北欧デンマーク発の老舗オーディオブランドのJabraから、完全ワイヤレスイヤホン「Elite 75t」が登場した。世界中で大ヒットした前モデル「Elite 65t」から大きく進化し、本体はよりコンパクトに、バッテリーはより長持ちになっているのが特長。もちろん接続性や音質なども文句なしで、競合ひしめくこの分野で、まさに「決定版」とも言える製品に仕上がっている。
完全ワイヤレスイヤホンの決定版が登場!
今回は、その実機をいち早く試すことができたので、実際にふだんの生活の中で使用して気づいたことを中心に、製品の特長や使い勝手などを紹介していこう。
とにかくコンパクトで持ち運びやすい!
完全独立型のワイヤレスイヤホンは、ほとんどの場合、収納ケースにバッテリーが内蔵されており充電器としての役割を兼ね備えている。その分、ケースが大きくかさばりがち。「Elite 75t」を製品パッケージから取り出して驚いたのは、そのケースがとてもコンパクトだということ。胸ポケットはもちろん、ジーンズのコインポケットにも収まってしまう。
もともとコンパクトだった前モデル「Elite 65t」と比べても小型化されているうえ、本体とケースを合わせたバッテリー駆動時間は従来の倍近い28時間に伸びているのが嬉しい。これだけあれば数日はケースを充電しなくても使い続けられそうだ。
ちなみに、ケースは表面がマットな質感で、手に持ったとき滑りにくくなっている。また天面と底面が水平で机の上に置きやすいのも好印象。フットプリントが小さいので、書類や資料でいっぱいになった机や、カフェの狭いテーブルの上でも、置き場所に困らないのはありがたい。
セットアップが簡単で装着感も最高!
実際に使い始める前にイヤホンをケースに入れて充電を行う必要があるが、イヤホンはケースにマグネットで吸着して固定される方式になっているため収納がとてもスムーズ。ケースの蓋もパチンと小気味いい音を立てて閉まる。
ケースの充電端子はUSB Type-Cが採用されており、急速充電にも対応する。充電中はUSB Type-C端子の左横にあるLEDが色や光り方で充電の状況を教えてくれるのがありがたい。フル充電でイヤホン単体だと最大7.5時間使用できるが、これは競合機種と比べても余裕のある駆動時間だ。
充電が完了したら、スマートフォンに無料の専用アプリ「Jabra Sound +」をインストールして、画面の説明を参考にしながらペアリングを済ませればOK。このアプリは「Elite 75t」の各種設定を行う以外に、搭載する機能や使用方法、イヤホンの装着方法などもイラストや写真入りで分かりやすく説明してくれるので、使用前に一通り目を通しておくのがよさそうだ。ちなみに、アプリは不定期でファームウェアアップデートを実施しており、これにより小さな接続不良や音質を改善することが可能となっている。こうした細やかさも嬉しいポイントだ。
今回はアプリの説明を参考にしながらイヤホンを耳につけてみたが、思った以上に簡単に装着できた。耳にねじ込むというよりは、対珠(耳穴の下側の軟骨)の上にハウジング部を乗っける感じで装着するとスムーズにいく。耳へのフィット感は完全ワイヤレスイヤホンの中でも間違いなくトップクラスで、動き回ってもずれたり抜けたりすることがなかった。カナル型にありがちな圧迫感で耳が痛くなることもなく、長時間使っていても疲れにくいのは評価できるポイントだ。
音が切れにくく使い心地は抜群!
