エレコムは9月1日、三重県熊野市と「丸山千枚田を活用した地域振興及び保全等に関する連携協定」を締結した。

  • 同日に行われた締結式の様子
    エレコム株式会社 取締役社長 葉田順治氏(左)と熊野市長 河上敢二氏(右)

丸山千枚田は、1,340枚を誇る日本最大級の棚田。「日本の棚田百選」にも選ばれており、その景観は日本一と称される。しかし、地元住民の高齢化などの影響で保全は難航し、一時はその数が530枚にまで減少。1994年に制定された「丸山千枚田条例」、そして地元住民と町の協力によって、保全・復田活動が進んでいる。

  • 丸山千枚田

本協定は、SDGs(持続可能な開発目標)や地方創生の理念、そして丸山千枚田条例の趣旨を踏まえたもの。エレコムが掲げる社会や環境の持続性を重視するSDGsの理念に基づき、CSR活動の強化の一環として締結に至った。同社と熊野市は綿密な連携と協力のもと、お互いの資源を有効活用することで、丸山千枚田の保全や地域振興に努める。

本協定にあたり、エレコムは熊野市に対して「企業版ふるさと納税制度」を活用。令和2年度から令和6年度までの5年間で、総額1億5,000万円の寄付を行うとのこと。そのほか、具体的な取り組みとして、丸山千枚田の復田、維持保全や景観整備、エレコムの社員と熊野市民の都市農村交流などを想定している。

  • エレコムは2019年から熊野市丸山千枚田を支援

同社の取締役社長 葉田順治氏は熊野市の出身。丸山千枚田については、「改めて故郷の素晴らしい自然に感銘を受けた」と述べた。その一方、「休耕田の整備や水源の確保など、先人が築いた遺産を後世に持続させていくうえでの課題も感じている」という。

「熊野市には、実に13か所もの世界遺産があり、魅力的な自然や景観、史跡が数多くあります。これらを持続させていく重要性に共感し、そのひとつである丸山千枚田の復田を通して、故郷の地域振興に貢献できることを幸甚に思います」とコメントした。

熊野市長 河上敢二氏は、今回の支援を「熊野市政始まって以来もっとも大きな寄付だと思う」と感謝。また、「丸山千枚田は熊野市にとってかけがえのない歴史的、文化的遺産」としたうえで、「100年後の未来に残せるよう、休耕田の整備や作業道の改修、水源の確保を行い、地域振興に役立てていきたい」と述べた。

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