性能の高さだけでなく、デザイン性やユーザビリティに優れ、Windows 10の最新機能をフルに活用できる「モダンPC」。各社からそのコンセプトに沿った製品が多数投入されているが、なかでもカジュアルなデザインで人気があるのがDynabook社の「dynabook S」シリーズだ。

13.3型液晶ディスプレイを搭載しながら約1.119kgという軽さを実現しているのに加え、堅牢性や拡張性が高く、プライベートから仕事まで用途を選ばず使用できるのが大きな特長。ここでは、その特徴や使い勝手などを詳しく紹介していこう。

  • Dynabook社のモダンPC「dynabook S」シリーズ

スリムで軽量ながら堅牢なボディを採用

dynabook Sシリーズは、CPUやメモリ搭載量などの構成の違いにより、「S6」と「S3」の2モデルがラインナップされている。どちらも本体サイズやデザイン、インターフェイスなどは共通で、カラーバリエーションもモデナレッドとデニムブルーの2色が用意されている。

  • dynabook Sのデニムブルーモデルの天板

いずれのカラーも深みのある色合いで、ポップであると同時に洗練された落ち着きを感じさせる仕上がり。今回試したデニムブルーモデルは光沢感のある天板が採用されており、光の当たり具合によって下地の細かい粒子がさりげなくキラキラ輝くのが印象的だった。

ノートPCの場合、持ち歩きやすさと画面の見やすさは相反する関係にあることが多いが、dynabook Sの場合はその両方が絶妙のバランスになっている。液晶ディスプレイは13.3インチと見やすいサイズでありながら、本体は約1.119kgと軽く、外出する際に気軽に持ち運ぶことが可能だ。厚みも約19.9mmとスリムで、天面、底面ともに凹凸が少ないためカバンなどにもすっきり収納することができる。

  • 本体の厚みは約19.9mmとスリム

薄くて軽いと「壊れやすいのでは?」と心配してしまうが、dynabook Sはその辺りも抜かりがない。ドイツの第三者認証機関の確認のもと行われた厳格な耐久テストに加え、アメリカ国防総省制定の「MIL規格(MIL-STD-810G)」に準拠したテストもクリアしている。テストには26方向からの76cm落下テストや-20℃の低温環境下でのテスト、200kgf面加圧テストなどがあり、実生活で起こり得るさまざまなシーンを想定している。込み合った電車に乗る機会の多い人でも、これなら安心して持ち歩けそうだ。

  • 底面はフラットでカバンなどに収納しやすい。バー状のゴム足があるため、手に抱えて持ち運ぶ際に滑りにくいのも好印象

発色がよく見やすいIGZO液晶を採用

ディスプレイは13.3型フルHD解像度(1920×1080ピクセル)のSHARP製IGZO液晶パネルを搭載している。明るく発色がよいだけでなく、設計段階から液晶の特性に合わせてきめ細かい調整をおこなう独自の色補正技術を採用しているため、元ソースに忠実な色合いで再現されるのが特長。写真編集や映像編集などを行う際も正しい色を確認しやすく、作業が捗るのは嬉しいポイントだ。

  • 13.3型ノングレアIGZO液晶ディスプレイを搭載する。解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)で、高輝度・高色純度・広視野角を実現している

ディスプレイがノングレア(非光沢)パネルのため、明るい場所でも映り込みが少ないのも評価できるところ。実際に日中の屋外やカフェの窓際の席、蛍光灯の真下などで使用してみたが、表示内容が見やすく確認しやすかった。

本体にはステレオスピーカーも内蔵しており、臨場感のあるサウンドを楽しむこともできる。ノートPCの内蔵スピーカーとしては比較的低音域に広がりがあって迫力もあるのは好印象。

  • 本体底面にステレオスピーカーを搭載する

ちなみに、製品にはDTS社の音響技術を採用したサウンドアプリ「DTS Audio Processing」がプリインストールされており、音楽や映画などのコンテンツに合わせて音を最適化したり、手動で調節したりすることもできる。ステレオの音の広がりを好みに合わせて変更したり、ボーカルの音を拡張したりもできるので、デフォルトの音だとちょっと物足りないというときに活用してみると良さそうだ。

  • サウンドアプリ「DTS Audio Processing」の画面。コンテンツに応じて音質や音響効果を調節できる

タイピングしやすいキーボードを搭載

キーボードは、最近のノートPCの主流になっているアイソレーションタイプのものを搭載している。キーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmと比較的余裕があり、キートップが微妙にへこんでいることもあって指がかりがよく、かなりタイピングしやすかった。

  • キーピッチが19mm、キーストロークが1.5mmのアイソレーションキーボードを搭載する

キーボード面がプラスチックのため力を入れると若干たわむことはあるが、作り自体はしっかりしておりチープさは感じない。キーを押した際に指にかかる負担も少なく音も静かなので、長時間文字入力していても疲れにくかった。メールや文書作成などでキーボードを使う機会の多い人にとってはありがたいポイントだ。

