働く女性が仕事と出産・育児を両立させるためには、家族や勤務先の協力が不可欠だ。昨今では多くの企業が支援制度を打ち出しているが、本当にそうした制度を利用できる雰囲気があるのかどうかを、求人情報から読み解くのは難しい。
今回は国内外から「女性が活躍できる企業」として高く評価されている世界的なコンサルティング企業、アクセンチュアで働く二人のワーキングマザーに、同社の制度や働く環境について話を聞いた。
【左】川村奈穂さん
アクセンチュア株式会社 テクノロジー コンサルティング本部 サービス・デリバリーグループ シニア・マネジャー
お客様のシステム運用保守を担うグループのシニア・マネジャーとして勤務。7歳の娘のママ。
【右】徳嶋佳子さん
アクセンチュア株式会社 テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ
クラウド専門のエンジニアチームに勤務。9歳・5歳の息子のママ。
自分の家庭と働き方に合わせて選べる、
柔軟かつ多彩な支援制度
――川村さん、徳嶋さん、よろしくお願いします。お二方ともワーキングマザーとして家庭と仕事を両立されているそうですが、まず家族構成と、現在の勤務形態を教えていただけますか?
徳嶋さん 会社員の夫と、9歳と5歳の息子の4人家族です。以前はフルタイムで働いていましたが、最初の子が生まれてからは、平均1日6時間の時短勤務制度を利用しています。夫は帰りが遅めで出張も多い仕事のため、育児や家事は私が大半を受け持っています。
川村さん うちは7歳の娘が一人います。夫もアクセンチュアの社員なので、夫とお互いにフレックス勤務で育児の時間を調整していますよ。月曜と水曜は夫、火曜と木曜は私が分担して、16時くらいに仕事を上がって娘を学童保育に迎えに行き、夕食を一緒に食べる、というスケジュールです。金曜日はお互いに個人の用事が入ることも多いので、様子を見つつ交互に担当……というルールにしています。
徳嶋さん 時短勤務はされていないんですか?
川村さん 早退した分、同じ週の別の日に残業で時間の調整をして、平均1日8時間のフルタイム勤務にする、という働き方ですね。
徳嶋さん 私も遠方のオフィスへ行かなければならない時は、子供を迎えに行く時間に合わせて退社時刻を早めて、その分、在宅勤務で時間を調整することがありますが、川村さんは柔軟なフルタイムの働き方をされているんですね。
川村さん アクセンチュアって、時間の使い方や働く場所は割と自由ですよね。私の仕事は会議が多いのですが、家からスカイプで参加することもあります。
――アクセンチュアには、【出産・育児をサポートする制度】があるそうですね。徳嶋さん、川村さんは利用されましたか?
アクセンチュアのサポート制度 01
【出産・育児をサポートする制度】
妊娠中の母体保護休暇や全14週間の出産休暇、最長子供が2歳になるまで取得できる育児休業のほか、配偶者・ライフパートナー出産休暇、子の看護休暇などのサポート制度が整っている。
アクセンチュアでは育児と働き方の志向にあわせて多様なワークスタイルを選択できるよう、法定以上の出産・育児をサポートする制度を用意している。
徳嶋さん ええ、上の子の時も下の子の時も出産休暇と、保育園に入れるまで育児休業を取りました。また、制度では無いのですが、出産のタイミングで比較的働き方に融通がきくチームに所属しました。
川村さん 私の場合、出産時はこの会社に籍がなかったので、産休育休の制度は使っていないですね。実は1997年に新卒でアクセンチュアに入社した後、一旦退職して、2003年から2014年まではフリーのコンサルタントとして同社の仕事に関わっていました。結婚と出産をしたのはその時期です。
徳嶋さん そうなんですね。よくアクセンチュア=激務というイメージを持たれがちと言われるんですが、社外の方から見てアクセンチュアで働きながら子育てをする人はどう見えていましたか?
川村さん 2011年頃、アクセンチュアに勤めているワーキングファーザーと知り合ったんですが、話を聞くと奥さんと共働きで、曜日によっては彼が仕事を早めに切り上げて、子育てをしているとのことでした。私が退社した2000年代前半はそんな働き方ができる環境ではなかったので、「アクセンチュアの働き方は、数年でずいぶん変わったんだな」と羨ましく思っていました。
その後、2015年にアクセンチュアに再入社した時には社員が当たり前に産休や育休を取るようになっていて、びっくりしました。
徳嶋さん 2006年頃から女性がもっと働きやすい環境をつくろうと、社内で【ウーマンズイニシアチブ】という活動が始まって、そこで意識が変わったんだと思います。2010年に私が初めて出産した時には、もう産休や育休は普通に取れる環境でした。
アクセンチュアのサポート制度02
【ウーマンズイニシアチブ】
アクセンチュアでは、2006年に社内の組織横断での取り組みとして「Japan Women’s Initiatives(JWI)」を発足。女性社員が最大限の能力を発揮して活躍できるよう、経営・人事・現場が一体となりさまざまな活動に取り組んでいる。
チーム育成と、専門性の発揮
育児もキャリアも、どちらも充実
――育児と会社勤めを両立させているお二人が、今、手がけられているのはどのような仕事でしょうか?
