デルのゲーミングブランド「ALIENWARE」から、最新ノートパソコン「ALIENWARE m15 R3」と「ALIENWARE m17 R3」が登場した。スタイリッシュなデザインと、薄型ながら強烈な性能と冷却性を備え、ゲームはもちろん仕事や学業でも活躍できるのが魅力。その最新モデルから、「ALIENWARE m17 R3」を学生eスポーツサークル「TitanZz」に試用してもらい、使用感を聞いた。また、あわせてALIENWARE m17 R3の機能も解説しよう。高性能なゲーミングノートの購入を考えている方は、ぜひチェックしてはいかがだろうか。
学生eスポーツ界で今アツいタイトルとは?
今回話を伺うのは慶應大学のeスポーツサークル「TitanZz」。PCゲームと家庭用ゲームのタイトル別に複数の部門を持ち、80人以上のメンバーが所属する。学生同士の対戦イベントを企画するなど、積極的な活動を行う「TitanZz」から、現代表の高橋 玄氏と前代表の井上 山太氏にそれぞれALIENWARE m17 R3を試用してもらい、その実力を確かめてもらった。
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慶應大学のeスポーツサークル「TitanZz」。その活動内容はTwitterの「@TitanZz_Esports」で確認できる
インタビューに入る前に、ALIENWARE m17 R3のスペックについて簡単に触れておきたい。
今回試用したALIENWARE m17 R3は、CPUに6コア12スレッドのIntel Core i7-10750H(最大5.1GHz動作)、GPUにNVIDIA GeForce RTX 2070 SUPER(ビデオメモリ8GB)を搭載。税抜き価格で274,680円 からという、かなりのハイエンド構成だ(※時期によりDell.comにて割引あり)。ストレージはNVMe SSDで容量は512GB、メモリはDDR4-2666が16GBだ。ディスプレイは17.3型の液晶が採用されている。
なお、デルのWebサイトからはスペックのカスタマイズを行っての注文も可能だ。CPUが最大Core i9 10980HKまで、また、GPUが2080 SUPER Maxパフォーマンス、ストレージが4TB(2× 2TB PCIe M.2 SSD)RAID0 + 512GB PCIe M.2 SSD まで選択可能となっている。
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デルのゲーミングノート「ALIENWARE m17 R3」。今回試用したモデルの価格は274,680円 (税抜き)から(※時期によりDell.comにて割引あり)
(左)CPUはIntelの「Core i7-10750H」を搭載。6コア12スレッドでTurboBoost時は最大5.1GHzで動作と、コア数が効く処理、動作クロックの高さが効く処理どちらにも強い、(右)GPUはNVIDIAのハイエンドモデル「GeForce RTX 2070 SUPER」を採用。リアルタイムレイトレーシング対応のゲームも楽しめる
高橋氏には、ディスプレイに解像度が4Kでリフレッシュレート60Hzのものを、井上氏には解像度がフルHDでリフレッシュレートが300Hzと超高速描画が可能なモデルを試用してもらった。それ以外のスペックはすべて共通だ。ちなみに、リフレッシュレートとは1秒間の書き換え可能な画面の数。300Hzなら1秒間に300コマも描画可能になる。リフレッシュレートが高いと描画がなめらかになり敵を見つけるタイミングが速くなるなど、FPSやTPSなど一瞬の判断が勝敗を左右するゲームジャンルにおいては有利に働く。
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ディスプレイは17.3型。フルHD/144Hz、フルHD/300Hz、4K/60Hzから選択できる
■お話を伺った方
(左)TitanZz現代表・高橋 玄氏。主に「リーグ・オブ・レジェンド」をプレイし、日本代表にも選ばれたことがあるという。(右)TitanZz前代表・井上山太氏。ゲームイベントの運営に関わっているほか、自作PCを使用しておりハードウェアの知識も豊富
--「TitanZz(タイタンズ)」がどのようなサークルなのか教えてください
高橋氏:TitanZzは慶應義塾大学所属のeスポーツサークルです。ゲームタイトル別に7部門あり、全体のメンバー数は80人ほど。現在は「リーグ・オブ・レジェンド」と「VALORANT」の部門に所属するメンバーが多いですね。公式なゲーム大会への参加のほか、サークル独自の大会運営も行っています。
--設立の経緯をお教えください
井上氏:2015~2016年頃の話ですが、「リーグ・オブ・レジェンド」のオフラインイベントにたまたま参加した慶應大学生同士で意気投合したのが設立のきっかけです。その後、ライアットゲームズ(「リーグ・オブ・レジェンド」や「VALORANT」の開発会社)が学生プレイヤーやサークル活動を支援する「LeagueU(リーグユー)」を発足させたこともあり、我々も本格的なサークルを作ろうとなりました。現在はeスポーツの認知や普及に力を入れていますが、基本的には楽しければ何でもやってみよう、というフランクな理念を持って活動しています。人数が多いので部門を分けてはいますが、慶應大学生であれば誰でも参加可能です。
--学生eスポーツ界で、現在盛り上がっているトピックスはありますか?
