仕事で疲れたときの救世主といえば、やっぱり甘いもの。特に、最近のチョコレートはスイートなものから、頭がスッキリするビターなもの、同僚へのおすそ分けにぴったりなおしゃれなパッケージのものなど、気分に合わせて選べるくらい多くの種類が揃っています。
みんなを幸せにしてくれるチョコレート。でも実は、その原料であるカカオが密かに救世主を待っているのです……。
ここは…… |
株式会社明治の本社です |
あ、あなたは……? |
申し遅れました。私は、この「明治 ザ・チョコレート」の開発を担当した、山下舞子と申します |
え〜、これ大好きです! おしゃれだし、ちょっと特別感があって! |
ありがとうございます。「明治 ザ・チョコレート」はパッケージにチョコレートの写真がなかったり、価格も高めだったりと、明治にとっても新しいことばかりの商品でした |
いまはこのチョコレートだけが私の癒やしで……。チョコの未来を助けるって、もしかして新商品の話ですか!? 今はどんなチョコレートを作っているんでしょうか? |
いえ、今は2019年4月に異動した「サステナビリティ推進部 」で働いています |
「サステナビリティ」? |
直訳すると「持続可能な」という意味です。2015年に国連 で採択された「SDGs(エスディージーズ/Sustainable Development Goalsの略)」、持続可能な開発目標の達成を目指し、明治でもいろいろな取り組みを行っています |
あれ……チョコを作る部署じゃないんですか?しかも難しい言葉がたくさん…… |
あなたは知っていた?おいしいチョコレートが抱える「課題」
この「サステナビリティ」がチョコレートの未来を助けるキーワードなんです。あまり馴染みがない言葉かもしれませんが……。では、ここでちょっと質問です。チョコレートは何からできているか知ってますか? |
はい! カカオです! |
当たり! 「BEAN to BAR」って聞いた事がありますか? カカオ豆から板チョコになるまで、すべて自分たちでこだわりをもって行う製造スタイルのことです |
細かい工程がたくさんありますね。まさに「豆から板へ」って感じ |
そうなんです!では次の質問です。カカオはどこで採れるでしょうか? |
ええっと、暑いところ? ガーナとか、アフリカの方のイメージです |
だいたい当たり!カカオの産地は赤道から南北20度の範囲で、「カカオベルト」と呼ばれています。樹が育つ場所自体、高度30〜300メートル、年間平均気温が約27度、年間降雨量1000ミリ以上の熱帯雨林と、かなり限られているんです |
うーん、こうして見ると狭いですね |
明治が使っているカカオ豆の7〜8割はアフリカのガーナ産ですが、カカオ原産国は必ずしも豊かな国ばかりではありません。森林 破壊、児童の強制労働といった課題も多いです。「チョコレートが甘い」と知らない子ども達もいます |
え、カカオの名産地なら、チョコレートも名産品じゃないんですか!? |
生産地が行うのはカカオ豆の輸出までで、製造はほぼ行っていないんです。こういった状況では、農家の方から安定した調達が持続できているとは言えません |
そんな……調達が持続できないと、チョコレートの未来はどうなっちゃうんですか… |
そうした課題を解決するため、明治は「メイジ・カカオ・サポート」というカカオ農家支援活動を2006年から行っています。WCF(世界カカオ財団)を通じた支援や、世界8カ国の生産地(ガーナ、ペルー、エクアドル、ドミニカ、ブラジル、ベネズエラ、メキシコ、ベトナム)で直接サポートをしています |
解決方法のひとつは「適正な価格でカカオ豆を購入すること」ですが、高い品質のものを作れば、自然と高く買い取ってもらえますよね |
ん? カカオ豆の品質って、そんなに大切なんですか? |
チョコレートのおいしさは、生産地でカカオ豆を加工するまでに 半分は決まってしまうともいわれているんです! |
