Dynabookは、7月9日、「コンピューティングとサービスを通じて世界を変える」をテーマに、同社の製品やソリューションを展示・提案するイベント「dynabook Day 2019」を開催した。会場ではdynabookシリーズの最新モデルや、生産性向上のためのさまざまなサービスが紹介されたほか、各種セミナーも開催された。
ここでは、そのうちDynabook株式会社 国内サービス事業本部の栗原秀行氏によるセッション「Windows 10 導入フェーズから運用管理フェーズへ~クラウドを利用した Windows 10 の運用管理~」の様子をお届けしよう。
Windows 10は導入から運用フェーズに移行
今年2月にDynabookが実施した調査によると、企業ユーザーの約7割がWindows 10を「導入済み」または「導入中」で、残り3割が「これから導入する」とのこと。2020年1月14日に予定されているWindows 7のサポート終了を前に企業ではWindows 10の導入が着実に進んでおり、現在は「いかに運用していくか」を考えるフェーズに移っていると言えそうだ。
Dynabookでは法人を対象に、Windows 10の導入計画から保守、撤去・更新に至るまでを一貫してサポートする「Windows 10 ライフサイクルソリューション」を提供している。栗原氏によると、そのユーザーに対するアンケートでもWindows 10の運用管理に関する懸念が大きな割合を占めるようになってきているという。
なかでも多くのユーザーが懸念を抱いているのがWindows 10で新しく導入されたWindows as a Service(WaaS)の運用管理。WaaSは平たく言えば、定期的な機能追加アップデートでWindowsを進化させていくサービスのことだが、年2回ある大型アップデートの際にネットワーク負荷がかかりやすいことや、アップデートすることによって業務システムや業務アプリの動作に影響が出ることに懸念を抱くユーザーが多いのだという。
そうした問題の解決策として「Windows Update for Business(WUFB)」や「Windows Server Update Services(WSUS)」などを使って効率よく更新プログラムを適用する方法があるが、それには社内に専用のサーバーを設ける必要がある。当然、そのためのコストや管理者、スキルなども必要になってくるし、将来的には老朽化したサーバーのリプレースなども考えなければならない。また、サーバーを導入すればそのOS(Windows Server)のサポート終了(EOS)に対応していく必要もある。企業によっては、そこまで手が回らないというところも当然存在する。
栗原氏は「こうしたお悩みをお持ちのお客様には、クラウドを利用した配信管理ソリューションをご提案している」と語り、マイクロソフトのサービス「Azure Active Directory Premium(Azure AD)」と「Microsoft Intune」を使ったソリューションを紹介した。
Azure ADはIDやアクセス管理を行うサービスで、Microsoft Intuneはデバイスとアプリの管理を行うサービス。どちらもクラウドベースのサービスのためサーバーの導入や運用管理が不要であること、将来的なサーバーリプレースやEOS対応などが不要であること、インターネット経由で社外利用のPCの管理も行えることなどがメリットとして挙げられる。ちなみにAzure ADとMicrosoft Intuneはいずれも単体でも契約できるが、複数のサービスが統合されたスイートとしても提供されている。Dynabookではそのうち情報保護や脅威分析などの機能も含む「Enterprise Mobility + Security」を利用したサービスを新しく用意したとのことだ。
Dynabookが提供する3つのサービス
栗原氏によると、Dynabookが提供する「Enterprise Mobility + Security」関連の新サービスは3種類ある。
まず、1つめが「Enterprise Mobility + Security 導入支援サービス」だ。これはAzure ADとMicrosoft Intuneを利用してWindows 10 PCの管理環境(ユーザー管理のためのID管理基盤やWindows 10 更新プログラムの配信管理環境など)を構築するというもの。サービスの範囲によって「Basic」と「Advanced」のふたつのメニューが用意されており、後者にはより広範囲なWindows 10 PCの設定環境の構築や、アプリケーション配信のための基盤構築などが含まれている。
2つめが、「Enterprise Mobility + Security ヘルプデスクサービス」。これは、前述の「導入支援サービス」にて構築した環境で運用していく際に出てくる、さまざまな困りごとや質問などに対応するサービスだ。たとえば、Azure ADやMicrosoft Intuneの設定・操作方法の説明、同サービスに起因する障害発生時の原因切り分けなどの対応が挙げられる。
3つめは、「Enterprise Mobility + Security 運用代行サービス」。これは、日々の運用のなかでも主要な部分をDynabookで代行するもので、ふたつめの「ヘルプデスクサービス」を内包したサービスとなる。たとえば社内組織変更時の新規ユーザー登録やグループ割り当て、人事異動時のユーザーのグループ間異動、管理状況をまとめた月次レポートの発行などの作業が代行される。栗原氏は、これらのサービスを活用することで、Windows 10の運用にかかる負担を大幅に減らすことができると説明した。
最後に、栗原氏はDynabookが提供しているこのほかのWindows 10関連のソリューションについても言及し、同社の幅広いサービス展開をアピールした。
いくつか列挙すると、同社エンジニアがユーザー企業を訪問してWaaSの管理方針を決定するためのワークショップを実施する「Windows as a Service 2Days ワークショップ」や、オリジナルツールで効率よくデータや環境を移行する「Windows 10 移行サービス」、アップデート時の新機能や更新された機能についての問い合わせに対応する「Windows 10 機能更新ヘルプデスク」などがある。どのサービスも同社の豊富な実績に基づく確かなノウハウが根底にあり、Windows 10の導入を検討している企業はもちろん、日々の運用に頭を悩ませている企業の力強い味方になってくれそうだ。Windows 10の運用管理に課題を抱える企業は、こうした同社のサービス群に注目してみてはいかがだろうか。
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