井上氏:今、熱いのが「VALORANT」です。ほかの大学サークルでもFPSやバトルロイヤルといったジャンルをプレイすることが多いものの、ゲームタイトルがそれぞれ違うため大会を開きにくい、開いても人数が集まらないという状況がありました。それが「VALORANT」が出てからは、いままで交流がなかったサークル同士が対戦できるようになってきました。TitanZzが現在開催している「VALORANT学生週末バトル」もその事例の一つだと思います。参加大学数は、国内の学生VALORANT大会では一番です。
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ライアットゲームズの「VALORANT」 。5対5で戦うタクティカルFPS © 2020 Riot Games. All Rights Reserved.
--VALORANTが学生の間では人気なのですね
井上氏:奥が深いゲームシステムのほか、「リーグ・オブ・レジェンド」を作ったライアットゲームズのゲームだからやってみようという人も多いですね。そのため、学生ではプレイ人口の多いゲームです。また、それほど高いスペックを求めないゲームなので、ゲーミングノートではない一般的なノートパソコンでもそれなりに遊べるというのも影響していると思います。
「ALIENWARE m17 R3」ファーストインプレッション
--普段からPCゲームをプレイされているお2人ですが、ALIENWARE m17 R3を触ってみた感想をお教えください。
高橋氏:箱を開けた瞬間、とてもスタイリッシュだなと思いました。キーボードのバックライトの光り方はもちろん、キーボード上部にある排気口のデザインまで凝っていますよね。普段は17型のゲーミングノートを使っているのですが、比較するとALIENWARE m17 R3は薄くて軽いです。学生だとパソコンを何台も持つのは難しいですが、これなら17インチでも持ち運びしやすいので、 自宅でのゲーム用と大学の授業用の両方で使えそうという印象ですね。
井上氏:ALIENWAREは昔のモデルを触ったことありますが、それに比べると薄くなり、いい意味でデザインが落ち着いたなと思いました。今回試用したカラーがルナライト(シルバーホワイト)だったので、より落ち着いて見えましたね。あと、インタフェースの多さも利点です。USBポートが複数あったり、Thunderboltポートや有線LANポートがあるのもありがたいですね。
■解説
ALIENWARE m17 R3は、シルバーを基調とした「ルナライト」と黒を基調とした「ダークサイドオブザムーン」という2種類のカラーリングを用意している。今回はルナライトのモデルを試用してもらった。2019年に発売した一世代前のモデルから現在の薄型のレジェンドデザインを採用しているが、今回の最新モデルは、ボディに汚れにくくなる強化コーティング、底面には熱伝導率の高いアルミコーティングが使われるなど細部を進化させている。
なお、サイズは幅約399.8mm×奥行き約294.3mm×高さ約16.9~22mm。重量は構成によって異なり、最大で約2.97kg、最小で約2.5kgとなっている。
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シンプルかつシャープなデザインで仕事や学業のシーンでも使いやすい
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A4コピー用紙を天版に載せたところ。17.3型液晶のモデルなのでサイズは大きめだ
井上氏が触れているように、インタフェースが充実していることも魅力の一つだ。右側面にはUSB 3.1 Gen1ポートが2基、UHS-II対応と高速データ転送が可能なmicroSDカードリーダーを搭載。左側面にはヘッドセット端子、PowerShareテクノロジー対応のUSB 3.1 Gen1ポート、2.5Gbpsの有線LANのほか、Wi-Fi 6対応の無線LANも備える。ネットワークは、Killer DoubleShot Pro技術に対応し、指定したゲームだけ通信を優先させるなど、ゲームプレイを快適にする機能が備わっている。
(左)左側面、(右)右側面
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Killer DoubleShot Proでは、通信を優先するゲームを指定できる
また、背面にはHDMIとMini Display Port出力に加え、Thunderbolt 3ポートも用意。外部ディスプレイや高速な外部ストレージの接続できるのも便利なところだ。
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背面
--ゲームプレイにおけるキーボードの使い心地はいかがでしょうか
高橋氏:キートップの質感やコーティングもよく、ゲームプレイ中でも指をスムーズに移動できました。指にしっくりくるように考えられている印象ですね。
井上氏:ノートパソコンのキーボードとしてはキーストロークがしっかりとあり、押した分だけゲームのキャラクターがちゃんと動いてくれたので、直感的に使いやすいと思いました。FPSでは重要になるストッピング(移動している方向と逆方向のキーを一瞬押して銃弾を真っ直ぐ飛ばすテクニック)もやりやすかったです。
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キーボードの質も高くスムーズにプレイできたという(写真撮影:高橋氏)
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ストッピングといったテクニックもやりやすかったそう(写真撮影:井上氏)
■解説
キーボードは、テンキーを備えた日本語配列。キー配列にクセはなく、ゲームでも仕事、学業でも使いやすい。キーストロークは1.4mmとそれほど深くはないが、しっかりとしたクリック感があるためゲームプレイのしやすさにつながっている。またバックライトとして4つのゾーンに分けられたRGB LEDが内蔵されており、付属アプリのALIENWARE Command Centerで発光パターンや発光色を自由に設定できる。
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テンキーを備えたキーボード
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4つのゾーンに分けられたRGB LEDを内蔵
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発光はALIENWARE Command Centerでコントロールできる
また、英語配列となるが、キーストロークが1.7mmと深く、 キーロールオーバーにも対応している。キー単位の発光コントロールも可能な「Alienware mSeries AlienFX RGB キーボード」もオプションで選択できる
ハードゲーマーも満足するディスプレイ&スペック
--ALIENWARE m17 R3は高いスペックを備えていますが、実際にゲームをプレイしてみてどうでしたか?