「BEAN to BAR」から「FARM to BAR」へ!「メイジ・カカオ・サポート」
カカオを生産地でどう加工しているのか、見てみましょうか |
カカオの実、幹から直接生えてる! |
知らないと不思議な感じですよね(笑)。カカオ豆の品質は、産地や品種など複数の要素が関わってきますが、特に3番目の工程・「発酵」で大きく変化します。でも、技術や環境は農家によってまちまち。明治ではこの発酵をはじめとした「おいしいカカオ豆作りに必要なこと」を広くサポートしています |
なるほど。これ以外だとどんなことを? |
お伝えしたとおり、カカオの生産地は途上国が多いです。中南米の地域には、農機具の支給やより良い農業技術を伝えますが、アフリカでは、安定した生活を送るための井戸などのインフラ整備についても支援を行っています。カカオ豆から板チョコまで一貫して手掛ける「BEAN to BAR」ではなく、生産者を大切にするところから始める「FARM to BAR」という考え方ですね |
そして地域によって課題も必要な支援の内容も違いますし、実際に足を運ばないと分かりません。2006年に始めた頃は、サポートを受け入れてもらうこと自体が難しかったそうです…… |
え、そうなんですか? |
本当に草の根活動ですよ。ベネズエラでは「何しに来た?」と不信感も露わだったと聞いています。明治のスタッフが1カ月近く現地に滞在し、現地の生活や労働環境を見て、発酵用の箱や衣服を提供し対話を続けました |
想像以上に地道すぎる…… |
でも、カカオ農家の方も私たちも「おいしいカカオを作りたい」という目標は同じです。なので一緒に発酵方法の改善も行ったりしています。現地で発酵方法を試しては、日本に持ち帰ってチョコレートにして、現地で農家の方々と一緒に食べて検証したり。二人三脚で品質を高めていきました。そういった取り組みから生まれたのが、2014年に発売したスペシャリティチョコレート「明治 ザ・チョコレート」です |
あのチョコレートにはそんな裏話もあったんですね…… |
他にも学校の備品を寄贈したり、 美術教室を開いたり、それからカカオ豆からチョコレートを作る「カカオレッスン」を行ったりしています。現地を支援するうちに、アフリカで酋長といわれる技術長になったスタッフもいますよ |
酋長!? 日本人でですか!? |
はい、現地のお祭りに呼ばれたり、現地の方々はとても大事にしてくれるようです |
地道なスタートから、着実に根付いてるんですね |
2026年までに「サステナブルカカオ豆」100%宣言!
技術が発展する一方、農地拡大のために熱帯雨林が無計画に伐採されていることも大きな問題です |
手頃な価格にするには大量に生産しないといけないし、難しいですね…… |
荒廃した土地の森林を再生するための取り組みのひとつとして、ブラジルのアマゾン川流域にあるトメアスーでは、森を育てる「アグロフォレストリー」という農法を取り入れています |
畑なのに森が育つとは? |
自然の生態系にならってカカオの苗と一緒にフルーツの苗なども植え、森のような環境を作っていく農法です。 |
カカオだけでなく、森も育っていくんですね。ステキ |
そのトメアスーのカカオ豆を100%使ったチョコレートがこちら、その名も「アグロフォレストリーチョコレート」です! |
ええ〜、初めて見ました! |
そう……そうでしょう。全然売り場で見かけないですよね |
(わわわ、すごく落ち込んでいる) |
これ、あまり売れてないんですよ……。利益だけを考えたら、真っ先に止めた方がいい商品なんですが、これを止めることは明治では考えられません |
(もしかして、おいしくないとか?) |
トメアスーのカカオ豆は「明治 ザ・チョコレート」の一部にも使われているので味に自信はあるのですが……。「アグロフォレストリーチョコレート」は、“高品質で持続可能な「サステナブルカカオ豆」を使う”という明治の考えを知ってもらい、カカオ生産の現状に関心を持ってもらうために生まれた商品なので作り続けています。なので、もっと知ってほしいんです! |