さっそく「Elite 75t」をつけて外出してみることにした。iPhoneとペアリングした場合、デフォルトだと右のボタンを2回押すとAIアシスタントのSiriが起動する。そこで「今日、傘必要?」と質問するとSiriが「今日は雨は降らないようです」と返事したので、傘を持たずに出ることに。ボタンが大きくて押しやすいので、気軽にSiriを起動して質問できるのがいい。
自宅を出てまず気がついたのが、遮音性の高さ。アクティブノイズキャンセリングイヤホンのような逆位相の音を出してノイズを消し去る機能は搭載していないのだが、道路を走る車の音や工事の音などがほとんど気にならないくらい小さく抑えられている。ちょっと危険を感じるくらいだったので、左のボタンを1回押して外音取り込み機能(HearThrough)を有効に。すると適度に音楽が聞こえながら、耳慣れた街の喧騒が戻ってきた。
駅までの道のりの途中でコンビニに寄ってコーヒーを買う際も、HearThroughにしておけば店員さんの声をしっかりと聞くことができる。いちいちイヤホンを耳から外さなくていいのはとても便利だ。
駅に着いて再度HearThroughをオフにすると、たちまち喧騒が遠のいて静寂に包まれる。アクティブノイズキャンセリングの場合は人の声などの特定の周波数域の音は消えないことが多いのだが、「Elite 75t」はその遮音性の高さにより、人の声も含めすべての音が抑えられる。そのためアナウンスの音声などに邪魔されずに音楽を楽しみたい場合はとても効果的だ。
ホームで電車を待っている間に電話が入ったので、右ボタンを押して応答する。いつもだと周囲がうるさくてスマホのスピーカーでは相手の声が聞き取りづらいことがあるのだが、「Elite 75t」は相手の声がとてもクリアに聞こえる。こちらの声も相手にしっかり届いているようだ。
この辺りの通話品質の高さや信頼感は、ビジネス用ワイヤレスヘッドセットの分野で長い実績を誇るJabraならではだろう。「Elite 75t」の場合は本体に4つのマイクを内蔵して通話時のノイズや風切音を低減しているそうで、実際に通話の最中に音声が途切れたり、相手から聞き返されることはまったくなかった。
電車に乗り込み、最近ストリーミング配信が始まったお気に入りのアーティストのアルバムを聴き始めて、ふと気がついたのが接続性の高さ。車内はラッシュ時ほどではないものの、それなりに混んでいてワイヤレスイヤホンやワイヤレスヘッドホンをつけている人も結構いるのに、まだ1度も途切れていない。結局、この日は往路だけでなく復路も音切れに悩まされることがなかった。場所や混雑具合などの条件によって途切れやすさも変わると思うが、一般的な環境で音楽を楽しむには十分すぎる接続性の高さを実現していると言えそうだ。
聴きやすく厚みのあるサウンド
音質は中高域のヌケがよくクリアでボーカルの声がとても聴きやすい印象。低音もベースやドラムの音がしっかりと出ており、全体的に厚みのあるサウンドだった。ポップスはもちろん、ロックやメタルなども臨場感たっぷりに楽しめる。
専用アプリには、イコライザー機能が搭載されており、自分で好みに合わせてカスタマイズすることが可能。プリセットも「音声」や「低音ブースト」、「トレブルブースト」など複数用意されており、ワンタップで気軽に音質を調整することができる。個人的にはデフォルトが好みにぴったりだったが、ジャンルによっては低音を効かせたり高音域を強調するなどして調整した方がより楽しめるものもあるだろう。
このほかにも専用アプリにはさまざまな機能が搭載されている。たとえば「モーメント」画面で「フォーカス」を選ぶと「サウンドスケープ」機能を利用できる。これはホワイトノイズやダイビング、海の波、鳥のさえずり、洞窟など、さまざまな環境音を流し続けられる機能。休日にリラックスしたいときや、なかなか寝付けないときなどに利用するととても効果的だ。
防塵・防水性能などの便利な機能も搭載
「Elite 75t」には、ほかにも便利な機能が複数搭載されている。
なかでも個人的にうれしかったのが、IP55準拠の防塵・防水性能。IP55ということは防噴流形(あらゆる方向からの噴流水に耐える)の防水性能と、防塵形(有害な影響が発生するほどの粉塵が入らない)の防塵性能なので、水や埃に対する耐性はかなり高い。さらにアプリ上でユーザー登録することで2年間保証を受けられるというのだから、まさにいたれりつくせりだろう。
もうひとつ気に入ったのが、2端末に同時接続できる点。たとえば、タブレットとスマホに同時接続していれば、タブレットで動画ストリーミングを楽しんでいる最中でも「Elite 75t」の右ボタンを1回押すだけでスマホにかかってきた電話に出ることができる。
今回は、iPadとiPhoneに同時接続して試してみたが、電話に出ると同時に動画が一時停止状態になり、電話を終えると自動的に動画の再生が再開されるのが便利だった。この辺りはOSによって挙動も変わってくると思うが複数の端末で同じイヤホンを共有したいという人には非常に役立つ機能だと思う。
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最近は完全ワイヤレスイヤホンに参入する企業が増えて選択肢も多くなってきたが、音質、接続性、使い勝手のすべてで満足できる製品は数少ない。その中で「Elite 75t」は、「完全ワイヤレスイヤホンの決定版」と言っても過言ではない死角のなさが特徴になっている。ぜひ手にとって、それを実感してみてほしい。
[PR]提供:Jabra