよりよい未来とはどのようなものですか。
重ねて申し上げますが、我々は「すべては犬と猫のために」という企業理念を掲げています。それはブレずにずっと信念としており、何かを判断するときに立ち返っています。その理念のもと、「犬と猫、人とのよりよい共生」を実現していきたいと考えています。そのためには、フードだけではなく、ペットを取り巻くすべての環境を向上させることが大切です。知識と責任感をもったペットオーナーから愛情をもって飼育されることはもちろん、成長過程に応じた最良のケアを適切な専門家から受ける。そして健康寿命を延ばして、幸せな一生をペットに送ってもらう。これはこれからも変わらない目標です。
――そのための取り組みのひとつがPROactive、PRO CLUBということですね。
ブリーダーやシェルター、獣医師など専門家は私たちの顧客であると共に、大切なパートナーです。パートナーとともに、有識者だけでなくペットオーナーにも科学的知見の提供や飼育支援を行う。そして、ペットを取り巻く関係者全体の知識の底上げをし、ペット産業の健全な持続に貢献していきたいと考えています。常に進化し続ける世界において、”ペットと人のより良い共生の実現”という大きな役割を果たすために、今後も積極的に変革を進めていきたいと思います。
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ペットの存在は、私たちの生活を豊かに、素晴らしいものにしてくれる。だからこそ、そのペットにも幸せな生涯を送ってもらいたい。ロイヤルカナンは、そのための新たな取り組みを始めている。ロイヤルカナンが描くペットと人の素晴らしい未来図がどのようなものか、ぜひチェックしてみてほしい。
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[PR]提供:ロイヤルカナン ジャポン