また、キーボードに水がかかってしまうアクシデントを想定した試験も行っている。約30ccの水がかかったと想定し、データ保護のために電源を落とすまでの時間(3分間)の状態を検証しているなど、日常にありがちなトラブルやアクシデントの際にも備えられている。

タッチパッドはクリックボタン一体型で、操作スペースが比較的広いこともあってマルチタッチやジェスチャーがしやすく感じた。また、タッチパッド左上にWindows Hello対応の指紋認証センサーが内蔵されており、指でタッチするだけでサインインすることが可能だ。

  • クリックボタン一体型のタッチパッドを装備している

普段使いに十分なパフォーマンスを搭載

ノートPCの使い心地は、CPU性能などにも大きく影響される。dynabook Sシリーズの主なスペックは次の通り。

モデル S6 S3
CPU 第8世代Core i5-8250U 第8世代Celeron 3867U
メモリ 8GB(DDR4) 4GB(DDR4)
SSD 256GB SSD(SATA) 256GB SSD(SATA)

今回レビューしたのは「S3」で、第8世代Celeron 3867Uと4GBメモリー、256GB SSDが搭載されていた。

実際に使ってみると、メールやWebサイトの閲覧、ビジネス文書の作成などの日常的な用途なら、パワー不足を感じることなく快適に使用することができた。メモリー容量が4GBと少なめだが、読み書きの高速なSSDが採用されているためか動作がもたつくような場面は少なかった。ちょっとした写真編集やRAW現像なども力不足を感じることはなかったが、一度に大量の写真を現像したり、動画を編集したりすることが多いなら、よりパフォーマンスの高い「S6」の方が向いているだろう。

インターフェイスは、本体左側面に電源コネクタ、USB Type-C(USB PD対応)、HDMI出力端子、マイク入力/ヘッドホン出力端子、microSDカードスロットを搭載している。また、本体右側面にはUSB 3.0×2、LAN、セキュリティロック・スロットを搭載する。薄型軽量ノートとしてはかなり充実しており、別途アダプターやハブを用意しなくても多彩な周辺機器を利用できるのは評価できるポイントだ。

  • 本体左側面に電源コネクタ、USB Type-C(USB PD対応)、HDMI出力端子、マイク入力/ヘッドホン出力端子、microSDカードスロットを搭載する

  • 本体右側面にはUSB 3.0×2、LAN、セキュリティロック・スロットを搭載する

約9.5時間駆動可能なバッテリーを搭載

ノートPCを持ち歩く際に気になるのがバッテリーの持ち。dynabook Sはカタログスペックによると約9.5時間の駆動が可能になっている(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver.2.0準拠)。普段使いには十分な長さと言えるだろう。

しかもdynabook Sの場合、30分の充電で約4時間バッテリー駆動ができる「お急ぎ30分チャージ」機能が搭載されている。寝る前にうっかり充電し忘れたようなときでも、朝出かける前の空き時間に電源につないでおけば当座の間に合わせには十分なだけチャージすることができるのは頼もしい。

ACアダプターが小型なので、一緒持ち歩いてもかさばらないのも嬉しいところ。ちなみに、本体左側面のUSB Type-CポートはUSB Power Delivery(PD)規格に準拠しており、市販のUSB PDに対応した充電器やモバイルバッテリーにつなげば本体を給電することができる。最近はUSB PDに対応した充電器も安価に購入できるので、職場などに予備として置いておくと便利だろう。

  • 付属のACアダプター。約140gの小型軽量タイプなので本体と一緒に持ち運んでもかさばらないのが嬉しい

  • 付属のACアダプターがなくても、USB Type-Cポート経由で本体に給電・充電することができる

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ここまで見てきたように、dynabook Sシリーズは普段使いに十分な性能と充実した機能を薄型軽量ボディに搭載したカジュアルなモダンPCだ。自宅でも出先でも軽快に使用できるノートPCを探している人や、洗練されたデザインのノートPCを探している人には、ぜひ検討してほしい製品だ。

dynabook S6の主なスペック

ディスプレイ 13.3型 FHD 高輝度・高色純度・広視野角(IGZO・ノングレア)
OS Windows 10 Home
CPU インテル Core i5-8250U プロセッサー 1.60GHz(最大3.40GHz)(クアッドコア)
SSD 256GB 高速SSD
メモリ 8GB(4GB×2)
セキュリティ 指紋センサー、BIOSパスワード、HDDパスワード、セキュリティロック・スロット
駆動時間
(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0)
約9.5時間
サイズ(突起部含まず) 約316.0(幅)×227.0(奥行)×19.9(高さ)mm
重量 約1.119kg

dynabook S3の主なスペック

ディスプレイ 13.3型 FHD 高輝度・高色純度・広視野角(IGZO・ノングレア)
OS Windows 10 Home
CPU インテル Celeron プロセッサー 3867U 1.80GHz
SSD 256GB 高速SSD
メモリ 4GB(4GB×1)
セキュリティ 指紋センサー、BIOSパスワード、HDDパスワード、セキュリティロック・スロット
駆動時間
(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0)
約9.5時間
サイズ(突起部含まず) 約316.0(幅)×227.0(奥行)×19.9(高さ)mm
重量 約1.119kg

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