「イクメン」という言葉はもはや古い!? 最近は子育てに積極的に参加することが普通、と考えるパパも多くなってきました。でも初めての子育ては、育児・家事のやり方や考え方の違いなど、パパママ間でも戸惑いが生まれるものです。夫婦から子育てのパートナーという関係に変わる時、他の家族はどうしていたのでしょうか。
今回は、0歳~1歳7ヵ月のお子さんを持つパパに集まっていただき、生活や働き方の変化、また普段感じているママとの考え方の違いについて話を聞きました。働き方も環境も異なる3人のパパの本音とは……?
▼参加者
Tさん フリーランスのカメラマン(30代/娘3ヵ月)
働く時間が定時で決まっていないので、時間配分が悩みどころとのこと。
Wさん 会社員(30代/息子2ヵ月)
アパレル関連の会社で働くパパで、ママは育休中。1ヵ月間の育休を取って、家事や育児に専念。
Hさん 会社員&フリーランスのライター(20代/娘1歳7ヵ月)
会社員として働くパパで、ママは専業主婦。過去にこの連載でもお話を聞きました。
フリーランス、育休中、会社員、働くパパの1日は……?
――今日はよろしくお願いします。まずは皆さんの普段の生活を教えてもらえますか?
僕はフリーランスなので、毎日仕事の時間が変わりますね。主に家事を担当しますが、できる時にやるようにしています。
僕は会社員なので時間はだいたい決まっていて、家事は専業主婦の妻にまかせています。平日は帰宅後が娘と一緒に過ごせる時間ですが、最近は話したり遊んだり、楽しいですね。
ちょうど1ヵ月間の育児休業(以下育休)を取っている最中なんです。食事の支度など、家事をメインに担当しています。
――Wさんは育休中とのことですが、男性で育休を取る方が多い会社なのですか?
実は、育休を取るのは会社では僕が初めてなんです。人事や上司には半年前から相談しました。
初めてなんですね! 僕の会社も育休制度はありますが、取る人は少ないし僕自身若かったこともあって、育休しようという考えがなかったです。Wさんが育休を取ったのは、きっかけがあったんですか?
友人に育休を取った男性が多くて、「育休してよかった」と聞いて自分も絶対取ろうと思いました。みんな会社が違うものの、取得するためのアドバイスもたくさんもらいましたね。新しい発見や経験ができて、1ヵ月と言わずもっと長く取りたかったなと思っています。
――みなさん、子どもが産まれる前後で生活が大きく変わったと思います。印象に残っている「変化」はありますか?
今まで「当たり前に過ごしていた生活スケジュールができないこと」に驚きました。食事を食べようと思っても、子どもが泣き出して世話をしているうちに冷めちゃう。だから、意外と温かい食事がとれないとか(笑)
あるあるですね。僕は、妻と同じ認識だと思っていた「優先順位の変化」に最初は戸惑いました。フリーなので急に仕事が入ることもあって、以前なら妻も「仕事なら仕方ない」と仕事を優先してくれていました。今後は子どものこととぶつかった時にどうするか、優先順位の付け方が難しいです。先日も、お食い初めの日に仕事が入って困りました……。
娘が生まれてからずっと感じていますが、「妻の考えとのギャップ」がなかなか埋まらないことです。自分は人を気遣える方だと思っていたんですが、子育てに関してはよかれと思ってやってみたら妻の考えと違うことがよくあります。
こうすれば大丈夫だ! と思ってもダメなことはありますよね。僕が抱っこしたら子どもが泣いちゃったりとか。
そうなんですよね。あと、「前はそれでよかったけど、今は違う」という場合も混乱します。例えば、先日子どもが外を見たがったのでベランダの台に立たせたら、「自分で勝手に登ったら危ないから、やめてほしい」と言われたんです。この前までは何も言われなかったのに成長すると気を付けなければいけないことも変わるんだと改めて気づかされました。
成長にあわせて変わりますよね。我が家は、そこは妻の考えを尊重しています。
日中は娘といられないから、成長に合わせたことは妻のほうが詳しいですしね。だから、妻とのギャップはずっと起こり続けるものなんだろうな、と思っています。
多かれ少なかれそういうギャップはありますよね。我が家の場合、自分は家事メインでと思っていたら、妻は育児にももっと関わってほしいと思っていたようなんです。些細なことでも積み重なると、だんだん気まずくなっちゃって。これじゃいけないと思って時間の使い方を変えました。
ギャップ解決のヒントは、夫婦の時間の使い方にあり!?