私、見つけたら絶対買います! |
嬉しいです!そしてこの考えをさらに実現するため、明治では2026年までにすべてのチョコレートを「サステナブルカカオ豆」にする宣言をしています |
すごい!ちなみに今は何%くらい使っているんですか? |
……30%くらいです |
ええっ、1年に10%増やしても間に合わないですよ!? |
そうなんですよ〜! |
なにか手伝えませんか!? |
チョコレートを買うとき、少しだけでも「おいしいチョコレートがどうやってできてるのかな」と思い浮かべてほしいですね。甘いか苦いかの味で選んでいるかもしれませんが、本来カカオ豆の味わいは地域によって様々で、豊かで複雑なものなんです |
確かに、トメアスー産とガーナ産の味わいがどう違うのか気になってきました! |
お気に入りのカカオ産地を見つけるのも楽しいかもしれませんね。でもその美味しくて高品質なカカオ豆は適正価格で購入されているのか、また生産者の暮らしは豊かなものか、少し考えてみてください。もちろん、カカオ豆の購入コストを上げれば価格が上がってしまうので、買いやすい価格になるよう企業努力もしています。「なぜこのチョコレートはちょっと高いのか」、意識して買い物をしてみて欲しいです |
今まで「明治 ザ・チョコレート」はおいしいから選んでいたけど、ちょっと買う理由が変わりそうです |
ちなみに、マナコさんの好きな「明治 ザ・チョコレート」も、この9月からリニューアルするんです! |
カカオの産地別の味・香りを楽しむ
リニューアルした「明治 ザ・チョコレート」
配合は同じでも、産地によって異なる香りと味わいをより楽しめるようにリニューアルする「明治 ザ・チョコレート」。「ナッティ」「フルーティ」「フローラル」「スパイシー」の4つの香味をぜひ食べ比べてみてください。
明治のこだわり、4つのポイント
1.産地からこだわってつくりあげた、明治スペシャリティカカオ豆※を使用!
※カカオ農家との取り組みにより実現したこだわりのカカオを使用し、その豆の香りと味わいをより引き立てる発酵やローストを行っています。
2.発酵、ロースト、型、パッケージなど、カカオ豆からチョコレートに至るまでの様々な工程をこだわり抜いた「BEAN to BARチョコレート」
3.同じ配合でありながら、産地によって異なるカカオ本来の香りと味わいを愉しめる
そうなんですね!産地でどう味が違うのか、楽しみだなあ。自分の好きなカカオ産地を探してみます! |
ぜひ見つけてくださいね!良質なカカオ豆を生産してくれるカカオ農家、適正価格で継続購入・販売をする明治、それを食べるみなさん。チョコレートに関わるすべての人を笑顔にしていくサイクルができる未来を、明治は目指しています |
「山下さん、私、チョコレートを買ってカカオ豆の未来を助けます!!」
……っていう自分の声で、ハッと目が覚めた私。
あれ、山下さんは……え、ここ自分のデスクじゃん!私はどうやら夢を見ていたよう。後ろに視線を感じて振り返ると、先輩が……とっさに手にしていたチョコを差し出す。
マナコ「せ、先輩、これ、よかったらどうぞ!世界で笑顔が増えるチョコレートです」
先輩は眉毛をピクリと動かすと「明治ザ・チョコレート」を受けとりました。
先輩「あ、これおいしいチョコだ。私、チョコレートは明治って決めてるんだよね、カカオにこだわってるみたいだし。なんでも森を育てながらカカオを作ってるとか……」
マナコ「!!!」
こうしてカカオの未来と、明治の取り組み「メイジ・カカオ・サポート」を知ったマナコ。いつも食べているチョコレートの選び方も味わい方も、これからはちょっと変わりそうです。
あなたもチョコレートを食べるとき、少しカカオの未来について考えてみてはいかがでしょうか。
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