YouTubeクリエイターとして絶大な人気を誇っていたぶんけいさん。現在は自身で起業した株式会社ハクシの代表取締役社長として日々、仕事に打ち込んでいる。そんなぶんけいさんに「カッコいい働き方」をテーマに、将来の進路に悩む就活生や若手ビジネスパーソン、若手クリエイターを目指す方々のエールになるようなお話を聞いてきたので、紹介していきたいと思う。
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人気YouTuberから起業家へ
――本日はよろしくお願いします。まず、人気YouTuberとして知られるぶんけいさんですが、どうして起業しようと思ったのでしょうか?
実は起業したのは、YouTuberとして活動していたときからなんです。映画監督を目指して大学では、映像学部に入っていたのですが、そこで学んでいくうちに、僕がやりたいのは「人の心を動かす、感動させる仕事なんだ」と思うようになって。
ちょうど就活の頃だったので、友人に進路について相談すると、「それを実現するには自分で会社を作るしかない」と言われました。最初は「なんて無責任な(笑)」と思ったのですが……冷静に考えると、自分でもそれしかない気がしてきて(笑)。結果、その友人も誘って、会社を起こすことにしました。
――当時、大学生だということを考えると、思い切った決断でしたね。その会社(株式会社ハクシ)ではどのようなお仕事をされているんですか?
キャラクターコンテンツの設計や運営、ミュージックビデオの制作、企業PR向けのアートディレクターなど、制作会社として多岐に渡る業務をしています。また、それだけでなく、プログラム周りから、実写、デザインのほか、振り付けもできるので、制作会社という枠組みにとらわれず、アートの世界で色んなことができる会社にしたいと思っています。
(※別記事:「ぶんけいさんが選んだYouTuberとは別の道」にて詳細が載っているので、ぜひチェックしてみてほしい)
――ぶんけいさんがお仕事をする上で、大切にしていることはありますか?
そもそもこの会社は、僕が「もっと自由な発想で働きたい」と思って作ったわけですから、社員のみんなにもある程度、自由に働いてもらいたいなと考えています。
なので、新規プロジェクトが始まる際の人選も、「やりたくない仕事だったら無理に参加しなくてよい」と伝えています。また、自分のスタイルに合わないと申告してもらえれば、違うプロジェクトに回ってもらいますし、逆にやりたいという人には積極的に参加してもらっています。
――それは新しい発想です!でも、ある意味シビアでもありますよね?どんな仕事にも責任が伴いますが、それが"自分で選んだ仕事"なら、なおさらじゃないでしょうか。
その通りです。僕としてはそこに期待しているところもあります。自分で選んだ仕事の方がベストなパフォーマンスが出せるでしょうし、やりがいもあると思います。
ハクシに集まる人って、人を感動させることが好きで、何かを創り出したいと考えている人ばかりなんです。なので、僕たちが作っているのは「商品」ではなく、「作品」だと思っていますし、そういう熱意を大事にしています。
――なるほど、素敵な考えですね。しかし、すべての企業が自由にやれるわけではなく、ある程度のルールは課せられるのが一般的です。それでも自分を輝かせることは可能でしょうか?
僕は会社に勤めたことがないので、ルールの中で仕事をしたことがありません。ただ、企業に就職した友人とはよく会うので、その時の話でこんなことがありました。
友人が新しいプロジェクトに参加することになったらしいのですが、その仕事への不満がたくさんあるみたいで、憂鬱な表情をしながら愚痴ばかり言うんです。その時の僕には元気づけてあげることしかできませんでした。だけど、数カ月後に会ってみたら、ものすごく達成感のある表情で彼が現れたんです。
その表情だけ見ても、彼が大きく成長したことが分かって……。これは今の僕の仕事の選び方では絶対に起きないことだし、ルールの中で仕事をしているからこそ得られる満足感があるのだと理解できましたね。
――それではもし、これから社会に出る就活中の若者たちが、やりがいや熱意を持った仕事ができるビジネスパーソンになるためには、どのようにすればよいと思いますか?
就活中はいろいろ悩むと思いますが、僕にしてもみんなと同じように悩みぬいた結果、会社を作るという方向に答えがあったんです。
思うのですが、人って知らないうちに固定概念を持って、勝手に自分を縛っている気がするんです。でも、もしかしたら「こうじゃないといけない」、「こんな風にしなくてはいけない」といったところに答えはなくて、そういう思考の外側に答えがあるかもしれませんよね。
だから、そんな自分の固定概念を取り払うことも大事だと思います。僕は悩んだら、1回"アホ"になってみるんです。当たり前だと思っていることを「そうじゃない!」って壊してみることで、大きくものごとが変化することはあると思います。
平凡なことにちょっと手を加えてみたらとてもよく売れる製品になった、というものだって多いじゃないですか。世界的な発明というものだって、常識から外れたところにあったりしますよね。
ただ、それを「新しいことに挑戦」とか「努力」と言ってしまうと苦手意識が大きくなりますが、"バカになってみる"、"アホになってみる"、だったら誰でもできるじゃないですか(笑)。そうやって、一度考えをリセットしてみることも大切だと考えています。