――時間の使い方は、どう変えたのですか?
夜11時ぐらいに、夫婦で「話し合いの時間」を意識的に作るようにしました。この時間は娘の世話が一段落するタイミングで、かつ夫婦ともに疲れ切っているからケンカする気にならずに穏やかに話せるんです。ちょっと気になることがあっても、「夜話せばいいや」 と思えるので気が楽です。
夜ってところがポイントですね。朝や日中だと落ち着かない(笑)。我が家も夫婦で話し合う時間を作っていました。最近は娘と直接コミュニケーションを取れるようになったので、またやり方が変わってきています。
子どもを寝かしつけた後は大きな声が出せないし、柔らかい雰囲気で妻と会話ができますよね。僕もその時間に抱っこのコツを教えてもらったりしています。たて抱きって慣れないと難しい!
難しいといえば、手順が複雑な沐浴も難しいです。戸惑っているところに「違うよ」と妻から怒られると、「あー、俺は育児に向いていないかも」ってへこんで委縮しちゃうことも。そういう時は、とげとげしく怒らずに注意してほしいなあ。
1回目は教えてもらって、2回目くらいまでは見守ってほしいです。3回目は、注意したり怒られても仕方ないなと思いますね。
あと、分担する理由や内容を道筋立てて伝えてくれると理解しやすいですね。「洗濯物をたたんでほしい」と言うよりは「今授乳していて手が離せないから洗濯物をたたんでほしい」とか。そうすれば今後も「じゃあ似たような時は、洗濯物とか家事をやろう」と気づけることが多くなります。
歩み寄りが大事ですね。お互いに自分がやってほしいことを、相手に伝えて理解しあえるよう心がけたいです。
これからパパになる人へ一言伝えるなら?
――改めて、これからパパになる人にアドバイスするとしたら?
(3人そろって)
やっぱり、話し合う時間は作ったほうがいいですね!
あと僕の先輩パパからは、「緊急の時にどうするか考えたほうがいいよ」と言われました。ちょっと嫌な話ですが、「パパの出張中にママが倒れて、赤ちゃんが長時間放置された」という話を聞いたんです。我が家はどちらの実家も遠いので、もしもの時に頼れる人を作らないとですね。
全然そこまで考えていなかった。うちは妻の実家にヘルプを頼むようにはしています。後悔しているのは引っ越し。生まれる前に、住環境や保育園の預けやすさを考えて動いておけばよかったです。
自治体によっても違いますよね。僕は地域の子育て支援センターに妻と一緒に行って、ネットの情報だけでなく公的な支援情報もキャッチして活用してます。保育園の情報はもちろん、子育て支援券を使ったり、沐浴体験会に行ったり。
不安だったので、僕も沐浴体験やオムツ換え講座に参加しました。でも後から振り返ると、動かない人形で練習するのと実際に娘を相手にするのでは全然違ったなあ(笑)
そういった体験会には行かず妻から教えてもらいましたが、事前に体験していたら心の準備にはなったかもしれませんね。
あ、あとお金の話もです。学資保険とか、生まれる前から考えておけばよかったなあ。話していると、いろいろありますね。
パパ同士で話す機会があまりないし、こういった話は新鮮です。
僕の娘は二人よりもちょっと年上なので、振り返りながら参加できました。改めて、妻との話し合いの時間も大切にしたいなと思いますね。
――話は尽きないですが、みなさん今日はありがとうございました!
お子さんの年齢も、働き方も年齢も異なるパパたちでしたが、3人とも共通していたことは「夫婦で話す時間を大切にしている」「気になることがあったら怒らず教えてほしい」といった、ママとのコミュニケーションの取り方でした。また、ママと沐浴体験に行ったり育休を取ったり、積極的に話し合う時間を持とうとしたりと、当たり前のように育児をする姿が印象的でした。パパが育児に関わることは、以前よりもごく自然なことになってきているのかもしれません。
3人の話を聞いていると、夫婦でお互いをサポートしつつ、楽しみながらするのが令和時代の子育てのスタンダードになるのかもしれない、そう思えるインタビューでした。
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