「失敗は成功の母である」。昔の人はそんなことを言っていたような気がする。
しかし、令和という新しい時代を迎えた今、果たしてそれは本当なのか?
どんな人でも失敗の1つや2つは必ずあるはず。先輩たちはそれをどう乗り越え、糧にしてきたのか。
そこで今回マイナビニュースでは、社会人歴もまだ浅い新卒~5年目までの若手社会人に、 「仕事をしていて最もつらいと感じること」をテーマにアンケートを実施。
すると、1位「仕事が終わらない」、2位「仕事での責任が大きい」、3位「仕事でプレッシャーを感じる」という結果に。
確かに、こんなハードな環境のなかでは、ついつい「失敗」もしてしまうだろう。
……今ベテラン社会人の先輩も実際おんなじことしてたんじゃないの?
ということで社会人の先輩たちが過去にしてしまった「やらかしエピソード」も聞いてみた。今だから笑えるお茶目なドジ話、思い出しただけで背筋が凍る失敗などなど……果たして、そこから見えてくるものとは?
「トイレにスマートフォンを忘れてしまい……」
まずは、銀行で金融取引業務を担当している40代の男性。
「トイレ内にスマートフォンを忘れ、戻ってはきたが
アダルトサイトにアクセスされており、たくさんのメールなどが来てしまった」
と、なかなかのうっかりぶりだ。
その後、「電源をオフにするとロックがかかるように設定」。
これにより二重ロックがかかり置き忘れても悪用されないようにしたという。
……そんな彼の対策はあっていたのか?
あわせてセキュリティ対策ソフトで有名なマカフィー株式会社のコンシューマ マーケティング本部執行役員 本部長 兼コンシューマ セキュリティ エヴァンジェリスト青木大知 氏に聞いてみた。
コンシューマ マーケティング本部
執行役員 本部長 兼コンシューマ セキュリティ エヴァンジェリスト
青木大知 氏
デジタルデバイスやITシステムへのセキュリティソリューションを提供する。マカフィー株式会社に所属。 主に一般消費者向けにセキュリティへの啓蒙活動を担当。SNSでのセキュリティにも精通し、多くのユーザと接しながらその大切さを伝えている。
「個人レベルで考えた場合は確認の徹底がベストに思えますが、ミスを完全になくすことは難しいと考えたほうがいいですね。会社レベルではメール配信の運用ルールを設けること、何らかの誤送信対策を導入するのが有効です」 (青木 氏) |
誰にでもうっかりミスは起こってしまう。
デジタル、アナログを問わず、そのときのための対策は複数用意するべきだ。
「メールの送信相手を間違えて……」
続いては教育関係の事務で働く30代の女性。
「送信相手を間違えて、プライバシーに関わる内容のメールを
全然関係ない人に送ってしまった」
これもまたうっかりによる失敗。
急いでいたり、仕事を同時進行していたりすると大いにあり得る話だ。
この女性は
「注意力をしっかり持ち、メールなどを送る時に最後に改めて確認する習慣をつけた」
と反省している。しかしそれだけでは再発の不安が拭えない。
「個人レベルで考えた場合は確認の徹底がベストに思えますが、ミスを完全になくすことは難しいと考えたほうがいいですね。会社レベルではメール配信の運用ルールを設けること、何らかの誤送信対策を導入するのが有効です」 (青木 氏) |
具体的な対策としては
「宛先入力ミスをなくす(オートコンプリートの無効)」
「即時送信設定を避ける (送信メールの一時保留)」
「関係者をCCに入れる(誤送信に関係者が気づく可能性)」
など、
少しでもミスを減らすルール作りがカギを握るのだ。
「個人情報を含むメールを一斉送信…」
そして商社マンである40代の男性。
「本社でグループ会社の個人情報管理を行う役割を担っていた際に、
個人情報を含む情報をグループ会社の管理者全員にメールしてしまった」
これもよくビジネスシーンではありえる失敗だ。
男性はこの失敗から
「何が個人情報に当るかの認識をしっかり持てる研修や勉強会を開催し、意識を徹底できるようにした。個人情報が含まれると思うときは、万が一を常に想定するようになった」という。
そう、常に「万が一」に備えること。すべてはそこから始まるといえる。
「パスワードを忘れてしまった…」
「パスワードをややこしくしすぎるあまりに、自分でも忘れてしまった」
そう語るのは、製造業で働く37歳の男性。
確かにパスワードの管理は現代社会において重要な問題だ。
少しだけ複雑にする、などのアナログな方法でも多少防げるが、それにも限界がある。
「パスワードは複雑なものを設定して、管理はパスワード管理アプリなどを利用すれば、パスワード忘れや紛失、アカウントのっとりをある程度防げます」 (青木 氏) |
最新のテクノロジーと組み合わせれば、より強固なセキュリティ対策が可能だ。
「SNSにプライベートな情報をアップしてしまい……」
そして最後に、不動産営業と経理を担当している40代の男性がやらかしたのは……。
「個人のプライベートがわかってしまうようなTwitterをあげてしまい、
顧客からクレームが来た」
なかなかのやらかし具合。
昨今ではいわゆる『バカッター』など、度が過ぎるいたずら動画の投稿なども問題視されている。誰もが簡単に目に触れることができるSNS全盛の今、怖いのがプライバシーの流出。
一度拡散してしまった情報を取り消すことは不可能に近い。情報を発信する際は、細心の注意が必要である。それが他人に関わる場合はなおさらだ。
ちなみにこの男性は、
パスワードなどを逐一変更するとともにノートにメモをし、
プライバシーの尊重を徹底するため事前にクライアントの了承を得ておくこと
で信頼を取り戻したという。
「あらかじめプライバシーに関する社内規定を設けておくのが有効な手段です。パスワードのノート記載は第三者が目にする可能性もあるので、あまり好ましくはありません」 (青木 氏) |
プライバシーを守ることに関しては、やりすぎということはないだろう。
どんなに仕事のできる上司でも、ひょっとしたら若手時代にはとんでもない失敗をしていたかもしれない。どんなにベテランでも、これから先、一度たりとも失敗をしないとは限らない。確かに、ビジネスパーソンに限らずとも「失敗」から学ぶことは実に多いし、そこからどうするかがとても大切であったりする。
しかし、その一方で、失敗に陥らない、失敗を回避するような「対策」をしっかり事前にしておくことも、同じくらい大切なのではないだろうか。そのためには、まさに「備えあれば憂いなし」。ベタでシンプルな結論ではあるが、ここは仕事の先輩の教えを素直に聞いておくのも決して悪くはない。
総括コメント
『ベテラン社会人のやらかしエピソード』として5つの失敗談を見てきましたが、「つい、うっかり」して大きなダメージになることが多かったのではないでしょうか。
「プライバシー」に対する意識があまり高くないことでミスが発生しているようです。ミスを防ぐことはもちろん大事ですが、一番よくないのはミスを放置して新たなトラブル発生につながってしまうこと。記事で紹介している対処法などを参考に、問題が起きた時に適切な対応を行えるように気をつけたいですね。
プライバシー対策含めたTipsには、マカフィー セキュリティニュースもぜひご活用ください。
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