自動販売機で缶コーヒーを買う。そして飲む。
うん。旨い。
と、ここまでは多くの人が何気なくしていることだと思う。しかし、気にならないだろうか?
「この自動販売機、なんでここに置かれてるんだろう……」と。
「いや、別に気にならないです」という人、ちょっと待ってください!
例えば、ある企業の中に自動販売機(以下、自販機)が設置されているとしよう。企業からすれば、そこに自販機を設置したっていいし、しなくたってよいわけである。また、設置するにしても自販機にはいくつかのメーカーがあり、自販機自体に色々な機能が盛り込まれているなど、選択肢がたくさんあるわけなのだ。
自販機を設置する側が、様々な選択肢から特定のものを選び、ようやく自販機が置かれる。そのきっかけとなるのが「自販機の営業」だ。「この場所に当社の自販機を設置しませんか?」と交渉している人がいるのである。どうだろうか。「自販機の営業って、実際どんなものなんだ?」と、気になってきたんじゃないだろうか。
気になってきましたよね!
そこで今回、自販機での販売に注力してる※大手飲料メーカーダイドードリンコの前山さんと共に、実際に自販機を導入している企業を訪問させてもらった。ちなみに前山さんのお仕事は、企業や団体に向けた新規営業がメイン。担当エリア内の企業や工場、病院、学校などに向けて営業活動を行っているという。
※国内飲料事業における自販機での売り上げが8割以上
まずはじめに、昨年から社員用の休憩スペースにダイドードリンコの自販機を設置しているTOYO TIRE株式会社へ向かった。
TOYO TIREは
なぜ自販機を設置した?
TOYO TIRE株式会社の村山さんに同席していただき、そもそも自販機の設置が決定されるまでの経緯がどんなものなのかを聞いてみる。
――初心者まる出しの質問で恐縮なのですが、そもそもダイドードリンコの自販機を設置したのはなぜですか?
村山さん当社の食堂の2階が休憩スペースになっているんですが、正直なところ、あまり活用されていなかったんです。社内でも給湯器や給茶機を置こうか、冷蔵庫を設置してみようかと検討していました。そこにダイドードリンコさんが自販機の設置を提案してくれたんです。
――なるほど、ダイドードリンコの営業活動としては「この場所に自販機を設置したら休憩スペースがもっと活用されるのでは?」と提案したんですね。
前山さん当社では、ただ自販機を設置してくださいとお願いするのではなく、企業様が抱えている課題についてお役に立てないかという視点でお話しをさせていただくんです。今回のお話であれば、休憩スペースをもっと利用したくなる場所にしたいという課題があって、自販機を置くことでお役に立てないかと提案させていただきました。
――実際、自販機を設置されて変化はあったんでしょうか?
村山さんはい。ダイドードリンコさんの自販機を置くことでみんな気軽に休憩してくれるようになりましたし、上司と部下のコミュニケーションの場にもなってきたので、そこは嬉しく思っています。みんなでダイドードリンコさんのコーヒーが美味しいという話で盛り上がります。私も個人的にすごく好きでして(笑)
――そういう意味では導入されて成果があったんですね。前山さんは営業活動をしている時に「このスペースに自販機を置いたらいいんじゃないか」とか、そういう点も注目されるんですか?
前山さんそうですね。自販機は企業様としては福利厚生の一環として設置されるものですので、社員のみなさまの憩いの場になるということは意識してご提案しますね。
――村山さんにとってダイドードリンコさんの営業活動はどんな印象でしょうか?