川村さん お客様の基幹システムの運用保守ユニットのリーダーをしています。保守の仕事は同じチームメンバーと長い期間仕事をするのが特徴です。以前、フリーのコンサルタントをしていた頃は自分個人の成長や目標を目指していましたが、今は自分のチームが評価されるときが一番うれしいですね。チームのメンバー一人一人が力を発揮してくれてこそ、きちんと仕事が成り立ちます。お客様から私個人を評価してもらうことよりも、チームメンバーにモチベーションを持って仕事をしてもらい、それをお客様に認めていただくことの方が難しいし、やり甲斐も大きいと思います。
徳嶋さん 私は今、クラウド専門のエンジニアとして働いています。クラウド環境でのシステム構築を請け負ったプロジェクトチームからアサイン要請を受け、お客様のシステムをクラウドに構築する設計をしたりセキュリティ対策をしたりといった仕事です。
例えば、お客様のセキュリティポリシーに合った形でシステムを構築する際、このポリシーであればこの対策が必要、といった専門知識を活用します。アサインされたチームから「徳嶋さんのようなクラウドに関する有識者がいてくれて助かった」「また別のプロジェクトでお願いしたい」と言ってもらえると、仕事をやっていて良かったと思いますね。また扱っているのがクラウドのインフラなので、お客様のセキュリティポリシー的に問題がなければ、インターネット経由で在宅作業できるのも、この仕事のメリットです。
――育児に合わせた勤務時間の調整や休暇の取得が難しかったり、遠慮を感じたりすることはありませんか?
徳嶋さん チームメンバーとのコミュニケーションさえ取れていれば、短時間勤務でも、子供の体調が悪くて急に休みを取る場合にも、皆、協力してくれますね。長期休暇も比較的取りやすい会社だと思います。私の場合は子供たちの夏休みに合わせて、毎年2~3週間の休暇を取るようにしています。もちろんちゃんと早めに周囲に「夏休みを取ります!」と宣言して、調整していますね。
川村さん 最近は男性も育休を取ったり、配偶者の体調を気遣って早退したりということが多くなってきました。今の会社のカルチャー的にも、男女問わず出産や育児を理由に休暇を取得することに引け目を感じることはあまりないです。一方で、最初に入社した20年以上前から、男女の差なくチャンスが与えられる社風は変わっておらず、仕事の面でやりたいことも追求できます。様々なスタイルで働ける環境だと思います。
ワーママ・ワーパパの意見を尊重した改善も
――周囲にワーキングマザーやワーキングファーザーが多い職場だと、社内で育児や制度についての情報交換をするような機会もありそうですね。
川村さん 私が所属しているグループでは年3回くらい、男女問わず育児中の社員が集まって「ワーママ・ワーパパランチ」をしています。情報交換以外にも、お互いに悩みを相談し合ったり、福利厚生について会社に出す提案をまとめたりしています。この間のランチでは「会社で付与される健保のポイントをamazonギフト券に変えられる!」ということを知りました(笑)
徳嶋さん 私の勤務先では女子会的なものがあって、そこでワーキングマザー同士、話をすることがありますね。そこで聞いたんですが、今は復職のサポートが充実してきて、「保活(子供を保育所に入れるための活動)」の上手なやり方をまとめた資料もあるらしいですよ。私が保活している時にも欲しかったな(笑)。
――そういった資料は育児中の人や経験者が有志でつくるんですか?
川村さん いえ、社内に【インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)】というセクションがあって、そこでつくっています。ワーキングペアレンツのサポートも、そこが中心となって取り決めています。
徳嶋さん 専門のセクションがあるから、社員の側から意見も出しやすいんです。I&Dでは寄せられた意見や要望に基づいて、こまめに改善を進めてくれているようです。ここ数年でも、制度が変わっているなという実感はあります。
アクセンチュアのサポート制度03
【インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)】
性別・国籍・カルチャーなど、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍できるよう、採用、教育研修、意識改革の促進など、先進的なアプローチを行っている組織横断的な取り組み。前述のJapan Women’s Initiativesもこの一環だ。
――仕事も育児も充実されているようですね。最後にもう一つ。お二方にとってお子さんとは、どのような存在でしょうか?
川村さん 子供が欲しかったので、妊娠したときは嬉しかったですね。生まれてみると紀元前と紀元後くらい生活が変わりましたが、子どもは何ものにも代えがたい素晴らしい存在だなと思います。また、子どもが大きくなって、趣味と体力づくりでフラダンスをはじめました。仕事と家庭以外の場所があると、気持ちがちょっと楽になります。
徳嶋さん そうですね、帰宅したときに息子たちといると、気持ちが切り替わりますし、ホッとします。アクセンチュアは仕事と子育てが両立できる環境がしっかり整備されているので、これからも長く働き続けたい会社です。
――川村さん、徳嶋さん、ありがとうございました。
「仕事と子育ての両立」は、会社の制度の有無だけでなく、それが実際に活用できるような雰囲気・環境によるところも大きい。川村さん、徳嶋さんの話を通して、アクセンチュアは、ワーキングマザー・ワーキングファーザーへの支援が手厚いため、自分の思うように仕事と子育ての両立を実現できる職場という印象を強く感じた。
現在、二人が所属するアクセンチュアのテクノロジー コンサルティング本部では経験者採用のメンバーを募集している。興味を持った方はぜひ採用サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。
[PR]提供:アクセンチュア