高橋氏:現在使っているゲーミングノートだと、「リーグ・オブ・レジェンド」は画質設定を全体的に「中」でプレイしていますが、画面の情報量が多くなると動作が遅くなることもあります。ALIENWARE m17 R3は、4K解像度で画質設定をすべて最高にしても200fps近く出ていました。ほかにも、普段は画質をすべて最低にしても重くてプレイできないゲームも、ALIENWARE m17 R3なら高い画質設定でもサクサク動きましたね。
井上氏:普段使っているパソコンのスペックがある程度高いため、スペック的な差はあまり感じませんでしたが、試用したALIENWARE m17 R3はディスプレイが300Hzのモデルで、「VALORANT」だと平均260fpsぐらい出せたのでプレイしやすかったですね。
■解説
実際に「VALORANT」でフレームレートを測定してみる。射撃場の一定コースを移動したときのフレームレートをCapFrameXで測定した。フルHD解像度で平均294.2fpsと300Hzの液晶を活かせるフレームレートを計測、4Kでも平均107.1fpsと60Hzを上回り、十分快適にプレイできるのが分かる。井上氏は平均260fpsと触れているが、それは実際のゲームプレイでは射撃場での移動よりも負荷が高くなるためと思われる。
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VALORANTのフレームレート
このほか、定番3Dベンチマーク「3DMark」の結果も掲載するので参考にしてほしい。
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3DMark-Fire Strike
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3DMark-Time Spy
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3DMark-Port Royal
--ディスプレイはいかがでしょうか(高橋氏は4K/60Hz、井上氏はフルHD/300Hz)
高橋氏:4Kディスプレイは初めて使いました。RPGなどフレームレートではなく画質を重視してプレイしたいゲームをやってみたところ、ドットの存在が分からなくなるほど高精細で「4Kスゴイな」と感じました。
井上氏:普段は144Hzの液晶ディスプレイを使っていますが、300Hzはより快適でした。
■解説
4KのモデルはTobii Eye trackingを備えているのも特徴だ。これは視線の動きを画面上に円として表示できるというもの(視線が右に動けば、その円も右に動く)。ゲームプレイ中、視線がどう動いているのか分かりやすく表示できるので、ゲーム実況の配信に向いている。視聴者がプレイヤーの視線を見せられるので、一般的な配信よりも興味を引きやすい。
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ディスプレイの下部にWebカメラを搭載。4Kモデルでは視線追跡機能のTobii Eye trackingに対応する
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視線の動きを画面上の円で表示するTobii Eye tracking
--高橋さん、井上さん、本日はありがとうございました。
■解説
ALIENWARE m17 R3の特長として、薄型のゲーミングノートながら強力な冷却システムを搭載していることも挙げられる。従来のALIENWARE m17に比べ、CPUとGPUについているファンのブレード数を増やし、銅の使用量を増やして熱伝導率を高めている。CPUは6フェーズ、GPUは12フェーズとデスクトップパソコンクラスの電源回路を搭載し、高負荷時が続いても安定した動作を実現している。 また、長時間のゲームプレイではパームレストやキーボードが熱くならないか気になるところだが、そこは「ベイパー チャンバー テクノロジー」で対応している。ベイパー チャンバーとは板状の熱拡散装置のことで、CPUと銅ヒートパイプの間に搭載することで熱を効率的に伝達さえ、高負荷時でも熱がこもりにくくなっている。それはサーモグラフィの結果からも明らかだ。
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3DMark実行時のサーモグラフィ。キーボード部がほんのり暖かくなる程度と、薄型ながらキッチリと冷却されているのが分かる
なお、ALIENWARE m17 R3ではサイズが大きすぎるという人は、ほぼ同スペックで液晶のサイズが15.6型のALIENWARE m15 R3をチェックしてほしい。こちらは、サイズが幅360.3mm×奥行き275.92mm×高さ17.8~19.9mm(300Hzディスプレイ搭載時)とワンサイズ小さくなる。
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ALIENWARE m15 R3
このほか、用途に合わせてスペックの変更が可能だ。例えばメモリは32GBまで選択が可能なため、動画編集やレタッチなどクリエイティブな用途にも十分対応できる。ゲームだけではなく仕事にも学業にも使える1台を求めているなら、ぜひとも注目してほしい。
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