村山さんすごく熱心に活動されている印象ですね。私も営業をやっていたのでわかる部分があるのですが、もちろん製品も大事なんですけど、最後の決め手は人と人とのコミュニケーションの部分が大きいと思うんです。たくさん来ていただくと、こちらもお願いをしやすくなりますし、細かいことでも相談しやすい関係にもなります。
前山さん私どもで心がけていることがありまして、新規の企業様を初回訪問させていただく際、自販機の紹介や設置依頼をしないんです。最初からそれをお願いしても無理なのはわかっていますから(笑) 企業様の取り組んでいる課題についてお話しを聞かせていただいて、その課題解決策の提案を最優先に考えています。
――先ほどの休憩スペースの話はまさにそうでしたけど、課題と言っても、色々な種類の課題がありますよね。
前山さんもちろん、自販機や、当社のリソースだけでは解決できない課題もあります。その際は、お客様の課題を直接解決できる他の企業を紹介するケースもありますね。その結果、お客様に本当に満足していただけたり、新しいビジネスチャンスが生まれたりもします。
――前山さんが企業を訪問された時って、具体的にはどんな話をされるんでしょうか。
前山さん最初は雑談と言いますか、色々なお話をお聞きして、その中で信頼関係を築いていけたらと思っています。当社にも個人の営業目標はありますが、チームとしての実績を大切にしているのが特徴ですね。社内でライバル関係になったり、お客様をとりあったりすることがありません。じっくりと時間をかけてお客様と向き合っていける環境で仕事をさせてもらっています。
村山さん当社の課題についての打ち合わせにまで参加してくださるっていうのは、ダイドードリンコさんだけなので助かっていますね。
――自販機の設置がゴールではなく、その後も関係は続くわけですか?
前山さんもちろんです。新商品があればそちらについてご説明させていただいたりですとか、企業様のご要望を伺ったりですとか。
村山さんあの、新商品の試飲会をしてもらうのも可能ですか?
前山さんもちろんできますよ!
村山さんそういう機会があれば社員が喜ぶと思うんですよね。
――要望が出されるところを生で目撃できてうれしいです(笑)
前山さん他にも例えば、当社でご提案している「カフェインナップ」※の講習会を開催させていただくといったことも可能です。「カフェインナップ」ってご存知ですか?。
※「ナップ(英語で昼寝の意)」に「カフェイン」を組み合わせた造語
村山さんいえ、はじめて聞きました。
前山さんコーヒーにはカフェインが入っていますよね。カフェインの効果が出てくるのが、摂取してからおよそ20分~30分後なんですよ。そこで弊社が提案させていただいているのが、コーヒーを飲んだ後に15分~20分ほど昼寝する「カフェインナップ」です。そうすると、ちょうど目覚めがスッキリして、その後の作業効率がアップするんですよ。
村山さんへー!それはよさそうですね。
前山さん後日、改めてまたご提案させていただきます!
――なるほど、こういう風にお話しをしていくわけですね。今日は貴重な現場を見せていただきありがとうございました!
さて、ダイドードリンコの営業スタイルがなんとなく見えてきたところで、もう一社、別の企業に同行させていただくことに。
特殊発條興業は
なぜ自販機を設置した?
やってきたのは2年前から社内にダイドードリンコの自販機を設置し始めたという特殊発條興業株式会社。ここでは西本さん、東海さんのお二人に同席していただき、まずは自販機設置の経緯から伺った。
――特殊発條興業では、ダイドードリンコさんのコラボレーション自販機(飲料だけでなく、お菓子等の購入も可能な自販機)を設置されているそうですが、設置にいたった経緯をお聞きしてもいいでしょうか。
西本さん社内にいくつかのメーカーの自販機を設置しているのですが、当社には夜勤者もいますので、小腹がすいた時に食べ物も買えたら喜ばれるのではないかと思って設置しました。ダイドードリンコさんの自販機は飲料に関しても商品のバラエティが豊富だったので、そこがいいなあと。
東海さんうちの管理部長がキットカットが大好きなんです。コラボレーション自販機にキットカットが入っているのが大きな決め手になりました(笑)
――2年前に自販機を設置されたとのことですが、ダイドードリンコさんの営業活動はそれ以前からあったんでしょうか。
東海さんそうです。ずっと熱心に営業に来ていただいていて、10年近く前からですかね……。
――えっ!そんなにですか!?
東海さん10年近くに渡って、その間に担当の方も変わりながら、ずっと来ていただいたんですけど、最終的には……キットカットで(笑)ごめんなさいね。
前山さんいえいえ、ありがとうございます(笑)
――10年の活動がそういう風に実ることもあるんですね。
前山さん導入いただいた今となっては美談になっていますけど、当社も10年に渡ってお話に来させていただくなんて、なんというか…相当粘り強いですよね(笑)
――自販機を設置してみて、いかがでしたか?
東海さんやはり小腹がすいたときにお菓子を買えるのが嬉しいという声が多くて、食べ過ぎて体重が増えたっていう声があったり(笑)、他の場所にも設置して欲しいと要望が出たりしていますね。
西本さん近くにコンビニがないもので、小腹がすいた時にすぐに買える場所がないんですよ。それですごく助かっていますね。
ここからは、前山さんが企業を訪問してどんな風に営業活動をしていくのか、実際に商談の現場を見せていただくことに。
前山さん当社の自販機について、何かご要望はございますか?
東海さんこれまで通り補充をマメにしていただきたいのと、あとは他社さんにはないような新しい商品があったりすると嬉しいですね。
前山さん(商品リストを広げながら)今ですと「食事の糖や脂肪の吸収を抑えます」という機能性表示食品の「大人のカロリミットR茶」シリーズもおすすめしております。さきほどお菓子で太っちゃったとお聞きしましたので(笑)
東海さんなるほど、一台でバランスがとれるわけですね(笑)
西本さん作業していて汗をかくこともあるから、スポーツドリンク系もあったら嬉しいです。あと、このところ各地で災害が多いですよね。そういう意味で、災害時に役に立つようなものがあったらいいなと。
前山さん当社の「災害救援自販機」でしたら、災害時に無償で飲料を提供できたり、携帯の充電ができたりという機能があるので、社員の方のお役に立てるかと思います。他にも、収益金の一部から寄付を行う「募金自販機」や「ラッピング自販機」ですとか。
西本さんうちは会社全体で社会貢献活動を推進しておりまして、「募金自販機」を導入するのは社会貢献の一環としてもいいかもしれないですね。
東海さんラッピング自販機っていうのはどんなものですか?
前山さん自販機の外装をお化粧するというか、例えば観光地の自販機であればご当地のオリジナルデザインにしたりですとか。
東海さん会社でピンクリボン運動を推進しているんですけど、そういうラッピングをしてもいいかもしれないですね。
前山さんはい!そのようにもお使いいただけます。あとは「おしゃべり自販機」ですね。製造業様であれば「ご安全に!」の挨拶から始まることが多いと思うんですけど、そういった安全啓蒙のメッセージを自販機で音声として流すような活用方法が最近増えてきているんですよ。
東海さんへー!面白い、それは色々な使い道がありそうですね。
前山さん作業の安全性を高める上でお役に立てるかと思いますので、ぜひご検討いただければと。
――真剣な商談を横で見させてもらう、非常に貴重な体験をありがとうございました。
前山さんの営業活動を見ていると、最終的な目標は自販機の導入や設置台数の増加に設定されてはいるものの、どちらかというと企業との関係を長く地道に保つことに主眼が置かれているように感じた。
「最近どうですか?お困りのことはありませんか?」と、気軽にコミュニケーションを取れるような関係性をつくり、長い付き合いが生まれた結果、ダイドードリンコの自販機が設置される。そうやってここに置かれた自販機なんだと思うと、缶コーヒーをもっと大事に味わいたいような気持ちになるのだった。
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本当の意味でお客様の満足度No.1を目指すというダイドードリンコは、中途採用にも力を入れているようです。自販機の営業に興味を持った方は、ダイドードリンコのホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか?
ライタープロフィール:スズキナオ
1979年生まれ水瓶座・A型。趣味は酒と徘徊。
●フリーライターとして、街歩き、飲食などのジャンルで執筆
●テクノラップバンド「チミドロ」リーダー・作詞作曲
●酒場ライター・パリッコさんとの酒ユニット「酒の穴」として色々活動中
●大阪のミニコミ書店「シカク」広報担当
●Twitter:@chimidoro
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[PR]提供:ダイドードリンコ